JPWO2003018794A1 - α1,2−フコース転移酵素および該酵素をコードするDNA - Google Patents

α1,2−フコース転移酵素および該酵素をコードするDNA Download PDF

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Abstract

本発明によれば、α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有してなる組換え体DNA、該組換え体DNAを含有する形質転換体を提供することができ、さらに該形質転換体を用いたα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質およびフコース含有複合糖質の製造法を提供することができる。

Description

技術分野
本発明は、α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有する組換え体DNA、該組換え体DNAを含有する形質転換体、該形質転換体を用いたα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質の製造法およびフコース含有複合糖質の製造法に関する。
背景技術
α1,2−フコース転移酵素遺伝子に関しては、動物由来の遺伝子[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,6674(1990)、Immunogenetics,44,76(1996)、J.Biol.Chem.,270,8844(1995)、J.Biol.Chem.,270,4640(1995)、J.Biol.Chem.,271,16975(1996)]が取得されているが、動物由来の該遺伝子をエシェリヒア・コリなどの微生物を用いて活性のある蛋白質として発現させた例はない。
一方、微生物においては、ヘリコバクター・ピロリに属する微生物からα1,2−フコース転移酵素遺伝子が取得されており[Mol.Microbiol.,31,1265(1999)]、該遺伝子を用いてエシェリヒア・コリでα1,2−フコース転移酵素を発現させたとの報告があるが、該遺伝子を強力なプロモーター支配下においても該酵素活性は微弱であることが報告されている[Microbiology,145,3245(1999)]。上記ヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−フコース転移酵素遺伝子の塩基配列を改変した該酵素遺伝子を大腸菌を宿主として発現させたとの報告もあるが(WO 01/46400)、より活性の高いα1,2−フコース転移酵素が望まれている。
フコース含有複合糖質の中には、血液型抗原として知られているものが存在し、それらは細胞の癌化に伴い、その構造が変化することが明らかにされ[Anal.Biochem.,251,89(1997)]、腫瘍マーカーや医薬品としての応用が期待されている。また、人乳中にはオリゴ糖が豊富に含まれており、フコース含有複合糖質(2’−フコシルラクトースが主要成分のひとつ)は全オリゴ糖中70%以上を占めている[Glycobiology,,615(1998)]。人乳中のオリゴ糖にも含まれるFucα1−2Gal構造を有する複合糖質は、カンジダ・アルビカンスの感染を阻害することが知られていることから[Infect.Immun.,59,1650(1991)]、フコース含有複合糖質は安全な感染予防薬の有力な候補と考えられる。
しかしながら、2’−フコシルラクトースなどのフコース含有複合糖質の製造に関しては、人乳からの抽出法[J.Chromatogr.,211,170(1981)]、トランスジェニック動物を用いた生産法[J.Biol.Chem.,270,29515(1995)、USP 5,700,671]、酵素を用いた生産法(USP 5,583,042)、微生物を用いた方法(WO 01/46400)が報告されているが、いずれもコストや生産性の面で十分なものとは言えず、効率のよいフコース含有複合糖質の製造方法が求められている。
発明の開示
本発明の目的は、α1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質、該蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有する形質転換体、該形質転換体を用いたα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質の製造法とフコース含有複合糖質の製造法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行い、ヘリコバクター・ピロリの配列情報を利用して取得したヘリコバクター・ムステレ(ATCC43772株)のDNA断片に含まれる遺伝子の産物について、その活性を詳細に調べた結果、これまで特定されていなかったα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAを該微生物から初めて見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(15)に関する。
(1) 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(2) 配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質。
(3) (1)または(2)に記載の蛋白質をコードするDNA。
(4) 配列番号2で表される塩基配列を有するDNA。
(5) 配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA。
(6) (3)〜(5)のいずれか1項に記載のDNAを含有する組換え体DNA。
(7) (6)に記載の組換え体DNAを含有する形質転換体。
(8) 微生物、植物細胞、昆虫細胞、または動物細胞を宿主細胞とする(7)に記載の形質転換体。
(9) 微生物が、エシェリヒア・コリである(8)に記載の形質転換体。
(10) (7)〜(9)のいずれか1項に記載の形質転換体を培地に培養し、培養物中に(1)または(2)に記載の蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該蛋白質を採取することを特徴とする(1)または(2)に記載の蛋白質の製造法。
(11) (7)〜(9)のいずれか1項に記載の形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、グアノシン−5’−二リン酸フコースおよび受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でフコース含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体中からフコース含有複合糖質を採取することを特徴とするフコース含有複合糖質の製造法。
(12) 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品である(11)に記載の製造法。
(13) 受容体複合糖質が、非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖を含む複合糖質である(11)に記載の製造法。
(14) 非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖が、非還元末端にラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、およびルイスa構造からなる群より選ばれる構造を有するオリゴ糖である(13)に記載の製造法。
(15) 受容体複合糖質が、ラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、およびルイスaからなる群より選ばれる受容体複合糖質である(11)に記載の製造法。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の蛋白質は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質である。
1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質は、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Holecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法を用いて、例えば配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより、取得することができる。
欠失、置換または付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、上記の部位特異的変異法等の周知の方法により欠失、置換または付加できる程度の数であり、1個から50個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
本発明の蛋白質の有するアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたとは、同一配列中の任意かつ1もしくは複数のアミノ酸配列中の位置において、1または複数のアミノ酸の欠失、置換または付加があることを意味し、欠失、置換または付加が同時に生じてもよく、置換または付加されるアミノ酸は天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
また、本発明の蛋白質がα1,2−フコース転移酵素活性を有するには、配列番号1記載のアミノ酸配列と、少なくとも75%以上、通常は80%以上、特に95%以上の同一性を有していることが好ましい。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,183,63(1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[J.Mol.Biol.,215,403(1990)]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
本発明のDNAとしては、上記本発明の蛋白質をコードするDNAをあげることができる。具体的には、
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
(2)配列番号2で表される塩基配列を有するDNA
(3)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA、および
(4)配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAをあげることができる。
上記のストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとは、配列番号2で表される塩基配列からなるDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/l塩化ナトリウム、15mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNACloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的には、上記BLASTやFASTA等を用いて計算したときに、配列番号2で表される塩基配列と少なくとも75%以上の相同性を有するDNA、好ましくは80%以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAをあげることができる。
[1]本発明のDNAの調製
(a)染色体DNAライブラリーの作製
本発明の蛋白質をコードするDNAは、ヘリコバクター属に属する微生物より調製することができる。ヘリコバクター属に属する微生物としては、例えばヘリコバクター・ムステレをあげることができ、具体的にはヘリコバクター・ムステレATCC43772株等をあげることができる。
ヘリコバクター・ムステレに属する微生物を公知の方法[例えば、Mol.Microbiol.,20,833(1996)]により培養する。
培養後、公知の方法(例えばカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法)により、菌体から染色体DNAを単離精製する。
染色体DNAライブラリー作製法としては、モレキュラー・クローニング第2版やカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University Press(1995)等に記載された方法などをあげることができる。
染色体DNAライブラリーを作製するためのクローニングベクターとしては、大腸菌K12株中で自立複製できるものであれば、ファージベクター、プラスミドベクター等いずれでも使用できる。具体的には、ZAP Express[ストラタジーン社製、Strategies,,58(1992)]、λzap II(ストラタジーン社製)、λgt10、λgt11[DNA Cloning,A Practical Approach,,49(1985)]、λ TriplEx(クローンテック社製)、λExCell(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pBluescript II KS(−)、pBluescript II SK(+)[ストラタジーン社製、Nucleic Acids Research,17,9494(1989)]、pUC18[Gene,33,103(1985)]等をあげることができる。
DNAを組み込んだベクターを導入する大腸菌としては、大腸菌に属する微生物であればいずれでも用いることができる。具体的には、Escherichia coli XL1−Blue MRF’[ストラタジーン社製、Strategies,,81(1992)]、Escherichia coli C600[Genetics、39,440(1954)]、Escherich ia coli Y1088[Science,222,778(1983)]、Escherichia coli Y1090[Science,222,778(1983)]、Escherichia coli NM522[J.Mol.Biol.,166,1(1983)]、Escherichia coli K802[J.Mol.Biol.,16,118(1966)]、Escherichia coli JM109[Gene,38,275(1985)]、Escherichia coli DH5α[J.Mol.Biol.,166,557(1983)]等を用いることができる。
(b)本発明のDNAの取得
上記で作製した染色体DNAライブラリーからの、目的とするクローンの選択は、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等の実験書に記載されているコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。
ハイブリダイゼーションに用いるDNAプローブとしては、既知のα1,2−フコース転移酵素遺伝子またはその一部、既知の該遺伝子の塩基配列をもとに合成したDNAなどの他、既知の該遺伝子の塩基配列に基づき設計したDNAプライマーを用いたPCRにより取得した遺伝子断片などをあげることができる。例えば、ヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−フコース転移酵素遺伝子の塩基配列に基づき設計した配列番号3および4記載の合成DNAをプライマーとして、ヘリコバクター・ムステレ染色体DNAを鋳型に用いたPCRにより取得することができるDNA断片などを例示することができる。
取得したDNAをそのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばABI377DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等を用いたジデオキシ法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74.,5463(1977)]により該DNAの塩基配列を決定する。
また、上記により決定された塩基配列に基づいたプライマーを調製し、染色体DNAを鋳型として、PCR法[PCR Protocols,Academic Press(1990)]により目的とするDNAを取得することができる。
更に、決定されたDNAの塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNAを調製することもできる。
上記のようにして取得された新規な塩基配列を有するDNAとして、例えば、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA等をあげることができる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNAは、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードしている。
本発明の蛋白質をコードするDNAを組み込むベクターとしては、pBluescript KS(+)、pBluescript SK(+)(ストラタジーン社製)、pDIRECT[Nucleic Acids Res.,18,6069(1990)]、pCR−Script Amp SK(+)(ストラタジーン社製)、pT7Blue(ノバジェン社製)、pCR II(インビトロジェン社製)およびpCR−TRAP(ジーンハンター社製)などをあげることができる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNAを有する組換え体DNAを保有する微生物としては、エシェリヒア・コリ等をあげることができる。
エシェリヒア・コリとしては、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Escherichia coli MP347、Escherichia coli DH5α、Escherichia coli NM522、Escherichia coli ME8415等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
配列番号2で表される塩基配列からなるDNAを有する組換え体DNAを含有するエシェリヒア・コリとして、具体的にはEscherichia coli DH5α/pHMFT80をあげることができる。
[2]本発明の蛋白質の調製
本発明の蛋白質は、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法等を用い、例えば以下の方法により、上記[1]に記載の方法により取得した本発明のDNAを宿主細胞中で発現させて、製造することができる。
本発明のDNAをもとにして、必要に応じて、該蛋白質をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製する。また、該蛋白質をコードする部分の塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、塩基を置換することにより、該蛋白質の生産率を向上させることができる。
該DNA断片を適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換え体DNAを作製する。
該組換え体DNAを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、本発明の蛋白質を生産する形質転換体を得ることができる。
宿主細胞としては、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞等、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができる。
発現ベクターとしては、上記宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、本発明のDNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
細菌等の原核生物を宿主細胞として用いる場合は、本発明の蛋白質をコードするDNAを含有してなる組換え体DNAは原核生物中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、本発明のDNA、転写終結配列より構成された組換え体DNAであることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
発現ベクターとしては、pHelix1(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)、pKK233−2(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(プロメガ社製)、pQE−80L(キアゲン社製)、pET−3(ノバジェン社製)、pKYP10(特開昭58−110600)、pKYP200[Agric.Biol.Chem.,48,669(1984)]、pLSA1[Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)]、pGEL1[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,82,4306(1985)]、pBluescript II SK(+)、pBluescript II KS(−)(ストラタジーン社製)、pTrS30[エシェリヒア・コリJM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製]、pTrS32[エシェリヒア・コリJM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製]、pPAC31(WO98/12343)、pUC19[Gene,33,103(1985)]、pSTV28(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798)等を例示することができる。
プロモーターとしては、エシェリヒア・コリ等の宿主細胞中で機能するものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、Pプロモーター、Pプロモーター、PSEプロモーター、T7プロモーター、T5プロモーター等の、エシェリヒア・コリやファージ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等をあげることができる。またPtrpを2つ直列させたプロモーター、tacプロモーター、lacT7プロモーター、letIプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。
リボソーム結合配列であるシャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離(例えば6〜18塩基)に調節したプラスミドを用いることが好ましい。
本発明の組換え体DNAにおいては、本発明のDNAの発現には転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子の直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
原核生物としては、エシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、シュードモナス属等に属する微生物、例えば、Escherichia coli XL1−Blue、Escherichia coli XL2−Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli DH5α、Escherichia coli NM522、Escherichia coli MC1000、Escherichia coli KY3276、Escherichia coli W1485、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101、Escherichia coli No.49、Escherichia coli W3110、Escherichia coli NY49、Serratia ficariaSerratia fonticolaSerratia liquefaciensSerratia marcescensBacillus subtilisBacillus amyloliquefaciensBrevibacterium immariophilum ATCC14068、Brevibacterium sacchrolyticum ATCC14066、Corynebacterium ammoniagenesCorynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC14067、Corynebacterium glutamicum ATCC13869、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Microbacterium ammon iaphilum ATCC15354、Pseudomonas sp.D−0110等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,69,2110(1972)]、プロトプラスト法(特開昭63−248394)、エレクトロポレーション法[Nucleic Acids Res.,16,6127(1988)]等をあげることができる。
酵母菌株を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、YCp50(ATCC37419)、pHS19、pHS15等を用いることができる。
プロモーターとしては、酵母菌株中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、gal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックポリペプチドプロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プロモーター等のプロモーターをあげることができる。
宿主細胞としては、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、クルイベロミセス属、トリコスポロン属、シワニオミセス属、ピチア属、キャンディダ属等に属する酵母菌株をあげることができ、具体的には、Saccharomyces cerevisiaeSchizosaccharomyces pombeKluyveromyces lactisTrichosporon pullulansSchwanniomyces alluviusPichia pastorisCandida utilis等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Methods Enzymol.,194,182(1990)]、スフェロプラスト法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81,4889(1984)]、酢酸リチウム法[J.Bacteriol.,153,163(1983)]等をあげることができる。
動物細胞を宿主として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8、pcDNAI/Amp、pREP4(いずれもインビトロジェン社製)、pAGE107(特開平3−22979)、pAS3−3(特開平2−227075)、pAGE103[J.Biochem,101,1307(1987)]等を用いることができる。
プロモーターとしては、動物細胞中で機能するものであればいずれも用いることができ、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーターあるいはメタロチオネインのプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等をあげることができる。また、ヒトCMVのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
宿主細胞としては、マウス・ミエローマ細胞、ラット・ミエローマ細胞、マウス・ハイブリドーマ細胞、ヒトの細胞であるナマルバ(Namalwa)細胞またはNamalwa KJM−1細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト白血病細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、チャイニーズ・ハムスターの細胞であるCHO細胞、HBT5637(特開昭63−299)等をあげることができる。
マウス・ミエローマ細胞としては、SP2/0、NSO等、ラット・ミエローマ細胞としてはYB2/0等、ヒト胎児腎臓細胞としてはHEK293(ATCC:CRL−1573)等、ヒト白血病細胞としては、BALL−1等、アフリカミドリザル腎臓細胞としてはCOS−1、COS−7等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、動物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法[Cytotechnology,,133(1990)]、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,84,7413(1987)]、Virology,52,456(1973)に記載の方法等をあげることができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、例えばBaculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,W.H.Freeman and Company,New York(1992)、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Molecular Biology,A Laboratory Manual、Bio/Technology,,47(1988)等に記載された方法によって、蛋白質を生産することができる。
即ち、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる。
該方法において用いられる遺伝子導入ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII(いずれもインビトロジェン社製)等をあげることができる。
バキュロウイルスとしては、例えば、夜盗蛾科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞、Trichoplusianiの卵巣細胞、カイコ卵巣由来の培養細胞等を用いることができる。
Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21(バキュロウイルス・イクスプレッション・ベクターズ ア・ラボラトリー・マニュアル)等、Trichoplusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、BTI−TN−5B1−4(インビトロジェン社製)等、カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mori N4等をあげることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への上記組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−227075)、リポフェクション法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,84,7413(1987)]等をあげることができる。
植物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとして、例えば、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等をあげることができる。
プロモーターとしては、植物細胞中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター等をあげることができる。
宿主細胞としては、タバコ、ジャガイモ、トマト、ニンジン、ダイズ、アブラナ、アルファルファ、イネ、コムギ、オオムギ等の植物細胞等をあげることができる。
組換え体DNAの導入方法としては、植物細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)(特開昭59−140885、特開昭60−70080、WO94/00977)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251887)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(特許第2606856、特許第2517813)等をあげることができる。
以上のようにして得られる形質転換体を培地に培養し、培養物中に本発明の蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から採取することにより、本発明の蛋白質を製造することができる。
本発明の形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
エシェリヒア・コリ等の原核生物あるいは酵母等の真核生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕、大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、通常振盪培養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。
また、培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地[J.Am.Med.Assoc.,199,519(1967)]、EagleのMEM培地[Science,122,501(1952)]、DMEM培地[Virology,,396(1959)]、199培地[Proc.Soc.Biol.Med.,73,1(1950)]またはこれら培地に牛胎児血清等を添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH6.0〜8.0、25〜40℃、5%CO存在下等の条件下で1〜7日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているTNM−FH培地(ファーミンジェン社製)、Sf−900 II SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社製)、ExCell400、ExCell405[いずれもJRHバイオサイエンシーズ社製]、Grace’s Insect Medium[Nature,195,788(1962)]等を用いることができる。
培養は、通常pH6.0〜7.0、25〜30℃等の条件下で1〜5日間行う。
また、培養中必要に応じて、ゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
植物細胞を宿主として得られた形質転換体は、細胞として、または植物の細胞や器官に分化させて培養することができる。該形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているムラシゲ・アンド・スクーグ(MS)培地、ホワイト(White)培地、またはこれら培地にオーキシン、サイトカイニン等、植物ホルモンを添加した培地等を用いることができる。
培養は、通常pH5.0〜9.0、20〜40℃の条件下で3〜60日間行う。
また、培養中必要に応じて、カナマイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
上記のとおり、本発明の蛋白質をコードするDNAを組み込んだ組換え体DNAを含有する微生物、動物細胞、昆虫細胞あるいは植物細胞由来の形質転換体を、通常の培養方法に従って培養し、該蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
本発明の蛋白質を生産させる形態としては、本発明の蛋白質をそのままの構造で生産させる以外に、モレキュラー・クローニング第2版に記載されている方法等に準じて、シグナル配列を配した分泌タンパク質として、あるいは融合蛋白質として生産することができる。
融合させる蛋白質としては、β−ガラクトシダーゼ、プロテインA、プロテインAのIgG結合領域、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ、ポリ(Arg)、ポリ(Glu)、プロテインG、マルトース結合タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、ポリヒスチジン鎖(His−tag)、Sペプチド、DNA結合蛋白質ドメイン、Tac抗原、チオレドキシン、グリーン・フルオレッセント・プロテイン、FLAGペプチド、および任意の抗体のエピトープなどがあげられる〔山川彰夫,実験医学,13,469−474(1995)〕。
本発明の蛋白質の分泌生産は、ポールソンらの方法[J.Biol.Chem.,264,17619(1989)]、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、または特開平5−336963、WO94/23021等に記載の方法を準用することにより行うことができる。
すなわち、遺伝子組換えの手法を用いて、本発明の蛋白質の活性部位を含む蛋白質の手前にシグナルペプチドを付加した形で発現させることにより、本発明の蛋白質を宿主細胞外に積極的に分泌させることができる。
また、特開平2−227075に記載されている方法に準じて、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いた遺伝子増幅系を利用して生産量を上昇させることもできる。
さらに、遺伝子導入した動物または植物の細胞を再分化させることにより、遺伝子が導入された動物個体(トランスジェニック非ヒト動物)または植物個体(トランスジェニック植物)を造成し、これらの個体を用いて本発明の蛋白質を製造することもできる。
形質転換体が動物個体または植物個体の場合は、通常の方法に従って、飼育または栽培し、該蛋白質を生成蓄積させ、該動物個体または植物個体より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。
動物個体を用いて本発明の蛋白質を製造する方法としては、例えば公知の方法[Am.J.Clin.Nutr.,63,639S(1996)、Am.J.Clin.Nutr.,63,627S(1996)、Bio/Technology,,830(1991)]に準じて遺伝子を導入して造成した動物中に本発明の蛋白質を生産する方法があげられる。
動物個体の場合は、例えば、本発明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック非ヒト動物を飼育し、該蛋白質を該動物中に生成・蓄積させ、該動物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を製造することができる。該動物中の生成・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク(特開昭63−309192)、卵等をあげることができる。この際に用いられるプロモーターとしては、動物で機能するものであればいずれも用いることができるが、例えば、乳腺細胞特異的なプロモーターであるαカゼインプロモーター、βカゼインプロモーター、βラクトグロブリンプロモーター、ホエー酸性プロテインプロモーター等が好適に用いられる。
植物個体を用いて本発明の蛋白質を製造する方法としては、例えば本発明の蛋白質をコードするDNAを導入したトランスジェニック植物を公知の方法[組織培養,20(1994)、組織培養,21(1995)、Trends Biotechnol.,15,45(1997)]に準じて栽培し、該蛋白質を該植物中に生成・蓄積させ、該植物中より該蛋白質を採取することにより、該蛋白質を生産する方法があげられる。
本発明の形質転換体により製造された蛋白質を単離・精製する方法としては、通常の酵素の単離、精製法を用いることができる。
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し、水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。
該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られる上清から、通常の酵素の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロース、DIAION HPA−75(三菱化学社製)等レジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(Pharmacia社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
また、該蛋白質が細胞内に不溶体を形成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の方法により該蛋白質を回収後、該蛋白質の不溶体を蛋白質変性剤で可溶化する。
該可溶化液を、蛋白質変性剤を含まない、あるいは蛋白質変性剤の濃度が蛋白質が変性しない程度に希薄な溶液に希釈、あるいは透析し、該蛋白質を正常な立体構造に構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品を得ることができる。
本発明の蛋白質あるいはその糖修飾体等の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に該蛋白質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収することができる。
即ち、該培養物を上記と同様の遠心分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用いることにより、精製標品を得ることができる。
このようにして取得される蛋白質として、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質をあげることができる。
また、本発明の蛋白質を他の蛋白質との融合蛋白質として生産し、融合した蛋白質に親和性をもつ物質を用いたアフィニティークロマトグラフィーを利用して精製することもできる。例えば、ロウらの方法[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990)]、特開平5−336963、WO94/23021に記載の方法に準じて、本発明の蛋白質をプロテインAとの融合タンパク質として生産し、イムノグロブリンGを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。
また、本発明の蛋白質をFlagペプチドとの融合蛋白質として生産し、抗Flag抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる[Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,86,8227(1989)、Genes Develop.,,1288(1990))。更に、該蛋白質自身に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製することもできる。
上記で取得された蛋白質のアミノ酸情報を基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法により、本発明の蛋白質を製造することができる。また、Advanced ChemTech社、パーキン・エルマー社、Pharmacia社、Protein Technology Instrument社、Synthecell−Vega社、PerSeptive社、島津製作所等のペプチド合成機を利用して化学合成することもできる。
[3]フコース含有複合糖質の製造
上記[2]の培養により得られた形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、グアノシン−5’−二リン酸フコースおよび受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でフコース含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体中からフコース含有複合糖質を採取することによりフコース含有複合糖質を製造することができる。
受容体複合糖質としては、非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖を含む複合糖質、好ましくは非還元末端にラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、またはルイスa構造等を有するオリゴ糖を含む複合糖質、より好ましくはラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、またはルイスa等をあげることができる。
培養物の処理物としては、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品などをあげることができる。
フコース含有複合糖質の生成において用いられる酵素源は、37℃で1分間に1μmolのフコース含有複合糖質を生成することのできる活性を1単位(U)として、1mU/l〜1,000U/lの濃度、好ましくは10mU/l〜100U/lの濃度で用いる。
フコース含有複合糖質の生成において用いられる水性媒体としては、水、りん酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝液、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類、アセトアミドなどのアミド類などをあげることができる。また、酵素源として用いた微生物の培養液を水性媒体として用いることができる。
フコース含有複合糖質の生成において、必要に応じて界面活性剤あるいは有機溶媒を添加してもよい。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・オクタデシルアミン(例えばナイミーンS−215、日本油脂社製)などの非イオン界面活性剤、セチルトリメチルアンモニウム・ブロマイドやアルキルジメチル・ベンジルアンモニウムクロライド(例えばカチオンF2−40E、日本油脂社製)などのカチオン系界面活性剤、ラウロイル・ザルコシネートなどのアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルアミン(例えば三級アミンFB、日本油脂社製)などの三級アミン類など、フコース含有複合糖質の生成を促進するものであればいずれでもよく、1種または数種を混合して使用することもできる。界面活性剤は、通常0.1〜50g/lの濃度で用いられる。有機溶剤としては、キシレン、トルエン、脂肪族アルコール、アセトン、酢酸エチルなどが挙げられ、通常0.1〜50ml/lの濃度で用いられる。
フコース含有複合糖質の生成反応は水性媒体中、pH5〜10、好ましくはpH6〜8、20〜50℃の条件で1〜96時間行う。該生成反応において、必要に応じてMnCl、MgCl等の無機塩等を添加することができる。
水性媒体中に生成したフコース含有複合糖質の定量はDionex社製の糖分析装置などを用いて行うことができる[Anal.Biochem.,189,151(1990)]。
反応液中に生成したフコース含有複合糖質の採取は、活性炭やイオン交換樹脂などを用いる通常の方法によって行うことができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 プローブの作成
ヘリコバクター・ムステレ ATCC43772株を公知の方法[Mol.Microbiol.,20,833(1996)]により培養した。
培養後、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法により、菌体から染色体DNAを単離精製した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した、配列番号3および4で表される塩基配列を有するDNAを用いて、ヘリコバクター・ムステレATCC43772株の染色体DNAから、α1,2−フコース転移酵素遺伝子の部分断片を、PCRで増幅した。
PCRは、上記合成DNAをプライマー各0.5μmol/l、ヘリコバクター・ムステレ ATCC43772株の染色体DNA0.1μg、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4μl、deoxyNTP各200μmol/lを含む反応液40μlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/lTris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/1vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離して得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した後、該液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlの滅菌水に溶解した。
該DNAのラベル化は、DIG DNA labeling and detection Kit(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を用いて行った。該DNA溶解液2μlを100℃で10分間処理した後、13μlの滅菌水、2μlのヘキサヌクレオチド混合液、2μlのdNTP標識混合液および1μlのKlenow酵素溶液を加え、37℃で1時間反応させた。該反応液に2μlの0.2mol/l EDTA溶液(pH8.0)を加えて反応を停止させ、さらに、2.5μlの4mol/l LiCl溶液と75μlのエタノールを加えよく混ぜ、−80℃に30分間放置した。該液を遠心分離しラベル化DNAの沈殿を得た。
該ラベル化DNAの沈殿を50μlのTEに溶解し、プローブ溶液とした。
実施例2 サザンハイブリダイゼーション
実施例1で取得した染色体DNA10μgを制限酵素BamHIおよびSacIで完全消化した。制限酵素切断サンプル1μgをアガロースゲル電気泳動に供し、泳動終了後、常法によりDNAをナイロンメンブレン(Hybond N+、アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)に移した。
ハイブリダイゼーションはDIG DNA labeling and detection Kit(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を用いて行った。DNAを転写したナイロンメンブランをプレハイブリダイゼーション溶液[0.75mol/l NaCl,75mmol/l tri−sodium citrate dihydrate、1% Blocking reagent、0.1% N−lauroylsarcosine、0.02% SDS(w/v)]をメンブレン10cmあたり2ml使用して68℃で1時間プレハイブリダイゼーションを行った。次に、プレハイブリダイゼーション溶液1mlあたり5μlの実施例1で調製したプローブを含む溶液をメンブレン100cmあたり2.5ml使用して、68℃で16時間ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション終了後、メンブレンを室温で、10cmあたり5mlの0.1%SDS(w/v)を含む2倍濃度のSSC溶液で5分間洗浄した。この洗浄操作を2回繰り返した。次に、68℃で、10cmあたり5mlの0.1% SDS(w/v)を含む0.1倍濃度のSSC溶液でメンブレンを15分間洗浄した。この洗浄操作を2回繰り返した。その後、洗浄Buffer[0.1mol/l maleic acid、0.15mol/l NaCl(pH7.5)、0.3% Tween−20(w/v)]を用いて室温で、1分間メンブレンを洗浄した。次にDIG Buffer2[0.1mol/l maleic acid 、0.15mol/l NaCl(pH7.5)、1% Blocking reagent(w/v)]をメンブレン10cmあたり10ml使用して室温で30分間メンブレンを処理した。150mU/ml Anti DIG AP conjugateを含むDIG Buffer 2をメンブレン10cmあたり2ml使用して室温で30分間メンブレンをインキュベーションした。さらに洗浄bufferをメンブレン10cmあたり10ml使用して室温で15分間メンブレンを洗浄する操作を2回行った後、メンブレンをDIG Buffer 3[100mmol/l Tris−HCl(pH9.5),100mmol/l NaCl,50mmol/lMgCl]で2分間処理した。5−bromo−4−chloro−3−indolylphosphateとnitro blue tetrazolium saltを含むDIG Buffer 3をメンブレン10cmあたり1ml使用してメンブレンを冷暗所でインキュベーションし、発色反応を行った。
ハイブリダイゼーションの結果、ヘリコバクター・ムステレ染色体DNAの制限酵素BamHIおよびSacI切断断片の2.4kbのDNAに強いシグナルが得られた。
実施例3 コロニーハイブリダイゼーション
ヘリコバクター・ムステレ ATCC43772株の染色体DNA 1μgを制限酵素BamHIおよびSacIで完全に消化し、該消化物をアガロースゲル電気泳動により分離し、2.4kb付近のDNA断片をジーンクリーンIIキット(フナコシ社より購入)により回収した。プラスミドベクターpBluescript II SK(+)(ストラタジーン社製)0.1μgをBamHIおよびSacIで完全に消化した後、アルカリホスファターゼ(宝酒造社製)により脱リン酸化反応を行った。
上記で取得した2.4kb付近のDNA断片とBamHIおよびSacIで切断後ホスファターゼ処理したpBluescript SK(+)をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。得られた連結反応液を用いてエシェリヒア・コリDH5α株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン100μg/mlを含むLB寒天培地に塗布後、37℃で一晩培養した。生育してきたコロニーを公知の方法に従ってメンブレン(Hybond N+)に移植・溶菌させた後、DNAをメンブレン上に固定した。コロニーハイブリダイゼーションは実施例2のサザンハイブリダイゼーションと同様の方法で行った。
その結果、ヘリコバクター・ムステレ ATCC43772株の染色体DNAのBamHIおよびSacI切断断片の2.4kbを含むプラスミドpBS25を保有する菌株をポジティブクローンとして選択した。
実施例4 DNA塩基配列の決定
実施例3で得られたプラスミドpBS25の挿入DNA断片について、そのDNA塩基配列をABI 377 Sequencerにより決定したところ、該挿入DNA断片には配列番号1で表されるアミノ酸配列をコードする、配列番号2で表される塩基配列からなるオープン・リーディング・フレームが存在していた。
実施例5 ヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素遺伝子発現株の造成
ヘリコバクター・ムステレ ATCC43772株から実施例1に記載の方法により、染色体DNAを単離精製した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機により合成した、配列番号5および6で表される塩基配列を有するDNAを用い、実施例1記載の方法に従いPCRを行い、ヘリコバクター・ムステレATCC43772株の染色体DNAから、α1,2−フコース転移酵素遺伝子を含むDNA断片を増幅した。
該PCR反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE飽和フェノール/クロロホルム(1vol/1vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離して得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した後、該液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlのTEに溶解し、DNA溶液を得た。
該DNA溶液5μlを用い、DNAを制限酵素BamHIおよびHindIIIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキット(フナコシ社より購入)により0.9kbのDNA断片を回収した。
pQE−80L(キアゲン社製)0.2μgを制限酵素BamHIおよびHindIIIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、4.8kbのDNA断片を回収した。
該0.9kbおよび4.8kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃で16時間、連結反応を行った。
得られた連結反応液を用いてエシェリヒア・コリ DH5α株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体を50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地[10g/lバクトトリプトン(ディフコ社製)、10g/l酵母エキス(ディフコ社製)、5g/l塩化ナトリウム、15g/lアガロース]に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出し、発現プラスミドであるpHMFT80を得た。該プラスミドの構造を制限酵素消化により確認した(第1図)。以下、pHMFT80を保有するエシェリヒア・コリ DH5α株をエシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株と呼ぶ。
実施例6 Fucα1,2Galβ1,4Glcの生産
実施例5で得られたエシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地[バクトトリプトン(10g/lディフコ社製)、10g/l酵母エキス(ディフコ社製)、5g/l塩化ナトリウム]8mlの入った試験管に接種し30℃で12時間培養した。該培養液を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地8mlの入った試験管に5%接種し30℃で2時間培養後、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドを終濃度1mmol/lとなるように添加し、さらに30℃で8時間培養した。該培養液1mlを遠心分離し湿菌体を取得した。該湿菌体は必要に応じて−20℃で保存することが可能で、使用前に解凍して用いることができた。
培養液1mlより調製したDH5α/pHMFT80株湿菌体、50mmol/lクエン酸バッファー(pH7.0)、10mmol/l MnCl、10mmol/lラクトース、10mmol/l GDP−フコース、4g/lナイミーンS−215からなる0.1mlの反応液を調製し、32℃で9時間反応を行った。
反応終了後、反応生成物をダイオネックス社製糖分析装置(DX−500)を用いて以下の分析条件で分析し、反応液中に2.25mmol/l(1099mg/l)のFucα1,2Galβ1,4Glcが生成蓄積していることを確認した。
分析条件:
カラム:CarboPAC PA10
溶離液:A;HO、B;500mmol/l NaOH
グラジエント:Bの濃度を0分において8%に設定し、その後21分かけて20%になるように直線的に増加させた
検出器:パルスドアンペロメトリー検出器
参考例1 ヘリコバクター・ピロリ由来のα1,2−フコース転移酵素遺伝子発現株の造成
WO01/46400に記載の方法にしたがって取得したエシェリヒア・コリNM522/pGT35株をアンピシリン50μg/mlを含むLB培地を用いて培養した。
培養後、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーに記載の方法により、菌体からプラスミドDNA pGT35を単離精製した。
パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成機を用いて合成した、配列番号7および8で表される塩基配列を有するDNAを用いて、エシェリヒア・コリ NM522/pGT35株のプラスミドDNAを鋳型にして、α1,2−フコース転移酵素遺伝子の部分断片を、PCRで増幅した。
PCRは、上記合成DNAをプライマーとして各0.5μmol/l、pGT350.1μg、Pfu DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)2.5units、Pfu DNAポリメラーゼ用×10緩衝液4μl、deoxyNTP各200μmol/lを含む反応液40μlを用い、94℃で1分間、42℃で2分間、72℃で3分間の工程を30回繰り返すことにより行った。
該反応液の1/10量をアガロースゲル電気泳動し、目的の断片が増幅していることを確認後、残りの反応液と等量のTE[10mmol/lTris−HCl、1mmol/l EDTA(pH8.0)]飽和フェノール/クロロホルム(1vol/1vol)を添加し、混合した。
該混合液を遠心分離後、得られた上層に2倍容量の冷エタノールを加えて混合し、−80℃に30分間放置した。該溶液を遠心分離しDNAの沈殿を得た。
該DNAの沈殿を20μlのTEに溶解し、DNA溶液を得た。
該DNA溶液5μlを用い、DNAを制限酵素SphIおよびHindIIIで切断し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離した後、ジーンクリーンIIキットにより0.9kbのDNA断片を回収した。
pQE−80L 0.2μgを制限酵素SphIおよびHindIIIで切断後、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を分離し、同様に4.8kbのDNA断片を回収した。
該0.9kbおよび4.8kbの断片をライゲーションキットを用いて、16℃、16時間、連結反応を行った。
該連結反応液を用いてエシェリヒア・コリ DH5α株を前述の公知の方法に従って形質転換し、該形質転換体をアンピシリン50μg/mlを含むLB寒天培地[バクトトリプトン(ディフコ社製)10g/l、酵母エキス(ディフコ社製)10g/l、塩化ナトリウム5g/l、アガロース15g/l]に塗布後、30℃で一晩培養した。
生育してきた形質転換体のコロニーより前述の公知の方法に従ってプラスミドを抽出して、その構造を制限酵素消化により解析し、発現プラスミドであるpHPFT80が取得できていることを確認した。以下、pHPFT80を保有するエシェリヒア・コリ DH5α株をエシェリヒア・コリDH5α/pHPFT80株と呼ぶ。
実施例7 ヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素の性質(1)
実施例5で得られたエシェリヒア・コリDH5α/pHMFT80株と参考例1で得られたエシェリヒア・コリ DH5α/pHPFT80株を実施例6に記載した方法で培養し、それぞれの株の湿菌体を得た。なお、培養終了時の660nmにおける培養物のODは、いずれも2.0であった。
実施例6に記載と同様の方法により、エシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株またはエシェリヒア・コリ DH5α/pHPFT80株の湿菌体を酵素源に用い、ラクトース(Galβ1,4Glc)、N−アセチルラクトサミン(Galβ1,3Glc)またはLNnT(Galβ1,4GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glc)を受容体糖質としてフコース含有糖鎖を製造した。エシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株の湿菌体を酵素源に用い、ラクトースを糖受容体としたときのフコシルラクトース(Fucα1,2Galβ1,4Glc)の生産量を100としたときの各フコース含有糖質の生産量を第1表に示す。なお表中では、エシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株の湿菌体、エシェリヒア・コリ DH5α/pHPFT80の湿菌体を酵素源に用いた場合をそれぞれ単にpHMFT80、pHPFT80と表す。
Figure 2003018794
ヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素は、ヘリコバクター・ピロリ由来の該酵素に比べ活性が高く、またラクトースへの基質特異性が高いことがわかった。
実施例8 ヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素の性質(2)
5mmol/lのグアノシン 5’−二リン酸(GDP)存在下または非存在下、実施例7に記載した方法と同様な方法により、ラクトースを受容体糖質としてフコシルラクトースを製造した。GDP非存在下、エシェリヒア・コリ DH5α/pHMFT80株の湿菌体を酵素源に用いたときのフコシルラクトースの生産量を100としたときのフコシルラクトースの生産量を第2表に示す。
Figure 2003018794
上記結果から、ヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素は、ヘリコバクター・ピロリ由来の該酵素に比べ、GDPによるフィードバック阻害を受けにくく、よってフコース含有複合糖質の製造により適していることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明により、α1,2−フコース転移酵素を遺伝子組換え手法により大量に生産することが可能となる。また、該酵素を用いることにより効率的にフコース含有複合糖質を製造できる。
「配列表フリーテキスト」
配列番号3−人工配列の説明:合成DNA
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配列番号6−人工配列の説明:合成DNA
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配列番号8−人工配列の説明:合成DNA
【配列表】
Figure 2003018794
Figure 2003018794
Figure 2003018794
Figure 2003018794
Figure 2003018794
Figure 2003018794

【図面の簡単な説明】
第1図 第1図はα1,2−フコース転移酵素遺伝子発現プラスミドpHMFT80の造成工程を示す。図中、Ampはアンピシリン耐性遺伝子、T5 pro.は、T5プロモーター、lacIはlacリプレッサー遺伝子、HMFTはヘリコバクター・ムステレ由来のα1,2−フコース転移酵素遺伝子を表す。

Claims (15)

  1. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
  2. 配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質。
  3. 請求項1または2に記載の蛋白質をコードするDNA。
  4. 配列番号2で表される塩基配列を有するDNA。
  5. 配列番号2で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα1,2−フコース転移酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のDNAを含有する組換え体DNA。
  7. 請求項6に記載の組換え体DNAを含有する形質転換体。
  8. 微生物、植物細胞、昆虫細胞、または動物細胞を宿主細胞とする請求項7に記載の形質転換体。
  9. 微生物が、エシェリヒア・コリである請求項8に記載の形質転換体。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の形質転換体を培地に培養し、培養物中に請求項1または2に記載の蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該蛋白質を採取することを特徴とする請求項1または2に記載の蛋白質の製造法。
  11. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の形質転換体の培養物または該培養物の処理物を酵素源として用い、該酵素源、グアノシン−5’−二リン酸フコースおよび受容体複合糖質を水性媒体中に存在せしめ、該水性媒体中でフコース含有複合糖質を生成蓄積させ、該水性媒体中からフコース含有複合糖質を採取することを特徴とするフコース含有複合糖質の製造法。
  12. 培養物の処理物が、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物、該菌体の界面活性剤処理物、該菌体の超音波処理物、該菌体の機械的摩砕処理物、該菌体の溶媒処理物、該菌体の酵素処理物、該菌体の蛋白質分画物、該菌体の固定化物あるいは該菌体より抽出して得られる酵素標品である請求項11に記載の製造法。
  13. 受容体複合糖質が、非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖を含む複合糖質である請求項11に記載の製造法。
  14. 非還元末端にガラクトースを有するオリゴ糖が、非還元末端にラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、およびルイスa構造からなる群より選ばれる構造を有するオリゴ糖である請求項13に記載の製造法。
  15. 受容体複合糖質が、ラクトース、グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ルイスX、およびルイスaからなる群より選ばれる受容体複合糖質である請求項11に記載の製造法。
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