JPWO2003021090A1 - 排ガス浄化装置の劣化状態評価装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関の排ガス中の炭化水素を吸収する炭化水素吸着材を備えた排ガス浄化装置の劣化状態を評価する装置に関する。
背景技術
内燃機関の排気通路には、一般に三元触媒等から構成された触媒装置が備えられ、該触媒装置により排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の未燃ガスを触媒作用(酸化・還元作用)により浄化するようにしている。しかるに、この種の触媒装置は、内燃機関の冷間始動時のように、該触媒装置の温度が低い状態では活性化しておらず、このような状態では特に炭化水素の排出量が多くなりやすい。
このため、ゼオライト等の炭化水素吸着材により構成した排ガス浄化装置、あるいは、該炭化水素吸着材と三元触媒とを複合的に備えた排ガス浄化装置を内燃機関の排気通路に備えたものが知られている。この炭化水素吸着材は、比較的低温状態(例えば100℃以下)では排ガス中の炭化水素を吸着する機能を有し、ある程度の温度(例えば100〜250℃)以上に加熱されると、吸着した炭化水素を脱離するという作用を呈する。
一方、近年では排ガス浄化装置の交換の必要性等を把握するために、排ガス浄化装置の劣化状態を把握することが望まれており、このことは炭化水素吸着材を備えた排ガス浄化装置においても同様である。このような炭化水素吸着材の劣化状態を評価する技術としては、従来、例えば特開平10−159543号公報に見られるものが知られている。この技術では、炭化水素吸着材を備えた排ガス浄化装置の上流側及び下流側にそれぞれ温度センサが設けられ、炭化水素吸着材が劣化していない新品状態であるとして上流側の温度センサの検出温度から排ガス浄化装置の下流側の温度が推定される。そして、この推定温度と下流側の温度センサの検出温度との差に基づいて、炭化水素吸着材の劣化状態が評価される。
しかしながら、この技術では排ガス浄化装置の上流側及び下流側の温度センサの検出温度が環境温度等の様々の要因の影響を受け易いため、炭化水素吸着材の劣化状態を精度よく評価することは困難である。また、排ガス浄化装置の上流側及び下流側の両者に温度センサが必要となるため、コスト的にも不利である。
また、炭化水素吸着材の下流側に炭化水素センサ(HCセンサ)を設けるとともに、そのHCセンサの検出出力に基づいて炭化水素吸着材による炭化水素の吸着状態(吸着量等)を直接的に把握し、その把握した炭化水素の吸着状態により、炭化水素吸着材の劣化状態を評価するものも知られている。しかし、一般にHCセンサは炭化水素吸着材により吸着可能な全ての種類の炭化水素に反応するわけではないので、該HCセンサにより把握される炭化水素吸着材の吸着状態は、実際の炭化水素の吸着状態を十分に反映したものとはならない場合も多々ある。このため、炭化水素吸着材の劣化状態を精度よく評価することが困難となる場合も多い。さらに、HCセンサは比較的高価なものであるため、コスト的にも不利である。
そこで、本願出願人は、吸着炭化水素吸着材の下流側に設けた湿度センサ、あるいは下流側と上流側との両者に設けた湿度センサを利用して、炭化水素吸着材の劣化状態を評価する技術の開発を試みている。すなわち、本願発明者等の知見によれば、炭化水素吸着材は、炭化水素だけでなく排ガス中の水分も吸着する性質を有する。そして、その水分の吸着能力(吸着可能な最大の水分量)は、炭化水素の吸着能力(吸着可能な最大の炭化水素量)と高い相関性を有し、炭化水素吸着材の劣化の進行に伴い、水分の吸着能力と炭化水素の吸着能力とは同じように低下する。また、詳細は後述するが、炭化水素吸着材の下流側の湿度センサの出力、あるいは、下流側及び上流側の両湿度センサの出力を観測することで、炭化水素吸着材による水分の吸着状態を把握することが可能である。さらに、湿度センサはHCセンサ等よりも比較的安価である。このような湿度センサを用いることで、炭化水素吸着材の劣化状態を比較的低コストで評価することが可能であると考えられる。
ところで、例えば炭化水素吸着材の下流側に湿度センサを設けたとき、該湿度センサの出力が表す湿度(検出湿度)、すなわち炭化水素吸着材の下流側の湿度は、本願発明者等の知見によれば、内燃機関の運転開始後、次のように推移する。すなわち、内燃機関の運転開始直後は、排ガス中に含まれる水分が炭化水素吸着材により吸着されることで、基本的には炭化水素吸着材の下流側の湿度は低湿度側で大略一定レベルになる。そして、炭化水素吸着材による水分の吸着が進行して、その吸着が飽和すると、炭化水素吸着材が排ガス中の水分を吸着することができなくなるため、炭化水素吸着材の下流側の湿度は、炭化水素吸着材によって吸着されずに該炭化水素吸着材を通過する排ガス中に含まれる水分によって高湿度側に向かって単調的に増加していく。従って、炭化水素吸着材の下流側の湿度が低湿度側の湿度から単調的な増加を開始するタイミング、すなわち、該湿度が単調的な増加状態に変転する変転タイミングが炭化水素吸着材による水分の吸着が飽和するタイミング(このタイミングは炭化水素吸着材による炭化水素の吸着が飽和するタイミングでもある)となる。また、内燃機関の運転開始後、上記変転タイミングまでに炭化水素吸着材に排ガスを介して供給された積算水分量、あるいはこれに相当するものが、炭化水素吸着材が現在の吸着可能な最大水分量に対応するものとなる。従って、内燃機関の運転開始後、炭化水素吸着材の下流側の湿度の前記変転タイミングまでに炭化水素吸着材に供給された積算水分量、あるいはこれに相当するものが、炭化水素吸着材の劣化状態を表すものとなる。
従って、上述のように炭化水素吸着材の下流側に湿度センサを備えて該炭化水素吸着材の劣化状態を把握する上では、該湿度センサによる検出湿度が、低湿度側から高湿度側に向かって単調的に増加する状態に変転する変転タイミングを把握することが重要となる。
一方、炭化水素吸着材が新品状態である場合には、内燃機関の運転開始後の炭化水素吸着材の下流側の湿度は、該内燃機関の運転開始直後は、前述のように低湿度側でほぼ一定のレベルとなる。そして、このような状況では、炭化水素吸着材の下流側の湿度が単調的な増加を開始する前記変転タイミングを把握することは比較的容易である。例えば、炭化水素吸着材の下流側の湿度センサにより検出される湿度が内燃機関の運転の開始時から、若干の所定量だけ上昇した時点を変転タイミングとして把握することが可能である。
ところが、炭化水素吸着材がある程度劣化した状態では、内燃機関の運転開始前に、該炭化水素吸着材が、その周辺における排気通路内の水分を十分に吸着できずに、該排気通路内の湿度分布のばらつきを生じ易くなる。そして、このような場合には、内燃機関の運転開始後、湿度センサにより検出される湿度の上下変動を生じ易い。このため、上記のように、湿度センサにより検出される湿度が内燃機関の運転の開始時から、若干の所定量だけ上昇した時点を変転タイミングとして把握しても、その把握した変転タイミングが不正確なものとなる虞れがある。
尚、詳細は後述するが、炭化水素吸着材の下流側だけでなく、上流側にも湿度センサを備えた場合においては、炭化水素吸着材が吸着可能な水分量を把握して、該炭化水素吸着材の劣化状態を評価する上では、下流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングと共に、上流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを把握する必要がある。そして、この場合、上流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを把握する場合においても、下流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを把握する場合と同様の不都合を生じる虞れがある。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、湿度センサを用いた安価な構成で炭化水素吸着材の劣化状態を精度よく評価することができる排ガス浄化装置の劣化状態評価装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置は、2つの態様があり、その第1の態様は、炭化水素吸着材の下流側に湿度センサを備えるものである。より詳しくは、本発明の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置の第1の態様は、前記の目的を達成するために、内燃機関の排気通路を流れる排ガス中の炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を備えて該排気通路に設けられた排ガス浄化装置の劣化状態を評価する装置であって、前記炭化水素吸着材の下流側に設けられ、前記排ガスの湿度に応じた信号を出力する湿度センサと、前記内燃機関の運転開始後、前記排ガスを介して前記炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表す劣化評価パラメータを逐次生成する手段と、前記内燃機関の運転開始後、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値を採る状態から単調増加状態に転じる変転タイミングを検出する手段とを備え、該変転タイミングにおける前記劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価するようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
かかる本発明の第1の態様によれば、内燃機関の運転開始後、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値から単調増加状態に転じる変転タイミングを検出する手段を備える。このため、内燃機関の運転開始前の前記排気通路の湿度の分布状態のばらつき等により、内燃機関の運転開始直後に、前記湿度センサの出力により表される湿度が上下変動を生じても、前記変転タイミング、すなわち、前記炭化水素吸着材による排ガス中の水分の吸着が実際に飽和するタイミング(以下、吸着飽和タイミングと称することがある)を検出することができる。そして、このように検出される変転タイミングにおける前記劣化評価パラメータの値が、内燃機関の運転開始後、炭化水素吸着材による水分の吸着が飽和するまでに、該炭化水素吸着材に与えられた積算水分量を表すものとなる。換言すれば、前記変転タイミング(=吸着飽和タイミング)における劣化評価パラメータの値が、炭化水素吸着材により吸着し得る最大の水分量、ひいては炭化水素吸着材による炭化水素の吸着能力を表すものとなる。従って、この劣化評価パラメータの値に基づいて炭化水素吸着材の劣化状態を評価することで、該劣化状態を適正に評価することができる。
かかる本発明の第1の態様(第1発明)では、前記劣化評価パラメータを生成する手段は、例えば前記内燃機関が生成する排ガス中に含まれる水分量(より具体的には内燃機関が所定時間当たりに生成する排ガス中に含まれる水分量)を表すデータを該内燃機関の運転開始時から逐次積算し、その積算値を劣化評価パラメータとして生成する(第2発明)。これにより、内燃機関の運転開始時から炭化水素吸着材に供給された積算水分量としての劣化評価パラメータを得ることができる。
尚、本発明の第1の態様では、前記劣化評価パラメータは、内燃機関の運転開始時から排ガスを介して炭化水素吸着材に供給された積算水分量そのものを表すパラメータでよいことはもちろん、基本的には、該積算水分量にほぼ比例するような関係を有するものであればどのようなデータを劣化評価パラメータとして用いてもよい。例えば、内燃機関の所定時間当たりの燃料供給量は、該所定時間当たりに該内燃機関が生成する排ガス中の水分量にほぼ比例するものとなるので、該燃料供給量を排ガス中に含まれる水分量データとして用いることができる。そして、内燃機関の運転開始時から該内燃機関の燃料供給量を逐次積算したとき、その積算値は前記積算水分量にほぼ比例し、前記劣化評価パラメータとして用いることができる。
かかる本発明の第1の態様(前記第1発明あるいは第2発明)では、前記変転タイミング(吸着飽和タイミング)における劣化評価パラメータの値を前記内燃機関の運転開始時における前記炭化水素吸着材の温度状態に応じて設定した所定の閾値と比較することにより前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することが好適である(第3発明)。
すなわち、内燃機関の運転開始時から、前記変転タイミング(吸着飽和タイミング)までに該炭化水素吸着材により吸着される水分量は、内燃機関の運転開始時における炭化水素吸着材の温度状態の影響を受け、基本的には、該炭化水素吸着材の温度が低い程、吸着飽和タイミングまでに吸着される水分量は多くなる。従って、吸着飽和タイミングにおける劣化評価パラメータの値を内燃機関の運転開始時の炭化水素吸着材の温度状態に応じて設定した閾値と比較することで、炭化水素吸着材の劣化状態を精度よく評価することができる。
尚、炭化水素吸着材の温度状態に関しては、該炭化水素吸着材そのものの温度状態をセンサや推定処理等により把握するようにすればよいことはもちろんであるが、該炭化水素吸着材の温度とほぼ同等の温度を有するものの温度状態(例えば内燃機関の機関温度)を把握し、それを炭化水素吸着材の温度状態を表すものとして用いるようにしてもよい。
また、本発明の第1の態様(第1〜第3発明)では、前記変転タイミングを検出する手段は、より具体的には例えば、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から所定量以上上昇した時点を前記変転タイミングとして検出する(第4発明)。これにより、前記変転タイミング(吸着飽和タイミング)を容易に検出することができる。
但し、湿度センサの出力により表される湿度の変転タイミング前における該湿度の変動の影響をより確実に排除して、該変転タイミングを検出するためには、次のように変転タイミングを検出することが好適である。すなわち、本発明の第1の態様(第1〜第3発明)では、前記変転タイミングを検出する手段は、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から所定量以上上昇した時点を暫定的な変転タイミングとして該時点における前記劣化評価パラメータの値を記憶保持し、その後、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあらかじめ定めた所定の上限値まで上昇したときに、前記暫定的な変転タイミングを真の変転タイミングとして確定することがより好適である(第5発明)。
これによれば、湿度センサの出力により表される湿度が、最後に採った極小値から所定量以上上昇した時点が真の変転タイミング(吸着飽和タイミング)として確定される。従って、湿度センサの出力により表される湿度が単調増加状態に転じる真の変転タイミングを確実に把握することができる。逆に言えば、真の変転タイミングが生じる前に、湿度センサの出力により表される湿度が、一時的に前記所定量以上に変動したような場合であっても、その変動時点が誤って変転タイミングとして検出されてしまうような事態を回避することができる。
尚、この第5発明において、前記所定の上限値は、例えば、湿度センサが表す湿度の増加によって該湿度が最終的に到達する(収束する)定常値に近い値に設定しておけばよい。
このような第5発明においては、さらに前記暫定的な変転タイミングを真の変転タイミングとして確定したとき、該暫定的な変転タイミングの直前の前記極小値に前記所定量を加えた値と、前記所定の上限値との差があらかじめ定めた所定の下限値以上であるときにのみ、前記真の変転タイミングにおける劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することが好ましい(第6発明)。
すなわち、暫定的な変転タイミングの直前の前記極小値に前記所定量を加えた値と、前記所定の上限値との差が小さいときには、炭化水素吸着材の水分の吸着の飽和が生じた後に、湿度センサの出力により表される湿度が外乱等の影響で一時的に低下するような現象が生じた可能性がある。そして、このような場合には、前述のように真の変転タイミングとして確定されるタイミングは、炭化水素吸着材の実際の飽和が生じた吸着飽和タイミングとしては不適正なものとなる虞れがある。そこで、本発明(第6発明)では、上記のように暫定的な変転タイミングの直前の前記極小値に前記所定量を加えた値と、前記所定の上限値との差が所定の下限値以上である場合にのみ、前記真の変転タイミングにおける劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価する。これにより、炭化水素吸着材の劣化状態の評価の信頼性を確保することができる。
次に本発明の第2の態様を説明する。ここで、本発明の第2の態様について補足説明をしておく。内燃機関の運転停止中に炭化水素吸着材は、その周囲の水分を多少吸着するため、内燃機関の運転開始時における炭化水素吸着材の近傍の湿度は、該炭化水素吸着材の上流側を含めて比較的低湿度になっている。また、内燃機関の運転を開始しても、内燃機関で生成された水分を含んだ排ガスが炭化水素吸着材の入り口近傍に達するまでには多少の遅れを伴う。このため、炭化水素吸着材の上流側の湿度は、内燃機関の運転開始直後は、比較的短い時間、低湿度になっており、その後、高湿度の排ガスが炭化水素吸着材の入り口近傍に達することで該炭化水素吸着材の上流側の湿度が低湿度側から、高湿度側に単調増加する状態に変転する。この場合、炭化水素吸着材の上流側の湿度が低湿度側から単調増加状態に変転する変転タイミングは、内燃機関の排気系の構成や炭化水素吸着材の上流側に備えた触媒装置による吸湿等の影響によってばらつきを生じることがある。そして、このような場合には、炭化水素吸着材による実質的な排ガス中の水分の吸着の開始タイミングがばらつきを生じることとなる。このため、このような場合には、炭化水素吸着材の劣化状態(HC及び水分の吸着能力)をより適正に評価する上では、炭化水素吸着材の上流側の湿度が低湿度側から高湿度側に向かって単調増加状態となる変転タイミングを、炭化水素吸着材の上流側に備えた湿度センサを用いて検出し、上流側の湿度センサの出力の変転タイミングから下流側の湿度センサの出力の変転タイミングまでに炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表すデータを劣化評価用パラメータとして取得することが好ましい。
また、このように上流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを検出する場合にあっても、内燃機関の運転開始前における排気通路の湿度分布のばらつき等によって、上流側の湿度の変転タイミング前における該湿度は変動を生じることがある。従って、上流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを検出する場合にも、下流側の湿度センサによる検出湿度の変転タイミングを検出する場合と同様の手法を用いることが好ましい。
そこで、本発明の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置の第2の態様は、前記の目的を達成するために、内燃機関の排気通路を流れる排ガス中の炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を備えて該排気通路に設けられた排ガス浄化装置の劣化状態を評価する装置であって、前記炭化水素吸着材の下流側及び上流側にそれぞれ設けられ、前記排ガスの湿度に応じた信号を出力する下流側湿度センサ及び上流側湿度センサと、前記内燃機関の運転開始後、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値を採る状態から単調増加状態に転じるタイミングを上流側変転タイミングとして検出する手段と、前記内燃機関の運転開始後、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が極小値を採る状態から単調増加状態に転じるタイミングを下流側変転タイミングとして検出する手段と、前記上流側変転タイミングから下流側変転タイミングまでに内燃機関の排ガスを介して前記炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表す劣化評価パラメータを生成する手段とを備え、該劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価するようにしたことを特徴とするものである(第7発明)
かかる本発明の第2の態様によれば、炭化水素吸着材の下流側の湿度に関しては、前記第1発明と同様、内燃機関の運転開始前の前記排気通路の湿度の分布状態のばらつき等により、内燃機関の運転開始直後に、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が上下変動を生じても、前記下流側変転タイミング、すなわち、前記炭化水素吸着材による排ガス中の水分の吸着が実際に飽和する吸着飽和タイミングを検出することができる。また、炭化水素吸着材の上流側の湿度に関しては、内燃機関の運転開始後、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値から単調増加状態に転じる上流側変転タイミングを検出する手段を備える。このため、炭化水素吸着材の下流側の場合と同様、内燃機関の運転開始前の前記排気通路の湿度の分布状態のばらつき等により、内燃機関の運転開始直後に、上流側湿度センサの出力により表される湿度が上下変動を生じても、前記上流側変転タイミング、すなわち、前記炭化水素吸着材による排ガス中の水分の吸着が実質的に開始するタイミング(以下、吸着開始タイミングと称することがある)を検出することができる。
そして、本発明の第2の態様では、このように検出される上流側変転タイミングから下流側変転タイミングまでに内燃機関の排ガスを介して前記炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表す劣化評価パラメータが生成される。このため、該劣化評価パラメータの値は、内燃機関の運転開始後、炭化水素吸着材による水分の吸着が実質的に開始してから飽和するまでに、該炭化水素吸着材に与えられた積算水分量を表すものとなる。従って、本発明の第2の態様における劣化評価パラメータの値は、炭化水素吸着材により吸着し得る最大の水分量、ひいては炭化水素吸着材による炭化水素の吸着能力を表すものとしてより精度の高いものとなる。よって、この劣化評価パラメータの値に基づいて炭化水素吸着材の劣化状態を評価することで、該劣化状態をより適正に評価することができる。
かかる本発明の第2の態様(第7発明)では、前記第1の態様に係わる第2〜第6発明と同様の好適な形態を採ることができる。すなわち、前記劣化評価パラメータを生成する手段は、例えば前記内燃機関が生成する排ガス中に含まれる水分量(より具体的には内燃機関が所定時間当たりに生成する排ガス中に含まれる水分量)を表すデータを該内燃機関の運転開始時から逐次積算し、前記上流側湿度センサに係わる変転タイミングにおける当該積算値と、前記下流側湿度センサに係わる変転タイミングにおける当該積算値との偏差分を劣化評価パラメータとして求める(第8発明)。これにより、前記上流側変転タイミングから下流側変転タイミングまでに炭化水素吸着材に供給された積算水分量としての劣化評価パラメータを得ることができる。
尚、本発明の第2の態様における前記劣化評価パラメータは、前記上流側変転タイミングから下流側変転タイミングまでに排ガスを介して炭化水素吸着材に供給された積算水分量そのものを表すパラメータでよいことはもちろん、基本的には、該積算水分量にほぼ比例するような関係を有するものであればどのようなデータを劣化評価パラメータとして用いてもよい。例えば、前記第1の態様で説明したように内燃機関の所定時間当たりの燃料供給量は、排ガス中に含まれる水分量データとして用いることができるので、内燃機関の運転開始時から該内燃機関の燃料供給量の逐次積算したとき、上流側変転タイミングにおける燃料供給量の積算値と、下流側変転タイミングにおける燃料供給量の積算値との偏差分を前記劣化評価パラメータとして用いることができる。
また、前記第1の態様でも説明したように、炭化水素吸着材の温度が低い程、該炭化水素吸着材が下流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)までに吸着する水分量は多くなるので、本発明の第2の態様(前記第7あるいは第8発明)では、前記劣化評価パラメータの値を前記内燃機関の運転開始時における前記炭化水素吸着材の温度状態に応じて設定した所定の閾値と比較することにより前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することが好適である(第9発明)。これにより、炭化水素吸着材の劣化状態を精度よく評価することができる。尚、炭化水素吸着材の温度状態の把握は、前記第1の態様で説明したように行うようにすればよい。
また、本発明の第2の態様(第7〜第9発明)では、前記変転タイミングを検出する手段は、より具体的には例えば、前記上流側変転タイミングを検出する手段は、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第1所定量以上上昇した時点を前記上流側変転タイミングとして検出し、前記下流側変転タイミングを検出する手段は、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第2所定量以上上昇した時点を前記下流側変転タイミングとして検出する(第10発明)。これにより、上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)と、下流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)とを容易に検出することができる。
但し、各湿度センサの出力により表される湿度の変転タイミング前における該湿度の変動の影響をより確実に排除して、上流側及び下流側該変転タイミングを検出するためには、次のようにすることが好適である。すなわち、前記上流側変転タイミングを検出する手段は、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第1所定量以上上昇した時点を暫定的な上流側変転タイミングとして検出し、その後、該上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあらかじめ定めた所定の第1上限値まで上昇したときに、前記暫定的な上流側変転タイミングを真の上流側変転タイミングとして確定し、前記下流側変転タイミングを検出する手段は、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第2所定量以上上昇した時点を暫定的な下流側変転タイミングとして検出し、その後、該下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあかじめ定めた所定の第2上限値まで上昇したときに、前記暫定的な下流側変転タイミングを真の下流側変転タイミングとして確定する(第11発明)。
これによれば、上流側湿度センサの出力により表される湿度が、最後に採った極小値から第1所定量以上上昇した時点が真の上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)として確定される。同様に、下流側湿度センサの出力により表される湿度が、最後に採った極小値から第2所定量以上上昇した時点が真の下流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)として確定される。従って、各湿度センサ毎に、その出力により表される湿度が単調増加状態に転じる真の変転タイミングを確実に把握することができる。そして、真の変転タイミングが生じる前に、各湿度センサの出力により表される湿度が、一時的に所定量(第1又は第2所定量)以上に変動したような場合であっても、その変動時点が誤って変転タイミングとして検出されてしまうような事態を回避することができる。
尚、上記の第10あるいは第11発明において、前記第1所定量及び第2所定量は、上流側湿度センサ及び下流側湿度センサが同種のセンサ(同一特性のセンサ)である場合には、基本的には同一の値でよいが、上流側と下流側での湿度の変化速度等を考慮して各別の値を設定しておくようにしてもよい。また、前記第11発明において、前記第1上限値は、例えば、上流側湿度センサが表す湿度の増加によって該湿度が最終的に到達する(収束する)定常値に近い値に設定しておけばよい。このことは、下流側湿度センサに係わる前記第2上限値でも同様である。そして、両湿度センサが同種のもの(同一特性のセンサ)である場合には、それらの第1上限値及び第2上限値は同じ値であってもよい。
上述のような第11発明においては、さらに前記暫定的な上流側変転タイミングを真の上流側変転タイミングとして確定すると共に、前記暫定的な下流側変転タイミングを真の下流側変転タイミングとして確定したとき、該暫定的な上流側変転タイミングの直前における前記上流側湿度センサに係わる湿度の極小値に前記第1所定量を加えた値と、前記所定の第1上限値との差があらかじめ定めた所定の第1下限値以上であり、且つ、前記暫定的な下流側変転タイミングの直前における前記下流側湿度センサに係わる湿度の極小値に前記第2所定量を加えた値と、前記所定の第2上限値との差があらかじめ定めた所定の第2下限値以上であるときにのみ、前記真の下流側変転タイミングから真の上流側変転タイミングまでの前記積算水分量を表す前記劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することが好ましい(第12発明)。
すなわち、炭化水素吸着材の上流側の湿度に関して、暫定的な変転タイミングの直前における上流側湿度センサに係わる極小値に前記第1所定量を加えた値と、前記所定の第1上限値との差が小さいときには、水分を多く含んだ排ガスが炭化水素吸着材の入り口近傍に到達して、該炭化水素吸着材による実質的な水分の吸着が開始した後に、上流側の湿度が外乱等の影響で一時的に低下するような減少が生じた可能性がある。そして、このような場合には、真の上流側変転タイミングとして確定されるタイミングは、実際の吸着開始タイミングとしては不適正なものとなる。また、炭化水素吸着材の下流側の湿度に関しては、前記第1の態様に係わる第6発明の場合と同様に、暫定的な下流側変転タイミングの直前における下流側湿度センサに係わる極小値に前記第2所定量を加えた値と、前記所定の第2上限値との差が小さいときには、真の下流側変転タイミングとして確定されるタイミングは、炭化水素吸着材の実際の飽和が生じた吸着飽和タイミングとしては不適正なものとなる。
このため、本発明(第12発明)では、前記のように暫定的な上流側変転タイミングの直前における上流側湿度センサに係わる湿度の極小値に第1所定量を加えた値と、所定の第1上限値との差があらかじめ定めた所定の第1下限値以上であり、且つ、暫定的な下流側変転タイミングの直前における下流側湿度センサに係わる湿度の極小値に第2所定量を加えた値と、所定の第2上限値との差があらかじめ定めた所定の第2下限値以上であるときにのみ、前記真の下流側変転タイミングから真の上流側変転タイミングまでの積算水分量を表す前記劣化評価パラメータの値に基づき炭化水素吸着材の劣化状態を評価する。これにより、炭化水素吸着材の劣化状態の評価の信頼性を確保することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1実施形態を図1〜図7を参照して説明する。本実施形態は、本発明の第1の態様に係わる実施形態である。図1は本実施形態の装置の全体的システム構成を示すブロック図であり、1は例えば自動車やハイブリッド車に搭載されるエンジン(内燃機関)である。このエンジン1は、通常のエンジンと同様、スロットル弁2や燃料噴射器3を備えた吸気管4から空気と燃料との混合気を吸入して燃焼させ、その燃焼により生成される排ガスを排気管(排気通路)5に排出する。そして、排気管5には、エンジン1の排ガスを浄化するために、触媒装置6と、炭化水素吸着材7(以下、HC吸着材7という)を内蔵した排ガス浄化装置8とが上流側から順に装着されている。尚、以下の説明において、排気管5のうち、触媒装置6の上流側の部分及び下流側の部分をそれぞれ上流排気管5a、下流排気管5bという。この場合、下流排気管5bの下流端部は大気側に開放されている。
触媒装置6は、図示を省略する三元触媒を内蔵するものであり、その内部に上流排気管5aから供給されるエンジン1の排ガス中の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)等の浄化対象成分を酸化・還元反応により浄化するものである。
前記排ガス浄化装置8は、前記下流排気管5bの外周を覆うように該下流排気管5bに装着された略円柱形状のハウジング9を備え、このハウジング9の中心部を下流排気管5bが貫通している。そして、該ハウジング9の内周面と下流排気管5の外周面との間に形成された筒状の空間10が下流排気管5bから排ガスを分流させるバイパス排気通路10となっており、このバイパス排気通路10に、筒状に形成された前記HC吸着材7が装填されている。該HC吸着材7は、従来のものと同様、ゼオライト系の材料から成り、エンジン1の運転開始後の初期段階で排ガス中のHCを吸着するためのものである。
このようにHC吸着材7を備えた排ガス浄化装置8のバイパス排気通路10は、HC吸着材7の上流側におけるハウジング9の内部で下流排気管5bに穿設された複数の通孔11を介して該下流排気管5bの内部に連通されている。また、バイパス排気通路10は、HC吸着材7の下流側でハウジング9から導出された合流管12を介して下流排気管5bに連通して合流されている。さらに、バイパス排気通路10は、HC吸着材7の下流側でハウジング9から導出されたEGR通路(排気還流路)13を介して前記スロットル弁2の下流側における吸気管4に還流されている。
尚、EGR通路13は、排ガス中の未燃ガスをエンジン1で燃焼させるために、エンジン1の運転中の所定の条件下で、排ガスをエンジン1の吸気側に戻すためのものである。そして、このEGRR通路13には、これを開閉する開閉弁(電磁弁)14が設けられている。
前記下流排気管5bと合流管12との合流箇所Aには、その合流箇所Aの上流側の下流排気管5bとバイパス排気通路10とのいずれか一方のみを大気側に開放する切換弁15が設けられている。この切換弁15は、図示しないモータ等のアクチュエータにより駆動されるものであり、図1の実線示の状態に駆動されたときには、上記合流箇所Aで下流排気管5bの上流部分(合流箇所Aよりも上流側の部分)を大気側に対して遮断すると同時に、バイパス排気通路10を大気側に開放する。また、切換弁15は、図1の仮想線示の状態に駆動されたときには、下流排気管5bを大気側に開放すると同時に、バイパス排気通路10を大気側に対して遮断する。
本実施形態の装置は、上述したような機構的構成の他、エンジン1の運転制御やHC吸着材7の劣化状態の評価等を行うために、次のような構成を具備している。すなわち、本実施形態の装置では、エンジン1の運転制御(前記EGR通路13の開閉弁14や切換弁15の制御を含む)を行うコントローラ16(以下、ECU16という)と、HC吸着材7の劣化状態を評価するための処理を実行する劣化評価処理装置17と、その劣化状態の評価結果に応じた報知を行うための劣化報知器18と、HC吸着材7を通過した排ガスの湿度を検出すべく該HC吸着材7の下流側で前記ハウジング9に取付けられた湿度センサ19とを備えている。ここで、前記ECU16及び劣化評価処理装置17は、マイクロコンピュータ等により構成されたものである。また、前記劣化報知器18は、ランプやブザー、あるいは文字、図形等を表示可能な表示器などにより構成されたものである。また、湿度センサ19は、本実施形態では、図2に示すように、湿度(より詳しくは相対湿度)に応じた出力電圧を発生するものであり、湿度センサ19の出力電圧は、湿度の増加に伴いほぼリニアに低下していく。
前記ECU16には、図示しないセンサからエンジン1の回転数NE、機関温度TW(具体的にはエンジン1の冷却水温)等の検出データが与えられると共に、図示しない運転スイッチからエンジン1の運転開始指令信号や運転停止指令信号が与えらるようになっている。そして、ECU16は、与えられた検出データや指令信号、あらかじめ定められた制御プログラム等に基づいてエンジン1の運転制御を行う。具体的には、図示しないアクチュエータを介したスロットル弁2の開度制御、燃料噴射器3の燃料噴射量の制御、図示しない点火装置の制御、図示しないスタータモータによるエンジン1の始動制御、前記EGR通路13の開閉弁14の制御、前記切換弁15の駆動制御等を行う。
この場合、本実施形態では、ECU16は、本発明における劣化評価パラメータを逐次求める手段としての機能を有しており、エンジン1への燃料供給量の制御のためにECU16が所謂TDCに同期したタイミング(エンジン1の回転数NEに同期したタイミング)で逐次生成する燃料噴射器3の燃料噴射量の指令値をエンジン1の運転開始時から逐次積算(累積加算)してなる積算値を、エンジン1の運転開始時から排ガス浄化装置8のHC吸着材7に排ガスを介して与えた積算水分量を表す劣化評価パラメータとして逐次求める処理を実行する。すなわち、エンジン1に供給される燃料の量と、その燃料及び空気の混合気の燃焼により排ガス中に含まれる水分の量との間にはほぼ一定の相関関係があり、エンジン1の運転開始時からHC吸着材7に排ガスを介して与えられる積算水分量は、燃料噴射量の指令値の積算値に応じたものとなる。このため、本実施形態では、燃料噴射量の指令値の積算値(以下、積算燃料噴射量Σtcylと称する)を劣化評価パラメータとしECU16により算出するようにしている。尚、積算水分量を表す劣化評価パラメータとしては、燃料噴射量の指令値の積算値に限らず、例えばエンジン1の吸入空気量の検出値もしくは推定値の積算値を用いるようにしてもよい。また、例えばエンジン1のアイドリング状態では、エンジン1の運転開始時からの経過時間を積算水分量を表す劣化表評価パラメータとして用いるようにしてもよい。
前記劣化評価処理装置17には、前記湿度センサ19の出力電圧(湿度の検出信号)が与えられると共に、前記ECU16から前記積算燃料噴射量Σtcylのデータや、エンジン1の機関温度TWのデータが与えられるようになっている。そして、劣化評価処理装置17は、与えられたデータやあらかじめ定められたプログラム等に基づいて、後述するように排ガス浄化装置8のHC吸着材7の劣化状態を評価する。この場合、劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の劣化状態を排ガス浄化装置8の交換を要する程度に劣化が進行した状態(以下、劣化進行状態という)と、該劣化進行状態までには至らない状態(以下、未劣化状態という)とに分別して評価するようにしている。そして、該劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の劣化状態が前記劣化進行状態であると判断したときに、その旨を前記劣化報知器18により報知させるようにしている。尚、劣化評価処理装置17は、ECU16と相互に各種のデータを授受可能としており、HC吸着材7の劣化状態の評価処理に関連したデータ(例えば、HC吸着材7による水分の吸着が飽和したか否か等のデータ)をECU16に与えることが可能となっている。
次に、本実施形態の装置の作動、特に、HC吸着材7の劣化状態の評価に係わる作動を詳細に説明する。
エンジン1の運転を開始すべく図示しない運転スイッチをON操作すると、ECU16及び劣化評価処理装置17が起動する。そして、ECU16は、前記切換弁15を図示しないモータにより図1の仮想線示の状態に駆動しておく。これにより、前記下流排気管5bを前記合流箇所Aで遮断すると共に、排ガス浄化装置8のバイパス排気通路10を大気側に開放しておく。次いで、ECU16は、図示しないスタータモータを制御して、エンジン1のクランク軸(図示しない)を回転駆動させる。さらに、ECU16は、燃焼噴射器3を制御してエンジン1への燃料供給を行わしめると共に、図示しない点火装置を制御することで、エンジン1を始動させる。そして、ECU16は、エンジン1の燃料供給を開始してから、前記積算燃料噴射量Σtcylを逐次算出する。
このようにしてエンジン1の運転が開始されると、該エンジン1の排ガスは、前記上流排気管5a、触媒装置6、下流排気管5bの上流部分(触媒装置6から前記通孔11にかけての部分)、バイパス排気通路10、HC吸着材7、合流管12、及び下流排気管5bの下流部分(切換弁15よりも下流側の部分)を介して大気側に排出される。このとき、排ガスがバイパス排気通路10のHC吸着材7を通過する過程で、該排ガス中のHCがHC吸着材7により吸着される。従って、エンジン1の冷間始動を行った場合のように触媒装置6が未だ活性化していない段階であっても、大気側にHCが排出されるのが防止される。尚、HC吸着材7は、排ガス中のHCを吸着すると共に、該排ガス中の水分も吸着する。
一方、劣化評価処理装置17は、その起動後、まず、図3のフローチャートに示す処理を実行する。この処理は、エンジン1の運転開始時(始動時)にのみ行われる処理である。
劣化評価処理装置17は、まず、ECU16から与えられるエンジン1の運転開始時の機関温度TW(以下、初期機関温度TWという)の検出データを、該運転開始時のHC吸着材7の温度状態を表すデータとして取得する(STEP1)。尚、このデータは、例えばHC吸着材7もしくはその近傍の温度を検出するセンサを備えた場合には、そのセンサにより取得するようにしてもよい。
次いで、劣化評価処理装置17は、前記初期機関温度TWが所定の範囲内(TWL≦TW≦TWH)にあるか否かを判断する(STEP2)。このとき、初期機関温度TWが、上記所定範囲内に無い場合には、HC吸着材7の後述する劣化状態の評価を禁止するために、フラグF/MCNDの値が「0」に設定される(STEP3)。そして、この場合には、図3のルーチン処理は終了する。このようにするのは、HC吸着材7の温度が過剰に低い(例えば0℃以下)場合、あるいは過剰に高い場合(例えば50℃以上)には、HC吸着材7の劣化状態の評価を適正に行うことが困難であるからである。
一方、STEP2の判断で、初期機関温度TWが上記所定範囲内の温度である場合には、劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の劣化状態の評価処理を実行するために、前記フラグF/MCNDの値を「1」に設定する(STEP4)。さらに、劣化評価処理装置17は、湿度センサ19の現在の出力電圧VRSTのデータを取得し(STEP5)、この出力電圧VRSTに対応する相対湿度VHUMD0をエンジン1の運転開始時の初期相対湿度として求める(STEP6)。この初期相対湿度VHUMDは、図2に示した湿度センサ19の出力特性を表すデータテーブルあるいは演算式等に基づいて、STEP5で取得した出力電圧VRSTの値から求められる。
そして、劣化評価処理装置17は、上記初期相対湿度VHUMD0の値を、HC吸着材7の下流の湿度センサ19の箇所における湿度(相対湿度)の極小値の最新値を表すパラメータVHUMD/MIN(以下、極小湿度パラメータVHUMD/MINという)の値と、該相対湿度の前回値(劣化評価処理装置17が処理を行うサイクルタイム毎の前回値)を表すパラメータVHUMD/PRE(以下、前回相対湿度パラメータVHUMD/PREの値として記憶保持する(STEP7)。すなわち、これらのパラメータVHUMD/MIN、VHUMD/PREの値を、エンジン1の運転開始時におけるHC吸着材7の下流側の湿度(相対湿度)としての初期相対湿度VHUMD0の値で初期化する。
次いで、劣化評価処理装置8は、STEP1で取得した初期機関温度TWの検出データから、図4に実線で示すようにあらかじめ定められたデータテーブルにより、HC吸着材7が前記劣化進行状態であるか前記未劣化状態であるかを判断するための劣化評価用閾値TRSDTを求め(STEP8)、図3のルーチン処理を終了する。
ここで、HC吸着材7は、その初期温度が低い程、吸着可能な水分の最大量、ひいては、吸着可能なHCの最大量が多くなるので、図4の実線示のデータテーブルでは、劣化評価用閾値TRSDTは、基本的には、エンジン1の運転開始時の機関温度TWが低い程、大きな値になるように定められている。該劣化評価用閾値TRSDTは、HC吸着材7が未劣化状態から劣化進行状態になった時において、HC吸着材7が吸着可能な水分の最大量(これは吸着可能なHCの最大量に対応し、本実施形態では実際の水分量の代わりに積算燃料噴射量を代用している)に相当するものであり、あらかじめ実験等に基づいて定められたものである。尚、図4の仮想線のデータテーブルは後述の第3実施形態に関すものである。
劣化評価処理装置17は、図3のルーチン処理をエンジン1の運転開始時に実行した後、所定のサイクルタイムで図5及び図6のフローチャートに示す処理を実行する。
すなわち、劣化評価処理装置17は、まず、HC吸着材7の劣化状態の評価処理が完了したか否かをそれぞれ値「1」、「0」で示すフラグF/DONEの値を判断する(STEP11)。ここで、フラグF/DONEの値は、エンジン1の運転が開始される毎に「0」に初期化されるものである。このときF/DONE=1である場合には、HC吸着材7の劣化状態の評価処理が完了しているので、図5及び図6のルーチン処理が終了される。
また、F/DONE=0である場合には、劣化評価処理装置17は、さらに前記フラグF/MCNDの値を判断する(STEP12)。このとき、F/MCND=0である場合には、劣化評価処理装置17は、前述のようにHC吸着材7の初期温度が劣化状態を評価する上で不適切な温度状態であるので、次回のサイクルタイム以後、劣化状態の評価処理を省略するために、フラグF/DONEの値を「1」に設定し(STEP13)、図5及び図6のルーチン処理を終了する。
一方、STEP12でF/MCND=1であった場合には、劣化評価処理装置17は、湿度センサ19の現在の出力電圧VRSTのデータを取得し(STEP14)、その出力電圧VRSTに対応する現在の相対湿度VHUMDを求める(STEP15)。この場合、該相対湿度VHUMDは、図2に示した湿度センサ19の出力特性を表すデータテーブルあるいは演算式等に基づいて、STEP14で取得した出力電圧VRSTの値から求められる。
そして、劣化評価処理装置17は、この相対湿度VHUMDの値と、前記前回相対湿度パラメータVHUMD/PREの現在値とを比較する(STEP16)。このとき、VHUMD≧VHUMD/PREである場合には、劣化評価処理装置17は、湿度センサ19の出力電圧が表す湿度が増加している状態であるか減少している状態であるかをそれぞれ値「1」、「0」で表すフラグf/incの値を「1」に設定した後(STEP17)、後述するSTEP20の処理を実行する。また、VHUMD<VHUMD/PREである場合には、劣化評価処理装置17は、前記極小湿度パラメータVHUMD/MINの値を、STEP15で求めた相対湿度VHUMDの最新値に更新する(STEP18)。さらに、この場合、劣化評価処理装置17は、相対湿度VHUMDが減少傾向であるとしてフラグf/incの値を「0」に設定した後(STEP19)、STEP20の処理を実行する。上述のようなSTEP16〜19の処理によって、湿度センサ19による相対湿度VHUMDが減少している状態では、極小湿度パラメータVHUMD/MINの値が劣化評価処理装置17の処理のサイクルタイム毎に、逐次更新されていくこととなる。そして、極小湿度パラメータVHUMD/MINの値は、相対湿度VHUMDが増加している状態では更新されず、この増加状態が開始する直前の相対湿度VHUMDの極小値(最新の極小値)に維持されることとなる。
劣化評価処理装置17は、STEP20において、前回相対湿度パラメータVHUMD/PREの値を、STEP15で求めた相対湿度VHUMDの最新値に更新した後、相対湿度VHUMDの最新値を、極小湿度パラメータVHUMD/MINの現在値にあらかじめ定めた所定量VHUMD/SK(図8参照。図8については後述する)を加えた値(=VHUMD/MIN+VHUMD/SK。以下、この値を暫定増加判断閾値という)と比較する(STEP21)。このとき、VHUMD≦暫定増加判断閾値である場合には、劣化評価処理装置17は、後述の図6のSTEP26の判断処理を実行し、VHUMD>暫定増加判断閾値である場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/skの値を判断する(STEP22)。ここで、このフラグf/skは、相対湿度VHUMDが増加状態(f/inc=1の状態)であって、前回のサイクルタイムにおける相対湿度VHUMDがVHUMD≦暫定増加判断閾値であり、且つ、今回のサイクルタイムにおける相対湿度VHUMDがVHUMD>暫定増加判断閾値となった時点のサイクルタイムにおいて、相対湿度VHUMDが暫定的に極小値から単調的な増加傾向に転じたとして「1」に設定されるものであり、その相対湿度VHUMDの減少状態(f/inc=0の状態)では、常に「0」に設定されるものである。また、該フラグf/skの値は、その値が「1」に設定された後は、相対湿度VHUMDの増加状態が継続する限り「1」に維持されるものである。従って、このフラグf/skの値が「0」から「1」に変更されるサイクルタイムの時点が、本発明の第1の態様における暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)に相当するものとなる。尚、このフラグf/skの初期値は「0」である。
そして、STEP22の判断でf/sk=0である場合、すなわち相対湿度VHUMDが減少状態から増加状態に転じて極小値を採り、且つ、その後増加状態を維持したまま、該極小値に所定量VHUMD/SKを加えた暫定増加判断閾値を超えた場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/skの値を「1」に設定する(STEP23)。さらに劣化評価処理装置17は、今回のサイクルタイムの時点が暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)の時点であるとして、前記ECU16から前記積算燃料噴射量Σtcylの現在値のデータを取得し(STEP24)、この積算燃料噴射量Σtcylの値を暫定的にHC吸着材7の吸着飽和タイミングにおける劣化評価パラメータTPHとして記憶保持する(STEP25)。そして、劣化評価処理装置17は、図6のSTEP26の判断処理を実行する。尚、STEP22の判断でf/sk=1である場合には、STEP23〜25の処理が実行されることなく、STEP26の判断処理が実行される。
このSTEP26の判断処理では、劣化評価処理装置17は、フラグf/incの現在値を判断する。このとき、f/inc=0である場合(相対湿度VHUMDの減少状態)には、相対湿度VHUMDの単調増加状態では無いので、フラグf/skの値を「0」に設定した後(STEP27)、STEP28の判断処理が実行され、f/inc=1である場合には、フラグf/skの値を維持したままSTEP28の判断処理が実行される。
ここで、前述のように設定されるフラグf/incの値及びフラグf/skの値の変化の様子の一例を図8を参照して説明する。HC吸着材7がある程度の劣化を生じている状態では、先にも説明したように、排ガス浄化装置8の前後に渡って排気管5内の湿度分布のばらつきを生じ易い。このため、湿度センサ19の出力電圧VRSTに基づく相対湿度VHUMDは、図8の上段のグラフに示すように、エンジン1の運転開始直後(図の時刻t0〜t5の期間)に低湿度側で上下変動を生じ、その後(図の時刻t5以後)、HC吸着材7による水分の吸着が飽和して、排ガス中の水分がHC吸着材7により吸着されずに該HC吸着材7を通過することにより、相対湿度VHUMDは、高湿度側の湿度に向かって単調的に増加する。そして、最終的には湿度センサ19の出力電圧VRSTにより把握可能なほぼ最大の湿度(約100%の湿度)に収束していく。尚、図8では、本実施形態の理解の便宜上、湿度センサ19の出力電圧VRSTの上下変動がかなり大きい場合の例を模式的に記載している。
このように相対湿度VHUMDが推移するとき、フラグf/incの値は、図8の中段に示すように相対湿度VHUMDが減少状態となっている期間(時刻t0〜t1の期間及び時刻t3〜t4の期間)では、「0」に設定され、該相対湿度VHUMDが増加状態(ここでは一定状態を含む)となっている期間(時刻t1〜t3の期間、及び時刻t4以後の期間)では、「1」に設定される。そして、フラグf/skの値は、図8の下段に示すように時刻t1における相対湿度VHUMDの極小値に所定量VHUMD/SKを加えた暫定増加判断閾値を相対湿度VHUMDが超えた時刻t2において一旦、「0」から「1」に変更される。但し、その後、相対湿度VHUMDが時刻t3から減少状態に転じることで、該時刻t3において、フラグf/skの値は、「0」にリセットされる。
さらに、相対湿度VHUMDが時刻t4で再び極小値を採り、この極小値に所定量VHUMD/SKを加えた暫定増加判断閾値を相対湿度VHUMDが超えた時刻t5において、フラグf/skの値が再び「0」から「1」に変更される。そして、この図8の例では、時刻t5以後は、相対湿度VHUMDの増加状態が維持されるため、フラグf/skの値は、「1」に維持されることとなる。この場合、本実施形態では、時刻t2,t5が順次、本発明の第1の態様における暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)として検出されることとなる。そして、基本的には、最後に検出された暫定的な変転タイミング(時刻t5)が本発明の第1の態様における真の変転タイミングとして確定される。
図6の説明に戻って、前記STEP28の判断処理では、劣化評価処理装置17は、f/skの現在値を判断し、f/sk=0である場合、すなわち吸着飽和タイミングが未検出であるか、もしくは、暫定的に吸着飽和タイミングが検出された後、相対湿度VHUMDが減少状態になった場合には、図5及び図6のルーチン処理を終了する。また、STEP28でf/sk=1である場合には、劣化評価処理装置17は、相対湿度VHUMDの現在値をあらかじめ定めた所定の上限値VHUMD/LM(図8参照)と比較する(STEP29)。上記上限値VHUMD/LMは、湿度センサ19の出力電圧VRSTから把握し得る最大の相対湿度VHUMD(ほぼ100%に近い相対湿度)の近傍の値である。より詳しくは、該上限値VHUMD/LMは、HC吸着材7の下流側の相対湿度VHUMDが変転タイミングの後に増加して、最終的に到達する(収束する)定常値に近い値で、該定常値よりも若干小さい値である。そして、このとき、VHUMD≦VHUMD/LMである場合には(図8の時刻t2〜t3の状態)、相対湿度VHUMDが未だ十分に増加していないので、図5及び図6のルーチン処理が終了される。
また、VHUMD>VHUMD/LMである場合には(図8の時刻t6)、上記上限値VHUMD/LMの値と、前記暫定増加判断閾値(=VHUMD/MIN+VHUMD/SK)の現在値との偏差(=VHUMD/LM−(VHUMD/MIN+VHUMD/SK))。以下、この偏差を評価可否判断偏差という)を、あらかじめ定めた下限値VHUMD/HTと比較する(STEP30)。そして、評価可否判断偏差>VHUMD/HTである場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/skの値が最後に「0」から「1」に変更された暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)が真の変転タイミングであるとして、そのタイミングにおける前記劣化評価パラメータTPHの値(劣化評価パラメータTPHの最新値)を用いて後述のようにHC吸着材7の劣化状態の評価を確定する劣化評価確定処理を実行した後(STEP31)、図5及び図6のルーチン処理を終了する。また、STEP30で、評価可否判断偏差≦VHUMD/HTである場合には、暫定的な変転タイミングからの相対湿度VHUMDの増加量が小さ過ぎ、その変転タイミングが吸着飽和タイミングとして信頼性の欠けるものとなっているので、劣化評価処理装置17は、劣化評価確定処理を実行することなく、今回のエンジン1の運転時における劣化状態の評価処理が完了したものとして、前記フラグF/DONEの値を「1」に設定した後(STEP32)、図5及び図6のルーチン処理を終了する。尚、STEP30で評価可否判断偏差≦VHUMD/HTとなるような場合は、相対湿度VHUMDが外乱等の影響で上下変動を頻繁に繰り返しながら、全体的に増加傾向となるような状態である。
前記STEP31の劣化評価確定処理は、図7のフローチャートに示すように実行される。すなわち、劣化評価処理装置17は、劣化評価パラメータTPHの現在値(これは、フラグf/skが最後に「0」から「1」に設定された時点での積算燃料噴射量Σtcylの値であり、真の変転タイミング(吸着飽和タイミング)におけるHC吸着材7への積算水分量に相当する)を、エンジン1の運転開始時に前述のように図3のSTEP8で求めた劣化評価用閾値TRSDTと比較する(STEP30−1)。
このとき、TPH≧TRSDTである場合には、HC吸着材7が排ガス中の水分、ひいてはHCを十分に吸着可能な状態であるので、劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の劣化状態が未劣化状態であると判断する(STEP30−2)。そして、劣化評価処理装置17は、劣化状態の評価処理が完了したものとして、フラグF/DONEの値を「1」に設定した後(STEP30−5)、図5のルーチン処理に復帰する。
一方、STEP30−1でTPH<TRSDTである場合には、HC吸着材7が吸着可能な排ガス中の水分、ひいてはHCの量が少ない状態となっているので、劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の劣化状態が劣化進行状態であると判断し(STEP30−3)、さらに、前記劣化報知器18を作動させて、その旨を報知せしめる(STEP30−4)。そして、劣化評価処理装置17は、劣化状態の評価処理が完了したものとして、STEP30−5でフラグF/DONEの値を「1」に設定した後、図5及び図6のルーチン処理に復帰する。
以上説明した劣化評価処理装置17の処理によって、HC吸着材7の下流側の湿度センサ19による相対湿度VHUMDが最後に極小値を採ってから、単調的に増加するようになる真の変転タイミング、すなわち、HC吸着材7による排ガス中の水分、ひいてはHCの吸着が飽和する吸着飽和タイミングを適正に把握することができる。そして、その真の吸着飽和タイミングにおける劣化評価パラメータTPHとしての積算燃料噴射量Σtcylを、エンジン1の運転開始時のHC吸着材7の温度状態を表す機関温度TWに応じて設定した劣化評価用閾値TRSDTと比較することにより、HC吸着材7の劣化状態を適正に精度よく把握することができる。また、評価可否判断偏差が過剰に小さい場合には、HC吸着材7の劣化状態評価を行わないので、本実施形態の装置で確定されるHC吸着材7の劣化状態の評価結果の信頼性を高めることができる。
尚、前記ECU16の処理に関し、該ECU16は、劣化評価処理装置17から、HC吸着材7によるHCの吸着の飽和が生じた旨のデータを受け取るようにしている。そして、このようなデータを受け取った後に、前記切換弁15を図1の仮想線示の状態に駆動する。また、ECU16は、EGR通路13の開閉弁14を所定期間、開弁させる。このとき、エンジン1の排ガスは、その大部分が排気管5を大気側に流れ、また、残部は、バイパス排気通路10及びEGR通路13を介してエンジン1の吸気側に還流する。この場合、触媒装置6は、HC吸着材7による排ガス中のHCの吸着が進行している段階で、排ガスの熱により加熱されて活性化し、従って、該触媒装置6による排ガスの浄化が適正に行われる。また、HC吸着材7は、その昇温によってやがて吸着したHCを脱離するようになるが、この脱離したHCは、EGR通路13を通ってエンジン1に混合気と共に供給され、該エンジン1で燃焼する。
次に、本発明の第2実施形態を図9〜図12を参照して説明する。尚、本実施形態は、本発明の第1の態様の実施形態である。そして、本実施形態は、前記第1実施形態のものと劣化評価処理装置の処理のみが相違するものであるので、第1本実施形態と同一の構成部分あるいは同一機能部分については前記第1実施形態と同一の参照符号を用い、詳細な説明を省略する。
前述の第1実施形態では、劣化評価処理装置17は、湿度センサ19の出力電圧VRSTから、相対湿度VHUMDを求めるようにしたが、本実施形態は、湿度センサ19の出力電圧VRSTをそのまま用いるものである。この場合、本実施形態の湿度センサ19の出力特性は、前記図2に示したように湿度に対してネガティプ特性を有するものであるため、前記相対湿度VHUMDが減少する状態では、湿度センサ19の出力電圧VRSTは増加し、相対湿度VHUMDが増加する状態では、湿度センサ19の出力電圧VRSTは減少する。従って、湿度センサ19の出力電圧VRSTが表す相対湿度VHUMDが極小値を採るとき、該出力電圧VRSTは極大値を採ることとなる。
このようなことを考慮し、本実施形態では劣化評価処理装置17は、次のようにしてHC吸着材7の劣化状態を評価する。
まず、劣化評価処理装置17は、エンジン1の運転開始時において、図9のフローチャートに示すルーチン処理を実行する。この処理は、第1実施形態における図3の処理に対応するもので、STEP51〜55の処理は、図3のSTEP1〜5の処理とそれぞれ同一である。そして、STEP55に続くSTEP56の処理では、劣化評価処理装置17は、STEP55で取得した湿度センサ19の出力電圧VRSTの現在値を、湿度センサ19の出力電圧VRSTの極大値の最新値を表すパラメータVRST/MAX(以下、極大電圧パラメータVRST/MAXという)の値と、該出力電圧VRSTの前回値を表すパラメータVRST/PRE(以下、前回電圧パラメータVRST/PREという)の値として記憶保持する。これらの極大電圧パラメータVRST/MAX及び前回電圧パラメータVRST/PREは、それぞれ前記第1実施形態における極小湿度パラメータVHUMD/MIN、前回相対湿度パラメータVHUMD/PREに相当するものである。
そして、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態の図3のSTEP8と同一の処理により、劣化評価用閾値TRSDTの値をエンジン1の機関温度TWから図4の実線示のデータテーブルにより求め(STEP57)、図9のルーチン処理を終了する。
劣化評価処理装置17は、図9のルーチン処理をエンジン1の運転開始時に実行した後、所定のサイクルタイムで図10及び図11のフローチャートに示す処理を実行する。この処理は、前記第1実施形態における図5及び図6のルーチン処理に対応するものである。
すなわち、このルーチン処理では、STEP61〜64の処理は、前記第1実施形態のSTEP11〜14の処理とそれぞれ同一である。そして、STEP64に続くSTEP65の処理では、劣化評価処理装置17は、STEP54で取得した湿度センサ19の出力電圧VRSTの現在値を前記前回電圧パラメータVRST/PREと比較する。このとき、VRST≦VRST/PREである場合、湿度センサ19の出力電圧VRSTが表す湿度が増加状態(出力電圧VRSTの減少状態)であるとして、前記第1実施形態で説明したフラグf/incの値を「1」に設定する(STEP66)。また、VRST>VRST/PREである場合には、湿度センサ19の出力電圧VRSTが表す湿度が減少状態(出力電圧VRSTの増加状態)であるとして、前記極大電圧パラメータVRST/MAXの値を出力電圧VRSTの現在値に更新する(STEP67)と共に、フラグf/incの値を「0」に設定する(STEP68)。
次いで、劣化評価処理装置17は、前回電圧パラメータVRST/PREの値を、出力電圧VRSTの現在値に更新した後(STEP69)、該出力電圧VRSTの現在値を、極大電圧パラメータVRST/MAXの現在値から、あらかじめ定めた所定量VRST/SKだけ引いた値(=VRST/MAX−VRST/SK)と比較する(STEP70)。ここで、この出力電圧VRSTの現在値と比較する値(VRST/MAX−VRST/SK)は、前記第1実施形態における暫定増加判断閾値を、湿度センサ19の出力電圧で表したものであり、本実施形態では、以下、この値(VRST/MAX−VRST/SK)を暫定減少判断閾値と称する。
このとき、VRST≧暫定減少判断閾値である場合(これは前記第1実施形態におけるSTEP21で、VHUMD≦暫定増加判断閾値である場合と同じである)には、劣化評価処理装置17は、後述の図11のSTEP75の判断処理を実行し、VRST<暫定減少判断閾値である場合には、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態で説明したものと同一のフラグf/skの値を判断する(STEP71)。
そして、劣化評価処理装置17は、f/sk=0である場合には、前記第1実施形態のSTEP23〜25の処理と同一の処理をSTEP72〜74で実行した後、図11のSTEP75の判断処理を実行する。また、STEP71で、f/sk=1である場合には、ただちに図11のSTEP75の判断処理が実行する。
図11のSTEP75の判断処理は、前記第1実施形態のSTEP26の判断処理と同一であり、フラグf/incの値が判断される。そして、前記第1実施形態と同様、f/inc=0である場合にのみ、STEP76で、フラグf/skの値が「0」にリセットされる。
ここで、本実施形態で前述のように設定されるフラグf/incの値及びフラグf/skの値の変化の様子の一例を図12を参照して説明する。エンジン1の運転開始後の湿度センサ19の出力電圧VRSTは、先にも述べたように、該出力電圧VRSTが表す相対湿度VHUMDが増加状態、減少状態であるときに、それぞれ減少状態、増加状態となる。従って、前記図8に示したように相対湿度VHUMDが変化したとき、湿度センサ19の出力電圧VRSTは、図12の上段のグラフに示すように変化することとなる。
このように出力電圧VRSTが変化するとき、フラグf/incの値は、図12の中段に示すように、前記第1実施形態と全く同様に、出力電圧VRSTが増加状態となっている期間、すなわち、相対湿度VHUMDが減少状態となっている期間(時刻t0〜t1の期間及び時刻t3〜t4の期間)では、「0」に設定され、該出力電圧VRSTが減少状態(一定状態を含む)となっている期間、すなわち、相対湿度VHUMDが増加状態となっている期間(時刻t1〜t3の期間、及び時刻t4以後の期間)では、「1」に設定される。そして、フラグf/skの値は、図12の下段に示すように時刻t1における出力電圧VRSTの極大値から所定量VRST/SKを差し引いた暫定減少判断閾値を出力電圧VRSTが下回った時刻t2(この時刻は、図8の時刻t2と同じである)において一旦、「0」から「1」に変更される。但し、その後、出力電圧VRSTが時刻t3から増加状態に転じることで、換言すれば、相対湿度VHUMDが時刻t3から減少状態に転じることで、該時刻t3において、フラグf/skの値は、「0」にリセットされる。
さらに、相対湿度VHUMDが時刻t4で再び極小値を採ることに対応して出力電圧VRSTが極大値を採り、この極大値から所定量VRST/SKを差し引いた暫定減少判断閾値を出力電圧VRSTが下回った時刻t5(この時刻は、図8の時刻t5と同じである)において、フラグf/skの値が再び「0」から「1」に変更される。そして、この図12の例では、時刻t5以後は、出力電圧VRSTが減少状態に維持され、換言すれば、相対湿度VHUMDの増加状態が維持されるため、フラグf/skの値は、「1」に維持されることとなる。従って、本実施形態におけるフラグf/skの値の設定は、前記第1実施形態と全く同様のタイミングで行われることとなり、時刻t2,t5が順次、本発明の第1の態様における暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)として検出されることとなる。そして、図12の例では、最後に検出された暫定的な変転タイミング(時刻t5)が本発明における真の変転タイミング(真の吸着飽和タイミング)として確定される。
図11の説明に戻って、STEP75、76に続く、STEP77では、第1実施形態のSTEP28と同様に、劣化評価処理装置17は、フラグf/skの現在値を判断し、f/sk=0である場合、すなわち変転タイミングが未検出であるか、もしくは、暫定的に変転タイミングが検出された後、出力電圧VRSTが増加状態になった場合には、図10及び図11のルーチン処理を終了する。また、STEP77でf/sk=1である場合には、劣化評価処理装置17は、出力電圧VRSTの現在値をあらかじめ定めた所定の下限値VRST/LM(図12参照)と比較する(STEP78)。この下限値VRST/LMは、前記第1実施形態における相対湿度VHUMDの上限値VHUMD/LMを湿度センサ19の出力電圧VRSTで表したものである。そして、このとき、VRST≧VRST/LMである場合には(図12の時刻t2〜t3の状態)、出力電圧VRSTが未だ十分に減少していない(相対湿度VHUMDが未だ十分に増加していない)ので、図10及び図11のルーチン処理が終了される。
また、VRST<VRST/LMである場合には(図12の時刻t6)、上記下限値VRST/LMの値と、前記暫定減少判断閾値(=VRST/MAX−VRST/SK)の現在値との偏差(=(VRST/MAX−VRST/SK)−VRST/LM)である評価可否判断偏差を、あらかじめ定めた下限値VRST/HTと比較する(STEP79)。ここで、評価可否判断偏差は、前記第1実施形態における評価可否判断偏差(=VHUMD/LM−(VHUMD/MIN+VHUMD/SK))に対応するものであり、上記下限値VRST/HTは、第1実施形態のSTEP30で用いた上限値VHUMD/HTを湿度センサ19の出力電圧で表したものである。
そして、評価可否判断偏差>VRST/HTである場合には、前記第1実施形態と全く同様に、劣化評価処理装置17は、フラグf/skの値が最後に「0」から「1」に変更された暫定的な変転タイミング(吸着飽和タイミング)が真の吸着飽和タイミングであるとして、そのタイミングにおける前記劣化評価パラメータTPHの値(劣化評価パラメータTPHの最新値)を用いてHC吸着材7の劣化状態の評価を確定する劣化評価確定処理を実行した後(STEP80)、図10及び図11のルーチン処理を終了する。また、STEP79で、評価可否判断偏差≦VRST/HTである場合には、暫定的な変転タイミングからの出力電圧VRSTの減少量が小さ過ぎ、その変転タイミングが真の吸着飽和タイミングとしての信頼性が欠けるので、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態と同様に、劣化評価確定処理を実行することなく、今回のエンジン1の運転時における劣化状態の評価処理が完了したものとして、フラグF/DONEの値を「1」に設定した後(STEP81)、図10及び図11のルーチン処理を終了する。尚、STEP80における劣化評価確定処理は、前記第1実施形態におけるSTEP31の処理と同一であり、前記図7のフローチャートに示した通りに実行される。
かかる本実施形態では、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができ、HC吸着材7の劣化状態を精度よく適正に評価することができる。
次に、本発明の第3実施形態を図13〜図17を参照して説明する。尚、本実施形態は、本発明の第2の態様の実施形態である。そして、本実施形態の説明では、前記第1実施形態と同一構成部分もしくは同一機能部分については、前記第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
図13を参照して、本実施形態では、排ガス浄化装置8のHC吸着材7の下流側の湿度センサ19を前記第1実施形態と同様に備えると共に、さらにHC吸着材7の上流側に、該HC吸着材7に進入する排ガスの湿度(相対湿度)を検出する湿度センサ20が備えられている。該湿度センサ20は、該HC吸着材7の上流側近傍箇所でハウジング9に取り付けられている。この湿度センサ20は、前記第1実施形態で説明した湿度センサ19と同種のものであり、該湿度センサ19と同様の出力特性(図2参照)を有するものである。そして、該湿度センサ20の出力電圧は、HC吸着材7の劣化状態の評価を行うために、湿度センサ19の出力電圧と共に、劣化評価処理装置17に与えられるようになっている。尚、本実施形態では、湿度センサ19,20はそれぞれ本発明の第2の態様における下流側湿度センサ、上流側湿度センサに相当するものである。また、本実施形態は、上記以外の構成は、前記第1実施形態と同一である。
次に、本実施形態におけるHC吸着材7の劣化状態の評価に係わる作動を説明する。エンジン1の運転を開始すべく図示しない運転スイッチをON操作すると、ECU16及び劣化評価処理装置17が起動する。このときのECU16の処理は、前記第1実施形態と全く同一である。
一方、劣化評価処理装置17は、その起動後、まず、図14のフローチャートに示す処理を実行する。この処理は、前記第1実施形態における図3の処理に対応する処理であり、エンジン1の運転開始時(始動時)にのみ行われる処理である。
この場合、STEP91〜STEP97の処理は、前記第1実施形態の図3のSTEP1〜7の処理とそれぞれ同一である。そして、本実施形態では、劣化評価処理装置17は、STEP97の処理に続いて、STEP98〜100の処理を実行する。このSTEP98〜100は、下流側湿度センサ19に係わるSTEP95〜97の処理と同様の処理を上流側湿度センサ20に関して行うものである。すなわち、STEP98においては、劣化評価処理装置17は、上流側湿度センサ20の現在の出力電圧VFSTのデータを取得する。そして、劣化評価処理装置17は、この出力電圧VFSTに対応する相対湿度VFHUM0をエンジン1の運転開始時におけるHC吸着材7の上流側(湿度センサ20の箇所)の初期相対湿度として求める(STEP99)。この初期相対湿度VFHUM0は、上流側湿度センサ20の出力特性(図2参照)を表すデータテーブルあるいは演算式等に基づいて、STEP98で取得した出力電圧VFSTの値から求められる。
そして、劣化評価処理装置17は、上記初期相対湿度VFHUM0の値を、HC吸着材7の上流の湿度センサ20の箇所における湿度(相対湿度)の極小値の最新値を表す極小湿度パラメータVFHUM/MINの値と、該相対湿度の前回値(劣化評価処理装置17が処理を行うサイクルタイム毎の前回値)を表す前回相対湿度パラメータVFHUM/PREの値として記憶保持する(STEP100)。すなわち、これらのパラメータVFHUM/MIN、VFHUM/PREの値を、エンジン1の運転開始時におけるHC吸着材7の上流側の湿度(相対湿度)としての初期相対湿度VFHUM0の値で初期化する。
このようにしてSTEP98〜100の処理を実行した後、劣化評価処理装置17は、STEP101の処理を実行し、図14の処理を終了する。このSTEP101の処理は、前記第1実施形態における図3のSTEP8と同様の処理であり、STEP91で取得した初期機関温度TWの検出データから、図4に仮想線で示すようにあらかじめ定められたデータテーブルにより、HC吸着材7が前記劣化進行状態であるか前記未劣化状態であるかを判断するための劣化評価用閾値TRSDTが求められる。図4の仮想線示のデータテーブルはあらかじめ実験等に基づいて定められたものであり、前記第1実施形態と同様、機関温度TW(HC吸着材7の温度状態)が低い程、大きな値になるように設定されている。尚、本実施形態では、後述するように劣化評価パラメータの起算タイミングが、エンジン1の運転開始時よりも遅いタイミングになるので、本実施形態における劣化評価用閾値TRSDT(図4の仮想線)は、第1実施形態の場合よりもほぼ一定量だけ小さな値になっている。
劣化評価処理装置17は、図14のルーチン処理をエンジン1の運転開始時に実行した後、所定のサイクルタイムで図15及び図16のフローチャートに示す処理を実行する。
すなわち、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態の場合と同様に、STEP111,112でフラグF/DONE、F/MCNDの値を判断する。これらのフラグF/DONE,F/MCNDの意味は、前記第1実施形態と同一であり、STEP111でF/DONE=1であるときには、図15及び図16のルーチン処理は終了される。また、STEP112でF/MCND=0であるときには、STEP113で、フラグF/DONEの値が「1」に設定された後に、図15,16のルーチン処理が終了される。これらのSTEP111〜113の処理は、前記図5のSTEP11〜13の処理と同一である。
STEP112でF/MCND=1である場合には、劣化評価処理装置17は、次に、フラグF/FENDの値を判断する(STEP114)。ここで、フラグF/FENDは、上流側湿度センサ20に係わる変転タイミング(吸着開始タイミング)が検出されて確定したか否かをそれぞれ値「1」、「0」 で表すものであり、エンジン1の運転開始時に「0」に初期化されている。そして、劣化評価処理装置17は、STEP114でF/FEND=1である場合には、後述する図16のSTEP134からの処理を実行し、F/FEND=0であるときには、上流側湿度センサ20に関するSTEP115〜133の処理を実行する。このSTEP115〜133の処理は、上流側湿度センサ20の出力VFSTが表す湿度VFHUM(相対湿度)が低湿度側の湿度から高湿度側に向かって単調増加状態に転じる上流側変転タイミングを検出するための処理であり、下流側湿度センサ19に関して第1実施形態で説明した図5及び図6のSTEP14〜32に対応する処理である。
以下、これらの処理を説明すると、STEP115においては、劣化評価処理装置17は、上流側湿度センサ20の現在の出力電圧VFSTのデータを取得する。そして、劣化評価処理装置17は、その出力電圧VFSTに対応する現在の相対湿度VFHUMを求める(STEP116)。この場合、該相対湿度VFHUMは、上流側湿度センサ20の出力特性を表すデータテーブルあるいは演算式等に基づいて、STEP115で取得した出力電圧VFSTの値から求められる。
そして、劣化評価処理装置17は、このHC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMの値と、上流側湿度センサ20に係わる前記前回相対湿度パラメータVFHUM/PREの現在値とを比較する(STEP117)。このとき、VFHUM≧VFHUM/PREである場合には、劣化評価処理装置17は、上流側湿度センサ20の出力電圧が表す湿度が増加している状態であるか減少している状態であるかをそれぞれ値「1」、「0」で表すフラグf/fincの値を「1」に設定した後(STEP118)、後述するSTEP121の処理を実行する。また、VFHUM<VFHUM/PREである場合には、劣化評価処理装置17は、上流側湿度センサ20に係わる前記極小湿度パラメータVFHUM/MINの値を、STEP116で求めた相対湿度VFHUMの最新値に更新する(STEP119)。さらに、この場合、劣化評価処理装置17は、HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが減少傾向であるとしてフラグf/fincの値を「0」に設定した後(STEP120)、STEP121の処理を実行する。
このようなSTEP115〜120の処理によって、上流側湿度センサ20により検出された相対湿度VFHUMが減少している状態では、極小湿度パラメータVFHUM/MINの値が劣化評価処理装置17の処理のサイクルタイム毎に、逐次更新されていくこととなる。そして、極小湿度パラメータVFHUM/MINの値は、相対湿度VFHUMが増加している状態では更新されず、この増加状態が開始する直前の相対湿度VFHUMの極小値(最新の極小値)に維持されることとなる。
次いで、劣化評価処理装置17は、STEP121において、上流側湿度センサ20に係わる前回相対湿度パラメータVFHUM/PREの値を、STEP116で求めた相対湿度VFHUMの最新値に更新した後、該相対湿度VFHUMの最新値を、極小湿度パラメータVFHUM/MINの現在値にあらかじめ定めた所定量VFHUM/SK(図17参照。図17については後述する)を加えた値(=VFHUM/MIN+VFHUM/SK。以下、この値を上流側暫定増加判断閾値という)と比較する(STEP122)。
ここで、上流側暫定増加判断閾値に係わる上記所定量VFHUM/SKは、下流側湿度センサ19に関して前記第1実施形態で説明した所定量VHUMD/SK(図8参照)に対応するものである。そして、本実施形態では、上流側湿度センサ20は、下流側湿度センサ19とほぼ同一特性のものであるので、上流側暫定増加判断閾値に係わる前記所定量VFHUM/SKは、例えば前記第1実施形態で下流側湿度センサ19に関して説明した所定量VHUMD/SK(図8参照)と同じ値に設定されている。但し、必ずしもVFHUM/SK=VHUMD/SKとする必要はなく、HC吸着材7の上流側及び下流側の実際の相対湿度の推移特性を考慮して、それらの値を各別の値に実験的に定めるようにしてもよい。
上記STEP122で、VFHUM≦上流側暫定増加判断閾値である場合には、劣化評価処理装置17は、後述のSTEP127の判断処理を実行し、VFHUM>上流側暫定増加判断閾値である場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/fskの値を判断する(STEP123)。ここで、フラグf/fskは、HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが増加状態(f/finc=1の状態)であって、前回のサイクルタイムにおける相対湿度VFHUMがVFHUM≦上流側暫定増加判断閾値であり、且つ、今回のサイクルタイムにおける相対湿度VFHUMがVFHUM>上流側暫定増加判断閾値となった時点のサイクルタイムにおいて、相対湿度VFHUMが暫定的に極小値から単調的な増加傾向に変転したとして「1」に設定されるものであり、その相対湿度VFHUMの減少状態(f/finc=0の状態)では、常に「0」に設定されるものである。また、該フラグf/fskの値は、その値が「1」に設定された後は、相対湿度VFHUMの増加状態が継続する限り「1」に維持されるものである。従って、このフラグf/fskの値が「0」から「1」に変更されるサイクルタイムの時点が、本発明の第2の態様における暫定的な上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)に相当するものとなる。尚、このフラグf/fskの初期値は「0」である。
上記STEP123の判断でf/fsk=0である場合、すなわちHC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが減少状態から増加状態に転じて極小値を採り、且つ、その後増加状態を維持したまま、該極小値に所定量VFHUM/SKを加えた上流側暫定増加判断閾値を超えた場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/fskの値を「1」に設定する(STEP124)。さらに劣化評価処理装置17は、今回のサイクルタイムの時点が暫定的な上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)の時点であるとして、前記ECU16から前記積算燃料噴射量Σtcylの現在値のデータを取得し(STEP125)、この積算燃料噴射量Σtcylの値を暫定的にHC吸着材7の吸着開始タイミングにおける積算燃料噴射量TPF(以下、吸着開始時積算燃料噴射量TPFという)の値として記憶保持する(STEP126)。この吸着開始時積算燃料噴射量TPFは、エンジン1の運転開始時から上流側変転タイミングまでに該エンジン1が生成した排ガス中の総水分量を意味する。そして、劣化評価処理装置17は、STEP127の判断処理を実行する。尚、STEP123の判断でf/fsk=1である場合には、STEP124〜126の処理が実行されることなく、STEP127の判断処理が実行される。
STEP127の判断処理では、劣化評価処理装置17は、フラグf/fincの現在値を判断する。このとき、f/finc=0である場合(HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMの減少状態)には、相対湿度VFHUMの単調増加状態では無いので、劣化評価処理装置17は、フラグf/fskの値を「0」に設定した後(STEP128)、STEP129の判断処理を実行し、f/finc=1である場合には、フラグf/fskの値を維持したままSTEP129の判断処理を実行する。
ここで、前述のように設定されるフラグf/fincの値及びフラグf/fskの値の変化の様子と、上流側湿度センサ20で検出される相対湿度VFHUMの変化の様子とを示す一例を図17を参照して説明する。先にも説明したように、上流側湿度センサ20が検出するHC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMは、図17の上段の実線グラフで示すように、エンジン1の運転開始直後の短い期間(図の時刻t0〜t9の期間)、すなわち、水分を多く含んだ排ガスがHC吸着材7の入り口近傍に達するまでの期間は、低湿度側の湿度になる。この期間では、特に、HC吸着材7がある程度劣化している状態では排気管5内の湿度分布のばらつき等に起因して上下変動を生じる。そして、水分を多く含んだ排ガスがHC吸着材7の入り口に達すると(図の時刻t9)、HC吸着材7による排ガス中の水分の実質的な吸着が開始すると共に、相対湿度VFHUMは、排ガス中に含まれる水分によって高湿度側の湿度に向かって単調的に増加し、最終的には湿度センサ20により把握可能なほぼ最大の湿度(約100%の相対湿度)に収束していく。尚、図17の実線のグラフは、本実施形態での説明の便宜上、エンジン1の運転開始直後の期間(時刻t0〜t9の期間)において上流側湿度センサ20が検出する相対湿度VFHUMの上下変動が通常的な程度である場合の例を模式的に記載している。また、図17の仮想線のグラフは、本実施形態における下流側湿度センサ19が検出する相対湿度VHUMDの推移例を示すものである。
上記のように上流側湿度センサ20が検出する相対湿度VFHUMが推移するとき、フラグf/fincの値は、図17の中段に示すように相対湿度VFHUMが減少状態となっている期間(時刻t0〜t7の期間及び時刻t8〜t9の期間)では、「0」に設定され、該相対湿度VFHUMが増加状態(ここでは一定状態を含む)となっている期間(時刻t7〜t8の期間、及び時刻t9以後の期間)では、「1」に設定される。そして、フラグf/fskの値は、図17の下段に示すように時刻t9における相対湿度VFHUMの極小値に所定量VFHUM/SKを加えた上流側暫定増加判断閾値を相対湿度VFHUMが超えた時刻t10において「0」から「1」に変更される。そして、この図17の実線グラフの例では、時刻t10以後は、相対湿度VFHUMの増加状態が維持されるため、フラグf/fskの値は、「1」に維持されることとなる。この場合、図17の実線グラフの例では、時刻t10が暫定的な上流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)として検出されることとなる。尚、図17の実線グラフの例では、時刻t10以後は、相対湿度VFHUMは減少しないため、この時刻t10は最終的に真の上流側変転タイミングとして確定される。
図15の説明に戻って、前記STEP129の判断処理では、劣化評価処理装置17は、f/fskの現在値を判断し、f/fsk=0である場合、すなわち上流側変転タイミングが未検出であるか、もしくは、暫定的に上流側変転タイミングが検出された後、HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが減少状態になった場合には、後述するSTEP134からの処理を実行する。また、STEP129でf/fsk=1である場合には、劣化評価処理装置17は、上流側の相対湿度VFHUMの現在値をあらかじめ定めた所定の上限値VFHUM/LM(図17参照)と比較する(STEP130)。上記上限値VFHUM/LMは、下流側湿度センサ19に関して前記第1実施形態で説明した上限値VHUMD/LMに対応するものであり、本実施形態では下流側湿度センサ19に係わる前記上限値VHUMD/LMと同じ値に設定されている。すなわち、上限値VFHUM/LMは、HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが上流側変転タイミングの後に増加して、最終的に到達する(収束する)定常値に近い値で、該定常値よりも若干小さい値である。そして、STEP130でVFHUM≦VFHUM/LMである場合には(図17の時刻t11よりも前の状態)、相対湿度VFHUMが未だ十分に増加していない。そして、この場合には、後述するSTEP134からの処理を実行する。
また、STEP130でVFHUM>VFHUM/LMである場合には(図17の時刻t11)、前記上限値VFHUM/LMの値と、前記上流側暫定増加判断閾値(=VFHUM/MIN+VFHUM/SK)の現在値との偏差(=VFHUM/LM−(VFHUM/MIN+VFHUM/SK))。以下、この偏差を上流側評価可否判断偏差という)を、あらかじめ定めた下限値VFHUM/HTと比較する(STEP131)。そして、上流側評価可否判断偏差>VFHUM/HTである場合には、劣化評価処理装置17は、フラグf/fskの値が最後に「0」から「1」に変更された暫定的な上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)を真の上流側変転タイミングとして確定し、前記フラグF/FEND(前記STEP114で値を判断するフラグ)の値を「1」に設定し(STEP132)、後述するSTEP134からの処理を実行する。この場合、前記STEP126で求めた吸着開始時積算燃料噴射量TPFの値、すなわち、暫定的な上流側変転タイミングを最後に検出した時の積算燃料噴射量Σtcylの値が、以後変更されずに保持されることとなる。
また、STEP131で、上流側評価可否判断偏差≦VFHUM/HTである場合には、暫定的な上流側変転タイミングからの相対湿度VFHUMの増加量が小さ過ぎ、その上流側変転タイミングが吸着開始タイミングとして信頼性の欠けるものとなっているので、劣化評価処理装置17は、今回のエンジン1の運転時における劣化状態の評価処理が完了したものとして、前記フラグF/DONEの値を「1」に設定した後(STEP133)、図15及び図16のルーチン処理を終了する。尚、STEP133で上流側評価可否判断偏差≦VFHUM/HTとなるような場合は、HC吸着材7の上流側の相対湿度VFHUMが上流側変転タイミング後に、外乱等の影響で上下変動を生じながら、全体的に増加傾向となるような状態である。
以上説明したSTEP115〜133の処理が、上流側変転タイミングの検出・確定を行うと共に、確定した真の上流側変転タイミングにおける吸着開始時積算燃料噴射量TPFを取得するための処理である。このような処理によって、例えば図17の実線グラフの例では、時刻t10が真の上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)として確定される。そして、エンジン1の運転開始時から時刻t10までに求められた積算燃料噴射量Σtcylが吸着開始時積算燃料噴射量TPFとして求められる。
尚、上記STEP115〜133のうち、STEP132の処理を除くSTEP115〜131及び133の処理はそれぞれ、前記第1実施形態に係わるSTEP14〜30及び32(図5及び図6参照)の処理に対応する処理である。つまり、STEP115〜133の処理は、前記第1実施形態で説明した下流側湿度センサ19に係わる変転タイミング(下流側変転タイミング)の検出及び確定と、その変転タイミングまでの積算燃料噴射量Σtcylの取得とを行うための処理と同様の処理を上流側湿度センサ20に関して実行する処理である。
次に、図16に示すSTEP134からの処理では、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態で説明した図5及び図6のSTEP14〜30とそれぞれ同一の処理をSTEP134〜150で実行する。但し、本実施形態では、STEP145(図5のSTEP25に対応)では、暫定的な下流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)における積算燃料噴射量Σtcylは、劣化評価パラメータとしてではなく、エンジン1の運転開始時から、該下流側変転タイミングまでの吸着飽和時積算燃料噴射量TPRの値(これはエンジン1の運転開始時から暫定的な下流側変転タイミングまでに該エンジン1が生成した排ガス中の総水分量を意味する)として記憶保持される。
そして、暫定的な下流側変転タイミングは、前記第1実施形態と同様、STEP150の判断結果がYESである場合、すなわち、下流側湿度センサ19に係わる前記評価可否判断偏差(=VHUM/LM−(VHUMD/SK+VHUMD/MIN))が、評価可否判断偏差>VHUMD/HTである場合に、真の下流側変転タイミングとして確定する。例えば図17の仮想線グラフの例では時刻t13のサイクルタイムにおいて、STEP150の判断結果がYESとなり、このとき、時刻t12が真の下流側変転タイミングとして確定する。そして、この場合、劣化評価処理装置17は、その真の下流側変転タイミングにおける積算燃料噴射量Σtcylである吸着飽和時積算燃料噴射量TPRの値から、前記図15のSTEP126で最後に得られた吸着開始時積算燃料噴射量TPFの値を減算してなる値を劣化評価パラメータTPHとして求める(STEP151)。このようにして求められる劣化評価パラメータTPHは、真の上流側変転タイミング(吸着開始タイミング)から真の下流側変転タイミング(吸着飽和タイミング)までにHC吸着材7が実質的に吸着した積算水分量に相当するものとなる。
尚、STEP150の判断で、評価可否判断偏差≦VHUMD/HTである場合には、最後に検出された暫定的な下流側変転タイミングの信頼性が低いので、劣化評価処理装置17は、前記第1実施形態と同様、フラグF/DONEの値をSTEP153で「1」に設定し、図15及び図16のルーチン処理を終了する。
前記STEP150の判断結果がYESとなって、STEP151で前述のように劣化評価パラメータTPHを求めた場合には、劣化評価処理装置は、STEP152でHC吸着材7の劣化状態の評価を確定する劣化評価確定処理を実行した後、図15及び図16のルーチン処理を終了する。この場合、STEP152における劣化評価確定処理は、前記第1実施形態と全く同一であり、前記図7のフローチャートに示した通りに実行される。尚、この場合、劣化評価用閾値TRSDTは、前記図14のSTEP91で求めたもの(図4の仮想線で示すデータテーブルに基づいて求められたもの)が用いられる。
以上説明した劣化評価処理装置17の処理によって、HC吸着材7の吸着開始タイミングとしての真の上流側変転タイミングとHC吸着材7の吸着飽和タイミングとしての真の下流側変転タイミングとを適正に検知することができる。そして、下流側変転タイミングにおける積算燃料噴射量Σtcyl(=吸着飽和時積算燃料噴射量TPR)から、上流側変転タイミングにおける積算燃料噴射量Σtcyl(=吸着開始時積算燃料噴射量TPF)を差し引いた偏差分(TPR−TPF)を劣化評価パラメータTPHとして用い、この劣化評価パラメータTPHを劣化評価用閾値TRSDTと比較することでHC吸着材7の劣化状態が評価される。このため、HC吸着材7の上流側の触媒装置6等の影響によって、吸着開始タイミング(上流側変転タイミング)がばらつきを生じるような場合であっても、HC吸着材7が実際に吸着した最大の水分量に相当する劣化評価パラメータTPHを精度よく得ることができる。その結果、HC吸着材7の劣化状態の評価結果の信頼性をより高めることができる。さらに、真の上流側変転タイミング及び真の下流側変転タイミングの両者を確定できた場合(STEP131及びSTEP150の判断結果がYESである場合)にのみ、HC吸着材7の劣化状態の評価を確定する劣化評価確定処理を行うので、これによっても、HC吸着材7の劣化状態の評価結果の信頼性を高めることができる。
尚、上記第3実施形態では、各湿度センサ19,20の出力電圧VRST,VFSTをそれぞれ相対湿度VHUMD,VFHUMに換算した上で上流側変転タイミング及び下流側変転タイミングを検出するようにしたが、前記第2実施形態の場合と同様に、各湿度センサ19,20の出力電圧VRST,VFSTをそのまま用いて上流側変転タイミング及び下流側変転タイミングを検出するようにしてもよい。
また、前記第1〜第3実施形態では、下流側変転タイミングの前におけるHC吸着材7の下流側の相対湿度VHUMD(湿度センサ19が検出する相対湿度)が比較的大きく変動する場合を考慮して、該相対湿度VHUMDが極小値から所定量VHUMD/SK以上、増加しても、その時点を直ちには下流側変転タイミングとして確定しないようにしたが、排気系の構成等によって、下流側変転タイミングの前における相対湿度VHUMDの変動幅がさほど大きくならないような場合には、相対湿度VHUMDが極小値から所定量VHUMD/SK以上、増加した時点を直ちに真の下流側変転タイミングとして確定するようにしてもよい。このことは、前記第3実施形態に係わる上流側変転タイミングの検出に関しても同様である。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の排気系に備えられるHC吸着材の劣化状態を適正に評価することができる装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1及び第2実施形態の装置の全体的システム構成を示すブロック、図2は図1の装置で用いる湿度センサの出力特性を示す線図、図3は本発明の第1実施形態における劣化評価処理装置の処理を示すフローチャート、図4は図3のフローチャートで用いるデータテーブルを示す線図である。図5及び図6は本発明の第1実施形態における劣化評価処理装置の処理を示すフローチャート、図7は図6のフローチャートの要部のサブルーチン処理を示すフローチャート、図8は本発明の第1実施形態における作動を説明するための線図である。図9〜図11は本発明の第2実施形態における劣化評価処理装置の処理を示すフローチャート、図12は本発明の第2実施形態における作動を説明するための線図である。図13は本発明の第3実施形態の装置の全体的システム構成を示すブロック、図14〜図16は本発明の第3実施形態における劣化評価処理装置の処理を示すフローチャート、図17は本発明の第3実施形態における作動を説明するための線図である。
Claims (12)
- 内燃機関の排気通路を流れる排ガス中の炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を備えて該排気通路に設けられた排ガス浄化装置の劣化状態を評価する装置であって、
前記炭化水素吸着材の下流側に設けられ、前記排ガスの湿度に応じた信号を出力する湿度センサと、前記内燃機関の運転開始後、前記排ガスを介して前記炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表す劣化評価パラメータを逐次生成する手段と、前記内燃機関の運転開始後、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値を採る状態から単調増加状態に転じる変転タイミングを検出する手段とを備え、該変転タイミングにおける前記劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価するようにしたことを特徴とする排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。 - 前記劣化評価パラメータを生成する手段は、前記内燃機関が生成する排ガス中に含まれる水分量を表すデータを該内燃機関の運転開始時から逐次積算し、その積算値を劣化評価パラメータとして生成することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記変転タイミングにおける劣化評価パラメータの値を前記内燃機関の運転開始時における前記炭化水素吸着材の温度状態に応じて設定した所定の閾値と比較することにより前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記変転タイミングを検出する手段は、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から所定量以上上昇した時点を前記変転タイミングとして検出することを特徴とする請求の範囲第1に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記変転タイミングを検出する手段は、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から所定量以上上昇した時点を暫定的な変転タイミングとして該時点における前記劣化評価パラメータの値を記憶保持し、その後、前記湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあらかじめ定めた所定の上限値まで上昇したときに、前記暫定的な変転タイミングを真の変転タイミングとして確定することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記暫定的な変転タイミングを真の変転タイミングとして確定したとき、該暫定的な変転タイミングの直前の前記極小値に前記所定量を加えた値と、前記所定の上限値との差があらかじめ定めた所定の下限値以上であるときにのみ、前記真の変転タイミングにおける劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することを特徴とする請求の範囲第5記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 内燃機関の排気通路を流れる排ガス中の炭化水素を吸着する炭化水素吸着材を備えて該排気通路に設けられた排ガス浄化装置の劣化状態を評価する装置であって、
前記炭化水素吸着材の下流側及び上流側にそれぞれ設けられ、前記排ガスの湿度に応じた信号を出力する下流側湿度センサ及び上流側湿度センサと、前記内燃機関の運転開始後、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が該極小値を採る状態から単調増加状態に転じるタイミングを上流側変転タイミングとして検出する手段と、前記内燃機関の運転開始後、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採る状態を逐次検索し、該湿度が極小値を採る状態から単調増加状態に転じるタイミングを下流側変転タイミングとして検出する手段と、前記上流側変転タイミングから下流側変転タイミングまでに内燃機関の排ガスを介して前記炭化水素吸着材に供給された積算水分量を表す劣化評価パラメータを生成する手段とを備え、該劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価するようにしたことを特徴とする排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。 - 前記劣化評価パラメータを生成する手段は、前記内燃機関が生成する排ガス中に含まれる水分量を表すデータを該内燃機関の運転開始時から逐次積算し、前記上流側湿度センサに係わる変転タイミングにおける当該積算値と、前記下流側湿度センサに係わる変転タイミングにおける当該積算値との偏差分を劣化評価パラメータとして求めることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記劣化評価パラメータの値を前記内燃機関の運転開始時における前記炭化水素吸着材の温度状態に応じて設定した所定の閾値と比較することにより前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
- 前記上流側変転タイミングを検出する手段は、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第1所定量以上上昇した時点を前記上流側変転タイミングとして検出し、前記下流側変転タイミングを検出する手段は、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第2所定量以上上昇した時点を前記下流側変転タイミングとして検出することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の劣化状態評価装置。
- 前記上流側変転タイミングを検出する手段は、前記上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第1所定量以上上昇した時点を暫定的な上流側変転タイミングとして検出し、その後、該上流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあらかじめ定めた所定の第1上限値まで上昇したときに、前記暫定的な上流側変転タイミングを真の上流側変転タイミングとして確定し、
前記下流側変転タイミングを検出する手段は、前記下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採った後、該極小値から第2所定量以上上昇した時点を暫定的な下流側変転タイミングとして検出し、その後、該下流側湿度センサの出力により表される湿度が極小値を採らずにあかじめ定めた所定の第2上限値まで上昇したときに、前記暫定的な下流側変転タイミングを真の下流側変転タイミングとして確定することを特徴とする請求の範囲第第7項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。 - 前記暫定的な上流側変転タイミングを真の上流側変転タイミングとして確定すると共に、前記暫定的な下流側変転タイミングを真の下流側変転タイミングとして確定したとき、該暫定的な上流側変転タイミングの直前における前記上流側湿度センサに係わる湿度の極小値に前記第1所定量を加えた値と、前記所定の第1上限値との差があらかじめ定めた所定の第1下限値以上であり、且つ、前記暫定的な下流側変転タイミングの直前における前記下流側湿度センサに係わる湿度の極小値に前記第2所定量を加えた値と、前記所定の第2上限値との差があらかじめ定めた所定の第2下限値以上であるときにのみ、前記真の下流側変転タイミングから真の上流側変転タイミングまでの前記積算水分量を表す前記劣化評価パラメータの値に基づき前記炭化水素吸着材の劣化状態を評価することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の排ガス浄化装置の劣化状態評価装置。
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