JP2001207803A - ガスタービン静翼の補修方法及びガスタービン静翼の補修部品管理方法並びにガスタービン静翼 - Google Patents
ガスタービン静翼の補修方法及びガスタービン静翼の補修部品管理方法並びにガスタービン静翼Info
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Abstract
補修方法を提供すること。 【解決手段】 図1(a) に示すように、シュラウド1に
亀裂Kが発生した場合、この亀裂Kをそのまま補修する
のではなくて、亀裂Kが発生した部位3全体を、矢印し
で示すように、シュラウド1から切り取り、予備品4で
置き換え、溶接部分Wで接合して補修するようにしたも
の。ここで、この予備品4は、予めガスタービン静翼で
亀裂が発生する頻度の高い部位を求めておき、その部位
と同形状の部材として用意してあるものである。
Description
けるタービンの静翼に係り、特に高温の燃焼ガスの流路
に位置し、熱疲労やクリープによる損傷を受け易くて、
定期的な保守点検を必要とするガスタービン静翼の補修
方法及びガスタービン静翼の補修部品管理方法並びにガ
スタービン静翼に関する。
機と比較して運用性に優れているという特長があり、こ
のため、ガスタービン発電プラントによれぱ、DSS
(毎日起動停止:Daily Start-up and Shutdown)やWS
S(毎週起動停止:Weekly Start-up and Shutdown)が可
能である反面、タービンの構成部品については厳しい条
件になっている。
ービン羽根車の動翼、静翼など、燃焼ガスの流路に位置
し高温に曝される部品が多数存在し、これらの部品は、
運転の起動停止に伴って熱ひずみの繰返しを受け、定常
運転中は高温環境下でクリープ変形を受けるからであ
る。
ンの部品については、従来から耐熱性に優れたニッケル
やコバルトを基材とする合金、いわゆる耐熱超合金が用
いられている。
いても、ガスタービンの場合は、ほとんど限界使用温度
に近い高温で使用され、更に上記した運用のもとでは、
他の部品に比較して、かなり早期に損傷することがあ
る。
疲労による損傷を受け易く、早めに亀裂が発生して進展
する事例が報告されており、従って、ガスタービンの運
用に際しては、定期的な点検による適切な部品の補修や
交換が不可欠で、このため、運用コストの低減は点検保
守コストの抑制に依存するところが大きい。
ので、その交換に要するコストが大で、運用コスト全体
に占める割合が著るしくなっており、このため、それに
掛かる熱応力の低減させ、損傷を抑えるのが重要な課題
になる。
公報では、静翼翼部の冷却側に、翼の高さ方向に補強材
を配設して、翼部の板厚を減らしても剛性が確保でき、
熱応力による損傷が抑えられるようにした発明について
提案しており、特開平8−135403号公報では、シ
ュラウドを、翼を有するシュラウドと、そうでないシュ
ラウトに分割することにより、構造的に与えられてしま
う拘束を抑え、熱応力を緩和する発明について提案して
いる。
は、単体の翼を何枚か連結した綴り静翼において、ピン
を介して翼が連結されるようにした上で、そのピンを、
静翼材より線膨張係数の大きな材料で作ることにより、
シュラウドの剛性を下げる方法について提案し、更に特
開平10−61406号公報では、冷却孔をスリット状
にして、冷却孔周辺での応力集中を低減させる方法につ
いて提案している。
とシュラウドの境界部分での応力集中について配慮がさ
れておらず、応力集中による静翼の損傷に問題があっ
た。すなわち、従来技術は、翼とシュラウドの各個別に
ついての応力の緩和については配慮がされているが、実
際に亀裂が発生するのは静翼とシュラウドの境界部分な
ので、従来技術では、この境界部分での亀裂の発生を抑
えることができず、従って、上記の問題が生じてしまう
のである。
ているが、このときの熱的境界条件は全ての翼で必ずし
も均等にはならず、各翼毎に異なった熱的境界条件のも
とにあり、従って、亀裂が発生する部位も各翼毎に異な
っていることが多く、各翼毎に特に高温に曝されている
部位に集中して現れるものと考えられ、従って、ガスタ
ービン静翼の長寿命化には個々の静翼で亀裂が発生する
部位における熱応力、すなわち熱変形による応力の低減
化に有効な構成を見出し、それを採用する必要がある。
化に有効なガスタービン静翼の補修方法を提供すること
にある。次に本発明の第2の目的は、熱応力の低減に必
要なガスタービン静翼の補修のための部品の管理方法を
提供することにある。更に本発明の第3の目的は、熱応
力の低減化に有効な構成を備えたガスタービン静翼を提
供することにある。
る亀裂は、主として起動停止に伴って生じる熱応力の繰
返しにより発生し、進展して行くが、このときの熱応力
は、温度変化或いは部材内の温度分布による熱変形が構
造的に拘束されることにより発生する、いわゆる変位制
御型の負荷である。
の変形が容易に起るように、すなわち剛性が低い構造に
するのが有効な手段となり、このための最も簡単な構造
の変更は、部材の板厚を抑えることであり、また、この
方法は、冷却性能の向上にも有効である。しかし、部材
の剛性を落すことは、部材のクリープ変形など永久変形
に対する信頼性の低下を伴ってしまう。
ビン静翼の亀裂が発生する頻度が高い部位を予め構造解
析や過去の実機損傷データから求め、その部位と同形状
の部材を用意して予備品とし、対象となる静翼の亀裂が
発生した部位をそっくり切り取り、この切り取った部位
と交換する形で予備品を接合させることにより達成され
る。
肉化した後、この薄肉化した部分を塞ぐようにして、冷
却孔を有する平板状の補強材を取付けて予備品するよう
にしてもよい。
かれるので、補修後に亀裂が進展する虞れはなく、交換
した予備品では、薄肉化により低剛性化と冷却効率の向
上が得られた結果、熱応力が低減され、且つ冷却孔を設
けた平板状補強材の取付けにより、冷却性の阻害を伴う
こと無く、局部的な塑性変形に対する抵抗力の向上が得
られることになる。
ガスタービン静翼において、その亀裂が発生した部分を
裏側から薄肉化した後、この薄肉化した部分に、そこを
塞ぐようにして、冷却孔を有する平板状部材を接合する
ことによっても達成される。
かれるので、補修後に亀裂が進展する虞れはなく、薄肉
化により低剛性化と冷却効率の向上が得られた結果、熱
応力が低減され、且つ冷却孔を設けた平板状補強材の取
付けにより、冷却性の阻害を伴うこと無く、局部的な塑
性変形に対する抵抗力の向上が得られることになる。
の亀裂が発生する頻度が高い部位を予め構造解析や過去
の実機損傷データから求め、その部位と同形状の部材を
用意し、この部材をその冷却側から薄肉化した後、この
薄肉化した部分に、そこを塞ぐようにして、冷却孔を有
する平板状補強材を取付けて予備品とし、対象となる静
翼の亀裂が発生した部位をそっくり切り取り、この切り
取った部位と交換する形で予備品を接合して修復する
際、管理対象となる個々のガスタービン静翼各々につい
ての損傷データを作成し、予めデータベース化して前記
予備品の員数管理をおこなうようにして達成される。
に際して、その損傷に合った予備品が常に用意されてい
るようにでき、修復によるロスタイムを最小限に抑える
ことができる。
静翼の熱応力が集中する部位を薄肉化した上で、別部材
による補強を行うようにして達成される。また、この第
3の目的は、予めガスタービン静翼の熱応力が集中する
部位については、複数の部材に分離した上で相互に嵌め
合わせることにより、応力の分担が与えられるようにし
ても達成される。
静翼の補修方法及びガスタービン静翼の補修部品管理方
法並びにガスタービン静翼について、図示の実施の形態
により詳細に説明する。
修方法について説明する。図1(a)、(b)は、本発明によ
るガスタービン静翼の補修方法の一実施形態で、これら
の図において、1は静翼ケーシング側のシュラウドで、
2は静翼の翼部であり、ここで3は熱疲労による亀裂K
が発生している部位を表わし、4は補修用の予備品であ
る。なお、静翼ケーシング側(外周側)のシュラウド1
は、エンドウォールと呼ばれることもある。
る亀裂Kは、例えば図1(a)に示すように、シュラウド
1が翼部2と接合している部分に発生することが多い。
そこで、この実施形態では、予め構造解析や過去の実機
損傷データなどに基いて、例えば上記したシュラウド1
が翼部2と接合している部分など、ガスタービン静翼で
亀裂が発生する頻度の高い部位を求めておき、その部位
と同形状の部材を予備品4として用意してある。
補修が必要になったとき、この実施形態では、同図(b)
に示すように、まずシュラウド1の亀裂Kを囲む領域に
ついて、これを亀裂が発生した部位3とした上で、図の
矢印で示すように、これをシュラウド1から切り取る。
れた後にできた空所に予備品4を嵌め込み、部位3とシ
ュラウド1及び翼部2の間を溶接し、修復するのであ
る。ここで、Wが溶接による接合部分を表わす。このと
きの予備品4は、図2に示すように、予め用意してある
部位3と同じ外形の部材について、その一部4Aを、図
では上側になる冷却側から削って薄肉化した後、この薄
肉化した部分4Bに、そこを塞ぐようにして、冷却孔5
を有する平板状部材6を取付けることにより中空部が形
成されているものである。
ド1に亀裂Kが発生した場合、この亀裂Kを含む領域が
そっくり除かれ、その後に新しく予備品4が取付けられ
るので、亀裂Kが更に進展してしまう虞れが確実に抑え
られる上、予備品4では、亀裂が発生し易い部分が薄肉
化され、これにより低剛性化と冷却性の向上により熱応
力が低減されており、且つ平板状部材6の付加により、
強度の低下を抑えながら冷却孔5による冷却性の向上が
得られている。
ービン静翼の補修作業が予備品1による置換作業になっ
ているので、補修作業が容易で修復結果にバラツキが少
なくでき、しかも予備品1による熱応力の低下と強度の
増強が加わるので、補修によりかえって信頼性の向上が
得られると共に、耐用期間の延長によるコストダウンが
充分に得られるという利点がある。
復方法では、ガスタービン静翼の補修に際して直ちに対
応する予備品が与えられるようにすることが要件とな
る。そこで、本発明によるガスタービン静翼の補修部品
管理方法について説明すると、まず、その一実施形態で
は、以下に説明するようにして、予備品の員数管理を行
うようにしている。
に、ケーシング側シュラウド1について、全体をA〜F
の6個の部位として区分けし、これにより、図4に示す
ように、各部位A〜についてについての亀裂発生状況を
表わすデータを求め、これをデータベース化し、部品管
理システムを構築しておく。
静翼について定期検査を行い、その結果から亀裂発生状
況を表わすデータを求めたものであり、ここで、縦軸
は、デフォルト値としては、補修が必要となる亀裂の長
さが設定されるもので、セグメントとは、円周方向に複
数の単位部分に分割されているガスタービン静翼の各部
分のことである。
静翼について、円周方向に複数枚、例えば図3に示すよ
うに、2枚づつの翼部を外側と内側のシュラウドと共に
まとめた部分として作成し、これを周方向に配列して組
立てるようになっており、この部分をセグメントと呼ん
でいるのである。そして、予備品を作成用意する際、図
5のフローチャートに示す処理を実行して作成用意すべ
き予備品の個数を設定するのである。
る予備品による補修が予定されているガスタービンの運
転時間や起動停止回数などの使用履歴に近い条件で使用
された他のガスタービンから過去に得られたデータを参
照する(S1)。そして、これから上記データベースを検
索し(S2)、検索結果(S3)から、部位A〜部位Fの夫
々に、どの程度の頻度で亀裂が発生しているかを求める
(S4)。
この時点で評価対象となっている予備品の点数に乗算し
(S5)、作成用意すべき各予備品の個数を設定するので
ある(S6)。
品員数の的確な管理が得られ、予備品を用いた修復方法
において、補修に際して直ちに対応する予備品が与えら
れることになり、補修によるロスタイムを最小限に抑
え、ランニングコストの低減化を充分に図ることができ
る。
修方法の他の一実施形態について、図6により説明す
る。この実施形態は、ガスタービン静翼の補修に予備品
を用いないで対処するようにした方法に関するもので、
図6において、2Aは、シュラウド1に対して翼部2の
端部が接合されている部分(図1を参照)を示したもので
あり、ここでは、図6(a)に示すように、部分2Aの先
端部とシュラウド1の接合部に接した部位1Aに亀裂K
が発生した場合を示したものである。
初、部位1A内にある亀裂Kを溶接又はろう付けにより
埋めて補修する。次に、図6(b)に示すように、補修後
の亀裂Kに沿って、それを含むようにしてシュラウド1
の面を切削し、部位1Aに薄肉化部分1Bを形成させ、
この後、図6(c)に示すように、薄肉化部分1Bを塞
ぎ、部位1Aの全体を含むようにして、冷却孔8を有す
る平板状部材7を補強材としてシュラウド1の面に溶接
し、ガスタービン静翼を修復するのである。
スタービンの運転中に高応力に曝された部位に対応する
ものと考えて良く、従って、この部位1Aに、図6(c)
に示すようにして補修を施すことにより、運転中、厳し
い動作条件のもとにある部位での低熱応力化が達成でき
ることになる。
では円周に沿って円弧状に配置されるため、そのシュラ
ウド部分も円弧に合わせた曲率を持っており、このた
め、ケーシング側(外周側)にあるシュラウドでは、運転
中、内周側の方が高温になるため、熱により曲率が小さ
くなる方向に変形しようとし、ロータ側(内周側)にある
シュラウドでは、外周側が高温になるため、変形方向は
反対になる。
と、構造的剛性による拘束の結果、熱応力が発生し、従
って図6に示した実施形態で局部的な薄肉化部分1Bが
存在した場合、この部分に変形が集中して現れる可能性
を生じるが、ここで、上記した実施形態では、補強材と
なる平板状部材7が設けられているので、変形の虞れを
充分に抑えることができる。
られているため、部材の内部に強い温度勾配が現れ、応
力にも強度勾配が生じて曲げ応力に近い状態になる。従
って、この曲げ応力に対応するため、補強材となる平板
状部材7は、主応力の発生方向に沿って取付ける必要が
ある。ここで、この主応力については、一般的には、亀
裂Kが伸びている方向と垂直な方向に働くので、上記図
6の実施形態では、平板状部材7の長手方向が亀裂Kが
伸びている方向に合わせてあり、上記の要件が満足され
ていることが判る。
分1Bが設けてある結果、上記した亀裂Kの溶接又はろ
う付けによる補修についても、良好な結果が容易に得ら
れることになっているが、以下、この点について説明す
る。まず、このような亀裂Kの断面形状は、図7(a)に
示すように、部材(この場合はシュラウド1)の表面から
略垂直に内部に入った形になっており、従って、その補
修に際しては、亀裂内への溶接金属の流入を容易にする
ため、図7(b)に示すように、部材の表面側に開先加工
10を施すのが通例である。
に深さが少ないと、図7(b)に示すように、溶接金属1
1により埋められないままになった残存欠陥K’が生じ
てしまい、充分な補修が得られない。反対に開先加工1
0が大きすぎると溶接による熱変形が大きく現れ、不具
合が生じてしまう。
(a)に示す亀裂Kが生じた場合、まず同図(b)に示すよう
に、薄肉化部分1Bが形成されるので、図示のように、
亀裂Kが生じている面の裏側にも、亀裂Kの先端が現れ
るようにでき、この結果、図7(c)に示すように、裏側
からも開先加工10’を施すことができる。
両側から溶接金属11、11’を埋めることができ、残
存欠陥が残ってしまう虞れを確実にに無くすことがで
き、信頼性の高い補修が容易に得られることになる。ま
た、このときは、薄肉化部分1Bが形成されているの
で、開先加工10、10’を溶接金属11、11’で埋
めたときでの熱変形の虞れも充分に抑えることができ
る。
いて説明する。まず、図9は本発明によるガスタービン
静翼の一実施形態を示す概念図で、図では、中空になっ
ている翼部2(図1参照)の一方の表面部材2Aだけが断
面として現れている状態を示してあり、その長さ方向の
一方の端部は一方の側のシュラウド、例えばケーシング
側のシュラウド1に一体化され、他方の端部は他方側の
シュラウド、つまりロータ側のシュラウド1’に一体化
されている様子が示されている。
側が翼部2の中空になっている側、つまり内側で、ここ
に冷却用の空気が通流されることになっており、そし
て、この実施形態では、この表面部材2Aの内側、すな
わち冷却側に、応力が発生する部位であるコーナー部1
5を挟むようにして、一方のシュラウド1から他方のシ
ュラウド1’にわたり、表面部材2Aに沿って補強部品
14を取付け、表面部材2Aの補強材としたものであ
る。
ービン静翼のように、動翼2が中空になっていて、両端
がシュラウド1、1’に一体化されている構造の場合、
最大の応力は、図示のコーナー部15に現れるが、この
ときの応力について、有権要素法により解析した結果の
一例を示したのが図10で、図中、白丸点による特性が
従来技術による補強材を持たない翼構造の場合の応力特
性で、黒丸点が、この図9の実施形態による場合の応力
特性である。
れた運転条件における部材表面の熱伝導率とガス温度、
それに、これらの起動停止に伴う変化パターンを負荷条
件として解析し、その結果を翼部2のコーナー部15で
の温度−応力のヒステリシスとして示したもので、この
とき、図9の実施形態では、表面部材2Aの厚さを従来
技術の翼部の厚さの2/3とし、補強部材14の厚さは
1/3になるようにして、合計では従来技術の翼部に於
ける厚さと同じになるようにしてある。
発明の実施形態の場合、従来技術に比較して、応力の変
動幅は約20%に低減され、定常時での応力値は約50
%も低減されてることが判る。これは、図9の実施形態
の場合、板厚が小さくされた結果、低剛性化されたこと
と、表面積が増加された結果、冷却が良好になって熱応
力が低減されたことによるものと考えられる。
が図11で、翼部2は、構成上は閉ループ状になってる
ので、図9に示すように、補強部材14が一体構成にな
っていた場合には、取付けられない。そこで、この図1
1に示すように、補強部材14を複数の部分14A、1
4Bに分割し、これらを溶接部16により接合して取付
けるようになっている。
に、複数の冷却孔8が設けてあり、これにより冷却空気
の流通と伝熱面積の増加が得られるようにしてあるが、
ここで、この実施形態の場合、補強部材14を取付けた
ことにより、静翼部分全体の剛性を高めてしまうことが
無いように構成する必要がある。従って、この実施形態
によれば、熱応力の低減化が充分に得られ、信頼性の高
いガスタービン静翼を容易に得ることができる。
一方のシュラウド1から他方のシュラウド1’に達する
ようにして、翼部2の全体にわたる補強部材14を取付
けた場合について示したが、本発明によるガスタービン
静翼は、図12及び図13に示すように、応力発生部で
あるコーナー部15にだけ補強部材を取付けた形で実施
してもよい。
て、翼部2の板厚を小さくした上で補強部材14Cを取
付けた場合の一実施形態で、図13は、シュラウド1又
はシュラウド1’の板厚を小さくした上で補強部材14
Dを取付けた場合の一実施形態であり、何れの実施形態
を採用するかは、板厚を小さくするための機械化工の難
易により決めれば良く、このときも、補強部材14C、
14Dを取付けたことにより、静翼部分全体の剛性を高
めてしまうことが無いよう、板厚の削減量との兼ね合い
を図る必要がある。
の実施形態について説明する。既に、例えば図3にも示
されているように、ガスタービン静翼では、複数枚の翼
部を1個のセグメントとして構成することが多く、この
ような1個のセグメントに複数枚の翼部を有する構造を
綴り翼構造と呼ぶが、この場合、図3に示したように、
シュラウド1の翼部2と翼部2の間が高応力部位にな
り、この部位で応力集中部となる翼部2の後縁とシュラ
ウド1のコーナー部15(図9参照)が亀裂発生の起点に
なることが多い。
ン静翼を対象とした本発明の一実施形態について、図1
4により説明する。この図14は、シュラウドの裏側、
例えばケーシング側シュラウド1では円周の外側、ロー
タ側シュラウド1’では円周の内側から見た図で、翼部
2の中空部が2Cとして見えている部分である。
が一様な板厚に作られているのではなく、同図(a)に示
されているように、裏側の主な部分1Aが周辺部1Bを
残して板厚が小さくされており、更に、上記した亀裂発
生の起点となる確率の高い部分を含むようにして、部分
1Aと周辺部1Bの一部を薄肉化した部位17が、例え
ば機械化工などにより形成してあり、更に、同図(b)に
示すように、この部位17を覆うようにして平板状の補
強材18を溶接したものである。
より周辺部1Bが失われている部分については、補強材
18の一部18Aが嵌め合う構造にしてあり、これによ
り、冷却用空気の漏洩を抑えると共に、静翼をケーシン
グに取付ける際に障害とならないようにしてある。
材18には冷却孔19が形成してあり、これにより冷却
用空気の流通を図り、伝熱面積の増加が得られるように
してある。従って、この図14の実施形態によれば、熱
応力の低減化が充分に得られ、信頼性の高いガスタービ
ン静翼を容易に得ることができる。
スタービン静翼では、静翼セグメントのケーシングに対
する取付けに際して、その取付け位置までケーシングに
沿ってスムーズに移動できるようにするため、図15に
示すように、シュラウド1の裏側にガイド部21を形成
しておくのが一般的である。
れている部分では、シュラウド1の板厚が増しているの
で、この部分ではシュラウド1の剛性が局部的に高くな
って熱応力の低減の見地からは望ましくないが、しか
し、セグメントの取付けと取外しの見地では必要な構成
である。
のガスタービン静翼に本発明を適用した場合の一実施形
態で、図示のように、従来技術におけるガイド部21に
代えて、底部の両側端に耳部23A、23Bが形成され
ているガイド部材22としてシュラウド1とは別体に作
ると共に、シュラウド1には、その周辺部に取付部24
A、24Bを形成し、これらシュラウド1の取付部24
A、24Bにガイド部材22の耳部23A、23Bを嵌
め合わせることにより、ガイド部材22がシュラウド1
に固定されるようにしたものである。
の端部と取付部24Aには、夫々ピン孔25、26を設
けておき、シュラウド1にガイド部材22を挿入嵌合さ
せた後、ガイド側のピン孔25からシュラウド側のピン
孔26内にピン(図示してない)を挿入固定し、ガイド部
材22がシュラウド1に対して移動しないようにする。
ド部材22が固定されないで摺動が可能な状態にしてお
くのが肝心であり、これにより、ガイド部材22の熱変
形による応力がシュラウド1側に伝達されないようにす
ると共に、シュラウド1にガイド部材22による剛性が
付加されないようにすることができる。
も、熱応力の低減化が充分に得られ、信頼性の高いガス
タービン静翼を容易に得ることができる。なお、この図
16では、シュラウド1から翼部2の内部(中空部)が見
えている部分の記載は省略してある。
低減が得られるので、ガスタービン静翼の長寿命化が可
能になり、ガスタービンシステムの信頼性の向上と共
に、メンテナンスコストの低減を充分に図ることができ
る。
実施形態の説明図である。
実施形態の説明図である。
実施形態の説明図である。
図である。
図である。
方法の一実施形態を説明するための流れ図である。
の一実施形態の説明図である。
明図である。
示す説明図である。
における応力特性を従来技術の場合と比較して示した特
性図である。
形態を示す説明図である。
形態を示す説明図である。
実施形態を示す説明図である。
用した場合の一実施形態を示す説明図である。
す説明図である。
用した場合の他の一実施形態を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 補修対象となるガスタービン静翼につい
て、 予め亀裂が発生する確率が高い部位を想定して予備品を
用意しておき、 当該部位に亀裂が発生したとき、前記予備品により当該
部位を置換して補修することを特徴とするガスタービン
静翼の補修方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記予備品は、応力集中部に中空部が形成され、かつ該
中空部が冷却用の孔を有することを特徴とするガスター
ビン静翼の補修方法。 - 【請求項3】 ガスタービン静翼に亀裂が発生した際、 該亀裂が発生した面の裏側を切削し、 該切削した部位を覆う平板状部材の接合により前記亀裂
が補修されるようにしたことを特徴とするガスタービン
静翼の補修方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の発明において、 前記平板状部材が冷却孔を有することを特徴とするガス
タービン静翼の補修方法。 - 【請求項5】 補修対象となるガスタービン静翼の予め
亀裂が発生する確率が高い部位を想定して予備品を用意
しておき、当該部位に亀裂が発生したとき、前記予備品
により当該部位を置換して補修する際、 前記ガスタービン静翼につして複数の部位を想定し、 これらの部位に対する定期検査結果から、各部位毎の亀
裂発生予想量を算定してデータベースを作成し、 前記ガスタービン静翼を備えたガスタービンの運用条件
に基いて前記データベースを参照し、過去の同じ運用条
件で運転されたガスタービン静翼における前記各部位毎
の亀裂発生率を求め、 該亀裂発生率に基いて前記予備品の製造個数と保管個数
の少なくとも一方を管理するようにしたことを特徴とす
るガスタービン静翼の補修部品管理方法。 - 【請求項6】 内部に中空部を備えた静翼翼部の端部に
シュラウドを有するガスタービン静翼において、 前記静翼翼部の前記中空部の中から前記端部を挟み、前
記シュラウドに達する補強部材が設けられていることを
特徴とするガスタービン静翼。 - 【請求項7】 静翼翼部の端部にシュラウドを有し、綴
り翼形式によりセグメント化されたガスタービン静翼に
おいて、 前記シュラウドのケーシング側の面の一部に形成した薄
肉部と、該薄肉部を覆って接合された平板状部材とが設
けられていることを特徴とするガスタービン静翼。 - 【請求項8】 綴り翼形式によりセグメント化され、ケ
ーシングに対する取付用のガイドを備えたガスタービン
静翼において、 前記ガイドが前記ガスタービン静翼の本体とは別の部材
として作られ、 この別の部材からなるガイドが前記ガスタービン静翼の
本体に、その長手方向に摺動可能に保持されていること
を特徴とするガスタービン静翼。
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