JPWO2002038771A1 - 薬剤耐性hivインテグラーゼ - Google Patents

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Abstract

以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有するHIVインテグラーゼを見出した;(a)63番目のアミノ酸がバリン;(b)66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニン;(c)70番目のアミノ酸がアルギニン;(d)72番目のアミノ酸がアラニン;(e)74番目のアミノ酸がメチオニン;(f)92番目のアミノ酸がグルタミン等。

Description

技術分野
本発明は、HIVインテグラーゼ,詳しくは、耐性変異を有するHIVインテグラーゼ、該HIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチド、それらを含有するHIV、それらを検出する検出法、およびそれらを使用するアッセイ法に関する。
背景技術
ヒト免疫不全ウイルス(以下、HIVという。)は、薬剤に対し、比較的容易に薬剤耐性を獲得することが知られている。薬剤耐性ウイルスが出現すると、その薬剤の有効性は低下し、もはやその薬剤ではHIV感染症を有効に治療することができない。従って、HIV感染症の治療においては、薬剤耐性ウイルスの出現後は、投与薬剤を変更する等の処置をすることが望ましい。また、次世代の薬剤として、上記薬剤耐性ウイルスにも有効な薬剤を探索する必要がある。
現在までに、各種の逆転写酵素阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤が研究、開発され、その結果、多数の逆転写酵素阻害剤耐性HIV、プロテアーゼ阻害剤耐性HIVが報告されている。
しかし、HIVインテグラーゼ阻害剤耐性HIVについては、HIVインテグラーゼ阻害剤自身が少ないため、その報告は少ない。
HIVインテグラーゼ阻害剤耐性HIVインテグラーゼとしては、Science,1999,Vol.287,p646−650に、野性株(HXB2株:配列表の配列番号4記載のHIVインテグラーゼを含有するHIV、アクセション番号:AF033819)の66番目のアミノ酸がトレオニンからイソロイシンに、153番目のアミノ酸がセリンからチロシンに、および/または154番目のアミノ酸がメチオニンからイソロイシンに変異したHIVインテグラーゼ阻害剤耐性HIVインテグラーゼが開示されている。具体的には、配列表の配列番号8〜12のいずれかに記載のHIVインテグラーゼである。
また、HIVインテグラーゼ阻害剤存在下で耐性を獲得したHIVのインテグラーゼではないが、66番目のアミノ酸がアラニンであり、74番目のアミノ酸がメチオニンであるHIVインテグラーゼが知られている。具体的には、配列表の配列番号7記載のアミノ酸配列(アクセション番号:AJ239083)を有するHIVインテグラーゼである。
なお、HIVインテグラーゼに関し、GenBank(NCBI;National Center for Biotechnology Information)に、以下のHIVインテグラーゼが登録されている。
63番目のアミノ酸がイソロイシンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号13および14記載のアミノ酸配列(アクセション番号:AJ251056、AJ276595)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。63番目のアミノ酸がイソロイシンであり、74番目のアミノ酸がイソロイシンであり、153番目のセリンがアラニンであり、160番目のリジンがセリンであるHIVインテグラーゼとして、配列番号15記載のアミノ酸配列(アクセション番号:L20587)が登録されている。63番目のアミノ酸がメチオニンであり、74番目のアミノ酸がイソロイシンであり、153番目のセリンがアラニンであり、160番目のリジンがセリンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号16記載のアミノ酸配列(アクセション番号:L20571)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。66番目のアミノ酸がプロリンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号20または21記載のアミノ酸配列(順にアクセション番号:U69588、U69584)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。145番目のアミノ酸がロイシンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号19記載のアミノ酸配列(アクセション番号:AF040319)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。153番目のアミノ酸がプロリンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号17記載のアミノ酸配列(アクセション番号:AF040327)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。155番目のアミノ酸がアスパラギン酸であるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号18記載のアミノ酸配列(アクセション番号:U71182)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。138番目のアミノ酸がリジンであるHIVインテグラーゼとして、配列表の配列番号22記載のアミノ酸配列(アクセション番号:AF086817)を有するHIVインテグラーゼが登録されている。
なお、本明細書中のアクセション番号は、各タンパクをコードする核酸のGenBank(NCBI;National Center for Biotechnology Information)のアクセション番号を表わす。
また、HIVインテグラーゼの全長ではなく一部の配列に過ぎないが、92番目のアミノ酸がバリンで置換された配列、118番目のアミノ酸がアルギニンで置換された配列、121番目のアミノ酸がロイシンで置換された配列、138番目のアミノ酸がセリン、バリンまたはトレオニンで置換された配列、146番目のアミノ酸がヒスチジンで置換された配列、148番目のアミノ酸がロイシンで置換された配列、160番目のアミノ酸がアスパラギンで置換された配列が登録されている。
HIVインテグラーゼについては、その野性株のアミノ酸配列が知られている。なお、HIVは薬剤非存在下でも変異するため、多数の野性株が存在し、そのアミノ酸配列はそれぞれ異なる。
以下に本発明で見出した変異部位について、GenBankで調べた結果、野性株であると思われるアミノ酸を記載する。63番目のアミノ酸はロイシンであり、66番目のアミノ酸はトレオニンであり、70番目のアミノ酸はグリシンまたはグルタミン酸であり、72番目のアミノ酸はバリン、イソロイシンまたはグリシンであり、74番目のアミノ酸はロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンであり、92番目のアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、118番目のアミノ酸はグリシンであり、121番目のアミノ酸はフェニルアラニンであり、138番目のアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸であり、140番目のアミノ酸はグリシンであり、145番目のアミノ酸はプロリンであり、146番目のアミノ酸はグルタミンであり、148番目のアミノ酸はグルタミンであり、151番目のアミノ酸はバリンまたはイソロイシンであり、153番目のアミノ酸はセリンまたはアラニンであり、155番目のアミノ酸はアスパラギンであり、160番目のアミノ酸はリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸であり、249番目のアミノ酸はバリンまたはロイシンであり、250番目のアミノ酸はバリン、ロイシンまたはアラニンである。
発明の開示
HIVインテグラーゼ阻害剤に対し耐性を獲得したHIVを見い出し、それらの検出法およびそれらを使用するアッセイ法を提供する。
本発明者は、上記課題を解決するため、HIVインテグラーゼ阻害剤に対し耐性を獲得したHIVの核酸配列を決定し、以下の発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 64番目および116番目のアミノ酸がアスパラギン酸であり、152番目のアミノ酸がグルタミン酸であり、かつ以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有するHIVインテグラーゼ;
(a)63番目のアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸である;
(b)66番目のアミノ酸がトレオニン以外のアミノ酸である;
(c)70番目のアミノ酸がグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
(d)72番目のアミノ酸がバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸である;
(e)74番目がロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸である;
(f)92番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
(g)118番目のアミノ酸がグリシン以外のアミノ酸である;
(h)121番目のアミノ酸がフェニルアラニン以外のアミノ酸である;
(j)140番目のアミノ酸がグリシン以外のアミノ酸である;
(j)138番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
(k)145番目のアミノ酸がプロリン以外のアミノ酸である;
(l)146番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
(m)148番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
(n)151番目のアミノ酸がバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸である;
(o)153番目のアミノ酸がセリンおよびアラニン以外のアミノ酸である;
(p)155番目のアミノ酸がアスパラギン以外のアミノ酸である;
(q)160番目のアミノ酸がリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
(r)249番目のアミノ酸がバリンおよびロイシン以外のアミノ酸である;および
(s)250番目のアミノ酸がバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸である;
ただし、配列表の配列番号7〜22のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するHIVインテグラーゼは除く。
(2) 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有する上記(1)記載のHIVインテグラーゼ;
(a)63番目のアミノ酸がバリンである;
(b)66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンである;
(c)70番目のアミノ酸がアルギニンである;
(d)72番目のアミノ酸がアラニンである;
(e)74番目のアミノ酸がメチオニンである;
(f)92番目のアミノ酸がグルタミンである;
(g)118番目のアミノ酸がセリンである;
(h)121番目のアミノ酸がチロシンである;
(i)138番目のアミノ酸がリジンである;
(j)140番目のアミノ酸がセリンである;
(k)145番目のアミノ酸がセリンである;
(l)146番目のアミノ酸がアルギニンである;
(m)148番目のアミノ酸がリジンまたはアルギニンである;
(n)151番目のアミノ酸がロイシンである;
(o)153番目のアミノ酸がチロシンである;
(p)155番目のアミノ酸がセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンである;
(q)160番目のアミノ酸がアスパラギンである;
(r)249番目のアミノ酸がイソロイシンである;および
(s)250番目のアミノ酸がイソロイシンである、
(3) 12番目および16番目のアミノ酸がヒスチジンであり、40番目および43番目のアミノ酸がシステインであり、かつ156番目および159番目のアミノ酸がリジンである上記(1)または(2)記載のHIVインテグラーゼ、
(4) 配列表の配列番号1〜4のいずれかに記載のアミノ酸配列において1以上の上記(1)または(2)記載のアミノ酸が変異したアミノ酸配列を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のHIVインテグラーゼ、
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のインテグラーゼにおいて、64番目および116番目のアスパラギン酸、152番目のグルタミン酸、および任意に選択された変異部位のアミノ酸以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたHIVインテグラーゼ;
ただし、配列表の配列番号7〜22のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するHIVインテグラーゼは除く、
(6) 増殖可能なHIVを構成することができる(1)〜(5)のいずれかに記載のHIVインテグラーゼ、
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載のHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチド、
(8) 配列表の配列番号5または6記載の核酸配列において、187番目のCがG、196番目のAがG、197番目のCがT、220番目のTがA、352番目のGがA、433番目のCがT、437番目のAがG、442番目のCがA、451番目のAがT、458番目のCがA、462番目のGがA、464番目のAがGまたはC、および/または745番目のGがAに置換された核酸配列を有する上記(7)記載のポリヌクレオチド、
(9) 増殖可能なHIVを構成することができる上記(7)または(8)記載のポリヌクレオチド、
(10) 上記(7)または(8)記載のポリヌクレオチドを含有するベクターまたはプラスミド、
(11) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載のHIVインテグラーゼまたは上記(7)または(8)記載のポリヌクレオチドを含有するHIV、
(12) 上記(11)記載のHIVが持続感染した細胞、
(13) 上記(7)または(8)記載のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズし得るプローブまたはプライマー、
(14) 上記(13)記載のプローブまたはプライマーを使用したHIVの検出法、
(15) 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とする上記(14)記載のHIVの検出法;
(a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からトレオニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からフェニルアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からセリンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からアスパラギン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;および
(s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異、
(16) 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とする上記(14)または(15)記載のHIVの検出法;
(a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からバリンをコードする核酸配列への変異;
(b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からイソロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列への変異;
(c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からアラニンをコードする核酸配列への変異;
(e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からメチオニンをコードする核酸配列への変異;
(f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミンをコードする核酸配列への変異;
(g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
(i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からリジンをコードする核酸配列への変異;
(j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からリジンまたはアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からロイシンをコードする核酸配列への変異;
(o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
(p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンをコードする核酸配列への変異;
(q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアスパラギンをコードする核酸配列への変異;
(r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異;および
(s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異、
(17) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載のHIVインテグラーゼを使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法、
(18) 上記(11)記載のHIVを使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法、
(19) 上記(12)記載のHIVが持続感染した細胞を使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法、
(20) 分子量が15〜1000であり、水素、リチウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、鉄、バリウム、臭素および沃素からなる群から選択された任意の原子により構成され、−C(=O)−、−C(=S)−または−NH−で示される基を持ち、窒素、酸素および硫黄の中から任意に選択される原子を1〜3個有するヘテロ環を有する、上記(17)〜(19)のいずれかに記載のスクリーニング法により得られた化合物を有効成分として含有するHIVインテグラーゼ阻害剤、
(21) 上記(20)記載のHIVインテグラーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗HIV剤、
(22) 上記(20)記載のHIVインテグラーゼ阻害剤を有効成分として含有するエイズ治療剤、
に関する。
発明を実施するための最良の形態
HIVインテグラーゼ阻害剤の存在下でHIVの野性株を細胞(例えば、ヒトT細胞)に感染させ、継代培養し、数日後、HIV感染細胞をホモジネートし、PCR法を用いてHIV provirus DNAの塩基配列をシークエンスすることにより、そのHIVインテグラーゼをコードする核酸配列を調べた。
HIVインテグラーゼ阻害剤としては、WO00/39086またはScience,1999,Vol.287,p646−650に記載の化合物を使用することができる。例えば、4−(1−ベンゼンスルホニル−5−クロロインドール−3−イル)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ブテン酸(以下、化合物Aとする。)、1−[5−(4−フルオロベンジル)フラン−2−イル]−3−ヒドロキシ−3−(5−クロロ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)プロペノン(以下、化合物Bとする)、1−[5−(4−フルオロベンジル)フラン−2−イル]−3−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)プロペノン(以下、化合物Cとする)、4−[1−(4−フルオロベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ブテン酸(以下、化合物Dとする)、1−[5−(4−フルオロフェニルチオ)フラン−2−イル]−3−ヒドロキシ−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)プロペノン(以下、化合物Eとする)、4−[3,5−(ビスベンジルオキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ブテン酸(以下、化合物Fとする)などを使用することができる。
次に、得られたシークエンスに基づき、各変異部位についてのモレキュラークローンを作製し、該変異がHIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性獲得のために必要な変異部位であるか否かを調べた。
すなわち、HIVのモレキュラークローン(NL43)のインテグラーゼ部分の配列のみを、上記シークエンスに基づき作製されたHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチド(例えばDNA)で置換し、プラスミドpNL43を作製し、細胞(例えば、ヒトT細胞)に取り込ませ、目的の変異を持つHIVインテグラーゼを有するHIVのウイルスクローンを作製した。
このようにして得られたHIVのウイルスクローンが、使用されたHIVインテグラーゼ阻害剤に対して耐性を獲得しているか否かを、野性株に対する阻害活性と比較することにより調べた。
その結果、化合物Aに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・66番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
・74番目のアミノ酸がメチオニンとなる変異
・145番目のアミノ酸がセリンとなる変異
・249番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
・250番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
化合物Bに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・70番目のアミノ酸がアルギニンとなる変異
・118番目のアミノ酸がセリンとなる変異
・138番目のアミノ酸がリジンとなる変異
・146番目のアミノ酸がアルギニンとなる変異
・148番目のアミノ酸がリジンとなる変異
・151番目のアミノ酸がロイシンとなる変異
・155番目のアミノ酸がセリンまたはイソロイシンとなる変異
・167番目のアミノ酸がアスパラギン酸となる変異
化合物Cに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・63番目のアミノ酸がバリンとなる変異
・66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンとなる変異
・74番目のアミノ酸がメチオニンとなる変異
・92番目のアミノ酸がグルタミンとなる変異
・124番目のアミノ酸がアスパラギンとなる変異
・138番目のアミノ酸がリジンとなる変異
・140番目のアミノ酸がセリンとなる変異
・146番目のアミノ酸がアルギニンとなる変異
・148番目のアミノ酸がリジンとなる変異
・151番目のアミノ酸がロイシンとなる変異
・153番目のアミノ酸がアラニンとなる変異
・155番目のアミノ酸がセリン、トレオニンまたはヒスチジンとなる変異
・160番目のアミノ酸がアスパラギンとなる変異
化合物Dに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・72番目のアミノ酸がアラニンとなる変異
・74番目のアミノ酸がメチオニンとなる変異
・148番目のアミノ酸がリジンまたはアルギニンとなる変異
・151番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
・155番目のアミノ酸がセリンとなる変異
化合物Eに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンとなる変異
・148番目のアミノ酸がリジンまたはアルギニンとなる変異
・153番目のアミノ酸がチロシンとなる変異
化合物Fに対する耐性変異として、以下の変異を確認した。
・66番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
・74番目のアミノ酸がメチオニンとなる変異
・121番目のアミノ酸がチロシンとなる変異
・151番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
・153番目のアミノ酸がチロシンとなる変異
・154番目のアミノ酸がイソロイシンとなる変異
すなわち、化合物存在下でHIVインテグラーゼの変異が容易に起こる部位(以下、変異部位という。)を見い出し、特にその変異部位において置換されるアミノ酸を特定し、それらの事実に基づき、本発明を完成した。
本発明であるHIVインテグラーゼは、HIV野性株に比較して、上記耐性変異部位から任意に選択される変異部位が任意のアミノ酸で1以上置換された、活性中心のアミノ酸が保存されたHIVインテグラーゼを意味する。一般的にはHIVインテグラーゼは288個のアミノ酸からなるポリペプチドであるが、本発明のHIVインテグラーゼは、288個のアミノ酸からなるポリペプチドに限定されるものではない。数個〜数十個のアミノ酸が欠失、付加していてもよい。例えば、配列表の配列番号15及び16記載のHIVインテグラーゼのように、C末端に10アミノ酸伸びた298個のアミノ酸からなるHIVインテグラーゼ等も存在する。
なお、活性中心のアミノ酸は、64番目および116番目のアミノ酸がアスパラギン酸であり、152番目のアミノ酸がグルタミン酸である。本発明のHIVインテグラーゼは活性中心のアミノ酸が保存されており、HIVインテグラーゼ活性を有する。さらには、156番目および159番目のアミノ酸が保存されているHIVインテグラーゼが好ましい。なお、156番目および159番目のアミノ酸はリジンである。また、Znフィンガーモチーフ(12番目および16番目のアミノ酸がヒスチジンであり、40番目および43番目のアミノ酸がシステインである)も保存されていることが好ましい。
本発明は、化合物(例えば、HIVインテグラーゼ阻害剤)存在下でHIVインテグラーゼの変異が容易に起こる部位を見出したものであり、特に変異部位のアミノ酸の種類を限定するものではない。すなわち、変異部位のアミノ酸は、野性株として知られているアミノ酸以外の任意のアミノ酸であればよい。具体的には、本発明のHIVインテグラーゼは、以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有するHIVインテグラーゼを意味する。
(a)63番目のアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸である;
(b)66番目のアミノ酸がトレオニン以外のアミノ酸である;
(c)70番目のアミノ酸がグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
(d)72番目のアミノ酸がバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸である;
(e)74番目がロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸である;
(f)92番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
(g)118番目がグリシン以外のアミノ酸である;
(h)121番目のアミノ酸がフェニルアラニン以外のアミノ酸である;
(i)138番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
(j)140番目のアミノ酸がグリシン以外のアミノ酸である;
(k)145番目のアミノ酸がプロリン以外のアミノ酸である;
(l)146番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
(m)148番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
(n)151番目のアミノ酸がバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸である;
(o)153番目のアミノ酸がセリンおよびアラニン以外のアミノ酸である;
(p)155番目のアミノ酸がアスパラギン以外のアミノ酸である;
(q)160番目のアミノ酸がリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
(r)249番目のアミノ酸がバリンおよびロイシン以外のアミノ酸である;および
(s)250番目のアミノ酸がバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸である。
特に、HIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性獲得という点からは、66番目のアミノ酸がトレオニン以外のアミノ酸であるHIVインテグラーゼが重要である。
また、本発明は、上記の変異部位において置換されるアミノ酸も見い出したものである。具体的には、以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有するHIVインテグラーゼが挙げられる。
(a)63番目のアミノ酸がバリンである;
(b)66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンである;
(c)70番目のアミノ酸がアルギニンである;
(d)72番目のアミノ酸がアラニンである;
(e)74番目のアミノ酸がメチオニンである;
(f)92番目のアミノ酸がグルタミンである;
(g)118番目のアミノ酸がセリンである;
(h)121番目のアミノ酸がチロシンである;
(i)138番目のアミノ酸がリジンである;
(j)140番目のアミノ酸がセリンである;
(k)145番目のアミノ酸がセリンである;
(l)146番目のアミノ酸がアルギニンである;
(m)148番目のアミノ酸がリジンまたはアルギニンである;
(n)151番目のアミノ酸がロイシンである;
(o)153番目のアミノ酸がチロシンである;
(p)155番目のアミノ酸がセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンである;
(q)160番目のアミノ酸がアスパラギンである;
(r)249番目のアミノ酸がイソロイシンである;および
(s)250番目のアミノ酸がイソロイシンである。
特に、HIVインテグラーゼ阻害剤に対する耐性獲得という点からは、66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンであるHIVインテグラーゼが重要である。
なお、本発明のHIVインテグラーゼは活性中心のアミノ酸が保存されているので、活性中心及び上記変異部位以外のアミノ酸は、HIVインテグラーゼの機能を損わない限り、すなわちHIVインテグラーゼ活性を有する限り、任意のアミノ酸であってよい。例えば、データベース等で検索して選択したアミノ酸でもいいし、野性株、臨床分離株のアミノ酸でもよい。なお、「HIVインテグラーゼ活性を有する」とは、酵素系の実験でHIVインテグラーゼ活性を有する場合のみならず、HIVとした場合に増殖可能なHIVを構成することができるものであればよい。
具体的には、HIV野性株のHIVインテグラーゼとして知られている配列表の配列番号1〜4のいずれかに記載のアミノ酸配列(配列番号1:HIV−1 pNL43 subclone4−20 Integrase、アクセション番号:U26942;配列番号2:HIV−1 IIIB Integrase;配列番号3:HIV−1 IIIB(shionogi clone)Integrase;配列番号4:IIIB/LAI clone HXB2 Integrase、アクセション番号:AF033819)において1以上のアミノ酸が、任意に選択された上述のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質が挙げられる。
本発明のHIVインテグラーゼの64番目および116番目のアスパラギン酸、152番目のグルタミン酸、および上記選択された変異部位のアミノ酸以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたHIVインテグラーゼも本発明の範囲内である。
1以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたHIVインテグラーゼとは、例えば、基準となるHIVインテグラーゼのアミノ酸配列に対して少なくとも70%、好ましくは80%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するHIVインテグラーゼを意味する。
例えば、配列表のアミノ酸からなる群より選択される対照アミノ酸配列に対して少なくとも80%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、そのポリペプチドの配列が対照アミノ酸配列のアミノ酸100個ごとに20個までのアミノ酸の変化を含みうることを除き、そのポリペプチドのアミノ酸配列と対照配列が同一である場合を意味する。言い換えると、対照アミノ酸配列に対して少なくとも80%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドは、対照配列中のアミノ酸の20%までが欠失または他のアミノ酸と置換していてもよく、あるいは対照配列中の全アミノ酸数のうち20%までのアミノ酸が対照配列に挿入されたものであってもよい。対照配列におけるこれらの変化は、対照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置に存在してもよく、あるいはそれらの末端間のいずれかの位置に存在してもよく、対照配列中に散在していてもよく、あるいは対照配列内で1個またはそれ以上の一連の群をなしていてもよい。
また、本発明のHIVインテグラーゼは、増殖可能なHIVを構成することができるHIVインテグラーゼが好ましい。増殖可能なHIVを構成することができるHIVインテグラーゼか否かは、本発明のHIVインテグラーゼを含有するHIVを作製し、細胞に感染させ、細胞での増殖能を調べればよい。
なお、本発明のHIVインテグラーゼは、遺伝子組み換え技術により生産されたHIVインテグラーゼ、天然に存在するHIVインテグラーゼ、または有機合成されたHIVインテグラーゼのすべてを包含する。好ましくは、遺伝子組み換え技術により生産されたHIVインテグラーゼである。
なお、本明細書中、アミノ酸とは、天然型アミノ酸を意味し、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられる。
本発明であるHIVインテグラーゼは、それらをコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA断片)を制限酵素およびDNAリガーゼを用いて、市販のベクターまたはプラスミド等に導入し、宿主細胞(例えば大腸菌等)を用いて大量にタンパク質を発現させ、発現生成物を回収し単離生成することにより作製することができる。なお、細胞の培養は、プロモーター活性化、形質転換体選択または遺伝子増幅に適するように修飾された慣用的な培地中で行なうことができる。温度、pH等の培養条件は、使用された宿主細胞に依存するが、当業者であれば容易に設定することができる。
上記発現系がHIVインテグラーゼを増殖培地中に分泌する場合、該HIVインテグラーゼを培地から直接精製することができる。また、HIVインテグラーゼが分泌されない場合、該HIVインテグラーゼを細胞溶解物から単離するか、あるいは細胞膜フラクションから回収することができる。
回収、単離および精製法としては、硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー等が挙げられる。最後に高品質液体高速クロマトグラフィーを使用してもよい。
また、別法として、本発明のポリペプチドをペプチド合成装置により合成的に得ることもできる。
制限酵素としては、NdeI、BamHIなど使用することができる。DNAリガーゼとしては、T4DNAリガーゼなどを使用することができる。
ベクターまたはプラスミドとしては、下記に記載のベクターを使用することができる。例えば、ノヴァジェン社のpET15bベクターなどを使用することができる。
発現用ベクターとしてはpET15b(E.coli BL21(DE3))、pBR322(E.coli)、pACYC177(E.coli)、バクテリオファージλ(E.coli)、pKT230(グラム陰性細胞)、pGV1106(グラム陰性細胞)、pLAFRI(グラム陰性細胞)、pME290(非E.coliグラム陰性細胞)、pHV14(E.coliおよびバチルス・ズブチリス)、pBD9(バチルス)、pIJ61(ストレプトミセス)、pUC6(ストレプトミセス)、Yip5(サッカロミセス)、バキュロウイルス昆虫細胞系、Ycp19(サッカロミスス)などが挙げられる。特に、ベクターとしてはpET15b、宿主細胞としてはE.coli BL21(DE3)の組合わせが好ましい。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチドを意味する。
すなわち、本発明のポリヌクレオチドは、本発明のHIVインテグラーゼまたはその欠失体、置換体、付加体のアミノ酸配列により特徴づけられるHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチドを意味する。
また、本発明のポリヌクレオチドは、HIVのRNAゲノム中に含まれる一部であってもよく、HIV持続感染細胞のDNAゲノムの中の一部であってもよい。
なお、本発明のポリヌクレオチドはRNAの形態、または例えばcDNA、ゲノムDNA、および合成DNAを含むDNAの形態であってもよい。DNAは二本鎖または一本鎖のいずれであってもよく、一本鎖の場合、コーディング鎖または非コーディング鎖(アンチセンス鎖)であってよい。
本発明のHIVインテグラーゼをコードするコーディング配列は、HIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチドであれば、特に特定の核酸配列に限定されるものではない。すなわち、同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列であれば、すべての核酸配列が含まれる。
例えば、配列表の配列番号5または6記載の核酸配列において、187番目のCがG、196番目のAがG、197番目のCがT、220番目のTがA、352番目のGがA、433番目のCがT、437番目のAがG、442番目のCがA、451番目のAがT、458番目のCがA、462番目のGがA、464番目のAがGまたはC、および/または745番目のGがAに置換された核酸配列を有するポリヌクレオチドが例示される。なお、配列表の配列番号5記載の核酸配列は野性株(NL43)のインテグラーゼ部位をコードする核酸配列であり、配列番号6記載の核酸配列は野性株のアミノ酸配列を変化させずに制限酵素部位(XbaIとClaI)を導入した核酸配列である。
なお、上記は具体例であり、遺伝暗号の縮重の結果、異なる核酸配列を有するポリヌクレオチドであってもよい。
なお、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書開示のDNA配列により特徴づけられるコーディング配列の天然に存在する対立遺伝子変種であるコーディング配列を有していてもよい。当該分野において知られているように、対立遺伝子変種は、1個またはそれ以上のヌクレオチドが置換、欠失または付加されていてもよいポリヌクレオチド配列の別形態であり、コードされているポリペプチドの機能を実質的に変化させないものである。
また、本発明のHIVインテグラーゼを細胞に発現させる場合、以下の配列を含んでいてもよい。すなわち、成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチドのコーディング配列のみを含むものであってもよく、あるいは成熟ポリペプチドのコーディング配列ならびにリーダー配列または分泌配列またはプロ蛋白配列のごときさらなるコーディング配列を含むものであってもよい。
すなわち、本発明のポリヌクレオチドは、ポリペプチドのコーディング配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコーディング配列および/または非コーディング配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
それゆえ、本発明は、成熟ポリペプチドのコーディング配列が、宿主細胞からのポリペプチドの発現および分泌を促進するポリヌクレオチド配列(例えば、細胞からのポリペプチドの輸送を制御する分泌配列として機能するリーダー配列)にフレーム中で融合していてもよいポリヌクレオチドを包含する。
リーダー配列を有するポリペプチドはプレ蛋白であり、宿主細胞により開裂されてポリペプチドのプロ蛋白を生じる。ポリヌクレオチドはプロ蛋白をコードしていてもよく、プロ蛋白は成熟蛋白とさらなるN末アミノ酸残基とからなる。プロ配列を有する成熟蛋白が開裂されると活性成熟蛋白が残る。
よって、例えば、本発明ポリヌクレオチドは成熟蛋白をコードしていてもよく、あるいはプロ配列を有する蛋白またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)の両方を有する蛋白をコードしていてもよい。
本発明ポリヌクレオチドは、遺伝子の5’または3’末端のいずれかにおいて、本発明ポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列にフレーム中で融合したコーディング配列を有していてもよい。マーカー配列は、pETシリーズのベクター(ノヴァジェン社により市販)により提供されるヘキサ−ヒスチジンタグであってもよく、該タグは細菌宿主の場合にマーカーに融合したポリペプチドの精製を可能にする。
本発明のポリヌクレオチドは、HIVのRNAゲノムを鋳型としたRT−PCR法またはcDNAを鋳型としたPCR法等を用いて大量に複製することができる。
また、本発明のポリヌクレオチドは、増殖可能なHIVを構成することができるポリヌクレオチドが好ましい。増殖可能なHIVを構成することができるポリヌクレオチドか否かは、本発明のポリヌクレオチドを含有するプラスミドを作製し、細胞に導入してウイルスを産生させ、そのウイルスを細胞に感染させてその増殖能を調べればよい。
本発明のベクターまたはプラスミドは、本発明のポリヌクレオチドを含有するベクターまたはプラスミドを意味し、本発明のポリヌクレオチドを制限酵素、DNAリガーゼを用いて、市販のベクター(例えば、プラスミド、コスミド、ファージなど)に導入することにより作製することができる。
制限酵素としては、NdeI、BamHIなどを使用することができる。DNAリガ、ーゼとしては、T4DNAリガーゼなどを使用することができる。
ベクターとしては、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミド、及びファージDNAの組合わせに由来するベクターを意味するが、宿主細胞中で複製可能ある限り、上記以外のベクターを使用してもよい。ベクターとしては、例えば、細菌ベクターとして、pET15bベクター、pET3ベクター、pQE70、pQE60、pQE−9、pbs、pD10、phage script、psiX174、pbluescript SK、pdsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A、ptrc99a、pKK233−3、pDR540、pRIT5が挙げられ、真核細胞ベクターとして、pBlueBacIII、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLが挙げられる。特に、ノヴァジェン社のpET15bベクターが好ましい。
ポリヌクレオチドのベクターへの挿入は、様々の方法が知られているが、例えば、ポリヌクレオチドをベクターの適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入する。ベクター中のポリヌクレオチドは、mRNA合成を指令する適当なプロモーターに作動可能に連結される。プロモーターとしては、例えば、T7プロモーター、LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌(E.coli)のlacまたはtrp、ラムダファージのPtプロモーター、原核細胞、真核細胞、またはそれらのウイルスにおいて遺伝子発現を制御することが知られている他のプロモーターが挙げられる。
さらにベクターは、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、転写ターミネーター、発現増幅のための適当な核酸配列を含んでいてもよい。
ベクターは、形質転換宿主細胞の選択のための表現型を付与する1またはそれ以上の選択可能マーカーを含んでいてもよい。マーカーとしては、例えば、真核培養細胞においてはジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子またはネオマイシン耐性遺伝子を使用することができ、大腸菌においてはテトラサイクリン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子を使用することができる。
本発明のHIVは、本発明のHIVインテグラーゼまたは本発明のポリヌクレオチドを含有するHIVを意味する。
本発明のHIVは、以下のように作製できる、すなわち、モレキュラークローンpNL43のインテグラーゼ部分の配列のみを上記シークエンスに基づき作製されたHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチド(例えばDNA)で置換したプラスミドを作製し、細胞(例えば、ヒトT細胞)に取り込ませ、目的の変異を持つHIVインテグラーゼを有するHIVのウイルスクローンを作製すればよい。
本発明のHIVが持続感染した細胞は、本発明のHIVが持続感染した細胞を意味する。
本発明のHIVが持続感染した細胞は、本発明のベクターまたはプラスミドを、HIV形成に必要な他の酵素等をコードするポリヌクレオチドを含有するプラスミドDNAと共に、細胞(例えば、ヒトT細胞)に取り込ませることにより作製することができる。また、細胞に本発明のHIVを感染させることによっても作製することができる。細胞としては、ヒトT細胞等を用いることができる。
本発明のプローブまたはプライマーは、本発明のポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするプローブまたはプライマーを意味する。
本発明のポリヌクレオチドを検出または複製するために使用されるプローブまたはプライマーであり、本発明のポリヌクレオチドに特異的に結合するプローブまたはプライマーであれば、特に限定するものではない。すなわち、ストリンジェントな条件下で本発明のポリヌクレオチドの核酸配列にハイブリダイズするプローブまたはプライマーであればよい。また、変異部位の検出に使用する場合は、変異部位を含む7〜20アミノ酸をコードするポリヌクレオチドに相補的なプローブまたはプライマーが好ましい。
ストリンジェントな条件でハイブリダズするプローブまたはプライマーとは、配列間の同一性が少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%である場合にハイブリダイズするポリヌクレオチドを意味する。例えば、50%ホルムアミド、5xSSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトワウム(pH7.6)、5xデンハーツ溶液、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性し、剪断されたサケ精子DNAを含有する溶液中、42℃で一晩インキュベーションし、続いて約65℃で0.1xSSC中でフィルターを洗浄するものなどが挙げられる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知であり、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)、とりわけその第11章に実例が示されている。
本発明のポリヌクレオチドに特異的に結合するプローブまたはプライマーとは、野性株に結合せず、変異株(耐性変異株)に結合するプローブまたはプライマーを意味する。
また、本発明のプローブまたはプライマーを使用して、本発明のHIVを検出することができる。特に、野性株と変異株を区別して検出する方法が好ましく、例えば、以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とするHIVの検出法が好ましい;
(a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からトレオニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からフェニルアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からセリンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からアスパラギン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
(r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;および
(s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異。
さらに詳しくは、以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とするHIVの検出法が好ましい;
(a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からバリンをコードする核酸配列への変異;
(b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からイソロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列への変異;
(c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からアラニンをコードする核酸配列への変異;
(e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からメチオニンをコードする核酸配列への変異;
(f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミンをコードする核酸配列への変異;
(g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
(i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からリジンをコードする核酸配列への変異;
(j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
(l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からリジンまたはアルギニンをコードする核酸配列への変異;
(n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からロイシンをコードする核酸配列への変異;
(o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
(p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンをコードする核酸配列への変異;
(q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアスパラギンをコードする核酸配列への変異;
(r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異;および
(s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異。
本発明の検出法は、上記化合物A〜Fを含有するHIVインテグラーゼ阻害剤の投薬患者から得られたHIVの検出のみならず、他のHIVインテグラーゼ阻害剤の投薬患者、あるいは全く未投与の患者から得られたHIVの検出法としても使用できる。
具体的には、耐性変異の配列を内部に持ったDNAやRNA、または耐性変異部位は含まず、その直前または直後の配列を持つDNAやRNAをプローブや鋳型に用いたハイブリダイゼーション法やオリゴヌクレオチドライゲイション法とそれらの応用法、耐性変異の配列を持ったDNAやRNAをプライマーに用いたRT−PCR法またはPCR法、耐性変異部位の5’側直前の配列を持つDNAやRNAをプライマーにした伸長反応を応用した方法などにより検出することができる(▲1▼中村祐輔.(2000)SNP:その重要性と解析法.実験医学.vol.18,p1587−1594.▲2▼西村俊秀、須田三記也.(2000)SNPタイピング技術の現状と将来.実験医学.vol.18,p1894−1900.)。
また、上記とは別の薬剤耐性HIV検出法としては、以下の検出法が挙げられる。まず、HIV感染者からHIVまたは持続感染細胞を得、次にインテグラーゼ阻害剤(化合物A〜F)に対する感受性をインビトロで測定し、そのインテグラーゼ阻害剤によってどの程度増殖が阻止されているかを薬剤非存在下と比較し、そのインテグラーゼ阻害剤に対する感受性が低下していれば、該HIVは薬剤耐性を獲得しているといえる。すなわち、この検出法により、該HIVが、本発明において明らかになった変異(例えば、表1に記載の変異)を有していると結論できる。
本発明のHIVおよび本発明のHIVが持続感染した細胞は、アッセイに用いることができる。すなわち、本発明のHIVを細胞(例えば、ヒトT細胞)に感染させ、または本発明のHIVが持続感染した細胞(例えば、ヒトT細胞)を使用し、当業者に広く知られているMTTアッセイを行えばよい。このようなアッセイにより、本発明のHIVであるHIVインテグラーゼ阻害剤耐性HIVに対しても有効な化合物や薬剤を見い出すことができる。この際、EC50値(ウイルスによる細胞障害を50%抑制する化合物濃度)とCC50値(化合物による細胞毒性が50%である化合物濃度)を比較することにより、有効な化合物を選択することができる。また、HIVの野性株に対しても同時に活性を測定し、耐性株に対する活性と比較することにより、その化合物や薬剤の有用性をさらに検討することができる。また、耐性株そのものを用いる以外に以下のような方法でアッセイを行っても良い。すなわち、インテグレーション活性が欠損しているHIVに、インテグラーゼのみを別の分子として発現させたものを取り込ませることによりインテグレーション活性が相補されてウイルスの感染が成立することが知られている(Virology,Vol.255,1999,p77−85,A novel Vpr peptide interactor fused to integrase(IN)restore integration activity to IN−defective HIV−1 virions.J.Kulkosky,M.BouHamdan,A.Geisit,R.J.Pomerantz)。ただし、ウイルス粒子にインテグラーゼを取り込ませるために、インテグラーゼのN末端にたとえばVprが融合された形で発現させるなどの工夫が必要である。この方法を用いれば耐性株を用いなくともインテグラーゼに対する耐性変異の影響を簡単に調べることができる。
また、本発明のHIVインテグラーゼも、本発明のHIV、本発明のHIVが持続感染した細胞同様、HIVインテグラーゼ阻害剤(または活性化剤)探索のためのアッセイに使用することができる。すなわち、被験化合物がHIVインテグラーゼと結合または相互作用し、HIVインテグラーゼ活性を阻害(または活性化)するか否かを測定すればよい。本アッセイ法は、被験化合物とHIVインテグラーゼとの結合または相互作用が可能な条件下で、被験化合物とHIVインテグラーゼを接触させ、被験化合物とHIVインテグラーゼの結合または相互作用によるHIVインテグラーゼ活性の変化を測定し、HIVインテグラーゼを阻害するか否かを評価することにより行うことができる。例えば、基質DNAとターゲットDNAを使用し、被験化合物とHIVインテグラーゼの結合または相互作用により、HIVインテグラーゼによる基質DNAのターゲットDNAへの組み込みの減少を測定すればよい。
このようなアッセイ法としては、具体的には、WO00/39086に記載のアッセイ法が挙げられる。本発明の耐性変異を持つHIVインテグラーゼを、WO00/39086に記載の野生型のインテグラーゼの代わりに通常の反応バッファーに添加するだけで全く同じ方法でアッセイに用いることができる。このようなアッセイにより、既存の薬剤耐性HIVに対しても有効な化合物や薬剤を見出すことができる。また、野性型インテグラーゼに対しても同時に活性を測定し、耐性変異をもつインテグラーゼに対する活性と比較することにより、その化合物や薬剤の有用性を検討することができる。
なお、これらのアッセイの結果選択される化合物は、例えば、分子量15〜1000の有機化合物を意味し、構成原子としては、水素、リチウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、鉄、バリウム、臭素、沃素等が挙げられる。特に、−C(=O)−、−C(=S)−または−NH−で示される基を持つ化合物が好ましい。また、窒素、酸素および硫黄の中から任意に選択される原子を1〜3個有するヘテロ環を有する化合物が好ましい。
上記化合物を有効成分として含有するHIVインテグラーゼ阻害剤、および該HIVインテグラーゼ阻害剤を含有する抗HIV剤、エイズ治療剤も本発明に包含される。
上記化合物は、経口的又は非経口的に投与することができる。経口投与による場合、上記化合物は通常の製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;又はシロップ剤若しくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合、上記化合物は、水性又は油性懸濁注射剤、点鼻液として用いることができる。その調製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等を任意に用いることができる。
本発明の製剤は、治療有効量の上記化合物を製薬上許容される担体または希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)ことによって製造される。上記化合物の製剤は、周知の、容易に入手できる成分を用いて既知の方法により製造される。
上記化合物の医薬組成物を製造する際、活性成分は担体と混合されるかまたは担体で希釈されるか、カプセル、サッシェー、紙、あるいは他の容器の形態をしている担体中に入れられる。担体が希釈剤として働く時、担体は媒体として働く固体、半固体、または液体の材料であり、それらは錠剤、丸剤、粉末剤、口中剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(液体媒質中の固体)、軟膏にすることができ、例えば、10%までの活性化合物を含む。本発明化合物は投与に先立ち、製剤化するのが好ましい。
当業者には公知の適当な担体はいずれもこの製剤のために使用できる。このような製剤では担体は、固体、液体、または固体と液体の混合物である。例えば、静脈注射のために本発明化合物を2mg/mlの濃度になるよう、4%デキストロース/0.5%クエン酸ナトリウム水溶液中に溶解する。固形の製剤は粉末、錠剤およびカプセルを包含する。固形担体は、香料、滑沢剤、溶解剤、懸濁剤、結合剤、錠剤崩壊剤、カプセル剤にする材料としても役立つ1またはそれ以上の物質である。経口投与のための錠剤は、トウモロコシデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、および/またはゼラチン、アカシアなどの結合剤、およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、滑石などの滑沢剤とともに炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムなどの適当な賦形剤を含む。
粉末剤では担体は細かく粉砕された活性成分と混合された、細かく粉砕された固体である。錠剤では活性成分は、適当な比率で、必要な結合性を持った担体と混合されており、所望の形と大きさに固められている。粉末剤および錠剤は約1〜約99重量%の本発明の新規化合物である活性成分を含んでいる。適当な固形担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバターである。
液体製剤は懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性成分は、滅菌水、滅菌有機溶媒、または両者の混合物などの製薬上許容し得る担体中に溶解または懸濁することができる。活性成分はしばしば適切な有機溶媒、例えばプロピレングリコール水溶液中に溶解することができる。水性デンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース溶液、または適切な油中に細かく砕いた活性成分を散布することによってその他の組成物を製造することもできる。
上記化合物の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態及び疾患の種類によっても異なるが、通常、経口投与の場合、成人1日あたり約0.05mg〜3000mg、好ましくは、約0.1mg〜1000mgを、要すれば分割して投与すればよい。また、非経口投与の場合、成人1日あたり約0.01mg〜1000mg、好ましくは、約0.05mg〜500mgを投与する。
実施例
実施例1 HIVインテグラーゼをコードする遺伝子の変異部位の確認
1.HIV−1 IIIB持続感染細胞である、IIIB/Molt−4細胞(約1x10/ml)とMT−2細胞を(約3x10/ml)を混合し(細胞比 約1:3)、COインキュベーター(37℃、CO濃度5%に設定)で3日間培養した。混合3日後の、HIVが増殖し巨細胞が出現している状態の感染細胞を耐性ウイルス分離用のウイルスとした。
2.MT−2細胞を培養液で約3x10/mlに分散し、24wellプレートに1mlずつ分注した。同様に、巨細胞出現後の感染細胞(上記参照)を適度に希釈し、0.5mlづつ分注した。希釈した被験試料を添加してプレートミキサーで混和後、COインキュベーターで培養した。
3.感染3−4日目に感染細胞中のHIVによる巨細胞形成の有無を確認した。培養上清1mlを新たなプレートに分注し、新たなMT−2細胞(約2x10/well)、培養液、薬剤を添加した。3−4日おきに細胞を観察し、このウイルスの継代操作を繰り返した。この時、強度の巨細胞形成が出現していた時は培養上清0.5ml、その他の場合は感染細胞0.5mlを継代に用いた。細胞を継代する場合、MT−2細胞の添加量は適宜調節した。各wellの培養液量は、約1.5−2.0mlで行った。
4.細胞の継代時に、その薬剤の濃度において明らかな強度の巨細胞形成が繰り返して出現した時は、継代時に薬剤濃度を5倍量に上げ、再度培養を続けた。この操作を繰り返し、薬剤濃度を徐々に上げていった。最終的に薬剤濃度4,000−10,000ng/mlにおいてHIVが増殖可能となるまで続けた。この間、約1週間おきに培養液、感染細胞をサンプリングした。
5.採取した感染細胞について、DNA抽出キットを用いてプロウイルスゲノムDNAを抽出した。インテグラーゼ領域の両側の2本のプライマーを用いてPCRを行い、増幅されたDNAに関してシークエンスを行った。
以下の表に使用した薬剤と変異部位を示す。
Figure 2002038771
実施例2 HIV変異株のmolecular cloneの作製法
下記に、代表的なmutantの作製法を示す。クローンは、molecular cloneであるpNL432を用いた。予め、インテグラーゼに変異を導入しやすいように、pNL432のインテグレースの最初の位置にXbaIを作製したものを用いた(以降、NL432 Xbaとする)。
1.T66I mutantの作製法
化合物C耐性ウイルス(NL432)より得られたインテグレースT66IのmutantウイルスDNAをテンプレートにして、下記に示すプライマ−INT−Xba、vpr−EcoでPCRを行った。これで得られた断片をXbaI/EcoRIでカットし、NL432 Xbaの同領域と置き換えた。
Figure 2002038771
Figure 2002038771
2.T124A mutantの作製法
pNL432をテンプレートにして、下記のプライマ−INT−Xba、124A Bam(−)でPCRを行い、これで得られた断片をXbaI/BamHIでカットした(=XbBa124A)。またpNL432をテンプレートにして、下記のプライマ−124A Bam(+)、vpr−EcoでPCRを行い、これで得られた断片をBamHI/EcoRIでカットした(=BaEc124A)。続いてXbBa124A、BaEc124A断片をライゲーションさせた後に、pUC18のXbaI/EcoRIへクローニングした。このプラスミドをXbaI/EcoRIでカットし、その断片をpNL432 Xbaの同領域と置き換えた。
Figure 2002038771
3.E148K mutantの作製法
pNL432をテンプレートにして、下記のプライマ−INT−Xba、148K Bam(−)でPCRを行い、これで得られた断片をXbaI/BamHIでカットした(=XbBa148K)。また、pNL432をテンプレートにしてプライマ−148K Bam(+)、vpr−EcoでPCRを行い、これで得られた断片をBamHI/EcoRIでカットした(=BaEc148K)。続いてXbBa148K、BaEc148K断片をライゲーションさせた後、pUC18のXbaI/EcoRIへクローニングした。このプラスミドを、XbaI/EcoRIでカットし、その断片をpNL432 Xbaの同領域と置き換えた。
Figure 2002038771
Figure 2002038771
4.N155S mutantの作製法
pNL432をテンプレートにして、下記のプライマ−INT−Xba、155S Sac(−)でPCRを行い、これで得られた断片をXbaI/SacIでカットした(=XbSa155S)。また、pNL432をテンプレートにしてプライマ−155S Sac(+)、vpr−EcoでPCRを行い、これで得られた断片をSacI/EcoRIでカットした(=SaEc155S)。続いてXbSa155S、SaEc155S断片をライゲーションさせた後、pUC18のXbaI/EcoRIへクローニングした。このプラスミドを、XbaI/EcoRIでカットし、その断片をpNL432 Xbaの同領域と置き換えた。
Figure 2002038771
他のHIVについても、上記同様に作製することができる。
実施例3 HIVインテグラーゼをコードする核酸の作製法
本発明の変異を持つ耐性ウイルスのモレキュラークローンDNA5ngを鋳型にして、制限酵素部位NdeI(5’側)とBamHI(3’側)を付加できるように設計されたプライマー(5’−ggC AgC CAT ATg TTT TTA gAT ggA ATA gAT AAg gCC C−3’(配列番号:31)と5’−gCA gCC ggA TCC TTA ATC CTC ATC CTg TCT ACT TgC CAC−3’(配列番号:32))と東洋紡社より購入したKOD dash polymeraseを用いて本発明の変異を持つインテグラーゼをコードするDNA断片を増幅した。反応条件は10μlの10xKOD buffer(組成:1.2M Tris−HCl(pH8.0),100mM KCl,60mM(NHSO,1%Triton X−100,25mM MgCl)、16μlのdNTP混合液(各々2mM)、プライマー(100pmol/μl)をそれぞれ1μlづつ、鋳型DNAを5ng分、最後にKOD dash polymerase(2.5units/μl)を1.5μl入れて100μlのスケールで94℃、30sec.、52℃、30sec.、74℃、30sec.のサイクルを30回行った。
実施例4 変異HIVインテグラーゼの作製法
前項の実施例で増幅した本発明の変異を含むインテグラーゼをコードするDNA断片を制限酵素NdeIとBamHIで切断してから1%アガロースゲルに電気泳動を行い、イルミネーター上でバンドを検出して切り出し精製した。他方ノヴァジェン社のpET15bベクターも同様に制限酵素NdeIとBamHIで切断後、アガロースゲルに電気泳動することにより余分なDNA断片を取り除いた。これらの耐性インテグラーゼをコードするDNA断片とpET15bベクターをT4DNA ligaseを用いてライゲーションを行い、発現ベクターを構築した。
次に構築した発現ベクターをノヴァジェン社より購入したコンピテントセルBL21(DE3)にトランスフォーメーションを行い、100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート(組成:10mg/ml Bacto−trypton,5mg/ml Yeast−extract,5mg/ml NaCl)にまいて37℃で終夜培養した。翌日プレートに生えたコロニーを集めて100μg/mlのアンピシリンを含むSB培地(組成:12mg/ml Bacto−trypton,24mg/ml Yeast−extract,4μl/ml glycerol,2.31mg/ml KHPO,12.54mg/ml KHPO)中で30℃で培養を行った。600nmにおける吸光度が0.8に達した時点で終濃度が0.4mMになるようIPTGを添加してインテグラーゼの発現を誘導した。発現誘導後は37℃で3時間培養を行った後に集菌した。集めた菌を溶解バッファー(組成:0.15M NaCl,20mM HEPES(pH7.5),2mM 2−mercaptoethanol,5mM imidazole)に溶解して終濃度0.3mg/mlになるようにライソザイムを加えて氷上で30分間インキュベーションを行った。ダウンス型ホモジュナイザーで破砕後、超遠心(条件:4℃、60分、40000 x g)を行った。沈殿物を5mM imidazoleを含む可溶化バッファー(組成:20mM MOPS(pH7.2),400mM potassium glutamete,1mM EDTA,0.1%NP−40,20%glycerol,2mM 2−mercaptoethanol,4M urea)に溶解して0.22−μMのフイルターに通した後にニッケルキレートアフィニティーゲル(アマシャムファルマシアバイオテック)にアプライした。洗浄バッファー(組成:40mM imidazole,20mM MOPS(pH7.2),400mM potassium glutamete,1mM EDTA,0.1%NP−40,20%glycerol,2mM 2−mercaptoethanol,4M urea)でカラムを洗浄後、300mM imidazoleを含む可溶化バッファーで溶出した。溶出されたフラクションを1000倍量の10mM DTTを含む可溶化バッファーに対して2回透析し、インテグレーション活性を調べた。
実施例5 変異HIVウイルス検出法
本発明の耐性ウイルス検出例(T66Iの場合)を以下に示す方法に基づき実施した。
(1)プロウイルスDNAを用いた検出法
合成した表2の各DNAをTEバッファー(組成:1mM EDTA,10mM Tris−塩酸(pH7.6))に溶解させ、プライマー溶液(10pmol/μl)を調製した。野生型を検出する場合はRWT−2(5’−GAA TAT GGC AGC TAG ATT GTA C−3’(配列番号:33))とRRW−1(5’−CTA GGT CAG GGT CTA CTT GTG TGC−3’(配列番号:34))のプライマーを、耐性変異型を検出する場合はRM−2(3’−G GAA TAT GGC AGC TAG ATT CAA T−5’(配列番号:35))とRRW−1のプライマーを各々0.5μl用いた。0.5unitsのTaKaRa Ex TaqTMと3μlの添付バッファー(組成:100mM Tris−HCl,pH8.3,500mM KCl,15mM MgCl)とdNTP混合液(各々2.5mM)を混ぜて28μlの反応液を作製し、様々な濃度の鋳型DNAを含む溶液2μlを加えた。ミネラルオイルを一滴ずつ加えてからシータス社の機械を用いて、野生型を検出する場合は94℃、1min.、57℃、30sec.、72℃、30sec.のサイクルを30回の条件で、耐性変異型を検出する場合は94℃、1min.、60℃、30sec.、72℃、30sec.のサイクルを27回繰り返す反応条件でPCR反応を行った。野生型ウイルスDNAの鋳型としてはモレキュラークローンpNL432を用いた(Adachi,A.,Gendelman,H.E.,Koenig,S.,Folks,T.,Willey,R.,Robson,A.,Martin,M.A.(1986)Production of acquired immunodeficiency syndrome−associated retrovirus in human and nonhuman cells transfected with an infectious molecular clone.J.Virol.,vol.59,p284−291.)。耐性ウイルスDNAの鋳型としてはpNL432のインテグラーゼ部分のアミノ酸配列にのみT66I、L74M(ACA→ATA、TTG→ATG)の変異を持つモレキュラークローンpTYI−302を用いた。PCR反応後の反応液5μlを1%アガロースゲルに電気泳動し、下方よりUVを照射しながらバンドを検出することにより結果を判定した。その結果、野生型検出の場合は0.0002ng/30μl以上の濃度のpNL432を鋳型として用いた場合のみ検出でき、pTYI−302を鋳型とした場合は検出されなかった。逆に耐性変異型検出の場合は0.0002ng/30μl以上の濃度のpTYI−302を鋳型として用いた場合のみ検出でき、pNL432を鋳型として用いた場合は検出されなかった。
実施例6 変異HIVインテグラーゼを使用したアッセイ
本発明の耐性変異を持つインテグラーゼを用いて以下に示す野生型の場合と同じアッセイ法に基づき種々の化合物の阻害活性を調べた。
(1)DNA溶液の調製
アマシャムファルマシア社により合成された以下の各DNAを、KTEバッファー液(組成:100mM KCl,1mM EDTA,10mM Tris−塩酸(pH7.6))に溶解させることにより、基質DNA溶液(2pmol/μl)およびターゲットDNA溶液(5pmol/μl)を調製した。各溶液は、一旦煮沸後、ゆるやかに温度を下げて相補鎖同士をアニーリングさせてから用いた。
(基質DNA配列)
Figure 2002038771
(ターゲットDNA配列)
Figure 2002038771
(2)阻害率(IC50値)の測定
Streptavidin(Vector Laboratories社製)を0.1M炭酸バッファー液(組成:90mM NaCO,10mM NaHCO)に溶かし、濃度を40μg/mlにした。この溶液、各50μlをイムノプレート(NUNC社製)のウエルに加え、4℃で一夜静置、吸着させる。次に各ウエルを燐酸バッファー(組成:13.7mM NaCl,0.27mM KCl,0.43mM NaHPO,0.14mM KHPO)で2回洗浄後、1%スキムミルクを含む燐酸バッファー300μlを加え、30分間ブロッキングした。さらに各ウエルを燐酸バッファーで2回洗浄後、基質DNA溶液(2pmol/μl)50μlを加え、振盪下、室温で30分間吸着させた後、燐酸バッファーで2回、次いで蒸留水で1回洗浄した。
次に上記方法で調製した各ウエルに、バッファー(組成:150mM MOPS(pH7.2),75mM MnCl,50mM 2−mercaptoethanol,25%glycerol,500μg/ml bovine serumalbumin−fraction V)12μl、ターゲットDNA(5pmol/μl)1μlおよび蒸留水32μlから調製した反応溶液45μlを加えた。さらに各ウエルに被検化合物のDMSO溶液6μlを加え、ポジティブコントロール(PC)としてのウエルには、DMSO 6μlを加える。次に耐性インテグラーゼ溶液(30pmol)9μlを加え、良く混合した。ネガティブコントロール(NC)としてのウエルには,希釈液(組成:20mM MOPS(pH7.2),400mM potassium glutamete,1mM EDTA,0.1%NP−40,20%glycerol,1mM DTT,4M urea)9μlを加えた。
各プレートを30℃で1時間インキュベート後、反応液を捨て、燐酸バッファーで2回洗浄した。次にアルカリフォスファターゼ標識した抗ジゴキシゲニン抗体(ヒツジFabフラグメント:ベーリンガー社製)を100μl加え、30℃で1時間結合させた後、0.05%Tween20を含む燐酸バッファーで2回、燐酸バッファーで1回、順次洗浄した。次に、アルカリフォスファターゼ呈色バッファー(組成:10mMパラニトロフェニルホスフェート(Vector Laboratories社製),5mM MgCl,100mM NaCl,100mM Tris−塩酸(pH9.5))を150μl加えて30℃で2時間反応させ、1N NaOH溶液50μlを加え反応を止めた後、各ウエルの吸光度(OD405nm)を測定し、以下の計算式に従い阻害率を求めた。
阻害率(%)=100[1−{(C abs.−NC abs.)/(PC abs.−NC abs.)}]
C abs.;化合物のウエルの吸光度
NC abs.:NCの吸光度
PC abs.:PCの吸光度
なお、IC50値は、上記の阻害率を用いて以下の計算式で求められる。すなわち阻害率50%をはさむ2点の濃度において、xμg/mlの濃度で阻害率X%、yμg/mlの濃度で阻害率Y%をそれぞれ示す時、IC50(μg/ml)=x−{(X−50)(x−y)/(X−Y)}となる。
実施例7 HIV変異株を使用したアッセイ
(1) HIV変異株持続感染ヒトT細胞株Molt−4clone8を10%牛胎児血清添加RPMI−1640培地で培養し、上清を濾過してウイルスの力価を測定し、−80℃で保存した。他方、被検化合物を上記の培養培地で所定の濃度になるように希釈し、96穴マイクロプレートに100μlずつ分注する。次にMT−4細胞浮遊液を50μl(2.5×10細胞)ずつを分注し、更に上記HIV含有上清を上記の培養培地で希釈したものを50μl(600pfu(plaque forming unit))ずつ加えた。
(2) 炭酸ガス培養器内で37℃で5日間培養した後、全てのウエルにMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)5mg/ml,PBS)を30μlずつ加え、更に1時間培養した。このとき、生存する細胞はMTTを還元してフォルマザンを析出させる。全てのウェルから培養上清を150μlずつ取り除き、代わりに150μlの溶解液(10%トリトンX−100及び0.4%(V/V)HCl添加イソプロパノール)を加え、プレートミキサーで振とうしてフォルマザンを溶出した。フォルマザンをOD560nmで測定し、結果を被対照と比較した。ウイルスによる細胞障害を50%抑制する化合物濃度をEC50とした。
(3) 上記(1)において、HIV含有上清(ウイルス液)の代わりに各ウェルに培養培地50μlずつ加え、(2)と同様に処理し化合物の細胞毒性を調べた。化合物による細胞毒性が50%である化合物濃度をCC50とした。
産業上の利用可能性
本発明のHIVまたはHIVインテグラーゼは、薬剤耐性HIVに対する阻害剤のアッセイ法に使用することができ、有用である。また、本発明のHIVインテグラーゼをコードする核酸またはそれらを含む核酸配列に相補的なプローブまたはプライマーは、薬剤耐性HIV検出法に使用することができ、有用である。
【配列表】
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Claims (22)

  1. 64番目および116番目のアミノ酸がアスパラギン酸であり、152番目のアミノ酸がグルタミン酸であり、かつ以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有するHIVインテグラーゼ;
    (a)63番目のアミノ酸がロイシン以外のアミノ酸である;
    (b)66番目のアミノ酸がトレオニン以外のアミノ酸である;
    (c)70番目のアミノ酸がグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
    (d)72番目のアミノ酸がバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸である;
    (e)74番目がロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸である;
    (f)92番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
    (g)118番目のアミノ酸がグリシン以外のアミノ酸である;
    (h)121番目のアミノ酸がフェニルアラニン以外のアミノ酸である;
    (i)138番目のアミノ酸がグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸である;
    (j)140番目のアミノ酸がグリシン以外のアミノ酸である;
    (k)145番目のアミノ酸がプロリン以外のアミノ酸である;
    (l)146番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
    (m)148番目のアミノ酸がグルタミン以外のアミノ酸である;
    (n)151番目のアミノ酸がバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸である;
    (o)153番目のアミノ酸がセリンおよびアラニン以外のアミノ酸である;
    (p)155番目のアミノ酸がアスパラギン以外のアミノ酸である;
    (q)160番目のアミノ酸がリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸である;
    (r)249番目のアミノ酸がバリンおよびロイシン以外のアミノ酸である;および
    (s)250番目のアミノ酸がバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸である;
    ただし、配列表の配列番号7〜22のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するHIVインテグラーゼは除く。
  2. 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つの変異を有する請求の範囲第1項記載のHIVインテグラーゼ;
    (a)63番目のアミノ酸がバリンである;
    (b)66番目のアミノ酸がイソロイシンまたはアラニンである;
    (c)70番目のアミノ酸がアルギニンである;
    (d)72番目のアミノ酸がアラニンである;
    (e)74番目のアミノ酸がメチオニンである;
    (f)92番目のアミノ酸がグルタミンである;
    (g)118番目のアミノ酸がセリンである;
    (h)121番目のアミノ酸がチロシンである;
    (i)138番目のアミノ酸がリジンである;
    (j)140番目のアミノ酸がセリンである;
    (k)145番目のアミノ酸がセリンである;
    (l)146番目のアミノ酸がアルギニンである;
    (m)148番目のアミノ酸がリジンまたはアルギニンである;
    (n)151番目のアミノ酸がロイシンである;
    (o)153番目のアミノ酸がチロシンである;
    (p)155番目のアミノ酸がセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンである;
    (q)160番目のアミノ酸がアスパラギンである;
    (r)249番目のアミノ酸がイソロイシンである;および
    (s)250番目のアミノ酸がイソロイシンである。
  3. 12番目および16番目のアミノ酸がヒスチジンであり、40番目および43番目のアミノ酸がシステインであり、かつ156番目および159番目のアミノ酸がリジンである請求の範囲第1項または第2項記載のHIVインテグラーゼ。
  4. 配列表の配列番号1〜4のいずれかに記載のアミノ酸配列において1以上の請求の範囲第1項または第2項記載のアミノ酸が変異したアミノ酸配列を有する請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載のHIVインテグラーゼ。
  5. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のインテグラーゼにおいて、64番目および116番目のアスパラギン酸、152番目のグルタミン酸、および任意に選択された変異部位のアミノ酸以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたHIVインテグラーゼ;
    ただし、配列表の配列番号7〜22のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するHIVインテグラーゼは除く。
  6. 増殖可能なHIVを構成することができる請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のHIVインテグラーゼ。
  7. 請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載のHIVインテグラーゼをコードするポリヌクレオチド。
  8. 配列表の配列番号5または6記載の核酸配列において、187番目のCがG、196番目のAがG、197番目のCがT、220番目のTがA、352番目のGがA、433番目のCがT、437番目のAがG、442番目のCがA、451番目のAがT、458番目のCがA、462番目のGがA、464番目のAがGまたはC、および/または745番目のGがAに置換された核酸配列を有する請求の範囲第7項記載のポリヌクレオチド。
  9. 増殖可能なHIVを構成することができる請求の範囲第7項または第8項項記載のポリヌクレオチド。
  10. 請求の範囲第7項または第8項記載のポリヌクレオチドを含有するベクターまたはプラスミド。
  11. 請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに項記載のHIVインテグラーゼまたは請求の範囲第7項または第8項記載のポリヌクレオチドを含有するHIV。
  12. 請求の範囲第11項記載のHIVが持続感染した細胞。
  13. 請求の範囲第7項または第8項記載のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズし得るプローブまたはプライマー。
  14. 請求の範囲第13項記載のプローブまたはプライマーを使用したHIVの検出法。
  15. 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とする請求の範囲第14項記載のHIVの検出法;
    (a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からトレオニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からグリシンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からバリン、イソロイシンおよびグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からロイシン、イソロイシン、バリンおよびプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からフェニルアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミン酸およびアスパラギン酸以外のアミノ酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からグリシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からプロリン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からグルタミン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびイソロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からセリンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からアスパラギン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からリジン、グルタミン、トレオニンおよびグルタミン酸以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;
    (r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からバリンおよびロイシン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異;および
    (s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からバリン、ロイシンおよびアラニン以外のアミノ酸をコードする核酸配列への変異。
  16. 以下に示す群から任意に選択される少なくとも1つのアミノ酸をコードする核酸配列の変異を検出することを特徴とする請求の範囲第14項または第15項記載のHIVの検出法;
    (a)63番目のロイシンをコードする核酸配列からバリンをコードする核酸配列への変異;
    (b)66番目のトレオニンをコードする核酸配列からイソロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列への変異;
    (c)70番目のグリシンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
    (d)72番目のバリン、イソロイシンまたはグリシンをコードする核酸配列からアラニンをコードする核酸配列への変異;
    (e)74番目のロイシン、イソロイシン、バリンまたはプロリンをコードする核酸配列からメチオニンをコードする核酸配列への変異;
    (f)92番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からグルタミンをコードする核酸配列への変異;
    (g)118番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
    (h)121番目のフェニルアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
    (i)138番目のグルタミン酸またはアスパラギン酸をコードする核酸配列からリジンをコードする核酸配列への変異;
    (j)140番目のグリシンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
    (k)145番目のプロリンをコードする核酸配列からセリンをコードする核酸配列への変異;
    (l)146番目のグルタミンをコードする核酸配列からアルギニンをコードする核酸配列への変異;
    (m)148番目のグルタミンをコードする核酸配列からリジンまたはアルギニンをコードする核酸配列への変異;
    (n)151番目のバリンまたはイソロイシンをコードする核酸配列からロイシンをコードする核酸配列への変異;
    (o)153番目のセリンまたはアラニンをコードする核酸配列からチロシンをコードする核酸配列への変異;
    (p)155番目のアスパラギンをコードする核酸配列からセリン、イソロイシン、トレオニンまたはヒスチジンをコードする核酸配列への変異;
    (q)160番目のリジン、グルタミン、トレオニンまたはグルタミン酸をコードする核酸配列からアスパラギンをコードする核酸配列への変異;
    (r)249番目のバリンまたはロイシンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異;および
    (s)250番目のバリン、ロイシンまたはアラニンをコードする核酸配列からイソロイシンをコードする核酸配列への変異。
  17. 請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載のHIVインテグラーゼを使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法。
  18. 請求の範囲第11項記載のHIVを使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法。
  19. 請求の範囲第12項記載のHIVが持続感染した細胞を使用した抗HIVインテグラーゼ阻害剤のスクリーニング法。
  20. 分子量が15〜1000であり、水素、リチウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、鉄、バリウム、臭素および沃素からなる群から選択された任意の原子により構成され、−C(=O)−、−C(=S)−または−NH−で示される基を持ち、窒素、酸素および硫黄の中から任意に選択される原子を1〜3個有するヘテロ環を有する、請求の範囲第17項〜第19項のいずれかに記載のスクリーニング法により得られた化合物を有効成分として含有するHIVインテグラーゼ阻害剤。
  21. 請求の範囲第20項記載のHIVインテグラーゼ阻害剤を有効成分として含有する抗HIV剤。
  22. 請求の範囲第20項記載のHIVインテグラーゼ阻害剤を有効成分として含有するエイズ治療剤。
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