JPWO2002031261A1 - 撥水耐油剤組成物 - Google Patents

撥水耐油剤組成物

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Abstract

低温、短時間の乾燥条件でも、紙に優れた撥水耐油性を付与できる、撥水耐油剤組成物の提供。ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート、塩化ビニリデンおよび[CH2=C(R)COO−CH2−CH(OH)−CH2N+(CH3)3・X−(R:水素原子またはメチル基、X−:対イオン。)]等で表される化合物を、水100gに対する溶解度が3g未満である親油性重合開始剤(E)を用いて重合した含フッ素共重合体(A)、非フッ素界面活性剤(B)、媒体(C)および水溶性高分子(D)(ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールまたはデンプン)を含む組成物。

Description

技術分野
本発明は、撥水耐油剤組成物および該組成物を用いて加工された紙等の基材に関する。
背景技術
環境に対する関心が高まるに伴って、食品・菓子等の容器に紙が用いられている。その紙には、食品・菓子等に含まれる油分または水分で手などが汚れるのを防ぐために、撥水耐油加工が施されている。
紙に対する撥水耐油加工法のうち、原紙に加工剤を含浸またはコーティングする外添加工法においては、サイズプレスまたは各種のコーターが用いられ、乾燥は80〜100℃、数秒〜数十秒間で行われる。したがって、このような低温および短時間での乾燥で、高い撥水耐油性を付与するために、低温での造膜性に優れた共重合体、すなわちポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと塩化ビニリデンとの共重合体が提案されている。しかし、浸漬時間が短いために紙への吸着が不足し、撥水性と耐油性が両立しない問題があった。
本発明者らは、特定の重合単位を有する共重合体と特定の水溶性高分子とを含む、撥水耐油剤組成物を用いて紙を処理することにより、低温および短時間の乾燥でも、高い耐油性を維持しつつ高い撥水性が発現することを見いだした。本発明は、紙に優れた撥水耐油性を付与できる撥水耐油剤組成物の提供を目的とする。また、本発明の撥水耐油剤組成物は、紙以外の基材へも撥水耐油性を付与できる。
発明の開示
本発明は下記含フッ素共重合体(A)、非フッ素界面活性剤(B)、媒体(C)および下記水溶性高分子(D)を必須成分とする撥水耐油剤組成物を提供する。
水溶性高分子(D):ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびデンプンから選ばれる水溶性高分子。
含フッ素共重合体(A):ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合単位、ハロゲン化ビニリデンの重合単位および下式(1)で表される化合物の重合単位を含む共重合体。
Figure 2002031261
ただし、式(1)中の記号は以下の意味を示す。
R:水素原子またはメチル基。
Y:酸素原子または2価有機基。
、R:相互に独立して水素原子またはアルキル基であるか、共同して形成されるアルキレン基または共同して形成される炭素−炭素間にエーテル性酸素原子を有するアルキレン基。
:水素原子またはアルキル基。
:水素原子または水酸基。
n:0、1、2、3または4。
:対イオン。
発明を実施するための最良の形態
本明細書において、ポリフルオロアルキル基をR基と記す。また、アクリレートとメタクリレートとを総称して、(メタ)アクリレートと記す。
本発明においてR基とは、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基である。R基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。炭素数が2未満の場合には撥水性能が低下する傾向があり、20超の場合には重合性単量体が常温で固体となり、昇華性も大きく取り扱いが困難になる傾向がある。
基は、直鎖構造または分岐構造であるが、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分がR基の末端部分に存在し、かつ分岐部分が炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。
基中のフッ素原子は、[(R基中のフッ素原子数)/(R基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。R基としては、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基、すなわちペルフルオロアルキル基(以下、R基と記す。)が好ましい。さらにR基としては、直鎖構造のR基、すなわちF(CF−(iは2〜20の整数。)で表される基が好ましく、特にiが6〜16の整数である基が好ましい。
またR基は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。さらに、R基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよい。
基の末端部分としては、CFCF−、(CFCF−、CHF−、CHF−、CClF−等が挙げられ、CFCF−が好ましい。
基の具体例を以下に挙げる。なお以下の例においては、同一分子式を有する構造異性の基を含む。ただし、tは2〜20の整数、eは1〜17の整数、rは1〜5の整数、zは1〜6の整数、wは1〜9の整数である。
−[F(CF−、(CFCFCF−、(CFC−]、C11−[F(CF−、(CFCCF−等]、C13−[F(CF−等]、C15−、C17−、C19−、C1021−、Cl(CF−、H(CF−、(CFCF(CF−等。
F(CFOCF(CF)−、F[CF(CF)CFO]CF(CF)CFCF−、F[CF(CF)CFO]CF(CF)−、F[CF(CF)CFO]CFCF−、F(CFCFCFO)CFCF−、F(CFCFO)CFCF−等。
F(CFSCF(CF)−、F[CF(CF)CFS]CF(CF)CFCF−、F[CF(CF)CFS]CF(CF)−、F[CF(CF)CFS]CFCF−、F(CFCFCFS)CFCF−、F(CFCFS)CFCF−等。
含フッ素共重合体(A)におけるR基を有する(メタ)アクリレートの重合単位としては、下式(2)で表される化合物の重合単位が好ましい。ただし、式(2)において、RはR基、Qは2価有機基、Rは水素原子またはメチル基を示す。
Figure 2002031261
式(2)におけるQとしては、−(CHp+q−、−(CHCONH(CH−、−(CHOCONH(CH−、−(CHSONR(CH−、−(CHNHCONH(CH−、−(CHCH(OH)(CH−等が好ましい。ただし、Rは水素原子またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。
これらのうち、−(CHp+q−、−(CHCONH(CH−、−(CHSONR(CH−であり、かつ、qが2以上の整数であって、p+qが2〜6である場合が好ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(CHp+q−、すなわち、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。また、Qと結合するRの炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
本発明におけるR基を有する(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレートのアルコール残基にR基が存在する化合物をいう。R基を有する(メタ)アクリレートは、1種であっても2種以上であってもよい。R基を有する(メタ)アクリレートが2種以上である場合には、R基の炭素数が異なる化合物の2種以上の混合物であるのが好ましい。さらに本発明におけるR基を有する(メタ)アクリレートとしては、R基の炭素数が異なる化合物の2種以上の混合物であるのが好ましい。
本発明におけるR基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記化合物が好ましく挙げられる。ただし、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは上記R基と同様の意味を示し、特にR基が好ましい。
Figure 2002031261
基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、下記化合物が好ましく挙げられる。ただし、Rは水素原子またはメチル基を示す。
Figure 2002031261
Figure 2002031261
含フッ素共重合体(A)におけるハロゲン化ビニリデンの重合単位としては、塩化ビニリデンの重合単位またはフッ化ビニリデンの重合単位が好ましい。式(1)で表される化合物の重合単位と相互に作用して成膜性が向上することから、特に塩化ビニリデンの重合単位が好ましい。
含フッ素共重合体(A)には、下式(1)で表される化合物(化合物1とも記す。以下同様。)の重合単位を含む。化合物1はカチオン性部位を有する(メタ)アクリレートである。
Figure 2002031261
ただし、式(1)中の記号は以下の意味を示す。
R:水素原子またはメチル基。
Y:酸素原子または2価の連結基。
、R:相互に独立して水素原子またはアルキル基であるか、共同して形成されるアルキレン基または共同して形成される炭素−炭素間にエーテル性酸素原子を有するアルキレン基。
:水素原子またはアルキル基。
:水素原子または水酸基。
n:0、1、2、3または4。
:対イオン。
化合物1において、特定のカチオン性部位としては、第4アンモニウム塩部位を有するのが好ましい。R、Rは、相互に独立してアルキル基であるか、または、RおよびRが共同して炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子を有しているアルキレン基であるのが好ましい。Rはアルキル基が好ましい。アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
また、RおよびRが共同して形成されるアルキレン基または共同して形成される炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子を有するアルキレン基である場合、該アルキレン基は炭素数2以上のポリメチレン基が好ましい。R、RおよびRの具体例としては、後述する具体例中に示される。
は、水素原子または水酸基である。nは0、1、2、3または4であり、1または2が好ましい。Xは対イオンであり、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸水素イオン(HSO )または酢酸イオンが好ましい。Yは酸素原子または−NH−が好ましい。
含フッ素共重合体(A)において、化合物1は1種であっても2種以上であってもよい。2種以上である場合には、アルキル基部分または対イオンの異なる2種以上からなるのが好ましい。化合物1を含ませることにより、組成物の安定性を向上できる。また、組成物を用いて紙に処理した後の乾燥が低温または短時間であっても、高い撥水性および耐油性を紙に付与できる効果も有する。
化合物1としては、下式(1a)で表される化合物が好ましい。ただし、式(1a)中の記号は、上記式(1)における意味と同じ意味を示す。
Figure 2002031261
化合物1としては、以下の化合物が好ましく挙げられる。ただし、Rは水素原子またはメチル基を示す。
Figure 2002031261
含フッ素共重合体(A)は、上記の重合性単量体以外の他の重合性単量体の重合単位が含まれていてもよい。他の重合性単量体としては、以下の化合物が好ましく挙げられる。
エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メタ)アクリルアミド(たとえば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド)、アルキルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール等。これらの化合物は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
他の重合性単量体としては、被膜の風合い、成膜性等の点から、炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。該アルキル(メタ)アクリレートとしては、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが好ましい。
含フッ素共重合体(A)中の、R基を有する(メタ)アクリレートの重合単位は30〜80質量%が好ましく、特に45〜60質量%が好ましい。ハロゲン化ビニリデンの重合単位は15〜60質量%が好ましく、特に35〜50質量%が好ましい。化合物1の重合単位は0.5〜10質量%が好ましく、特に0.5〜5質量%が好ましい。
本発明における非フッ素界面活性剤(B)とは、分子内にフッ素原子を有しない界面活性剤である。非フッ素界面活性剤(B)としては、下記界面活性剤(b)、下記界面活性剤(b)、下記界面活性剤(b)および下記界面活性剤(b)から選択される1種以上であるのが好ましい。非フッ素界面活性剤(B)としては、ノニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤であるのが好ましく、組成物の諸性能を向上させる目的で、界面活性剤(b)〜(b)以外の非フッ素界面活性剤(以下、他の界面活性剤という。)を含ませてもよい。
界面活性剤(b):ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルまたはポリオキシアルキレンモノ(置換アリール)エーテルからなるノニオン性界面活性剤。
界面活性剤(b):分子中に1個以上の三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤。
界面活性剤(b):ポリオキシエチレン部分と、炭素数3以上のオキシアルキレン基が2個以上連続して連なった部分とが連結し、かつ両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤。
界面活性剤(b):下式(3)で表されるカチオン性界面活性剤。
Figure 2002031261
ただし、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
10、R11、R12、R13:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基。ただし、R10、R11、R12およびR13の4者は同時に水素原子にはならない。
[X10:対イオン。
界面活性剤(b)は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルまたはポリオキシアルキレンモノ(置換アリール)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤(b)におけるアルキル基としては、炭素数4〜26のアルキル基が好ましく、アルケニル基としては、炭素数4〜26のアルケニル基が好ましい。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖構造であっても分枝構造であってもよく、分岐構造である場合には2級の基であってもよい。アルキル基またはアルケニル基の具体例としては、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基またはオレイル基(9−オクタデセニル基)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンモノ(置換アリール)エーテルにおける置換アリール基としては置換フェニル基が好ましく、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシフェニル基、メチル基、水酸基またはスチリル基で置換されたフェニル基が好ましい。特に、炭素数6以上のアルキル基で置換されたフェニル基または炭素数6以上のアルケニル基で置換されたフェニル基が好ましい。
界面活性剤(b)におけるポリオキシアルキレン部分は、1種以上のオキシアルキレン基からなるのが好ましく、2種以上からなる場合には、それらの連なり方はブロック状であることが好ましい。ポリオキシアルキレン部分は、オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレンが2個以上連なった部分からなるのが好ましい。
界面活性剤(b)が、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルである場合には、下式(4)で表される化合物が好ましい。ただし、下式(4)において、R20は炭素数8以上のアルキル基または炭素数8以上のアルケニル基を示す。sは5〜50の整数、gは0〜20の整数を示す。また、化合物4におけるオキシプロピレン部分とオキシエチレン部分の連なり方はブロック状である。
Figure 2002031261
化合物4におけるR20は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。また、sは5〜30の整数が好ましく、特に10〜30の整数が好ましい。gは0〜10の整数が好ましい。sが4以下、またはgが21以上であると、水に難溶性となり、水系媒体に均一に溶解しないため、紙への浸透性向上効果が低下するおそれがある。また、sが51以上であると親水性が高くなり、撥水性を低下させるおそれがある。
化合物4の具体例を以下に挙げる。ただし、下式においてsまたはgは、上記と同じ意味を示し、sは10〜30の整数が好ましく、gは0〜10の整数が好ましい。また、アルキル基またはアルケニル基は、それぞれ直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、オキシプロピレン基とオキシエチレン基との連なり方はブロック状である。
Figure 2002031261
Figure 2002031261
界面活性剤(b)がポリオキシアルキレンモノ(置換アリール)エーテルである場合の具体例としては、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテルまたはポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニル)エーテルが挙げられる。
界面活性剤(b)は、分子中に1以上の三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤(b)としては、分子中に1個の三重結合、および、1個または2個の水酸基を有する界面活性剤が好ましい。また、該界面活性剤は、1個以上のオキシアルキレン部分、または、ポリオキシアルキレン部分を有していてもよい。ポリオキシアルキレン部分としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンとオキシプロピレンとがランダム状に連なった部分、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンがブロック状に連なった部分が挙げられる。
界面活性剤(b)の具体例としては、下式(5)、下式(6)、下式(7)または下式(8)で表される化合物が好ましい。
Figure 2002031261
ここで、R30、R31、R32、R33、R34、R35はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を示す。アルキル基は炭素数1〜12である、直鎖構造または分岐構造のアルキル基が好ましく、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等が好ましく挙げられる。
、A、Aは、それぞれ独立にアルキレン基を示し、mまたはjはそれぞれ0以上の整数を示し、(m+j)は1以上の整数である。kは1以上の整数を示す。m、jおよびkがそれぞれ2以上である場合には、A、AまたはAは、1種または2種以上のアルキレン基であってもよい。
界面活性剤(b)としては、化合物5または化合物6が好ましく、さらに、下式(9)で表される化合物も好ましい。ただし、化合物9におけるxまたはyはそれぞれ0以上の整数を示す。化合物9は1種であっても2種以上であってもよい。
Figure 2002031261
化合物9としては、xとyとの和の平均が10である化合物、xが0でありかつyが0である化合物、またはxとyとの和の平均が1.3である化合物が好ましい。
界面活性剤(b)は、ポリオキシエチレン部分と、炭素数3以上のオキシアルキレン基が2個以上連続して連なった部分とが連結し、かつ両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。炭素数3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なった部分としては、ポリオキシテトラメチレンおよび/またはポリオキシプロピレンが好ましい。
界面活性剤(b)としては、下式(10)または下式(11)で表される化合物が好ましい。なお下式において、hは2〜200の整数、uは2〜100の整数、vは2〜200の整数を示す。また、下式中のポリオキシエチレン部分、ポリオキシプロピレン部分またはポリオキシテトラメチレン部分は、ブロック状に連結していることを意味する。また、−(CO)−部分の構造は、−[CHCH(CH)O]−であっても、−[CH(CH)CHO]−であっても、両者が併存する構造のいずれであってもよく、両者が併存する構造であるのが好ましい。
Figure 2002031261
界面活性剤(b)としては、つぎの化合物が好ましい。
Figure 2002031261
界面活性剤(b)は、前記式(3)で表される化合物からなるカチオン性界面活性剤である。
化合物3におけるR10〜R13がそれぞれアルキル基である場合には、1個以上が炭素数6〜22の長鎖アルキル基であるのが好ましい。また、炭素数5以下のアルキル基がある場合には、メチル基またはエチル基が好ましい。R10〜R13が、それぞれアルケニル基である場合には、炭素数6〜22のアルケニル基が好ましい。R10〜R13が、それぞれ末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基である場合には、末端が水酸基であるポリオキシエチレン基が好ましい。R10〜R13は、1個以上が炭素数6〜22の長鎖アルキル基であるのが好ましい。
[X10としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、硫酸イオンまたは酢酸イオンが好ましい。
化合物3の具体例としては、モノ(長鎖アルキル)アミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン酢酸塩、モノ(長鎖アルケニル)ジメチルアミン塩酸塩、モノ(長鎖アルキル)ジメチルアミン・エチル硫酸塩、モノ(長鎖アルキル)トリメチルアンモニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルアミン塩酸塩、ジ(長鎖アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、モノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド、ジ(長鎖アルキル)モノメチルモノ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロリド等が挙げられる。
化合物3としては、モノオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(以下B3と記す。)、モノオクタデシルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(長鎖アルキル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩等が好ましい。
他の界面活性剤としては、界面活性剤(b)〜(b)以外のノニオン性界面活性剤(以下、他のノニオン性界面活性剤という。)または両性界面活性剤を使用するのが好ましい。他のノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物、ポリオールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、または分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤が好ましい。
他のノニオン性界面活性剤のうち、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物としては、前記ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルのホルムアルデヒド縮合物等が好ましい。
ポリオールの脂肪酸エステルとしては、つぎの化合物が好ましい。
オクタデカン酸とポリエチレングリコールとの1:1(モル比)エステル、
ソルビットとポリエチレングリコールとのエーテルと、オレイン酸との1:4(モル比)エステル、
ポリエチレングリコールとソルビタンとのエーテルと、オクタデカン酸との1:1(モル比)エステル、
ポリエチレングリコールとソルビタンとのエーテルと、オレイン酸との1:1(モル比)エステル、
ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エステル、
オレイン酸とデカグリセリンとの(1または2):1(モル比)エステル、
オクタデカン酸とデカグリセリンとの(1または2):1(モル比)エステル。
ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとは、脂肪酸アミドのオキシエチレン付加物、または、脂肪酸アミドとポリエチレングリコールとの脱水縮合物からなるノニオン性界面活性剤であり、脂肪酸アミドの−NHの水素原子にオキシエチレンを付加させるか、ポリアルキレングリコールを脱水縮合させた化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとしては、ドデカン酸アミドのオキシエチレン付加物、オレイン酸アミドのオキシエチレン付加物、またはオクタデカン酸アミドのオキシエチレン付加物が好ましい。
分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤としては、下式(12)で表される化合物が好ましい。ここで、R41、R42およびR43は、それぞれ独立に、1価炭化水素基を示す。なお、分子中にアミンオキシド部分(N→O)を有する界面活性剤は、カチオン性界面活性剤に分類されることもあるが、本明細書ではノニオン性界面活性剤として扱う。
分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤としては、特に下式(13)で表されるノニオン性界面活性剤が、含フッ素共重合体(A)の分散安定性を向上させることから好ましい。
ただし化合物13において、R44は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアルケニル基、炭素数6〜22のアルキル基が結合したフェニル基、または炭素数6〜22のアルケニル基が結合したフェニル基を示し、炭素数8〜22のアルキル基または炭素数8〜22のアルケニル基が好ましい。
Figure 2002031261
分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤としては、つぎの化合物が挙げられる。
Figure 2002031261
Figure 2002031261
両性界面活性剤としては、ドデシルベタイン、オクタデシルベタイン、ドデシル(ジメチルアミノ酢酸)ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシル(カルボキシメチル)(ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非フッ素界面活性剤(B)は、1種または2種以上を使用できる。イオン性の異なる界面活性剤を併用する場合には、非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との組み合わせ、または、非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組み合わせが好ましい。また、非フッ素界面活性剤(B)の量は、含フッ素共重合体(A)に対して0.1〜10質量%が好ましい。ただし、含フッ素共重合体(A)が自己乳化性のある重合単位を含む場合には、非フッ素界面活性剤(B)の量を減らしてもよい。
非フッ素界面活性剤(B)は、重合反応時に添加する方法および/または重合反応後に添加する方法が採用できる。すなわち、非フッ素界面活性剤(B)は、重合反応時に存在していてもよく、組成物を調製する際に後添加してもよい。
媒体(C)としては、水のみ、または、水と水溶性有機溶剤からなる媒体が好ましい。水溶性有機溶剤としては、エステル系、ケトン系、エーテル系等の有機溶剤が好ましい。水と水溶性有機溶剤との比率は、特に限定されない。水溶性有機溶剤の量は、含フッ素共重合体(A)に対して0.1〜60質量%が好ましく、特に30〜50質量%が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、DPGMMEと記す。)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられ、特にDPGMMEが好ましい。
水溶性高分子(D)としては、ポリアクリルアミドまたはポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリアクリルアミドとしては、ノニオン性ポリアクリルアミドまたはカチオン性ポリアクリルアミドが好ましく、特にノニオン性ポリアクリルアミドおよびカチオン性ポリアクリルアミドのそれぞれ1種以上を併用するのが好ましい。ノニオン性ポリアクリルアミドは、組成物のイオン性を変えないため好ましい。カチオン性ポリアクリルアミドは、組成物の紙(アニオン性)への定着性がよくなるため好ましい。ポリアクリルアミドの分子量は、1万〜1000万が好ましく、10万〜500万がより好ましく、特に20万〜150万が好ましい。
ポリビニルアルコールの分子量は300〜10000が好ましく、1000〜5000がより好ましい。またポリビニルアルコールのケン化度は、70〜100モル%が好ましく、特に95〜100モル%が好ましい。デンプンとしては、酸化デンプン、酵素分解デンプン、ジアルデヒドデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、カチオンデンプン、リン酸デンプン、酢酸デンプンまたは痺fンプン等の加工デンプンが好ましい。
水溶性高分子(D)は、組成物を調製する際に添加してもよく、重合反応前に添加してもよいが、組成物を調製する際に添加するのが好ましい。特に、水で希釈した後の組成物に添加するのが好ましい。水溶性高分子(D)の量は、組成物において0.2〜3.0質量%が好ましく、特に0.5〜1.2質量%が好ましい。
含フッ素共重合体(A)を重合する方法は特に限定されない。たとえば、乳化重合法または分散重合法により重合するのが好ましい。重合反応は媒体中で行うのが好ましく、非フッ素界面活性剤(B)、および/または、水100gに対する溶解度が3g未満である親油性重合開始剤(E)、を用いて行うのが好ましい。重合温度は特に限定されないが、20〜150℃が好ましく、特に50〜70℃が好ましい。
水100gに対する溶解度が3g未満である親油性重合開始剤(E)は、アゾ系、過酸化物系、レドックス系等の汎用の重合開始剤が重合温度に応じて使用できる。該親油性重合開始剤(E)としては、特にアゾ系化合物が好ましい。該親油性重合開始剤(E)の量は、含フッ素共重合体(A)に対して0.1〜2.0質量%が好ましく、特に0.2〜0.5質量%が好ましい。該親油性重合開始剤(E)を用いることで、含フッ素共重合体(A)の平均粒子径を小さくでき、該含フッ素共重合体(A)を含む組成物を用いて紙を処理した場合、均一かつ高密度に加工することができ、紙の撥水耐油性能を向上できる。
重合反応においては、分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては芳香族系化合物またはメルカプタン類が好ましく、特にアルキルメルカプタンが好ましい。具体的には、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタンまたはα−メチルスチレンダイマ[CH=CPhCHC(CHPh(ただし、Phはフェニル基である。)]が好ましく挙げられる。
重合反応の前に、重合性単量体、界面活性剤および媒体からなる混合物を、ホモミキサまたは高圧乳化機等であらかじめ前分散させるのが好ましい。重合開始前に混合物をよく撹拌することで、最終的に得られる重合体の収率を向上できる。
本発明の組成物は、含フッ素共重合体(A)を媒体(C)に分散させて調製してもよいが、通常は重合反応において、重合媒体を媒体(C)とすることにより、そのまま組成物が調製できる。また、加工方法に応じて、水で希釈した組成物を調製するのが好ましい。
本発明の組成物を用いて紙を加工する際には、浸漬、コーティング等の方法で紙を処理し、乾燥して媒体(C)を除去する方法が好ましい。紙への加工方法は、外添加工法であっても内添加工法であってもよいが、加工が容易であることから外添加工法が好ましい。また、本発明の組成物を用いて紙を処理した後の乾燥条件としては、低温かつ短時間の乾燥条件でも充分な性能を発揮することから、特に限定されない。乾燥温度は60〜130℃が好ましく、乾燥時間は1秒〜1分が好ましく、特に1〜30秒が好ましい。含フッ素共重合体(A)の紙への付着量は、紙の質量に対して0.1〜3.0質量%とするのが好ましい。得られた加工紙は、そのまま、または他の形状に工作することにより、食品容器等として使用できる。
本発明の撥水耐油組成物は、低温、短時間の乾燥条件でも、紙に優れた撥水性および耐油性を付与できる。また、本発明の撥水耐油組成物は、紙以外の基材へも撥水耐油性を付与できる。紙以外の基材としては、不織布、織布などの多孔質シートが挙げられる。また、基材の材質としては、セルロース以外に合成高分子や天然高分子が挙げられる。本発明の組成物で加工された基材は、食品容器以外に、食品以外の物品を包装するためのシートなどに使用できる。
実施例
重合体の合成例(例1〜6)、実施例(例7〜12)、比較例(例13〜20)により本発明を説明する。以下において、耐油度はTAPPI RC−388 キットテストにより測定し、表1に示す耐油度で示した。撥水度は、JIS P−8137により測定し、表2に示す撥水度で示した。例1〜6についての結果を表3に示し、例7〜20についての結果を表4に示す。
Figure 2002031261
Figure 2002031261
[例1]
撹拌翼を備えた1Lの反応器に、ペルフルオロアルキルエチルアクリレート[C2m−1CHCHOCOCH=CH(mが6、8、10、12、14、16のものの混合物であり、mの平均は9である。以下、FAと記す。)]159.4g(60.0部)、塩化ビニリデン(以下、VdCLと記す。)103.6g(39.0部)、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロリド([CH=C(CH)CO−O−CHCH(OH)CH(CH・Cl]、以下、HPTMAと記す。)2.7g(1.0部)、界面活性剤として、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(日本乳化剤社製、商品名「ニューコール723」)13.3gおよびB3(ライオン・アクゾ社製、商品名「アーカード18−63」)2.7g、イオン交換水398.4g、DPGMME119.5g、親油性重合開始剤としてアゾビスイミダゾリンプロパン(和光化成社製、商品名「VA−061」、溶解度は0.3g以上3g未満。)0.5gを加えた。
この反応器を窒素置換した後、300rpmで撹拌しながら60℃に昇温し、15時間重合させた。冷却後、96%の収率で褐色のエマルジョンを得た。重合反応の反応率は、ガスクロマトグラフィーによる測定から算出したところ、99.6%(FA基準)であった。また共重合体の平均粒子径は、光散乱法による測定の結果、0.065μmであった。
[例2、例3]
FA、VdCL、HPTMAを表3に記載した量にした以外は、例1と同様にして、褐色のエマルジョンを得た。
[例4〜6]
FA、VdCL、HPTMAを表3に記載した量とし、親油性重合開始剤の代わりに親水性重合開始剤のアゾビスアミジノプロパンの塩酸塩(和光化成社製、商品名「V−50」、溶解度は3g以上。)を用いた以外は、例1と同様にして、褐色のエマルジョンを得た。
Figure 2002031261
[例7]
例1のエマルジョンを、固形分濃度0.9質量%となるようにイオン交換水で希釈し、さらにポリアクリルアミド(ハリマ化成社製、商品名「ハリコート1057」、分子量約40万。以下、PAAと記す。)を0.2質量%となるように加えて処理浴を調製した。
この処理浴に、無サイズ紙(坪量85g/m)を浸漬して、サイズプレスを用いてピックアップを60%とし、次いで、100℃に加温したドラムドライヤで30秒間乾燥し、加工紙を得た。得られた加工紙について、前記の測定を行った。
[例8〜20]
表4に記載の重合体を用いて、表4に記載のエマルジョン固形分濃度、PAA濃度またはポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名「ポバールPVA−117」、分子量1700。以下、PVAと記す。)濃度にて、処理浴を調製した。
この処理浴を用いて、例7と同様にして加工紙を得た。得られた加工紙について、前記の測定を行った。
Figure 2002031261

Claims (10)

  1. 下記含フッ素共重合体(A)、非フッ素界面活性剤(B)、媒体(C)および下記水溶性高分子(D)を必須成分とする撥水耐油剤組成物。
    水溶性高分子(D):ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびデンプンから選ばれる水溶性高分子。
    含フッ素共重合体(A):ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合単位、ハロゲン化ビニリデンの重合単位および下式(1)で表される化合物の重合単位を含む共重合体。
    Figure 2002031261
    ただし、式(1)中の記号は以下の意味を示す。
    R:水素原子またはメチル基。
    Y:酸素原子または2価有機基。
    、R:相互に独立して水素原子またはアルキル基であるか、共同して形成されるアルキレン基または共同して形成される炭素−炭素間にエーテル性酸素原子を有するアルキレン基。
    :水素原子またはアルキル基。
    :水素原子または水酸基。
    n:0、1、2、3または4。
    :対イオン。
  2. 含フッ素共重合体(A)が、水100gに対する溶解度が3g未満である親油性重合開始剤(E)、を用いて重合した共重合体である、請求項1に記載の撥水耐油剤組成物。
  3. 式(1)で表される化合物が、下式(1a)で表される化合物である、請求項1または2に記載の撥水耐油剤組成物。
    ただし、式(1a)中のRまたはXは、式(1)における意味と同じ意味を示す。
    Figure 2002031261
  4. 含フッ素共重合体(A)中の、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合単位が30〜80質量%、ハロゲン化ビニリデンの重合単位が15〜60質量%、式(1)で表される化合物の重合単位が0.5〜10質量%である、請求項1、2または3に記載の撥水耐油剤組成物。
  5. 非フッ素界面活性剤(B)が、下記界面活性剤(b)、下記界面活性剤(b)、下記界面活性剤(b)および下記界面活性剤(b)から選択される1種以上である、請求項1、2、3または4に記載の撥水耐油剤組成物。
    界面活性剤(b):ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテルおよびポリオキシアルキレンモノ(置換アリール)エーテルから選ばれる1種以上であるノニオン性界面活性剤。
    界面活性剤(b):分子中に1個以上の三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤。
    界面活性剤(b):ポリオキシエチレン部分と、炭素数3以上のオキシアルキレン基が2個以上連続して連なった部分とが連結し、かつ両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤。
    界面活性剤(b):下式(3)で表されるカチオン性界面活性剤。
    Figure 2002031261
    ただし、式(3)中の記号は以下の意味を示す。
    10、R11、R12、R13:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基または末端が水酸基であるポリオキシアルキレン基。ただし、R10、R11、R12およびR13は同時に水素原子にはならない。
    [X10:対イオン。
  6. 媒体(C)が、水のみ、または、水と水溶性有機溶剤からなる媒体である請求項1〜5のいずれかに記載の撥水耐油剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の撥水耐油剤組成物を用いて加工された基材。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の撥水耐油剤組成物を用いて加工された紙。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の撥水耐油剤組成物で基材を処理し、乾燥して溶媒(C)を除去し、含フッ素共重合体(A)を基材に付着させることを特徴とする基材の加工方法。
  10. 基材が紙である請求項9に記載の加工方法。
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