JPWO2002021187A1 - 対物レンズ系、該対物レンズ系を備えた観察装置、および該観察装置を備えた露光装置 - Google Patents

対物レンズ系、該対物レンズ系を備えた観察装置、および該観察装置を備えた露光装置 Download PDF

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Abstract

残存する波面収差高次成分を良好に抑えることのできる対物レンズ系の製造方法。対物レンズ系(7)の製造方法において、対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を抑えるために、対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造する製造工程と、組み立てられた対物レンズ系に残存する収差を補正するために対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含む。

Description

技術分野
本発明は、対物レンズ系、該対物レンズ系を備えた観察装置、および該観察装置を備えた露光装置に関する。本発明は、特に、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスを製造するリソグラフィー工程で用いる露光装置に搭載される観察装置に好適な対物レンズ系に関するものである。
背景技術
一般に、半導体素子等のデバイスの製造に際して、感光材料の塗布されたウェハ(またはガラスプレート等の基板)上に複数層の回路パターンを重ねて形成する。このため、回路パターンをウェハ上に露光するための露光装置には、マスクのパターンと既に回路パターンの形成されているウェハの各露光領域との位置合わせ(アライメント)を行うためのアライメント装置が備えられている。
従来、この種のアライメント装置として、特開平4−65603号(およびこれに対応する米国特許第5,493,403号、第5,657,129号、および第5,995,234号)公報、特開平4−273246号(およびこれに対応する米国特許第6,141,107号)公報等に開示されているように、オフ・アクシス方式で且つ撮像方式のアライメント装置が知られている。この撮像方式のアライメント装置の検出系は、FIA(Field Image Alignment)系とも呼ばれている。FIA系では、ハロゲンランプ等の光源から射出される波長帯域幅の広い光で、ウェハ上のアライメントマーク(ウェハマーク)を照明する。そして、結像光学系を介してウェハマークの拡大像を撮像素子上に形成し、得られた撮像信号を画像処理することによりウェハマークの位置検出を行う。
上述のように、FIA系では広帯域照明を用いているので、ウェハ上のフォトレジスト層での薄膜干渉の影響が低減されるという利点がある。しかしながら、従来のFIA系の結像光学系では、加工、組立、調整等の製造工程を介して、僅かながら収差が残存する。結像光学系に収差が残存していると、撮像面上でのウェハマーク像のコントラストが低下したり、ウェハマーク像に歪みが生じたりして、マーク位置の検出誤差が発生する。近年、回路パターンの線幅の微細化に伴い、高精度のアライメントが必要とされるようになってきている。
なお、光学系に残存する収差のうち、特にコマ収差のような光軸に非対称な収差がウェハマーク像の検出に及ぼす影響は大きく、像面上で光軸に関して対称なコマ収差や、偏心コマ収差のように瞳において光軸に非対称な横収差が発生していると、撮像面上に形成されるウェハマーク像は、理想結像の場合に比べて位置ずれして計測される。また、ウェハマークの形状(ピッチ、デューティ比、段差等)が変わった場合や、ウェハマークがデフォーカスした場合には、ウェハマーク像に対するコマ収差の影響の度合いが様々に変化し、その計測位置のずれ量も様々に変化することになる。また、球面収差のような光軸に対称な収差が発生していると、ウェハマークの形状が変化する度にバックフォーカス位置が変化してしまう。
一般に、半導体素子の製造工程毎にウェハマークの形状が異なるため、コマ収差が残存した光学系でウェハのアライメント(位置合わせ)を行うと、いわゆるプロセスオフセットが発生する。そこで、上述のような残存コマ収差を補正するために、本出願人は、特開平8−195336号(およびこれに対応する米国特許第5,680,200号および米国特許第5,754,299号)公報において、対物レンズに後続する光学系においてコマ収差を補正する手法を提案している。しかしながら、特開平8−195336号公報に開示された手法では、補正可能なコマ収差は低次のコマ収差のみであり、高次のコマ収差の補正を行うことは困難である。このように、一般に、波面収差の低次成分は光学調整により補正可能であるが、波面収差の高次成分は光学調整により補正することが困難である。
そこで、本出願人は、特開平11−297600号公報において、アライメント装置の結像光学系、特にその対物レンズに使用される光学部品の面精度について所定の規格を設定することにより結像光学系に残存する波面収差の高次成分を低減する手法を提案している。すなわち、この公報に開示された手法では、光学部品の面精度を基準面に対する波面収差のRMS(root mean square:自乗平均平方根あるいは平方自乗平均)値で評価し、対物レンズを構成するすべての光学面の波面収差の全成分のRMS値の平均値が0.01λ(λは使用する光の中心波長)以下になるように設定している。なお、平均値の算定に使用される各光学面の波面収差のRMS値は、計測された波面収差から補正可能なパワー成分およびアス成分を差し引いた成分のRMS値である。
また、本出願人は、特開平11−125512号公報において、光学面の面精度の評価方法として、被検面の基準面に対する波面収差を測定し、測定した波面収差からアス成分を除去してアス残渣を求め、このアス残渣を光軸に関する回転非球面によってフィッティングすることによりアス残渣から回転非球面成分を除去して回転非球面残渣を求め、この回転非球面残渣に基づいて被検面の面精度を評価する方法を提案している。また、この公報には、被検面の基準面に対する波面収差を測定し、測定した波面収差からアス成分を除去してアス残渣を求め、このアス残渣を光軸に関する回転非球面によってフィッティングし、回転非球面の光軸を含む断面曲線を半径についての2次4次曲線によってフィッティングすることにより断面曲線から2次4次曲線成分を除去して2次4次残渣を求め、この2次4次残渣に基づいて被検面の面精度を評価する方法が開示されている。
さらに、本出願人は、特開2000−12491号公報において、波面収差をツェルニケ(Zernike)の多項式で表現して光学系の結像性能を評価する手法を提案している。この公報に開示された手法では、光学系の透過波面収差(透過光に基づいて計測された波面収差)を瞳の中心に関する回転対称成分と奇数対称成分と偶数対称成分とに分離し、分離した各成分に基づいて光学系の結像性能を評価している。具体的には、分離した各成分のRMS値に基づいて、光学系の結像性能を評価している。
また、本出願人は、特開平6−308717号(およびこれに対応する米国特許第5,696,624号、米国特許第5,699,183号、米国特許第5,702,495号、米国特許第5,703,712号、および米国特許第5,719,698号)公報において、光学部材の屈折率の均質性を波面収差の測定により評価する方法を提案している。この公報では、屈折率分布による波面収差を、パワー成分、アス成分、パワー成分除去後の回転対称成分、傾斜成分、ランダム成分等に分離し、パワー成分が光学系の曲率半径誤差と等価であることを開示している。
さらに、本出願人は、特開平8−5505号公報において、光学部材の屈折率分布による波面収差を測定し、測定した波面収差を光軸に関する回転対称成分と非回転対称成分とに分離して、光学部材の屈折率の均質性を評価する方法を提案している。加えて、この公報は、測定した波面収差をパワー成分補正前またはパワー成分補正後に光軸に関する回転対称成分と非回転対称成分とに分離し、回転対称成分をさらに2次及び4次成分補正して、光学部材の屈折率の均質性を評価する方法を提案している。
従来技術において、たとえばFIA系の対物レンズに対して特開平11−297600号公報に開示された手法を適用することにより、量産されるFIA系の結像光学系の平均的な結像性能(波面収差性能)を確実に向上させることができた。しかしながら、たとえば対物レンズを構成するすべての光学面について計測される波面収差の全成分のRMS値が0.01λの規格を満たしたとしても、その中に特別な収差を発生する特異面(その詳細は実施形態において詳述する)が1つでも存在すると、結像光学系の所要の規格を満たすことができないという不都合があった。
また、光学系の設計によっては、各光学面の面精度を向上させても、光学調整による収差の追い込み動作により高次収差成分が新たに発生し、最終的に性能の向上を期待することのできないという不都合があった。さらに、各光学面の研磨精度を向上させても、光学部材を形成するガラス(光学材料)に屈折率分布があると、透過波面収差は悪化してしまうという不都合があった。
発明の開示
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、残存する波面収差高次成分を良好に抑えることのできる対物レンズ系およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の対物レンズ系を含む結像光学系に残存する波面収差高次成分を良好に抑えることのできる観察装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明の観察装置を備え、たとえば投影光学系に対してマスクと感光性基板とを高精度に位置合わせして良好な露光を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
また、本発明の露光装置を用いて、良好なマイクロデバイスを製造することのできるマイクロデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1発明では、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを備え、
前記第1レンズ群中において最も物体側に配置されたレンズの中心厚をd1とし、前記最も物体側に配置されたレンズの物体側の面と物体との間の光軸に沿った空気換算距離をd0としたとき、
d1/d0<0.2
の条件を満足することを特徴とする対物レンズ系を提供する。
本発明の第2発明では、対物レンズ系の製造方法において、
前記対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を押えて前記対物レンズ系を設計する設計工程と、
組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする対物レンズ系の製造方法を提供する。
本発明の第3発明では、対物レンズ系の製造方法において、
前記対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造する製造工程と、
組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする対物レンズ系の製造方法を提供する。ここで、各面の基準面に対する波面収差とは、各面の面精度を表現する波面収差であって、干渉計を用いて加工面を計測したときの加工面の基準面に対する位相ずれである。
本発明の第4発明では、光学調整の後に対物レンズ系に残存する波面収差を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする対物レンズ系を提供する。
本発明の第5発明は、第1発明の対物レンズ系または第4発明の対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察することを特徴とする観察装置を提供する。
本発明の第6発明は、対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置において、
光学調整の後に前記結像光学系に残存する波面収差を抑えるために、前記結像光学系中の前記対物レンズ系以外の各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする観察装置を提供する。
本発明の第7発明では、対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置において、
前記結像光学系は、前記対物レンズ系と前記物体像との間の光路中に配置される光学部材を備え、
光学調整の後に前記結像光学系に残存する波面収差を抑えるために、前記対物レンズ系と前記物体像との間の光路中に配置される全ての光学部材中の各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする観察装置を提供する。
なお、本発明の第6発明および第7発明において、結像光学系が1つまたは複数の中間像を形成する場合には、上記の物体像は中間像ではなく最終像であることが望ましい。
本発明の第8発明では、対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、前記対物レンズ系を第2発明の製造方法を用いて製造することを特徴とする観察装置の製造方法を提供する。
本発明の第9発明では、第5発明、第6発明または第7発明の観察装置と、マスクのパターンを感光性基板上へ投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第10発明では、第9発明の露光装置を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板へ露光する露光工程と、
前記露光された基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法を提供する。
本発明の第11発明では、対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、
前記対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて前記対物レンズ系を設計する設計工程と、
組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする観察装置の製造方法を提供する。
本発明の第12発明では、対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、
前記対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造する製造工程と、
組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする観察装置の製造方法を提供する。
本発明の第13発明では、第12発明の製造方法を用いて製造された観察装置と、マスクのパターンを感光性基板上へ投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第14発明では、第13発明の露光装置を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板へ露光する露光工程と、
前記露光された基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の対物レンズ系は、正屈折力の第1レンズ群G1と負屈折力の第2レンズ群G2とを備え、次の条件式(1)を満足する。
d1/d0<0.2 (1)
ここで、d1は、第1レンズ群G1中において最も物体側に配置されたレンズL1の中心厚である。また、d0は、最も物体側に配置されたレンズL1の物体側の面と物体との間の光軸に沿った空気換算距離である。
条件式(1)は、対物レンズ系のWD(ワークディスタンス)に対するレンズL1の中心厚の比について適切な範囲を規定している。後述するように、本発明の対物レンズ系をFIA系アライメント装置のような観察装置に適用する場合、最も物体側のレンズ面と物体面との間の光路中に光束偏向手段としてのプリズムが配置される。そのため、プリズムを配置するのに充分なスペースを確保するために、所要のWDが必要となる。
また、本発明の対物レンズ系においては、最も物体側に配置されたレンズL1により球面収差の補正を主に行っており、このレンズL1は最も大きなパワー(屈折力)を有する。この球面収差に必要なパワーを保ったままレンズL1の中心厚d1が大きくなると、レンズL1の面の曲率半径が小さくなる。一方、後述するように、本発明の対物レンズ系では、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔の変化に伴って発生する高次球面収差量が十分に小さいことが要求される。レンズL1の中心厚d1が大きくなることによりその曲率半径が小さくなると、レンズL1に入射する光線とレンズ面の法線との角度が大きくなり、空気間隔誤差により発生する高次球面収差が大きくなってしまう。以上、条件式(1)を満たすことにより、所要のWDを確保しながら球面収差の良好な補正を行い、且つ偏心しても高次球面収差の発生を良好に抑えることができる。
また、本発明の対物レンズ系において、次の条件式(2)〜(4)を満足することが好ましい。
|ν1−ν2|<15 (2)
ν1<40 (3)
ν2<40 (4)
ここで、ν1は、第2レンズ群G2中において最も像側に配置された一対のレンズのうち物体側のレンズのアッベ数である。また、ν2は、一対のレンズのうち像側のレンズのアッベ数である。
条件式(2)〜(4)は、対物レンズ系全体の軸上色収差を良好に補正するのに必要な条件を規定している。本発明の対物レンズ系では、使用光の波長域全体に亘って軸上色収差が良好に補正されていることが要求される。また、後述するように、各レンズ成分の偏心に伴って発生する波長毎のコマ収差の差が十分に小さいことが要求される。第2レンズ群G2中において最も像側に配置された一対のレンズは、無限遠系の本対物レンズ系において軸上の光束が平行光となって射出されるレンズ成分である。
したがって、この一対のレンズへの入射光線および射出光線の像高依存性が最も小さく、色コマ収差が他のレンズ成分に比して発生しにくい。以上、条件式(2)〜(4)を満たすことにより、軸上色収差を良好に補正し、且つ偏心しても色コマ収差の発生を良好に抑えることができる。なお、本発明の効果をさらに良好に発揮するには、条件式(2)の上限値を10に設定することが好ましい。また、偏心時の色コマ収差の発生をさらに良好に抑えるために、一対のレンズを接合レンズとして構成することが好ましい。
また、本発明の対物レンズ系において、次の条件式(5)を満足することが好ましい。
D/L<0.17 (5)
ここで、Dは、負屈折力の最も大きいレンズ成分(接合レンズを含む)の中心厚である。また、Lは、第2レンズ群G2中において最も像側に配置されたレンズの像側の面と物体との間の光軸に沿った距離すなわち対物レンズ系の全長である。
条件式(5)は、最も大きい負屈折力を有するレンズ成分の中心厚と対物レンズ系の全長との比について適切な範囲を規定している。前述したように、本発明の対物レンズ系をFIA系アライメント装置のような観察装置に適用する場合、最も物体側のレンズ面と物体面との間の光路中に光束偏向手段としてのプリズムが配置される。その結果、プリズムを配置するためのWDの制約から、対物レンズ系の全長Lにも制約が生じる。
また、後述するように、本発明の対物レンズ系では、各レンズ成分の偏心に伴って発生する高次コマ収差量が十分に小さいことが要求される。後述する各実施例に即して説明すると、最も像側のレンズ群L5の偏心による高次収差発生量が小さくなるようにレンズ群L5に入射する光束の入射高を低くし、光線とレンズ面の法線との角度ができるだけ小さくなるように構成すると、レンズ群L4の中心厚Dは増加する。ここで、レンズ群L4は、最も大きな負屈折力を有するレンズ成分であり、コマ収差の補正を主に行っている。条件式(5)の範囲を逸脱すると、レンズ群L4の負屈折力が弱くなり、必要なコマ収差の補正が困難となる。以上、条件式(5)を満たすことにより、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔の変化に伴って発生する高次球面収差量、および各レンズ成分の偏心に伴って発生する高次コマ収差量を良好に抑え、且つコマ収差の補正を良好に行うことができる。
以上のように、本発明では、上述の基本構成において各条件式を満足することにより、残存する波面収差高次成分を良好に抑えることのできる対物レンズ系を設計レベルで実現することができる。また、本発明では、対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて対物レンズ系を設計することにより、残存する波面収差高次成分ひいては全体の波面収差を良好に抑えることができる。さらに、本発明では、対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、各光学部材をそれぞれ製造することにより、対物レンズ系に残存する波面収差高次成分ひいては波面収差を良好に抑えることができる。
したがって、本発明の対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置では、対物レンズ系に、ひいては結像光学系に残存する波面収差成分を良好に抑えることができる。また、本発明の観察装置を備えた露光装置では、たとえば観察装置を用いて投影光学系に対してマスクと感光性基板とを高精度に位置合わせして良好な露光を行うことができる。さらに、本発明の露光装置を用いたマイクロデバイス製造方法では、良好な露光工程を介して良好なマイクロデバイスを製造することができる。
ところで、後述する実施形態では、波面収差をツェルニケの多項式で表わすことによって本発明を説明している。そこで、以下、波面収差およびその各成分のツェルニケ多項式による表現について基本的な事項を説明する。ツェルニケ多項式の表現では、座標系として極座標を用い、直交関数系としてツェルニケの円筒関数を用いる。
後述の実施形態において説明しているように、光学面の面精度を干渉計を用いて計測する際には、基準となるフィゾー球面からの反射光と光学面からの反射光との位相ズレが波面収差として計測される。また、対物レンズ系の透過波面収差を計測する際には、基準となるフィゾー平面(フィゾーフラット)からの反射光と、対物レンズ系にて一旦集光し反射球面にて反射され再びフィゾー平面に戻った光との位相ズレが波面収差として計測される。いずれの場合も、干渉計の計測結果としては同様の波面収差関数で表わされるが、面計測の場合はそのまま面形状誤差を表わす。ここでは、最も一般的なフィゾー干渉計を例にとって説明しているが、同様の位相差計測が可能な干渉計、例えばトワイマン・グリーン干渉計やマッハツェンダー干渉計、シャリング干渉計等を用いてもよいし、近年開発が盛んなマイクロレンズアレイによる波面分割型の波面収差測定器を用いてもよい。また、直接レンズ面を接触式で測定し、3次元構造を測定する3次元測定器を用いて、基準面からのずれを測定しても構わない。
まず、射出瞳面上に極座標を定め、得られた波面収差Wを、W(ρ,θ)として表わす。ここで、ρは射出瞳の半径を1に規格化した規格化瞳半怪であり、θは極座標の動径角である。次いで、波面収差W(ρ,θ)を、ツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)を用いて、次の式(6)に示すように展開する。
W(ρ,θ)=ΣCnZn(ρ,θ)
=C1・Z1(ρ,θ)+C2・Z2(ρ,θ)
・・・・+Cn・Zn(ρ,θ) (6)
ここで、Cnは展開係数である。以下、ツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)のうち、第1項〜第36項にかかる円筒関数系Z1〜Z36は、次に示す通りである。
n:Zn(ρ,θ)
1:1
2:ρcosθ
3:ρsinθ
4:2ρ−1
5:ρcos2θ
6:ρsin2θ
7:(3ρ−2)ρcosθ
8:(3ρ−2)ρsinθ
9:6ρ−6ρ+1
10:ρcos3θ
11:ρsin3θ
12:(4ρ−3)ρcos2θ
13:(4ρ−3)ρsin2θ
14:(10ρ−12ρ+3)ρcosθ
15:(10ρ−12ρ+3)ρsinθ
16:20ρ−30ρ+12ρ−1
17:ρcos4θ
18:ρsin4θ
19:(5ρ−4)ρcos3θ
20:(5ρ−4)ρsin3θ
21:(15ρ−20ρ+6)ρcos2θ
22:(15ρ−20ρ+6)ρsin2θ
23:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρcosθ
24:(35ρ−60ρ+30ρ−4)ρsinθ
25:70ρ−140ρ+90ρ−20ρ+1
26:ρcos5θ
27:ρsin5θ
28:(6ρ−5)ρcos4θ
29:(6ρ−5)ρsin4θ
30:(21ρ−30ρ+10)ρcos3θ
31:(21ρ−30ρ+10)ρsin3θ
32:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρcos2θ
33:(56ρ−104ρ+60ρ−10)ρsin2θ
34:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρcosθ
35:(126ρ−280ρ+210ρ−60ρ+5)ρsinθ
36:252ρ10−630ρ+560ρ−210ρ+30ρ−1
既に述べたように、従来技術における波面収差Wに基づく評価手法は、波面収差の全成分Wの最大最小の差(P−V値)やRMS値を評価指標として用いていた。しかしながら、波面収差の全成分WのP−V値やRMS値による評価では同じ値となる場合でも、各項の展開係数C1、C2、・・・・の組み合わせによっては、所望の性能を達成することができない場合がある。したがって、本発明では、波面収差Wの各成分について考える。
まず、波面収差Wを、回転対称成分と奇数対称成分と偶数対称成分とに分類することができる。ここで、回転対称成分とは、θを含まない項、すなわち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として任意の角度だけ回転した座標での値とが等しい回転対称な成分である。また、奇数対称成分とは、sinθ(またはcosθ)、sin3θ(またはcos3θ)などの、動径角θの奇数倍の3角関数を含む項、すなわち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として360°の奇数分の1だけ回転した座標での値とが等しい奇数対称な成分である。さらに、偶数対称成分とは、sin2θ(またはcos2θ)、sin4θ(またはcos4θ)などの、動径角θの偶数倍の3角関数を含む項、すなわち、ある座標での値と、その座標を瞳の中央を中心として360°の偶数分の1だけ回転した座標での値とが等しい偶数対称な成分である。
さらに、波面収差Wの全成分に、干渉計の計測時に発生する誤差成分として、展開係数C1〜C4にかかる各項を含めないことにする。ここで、展開係数C1にかかる第1項は、定数項である。また、展開係数C2およびC3にかかる第2項および第3項は、チルト成分(X方向およびY方向)である。さらに、展開係数C4にかかる第4項は、パワー成分である。この場合、波面収差Wの回転対称成分Wrot、奇数対称成分Wodd、及び偶数対称成分Wevnは、それぞれ次の式(7)〜(9)で表される。以下、表現の簡素化のために、原則として第n項の展開係数Cnをもって第n項を表すこととする。すなわち、以下の式(7)〜(9)および各成分の表現において、CnはCn・Znを意味するものとする。
Wrot(ρ,θ)=C9+C16+C25+C36 (7)
Wodd(ρ,θ)=C7+C8+C10+C11+C14+C15+C19+C20+C23+C24+C26+C27+C30+C31+C34+C35 (8)
Wevn(ρ,θ)=C5+C6+C12+C13+C17+C18+C21+C22+C28+C29+C32+C33 (9)
こうして、後述の実施形態において検討される各成分、すなわち、全成分W、回転対称成分Wrot、回転対称高次成分Wroth、非回転対称成分Wrnd、アス補正後非回転対称成分Wrndmas、アス補正後非回転対称高次成分Wrndmash、縦収差成分W縦、縦収差高次成分W縦高、横収差成分W横、横収差高次成分W横高、アス補正Wmas、アスと低次球面収差補正Wmassa、アスと低次コマ収差補正Wmascoma、高次収差成分Wmassacomaは、次のように表される。
全成分: W=Wrot+Wodd+Wevn
回転対称成分: Wrot(式(7)を参照)
回転対称高次成分(回転対称成分2次4次残差): Wroth=Wrot−C9
非回転対称成分: Wrnd=Wodd+Wevn
アス補正後非回転対称成分: Wrndmas=Wrnd−C5−C6
アス補正後非回転対称高次成分: Wrndmash=Wrndmas−C7−C8
縦収差成分: W縦=Wrot+Wevn−C5−C6
縦収差高次成分: W縦高=W縦−C9
横収差成分: W横=Wodd(式(8)を参照)
横収差高次成分: W横高=W横−C7−C8
アス補正: Wmas=W−C5−C6
アスと低次球面収差補正: Wmassa=W−C5−C6−C9
アスと低次コマ収差補正: Wmascoma=W−C5−C6−C7−C8
高次収差成分: Wmassacoma=W−C5−C6−C7−C8−C9
なお、全成分Wは、各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の成分である。また、回転対称高次成分Wrothは、回転対称成分Wrotから2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差である。さらに、アス補正後非回転対称成分Wrndmasは、全成分Wからアス成分を補正した後の非回転対称成分である。
また、アス補正Wmasは、全成分Wからアス成分を補正した後の成分である。さらに、アスと低次球面収差補正Wmassaは、全成分Wからアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分である。また、アスと低次コマ収差補正Wmascomaは、全成分Wからアス成分および低次コマ収差成分を補正した後の成分である。ここで、アス成分とは、あるメリディオナル面で光軸からの距離の2乗に比例する波面収差成分と、それに直交する面における光軸からの距離の2乗に比例する波面収差成分との差が最も大きくなる成分である。
また、各波面収差成分の自乗平均平方根(RMS値)をRWrotのごとく前にRを付けてあらわし、ツェルニケ多項式の各項毎のRMS値も同様にRCnのごとく前にRを付けてあらわすとき、以下に示す関係が成立する。
回転対称成分:
(RWrot)=(RC9)+(RC16)+(RC25)+(RC36)
奇数対称成分:
(RWodd)=(RC7)+(RC8)+(RC10)+(RC11)+(RC14)+(RC15)+(RC19)+(RC20)+(RC23)+(RC24)+(RC26)+(RC27)+(RC30)+(RC31)+(RC34)+(RC35)
偶数対称成分:
(RWevn)=(RC5)+(RC6)+(RC12)+(RC13)+(RC17)+(RC18)+(RC21)+(RC22)+(RC28)+(RC29)+(RC32)+(RC33)
全成分: (RW)=(RWrot)+(RWodd)+(RWevn)
回転対称成分: (RWrot)
回転対称成分高次(2次4次残差):
(RWroth)=(RWrot)−(RC9)
非回転対称成分: (RWrnd)=(RWodd)+(RWevn)
アス補正後非回転対称成分:
(RWrndmas)=(RWrnd)−(RC5)−(RC6)
アス補正後非回転対称高次成分:
(RWrndmash)=(RWrndmas)−(RC7)−(RC8)
縦収差成分:
(RW縦)=(RWrot)+(RWevn)−(RC5)−(RC6)
縦収差高次成分: (RW縦高)=(RW縦)−(RC9)
横収差成分: (RW横)=(RWodd)
横収差高次成分: (RW横高)=(RW横)−(RC7)−(RC8)
アス補正: (RWmas)=(RW)−(RC5)−(RC6)
アスと低次球面収差補正:
(RWmassa)=(RW)−(RC5)−(RC6)−(RC9)
アスと低次コマ収差補正:
(RWmascoma)=(RW)−(RC5)−(RC6)−(RC7)−(RC8)
高次収差成分:
(RWmassacoma)=(RW)−(RC5)−(RC6)−(RC7)−(RC8)−(RC9)
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明の実施形態にかかる観察装置および該観察装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。本実施形態では、露光装置において感光性基板の位置検出を行うための観察装置としてのFIA系アライメント装置に本発明を適用している。第1図では、露光装置の投影光学系PLの光軸に対して平行にZ軸が、Z軸に垂直な平面内において第1図の紙面に平行な方向にX軸が、Z軸に垂直な平面内において第1図の紙面に垂直な方向にY軸がそれぞれ設定されている。
図示の露光装置は、適当な露光光でマスク(投影原版)としてのレチクルRを均一に照明するための露光用照明系(不図示)を備えている。レチクルRはレチクルステージ1上においてXY平面とほぼ平行に支持されており、そのパターン領域PAには転写すべき回路パターンが形成されている。露光用照明系に照明されてレチクルRを透過した光は投影光学系PLを介してウェハWに達し、ウェハW上にはレチクルRのパターン像が形成される。なお、ウェハWは、ウェハホルダ21を介してZステージ22上においてXY平面とほぼ平行に支持されている。Zステージ22は、ステージ制御系24によって、投影光学系PLの光軸に沿って駆動されるように構成されている。
さらに、Zステージ22は、XYステージ23上に支持されている。XYステージ23は、同じくステージ制御系24によって、投影光学系PLの光軸に対して垂直なXY平面内において二次元的に駆動されるように構成されている。前述したように、露光装置では、投影露光に先立って、レチクルR上のパターン領域PAとウェハW上の各露光領域とを光学的に位置合わせ(アライメント)する必要がある。そこで、ウェハW上に形成されたパターン(たとえば段差パターン)からなるアライメントマークすなわちウェハマークWMの基準座標系におけるX方向位置およびY方向位置を検出し、その位置情報に基づいてアライメントが行われる。
なお、ウェハマークWMは、X方向およびY方向にそれぞれ周期性を有する互いに独立した2つの一次元マークであっても、X方向およびY方向に周期性を有する二次元マークであってもよい。第1図に示すFIA系アライメント装置は、波長帯域幅の広い照明光としてのアライメント光ALを供給するための光源3を備えている。光源3として、たとえばハロゲンランプのような光源を使用することができる。本実施形態では、アライメント光の波長帯域をたとえば530nm〜800nmとしている。光源3からのアライメント光ALは、図示を省略したリレー光学系を介して、たとえば光ファイバーのようなライトガイド4に入射し、その内部を伝搬する。ライトガイド4の射出端から射出されたアライメント光ALは、たとえば円形の開口部を有する照明開口絞り27を介して制限された後、コンデンサーレンズ29に入射する。
コンデンサーレンズ29を介したアライメント光ALは、一旦集光された後、照明視野絞り(不図示)を介して照明リレーレンズ5に入射する。照明リレーレンズ5を介して平行光となったアライメント光ALは、ハーフプリズム6を透過した後、対物レンズ7に入射する。対物レンズ7で集光されたアライメント光ALは、反射プリズム8の反射面で図中下方に反射された後、ウェハW上に形成されたウェハマークWMを照明する。このように、光源3、ライトガイド4、照明開口絞り27、コンデンサーレンズ29、照明視野絞り(不図示)、照明リレーレンズ5、ハーフプリズム6、対物レンズ7および反射プリズム8は、ウェハマークWMを落射照明するためめ照明光学系を構成している。
照明光に対するウェハマークWMからの反射光(回折光を含む)は、反射プリズム8および対物レンズ7を介して、ハーフプリズム6に入射する。ハーフプリズム6で図中上方に反射された光は、第2対物レンズ11を介して、指標板12上にウェハマークWMの像を形成する。このマーク像からの光は、リレーレンズ系(13,14)およびその光路中において照明開口絞り27と光学的にほぼ共役な位置に配置された結像開口絞り30を介して、XY分岐ハーフプリズム15に入射する。そして、XY分岐ハーフプリズム15で反射された光はY方向用CCD16に、XY分岐ハーフプリズム15を透過した光はX方向用CCD17に入射する。
このように、反射プリズム8、対物レンズ7、ハーフプリズム6、第2対物レンズ11、指標板12、リレーレンズ系(13,14)、結像開口絞り30、およびハーフプリズム15は、照明光に対するウェハマークWMからの反射光に基づいてマーク像を形成するための結像光学系を構成している。こうして、Y方向用CCD16およびX方向用CCD17の撮像面には、マーク像が指標板12の指標パターン像とともに形成される。Y方向用CCD16およびX方向用CCD17からの出力信号は、信号処理系18に供給される。さらに、信号処理系18において信号処理(波形処理)により得られたウェハマークWMの位置情報は、主制御系25に供給される。
主制御系25は、信号処理系18からのウェハマークWMの位置情報に基づいてウェハWのX方向位置およびY方向位置を検出し、検出したウェハWのX方向位置およびY方向位置に応じたステージ制御信号をステージ制御系24に出力する。ステージ制御系24は、ステージ制御信号にしたがってXYステージ23を適宜駆動し、ウェハWのアライメントを行う。このように、Y方向用CCD16、X方向用CCD17、信号処理系18、および主制御系25は、結像光学系を介して形成されたマーク像の位置情報に基づいてウェハWの位置を検出するための光電検出手段を構成している。
[第1実施例]
第2図は、本実施形態の観察装置であるFIA系アライメント装置に含まれる第1実施例の対物レンズのレンズ構成を示す図である。第1実施例の対物レンズ7は、第2図に示すように、物体側(すなわちウェハマークWM側)から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。ここで、第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからなる接合レンズL2、および両凸レンズと両凹レンズとの貼り合わせからなる接合レンズL3から構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからなる接合レンズL4、および両凹レンズL51と両凸レンズL52との貼り合わせからなる接合レンズL5から構成されている。なお、対物レンズ7とウェハマークWMとの間の光路中には、反射プリズム8が配置されている。
次の第1表に、第1実施例の対物レンズの諸元の値を掲げる。第1表において、fは対物レンズの焦点距離を、NAは対物レンズの物体側開口数を、d0は対物レンズの最も物体側のレンズ面と物体面との間の光軸に沿った空気換算距離をそれぞれ表している。また、面番号は物体面であるウェハ面から像面への光線の進行する方向に沿ったウェハ側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率を、νはアッベ数をそれぞれ示している。なお、各実施例において、物体面(ウェハ面)からレンズL1の物体側の面までの間隔は48.5mmであり、その間隔中に厚さ28mm、屈折率1.56883、アッベ数56.05のガラスブロック(反射プリズム8に対応)が配置されている。以下の第1表および(2)においては、物体面からレンズL1の物体側の面までの間隔を空気換算長で示している。また、以下の収差第3図および5では、このガラスブロックを含めた光学系の収差を示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第3図は、第1実施例の対物レンズの諸収差を示す図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、eはe線(波長546.1nm)をCはC線(波長656.3nm)を、AはA線(波長768.2nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。各収差図から明らかなように、第1実施例の対物レンズは、設計レベルにおいて、色収差を含む諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
[第2実施例]
第4図は、本実施形態の観察装置であるFIA系アライメント装置に含まれる第2実施例の対物レンズのレンズ構成を示す図である。第2実施例の対物レンズ7は、第4図に示すように、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。ここで、第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからなる接合レンズL2、および両凸レンズと両凹レンズとの貼り合わせからなる接合レンズL3から構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからなる接合レンズL4、および両凹レンズL51と両凸レンズL52との貼り合わせからなる接合レンズL5から構成されている。なお、対物レンズ7とウェハマークWMとの間の光路中には、反射プリズム8が配置されている。
次の第2表に、第2実施例の対物レンズの諸元の値を掲げる。第2表において、fは対物レンズの焦点距離を、NAは対物レンズの物体側開口数を、d0は対物レンズの最も物体側のレンズ面と物体面との間の光軸に沿った空気換算距離をそれぞれ表している。また、面番号は物体面であるウェハ面から像面への光線の進行する方向に沿ったウェハ側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率を、νはアッベ数をそれぞれ示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第5図は、第2実施例の対物レンズの諸収差を示す図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、eはe線(波長546.1nm)をCはC線(波長656.3nm)を、AはA線(波長768.2nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。各収差図から明らかなように、第2実施例の対物レンズも第1実施例と同様に、設計レベルにおいて、色収差を含む諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
次に、本実施形態の対物レンズ系(すなわち対物レンズ7)の製造方法、ひいては観察装置(すなわちFIA系アライメント装置)の製造方法について説明する。一般に、対物レンズ系などにおいて収差が発生する原因として、光学材料(硝材)の屈折率分布の不均一性や研磨面誤差などがある。しかしながら、仮に屈折率分布の不均一性や研磨面誤差などがなくても、製造に際して、各レンズの中心厚および空気間隔の誤差、並びに光軸と直交する方向にレンズ成分が偏心する誤差が発生する。対物レンズ系では、各レンズの中心厚および空気間隔の誤差によって主に球面収差が発生し、偏心誤差によって主にコマ収差が発生する。
ここで、球面収差およびコマ収差の低次成分は、光学調整により補正可能であるが、球面収差およびコマ収差の高次成分は光学調整による補正が難しい。また使用する波長域の中で波長毎に偏心コマ収差が異なると、色によるコマ収差が残存し、これも光学調整による補正が困難である。この観点から、光学系自体が設計レベルにおいて収差が十分に補正されているだけでなく、光学調整時にレンズ移動等を行っても、調整不可能な高次波面収差成分を如何に発生させない設計になっているかが重要になっている。そこで、本実施形態では、対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差を所定値以下に抑えて、対物レンズ系を設計している。
具体的には、対物レンズ7の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長(すなわちC線の波長:656.3nm)をλ1としたとき、対物レンズ7を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれd(mm)だけ変化させたときに発生する波面収差のうち高次球面収差成分のRMS(root mean square:自乗平均平方根)値を(30・d・NA)・λ1以下に設定している。ここで、高次球面収差成分のRMS値は、ツェルニケ多項式の第16項に基づいて得られる。
第6図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれ変化させたときに発生する高次球面収差成分のRMS値を示す図である。第6図において、縦軸は、発生する高次球面収差成分のRMS値が(d・NA)・λ1の何倍になっているかを示している。第6図を参照すると、従来技術にしたがう参考例では、高次球面収差成分のRMS値が部分的に(30・d・NA)・λ1を大きく超えているが、第1実施例の対物レンズ7(第6図では実施例)では、高次球面収差成分のRMS値が全体に亘って(30・d・NA)・λ1以下に設定されていることがわかる。なお、図示を省略したが、第2実施例の対物レンズ7においても、高次球面収差成分のRMS値が全体に亘って(30・d・NA)・λ1以下に設定されている。
また、本実施形態では、対物レンズ7を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を(50・s・NA)・λ1以下に設定している。ここで、高次コマ収差成分のRMS値は、ツェルニケ多項式の第14項に基づいて得られる。
第7図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿って偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を示す図である。第7図において、縦軸は、発生する高次コマ収差成分のRMS値が(s・NA)・λ1の何倍になっているを示している。第7図を参照すると、従来技術にしたがう参考例では、高次コマ収差成分のRMS値が部分的に(50・s・NA)・λ1を大きく超えているが、第1実施例の対物レンズ7(第7図では実施例)では、高次コマ収差成分のRMS値が全体に亘って(50・s・NA)・λ1以下に設定されていることがわかる。なお、図示を省略したが、第2実施例の対物レンズ7においても、高次コマ収差成分のRMS値が全体に亘って(50・s・NA)・λ1以下に設定されている。
さらに、本実施形態では、対物レンズ7を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を(50・s・NA)・λ1以下に設定している。ここで、使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値は、ツェルニケ多項式の第7項に基づいて得られる。
第8図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿って偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長(530nm)の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長(800nm)の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を示す図である。第8図において、縦軸は、発生する使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値が(s・NA)・λ1の何倍になっているかを示している。第8図を参照すると、従来技術にしたがう参考例では、使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値が部分的に(50・s・NA)・λ1を大きく超えているが、第1実施例の対物レンズ7(第8図では実施例)では、使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値が全体に亘って(50・s・NA)・λ1以下に設定されていることがわかる。なお、図示を省略したが、第2実施例の対物レンズ7においても、使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値が全体に亘って(50・s・NA)・λ1以下に設定されている。
次いで、上述のように設計された本実施形態の対物レンズ7の各光学部材(すなわち各レンズ)を製造する。第9図は、本実施形態の対物レンズ系を構成する各光学部材の製造フローを示すフローチャートである。各光学部材の製造工程では、第9図に示すように、各光学部材を形成すべきブロック硝材(ブランクス)を製造する(S11)。そして、製造したブロック硝材の屈折率の均質性を検査する(S12)。具体的には、第10図に示す干渉計装置を用いてブロック硝材の屈折率の分布を計測する。第10図では、オイル101が充填された試料ケース102の中の所定位置に被検物体であるブロック硝材103を設置する。
そして、制御系104に制御された干渉計ユニット105からの射出光が、フィゾーステージ106a上に支持されたフィゾーフラット(フィゾー平面)106に入射する。ここで、フィゾーフラット106で反射された光は参照光となり、干渉計ユニット105へ戻る。一方、フィゾーフラット106を透過した光は測定光となり、試料ケース102内の被検物体103に入射する。被検物体103を透過した光は、反射平面107によって反射され、被検物体103およびフィゾーフラット106を介して干渉計ユニット105へ戻る。こうして、干渉計ユニット105へ戻った参照光と測定光との位相ずれに基づいて、各ブロック硝材103の屈折率分布による波面収差が、ひいては各光学部材の屈折率分布による波面収差が計測される。なお、屈折率均質性の干渉計による計測に関する詳細については、たとえば特開平8−5505号(およびこれに対応する米国特許第6,181,469号)公報を参照することができる。ここでは、米国特許第6,025,955号および米国特許第6,181,469号をレファレンスとして援用する。
本実施形態では、光学部材の屈折率均質性に関する規格を設けている。この規格では、各光学部材の屈折率分布による波面収差のP−V値(peak to valley:最大最小の差)を0.005λ以下に設定している。ここで、λは、波面収差の計測光の波長であるが、通常の干渉計装置の場合、He−Neレーザを使用しているので、λ=632.8nmである。なお、本実施形態では、他の干渉計装置においてもHe−Neレーザを使用しているので、後述する他の規格においてもλ=632.8nmである。
上述の屈折率均質性に関する規格に照らして検査を合格しなかった各光学部材については、選別により廃棄するか、あるいは品質の向上のためにブロック硝材の製造を再度試みる。次に、各光学部材を研磨して、その光学面の面精度を規格値まで追い込む(S13)。本実施形態では、対物レンズ系を構成する各光学部材の光学面の面精度に関して、次の4つの規格を並立的に設けている。
各光学部材の光学面の面精度に関する第1の規格では、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値を0.010λ以下に設定している。また、全成分Wの回転対称成分WrotのRMS値を0.005λ以下に設定している。さらに、回転対称成分Wrotから2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差WrothのRMS値を0.003λ以下に設定している。また、全成分Wからアス成分を補正した後の非回転対称成分WrndmasのRMS値を0.005λ以下に設定している。
各光学部材の光学面の面精度に関する第2の規格では、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値を0.010λ以下に設定している。また、全成分Wの縦収差成分W縦のRMS値を0.007λ以下に設定している。さらに、全成分Wの縦収差高次成分W縦高のRMS値を0.005λ以下に設定している。また、全成分Wの横収差成分W横のRMS値を0.005λ以下に設定している。さらに、全成分Wの横収差高次成分W横高のRMS値を0.003λ以下に設定している。
各光学部材の光学面の面精度に関する第3の規格では、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値を0.010λ以下に設定している。また、全成分Wからアス成分を補正した後の成分WmasのRMS値を0.008λ以下に設定している。さらに、全成分からアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分WmassaのRMS値を0.005λ以下に設定している。また、全成分Wの高次収差成分WmassacomaのRMS値を0.003λ以下に設定している。
各光学部材の光学面の面精度に関する第4の規格では、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値を0.010λ以下に設定している。また、波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第9項の展開係数C9の値を0.009λ以下に設定している。さらに、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36の値を0.005λ以下にそれぞれ設定している。
第9図を参照すると、研磨した各光学部材の光学面の面精度を、干渉計を用いて検査する(S14)。具体的には、第11図に示す干渉計装置を用いて各光学部材の光学面の面精度を計測する。第11図では、制御系111に制御された干渉計ユニット112からの射出光が、フィゾーステージ113a上に支持されたフィゾーレンズ113に入射する。ここで、フィゾーレンズ113の参照面(フィゾー面)で反射された光は参照光となり、干渉計ユニット112へ戻る。一方、フィゾーレンズ113を透過した光は測定光となり、被検レンズ114の被検光学面に入射する。被検レンズ114の被検光学面で反射された測定光は、フィゾーレンズ113を介して干渉計ユニット112へ戻る。こうして、干渉計ユニット112へ戻った参照光と測定光との位相ずれに基づいて、被検レンズ114の被検光学面の基準面に対する波面収差が計測される。なお、第11図では、フィゾーレンズ113を単レンズで示しているが、実際のフィゾーレンズは複数のレンズ(レンズ群)で構成されている。
上述の面精度に関する第1の規格〜第4の規格から任意に選択された1つの規格、たとえば第4の規格に照らして検査を合格しなかった各光学部材については、追加研磨を試みるか、あるいは研磨工程を変更して新たな研磨を試みる。次に、各光学部材の光学面に、コーティングを施す(S15)。こうして、本実施形態の対物レンズ系を構成する各光学部材が完成する(S16)。なお、第12図に示すように、コーティング(S15)の後に、干渉計による光学面の検査(S15’)を行うこともできる。
第13図は、本実施形態の対物レンズ系を構成する各光学部材の組み込みおよび光学調整フローを示すフローチャートである。また、第14図は、組み立てられた本実施形態の対物レンズ系の全体構成を示す図である。第14図において、各レンズ成分L1〜L5は、それぞれ対応するレンズ室LC1〜LC5によって保持された状態で、鏡筒MTに組み込まれている。なお、レンズ成分L3を保持するレンズ室LC3とレンズ成分L4を保持するレンズ室LC4との間には、間隔環SAが設けられている。また、鏡筒MTには、たとえばレンズ成分L5の偏心を調整するための偏心調整ねじVS5が設けられている。なお、図示を省略したが、他のレンズ成分L1〜L4の偏心を調整するための偏心調整ねじVS1〜VS4も必要に応じて設けられている。
一方、第13図を参照すると、金物としての各レンズ室に各レンズ成分を挿入し、各レンズ室に対する偏心がないように偏心追い込みを行う(S21)。そして、各レンズ成分をレンズ室によって保持した状態で鏡筒内に組み込む(S22)。この状態で、干渉計を用いて対物レンズ系の透過波面収差(透過光に基づく波面収差)を計測し、後述する規格に照らして検査を行う(S23)。具体的には、第15図に示す干渉計装置を用いて、組み立てられた対物レンズ系に残存する波面収差を計測する。第15図では、制御系151に制御された干渉計ユニット152からの射出光が、フィゾーステージ153a上に支持されたフィゾーフラット153に入射する。ここで、フィゾーフラット153で反射された光は参照光となり、干渉計ユニット152へ戻る。
一方、フィゾーフラット153を透過した光は測定光となり、被検光学系である対物レンズ系154に入射する。被検光学系154を透過した測定光は、反射プリズム8に対応する光路長を有する平行平面板155を介して、反射球面ユニット156に入射する。反射球面ユニット156で反射された測定光は、平行平面板155、被検光学系154およびフィゾーフラット153を介して、干渉計ユニット152へ戻る。こうして、干渉計ユニット152へ戻った参照光と測定光との位相ずれに基づいて、被検光学系である対物レンズ系154に残存する波面収差が計測される。
なお、第15図の干渉計装置では、反射プリズム8に対応する光路長を有する平行平面板155を介在させることにより、対物レンズ系154と反射球面ユニット156とを直線状の光軸に沿って配置している。しかしながら、第16図に示すように、平行平面板155に代えて、反射プリズム8に対応する形状の反射プリズム161を設けることもできる。ただし、この場合、反射プリズム161の偏向作用により、対物レンズ系154と反射球面ユニット156とを直線状の光軸に沿って配置することができなくなる。その結果、対物レンズ系154および反射プリズム161の支持体162が必要になるとともに、対物レンズ系154と反射プリズム161と反射球面ユニット156との位置合わせが第15図の干渉計装置よりも困難になる。但し、反射プリズム161と支持体162が、実際に最終的に使用する部品である場合には、反射プリズム161の製造誤差および支持体162への取付け誤差が発生する可能性もある。この場合には、これらの誤差により発生する波面収差の調整(低次収差成分の調整)が可能となる。例えば、反射プリズムの光路長の誤差に伴い、低次球面収差が僅かに発生する場合、あるいは反射プリズム各面に倒れが発生したり反射プリズム全体が傾くことに伴い、低次コマ収差が僅かに発生する場合がある。そのような収差は、対物レンズ系の調整により補正することが好ましい。
ところで、本実施形態では、対物レンズ系の光学性能に関して、次の3つの規格を並立的に設けている。対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格では、対物レンズ系に残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値が0.012λ以下に設定されている。また、全成分Wの回転対称成分WrotのRMS値が0.007λ以下に設定されている。さらに、回転対称成分Wrotから2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差WrothのRMS値が0.005λ以下に設定されている。また、全成分Wからアス成分を補正した後の非回転対称成分WrndmasのRMS値が0.005λ以下に設定されている。
対物レンズ系の光学性能に関する第2の規格では、残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値が0.012λ以下に設定されている。また、全成分Wの縦収差成分W縦のRMS値が0.008λ以下に設定されている。さらに、全成分Wの縦収差高次成分W縦高のRMS値が0.006λ以下に設定されている。また、全成分Wの横収差成分W横のRMS値が0.005λ以下に設定されている。さらに、全成分Wの横収差高次成分W横高のRMS値が0.004λ以下に設定されている。
対物レンズ系の光学性能に関する第3の規格では、残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値が0.012λ以下に設定されている。また、全成分Wからアス成分を補正した後の成分WmasのRMS値が0.010λ以下に設定されている。さらに、全成分Wからアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分WmassaのRMS値が0.008λ以下に設定されている。また、全成分Wの高次収差成分WmassacomaのRMS値が0.007λ以下に設定されている。
対物レンズ系の光学性能に関する補助規格では、残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分WのRMS値が0.012λ以下に設定されている。第9項の展開係数C9の値が0.009λ以下に設定されている。また、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36の値が0.008λ以下にそれぞれ設定されている。この補助規格は、上述の第1の規格〜第3の規格に対する補助的な規格である。換言すると、上述の検査ステップS23では、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格から任意に選択された1つの規格に照らして検査を行うが、このとき上述の補助規格も同時に満足することが好ましい。
第13図を参照すると、対物レンズ系の光学性能に関する規格(すなわち性能に関する第1の規格〜第3の規格から任意に選択された規格および必要に応じて補助規格)に照らして、検査に不合格(図中NGで示す)の場合、第14図に示す間隔環SAの変更や偏心調整ねじVS5などによる偏心調整を行う(S24)。こうして、必要に応じて部品組み込み(S22)を行った後、対物レンズ系の透過波面収差を計測し、規格に照らして検査を行う(S23)。その結果、対物レンズ系の光学性能に関する規格に照らして検査に合格(図中OKで示す)すると、対物レンズ系の調整が、ひいては対物レンズ系の製造が完了する(S25)。
同様に、本実施形態の対物レンズ系に適用した各光学部材の屈折率均質性に関する規格および各光学部材の光学面の面精度に関する規格を、本実施形態の観察装置における結像光学系の対物レンズ系以外の各光学部材(第2対物レンズ11の各レンズ、リレーレンズ系(13,14)の各レンズ、反射プリズム8、ハーフプリズム6および15など)に適用して、結像光学系を製造し、ひいては観察装置を製造することができる。ここで、結像光学系の対物レンズ系以外の各光学部材では、対物レンズ系を構成する各光学部材に比べて、通過する光束の径が実質的に小さくなる。したがって、結像光学系の対物レンズ系以外の各光学部材に対しては、対物レンズ系に適用した上述の規格に準じた規格、換言すると上述の規格よりも比較的緩い規格を適用することもできる。
本実施形態では、対物レンズ系を含む結像光学系の光学性能に関して、目標値としての規格を設けている。この規格では、光学調整の後に結像光学系に残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の縦収差成分W縦のRMS値が0.012λ以下に設定されている。また、残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の横収差成分W横のRMS値が0.006λ以下に設定されている。
以下、本実施形態において設定した各規格の妥当性について検証する。次の第3表は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各光学部材の各面の面精度と対物レンズ系の性能との関係を示している。第3表において、ツェルニケ係数nは、第n項に対応することを示している。各面面精度は、各面の基準面に対する波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。なお、各面面精度では、面精度に関する第4の規格で許容される最大値が設定されている。
対物レンズ性能は、各面面精度に基づいて計算により予想される対物レンズ系の性能であって、対物レンズ系に残存する波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の予想値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。対物レンズ規格は、対物レンズ系の光学性能に関する補助規格に対応し、対物レンズ系に残存する波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の許容値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第3表で対物レンズ性能と対物レンズ規格とを比較すると、各面面精度に基づいて計算により予想される対物レンズ系の性能における第9項の展開係数C9の予想値が、対物レンズ系の光学性能に関する補助規格における第9項の展開係数C9の許容値を大きく上回っているのがわかる。しかしながら、第9項の成分は低次球面収差成分であって、光学調整により容易に補正可能である。したがって、面精度に関する第4の規格に照らして光学部材を製造すれば、対物レンズ系の光学性能に関する補助規格を満たすことがわかる。
次の第4表は、第3表に対応する表であって、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格の妥当性を検証するものである。したがって、第3表では各展開係数の値を示しているが、第4表では対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分のRMS値を示している。第4表において、成分は、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分を示している。面精度は、各面の基準面に対する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
対物レンズ性能は、各面面精度に基づいて計算により予想される対物レンズ系の性能であって、対物レンズ系に残存する波面収差の各成分の予想RMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。対物レンズ規格4は、対物レンズ系の光学性能に関する補助規格に対応し、対物レンズ系に残存する波面収差の各成分の許容RMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。対物レンズ規格1〜3は、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に対応し、対物レンズ系に残存する波面収差の各成分の許容RMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第4表で対物レンズ性能と対物レンズ規格1〜3とを比較すると、面精度に関する第4の規格に照らして光学部材を製造すれば、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格を満たすことがわかる。
次の第5表は、従来の規格にしたがう3つの試作対物レンズ系の性能と、本発明にしたがう第1実施例の対物レンズ系の性能との関係を示している。第5表において、ツェルニケ係数nは、第n項に対応することを示している。試作1〜3は、各面の基準面に対する波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になるように従来の規格にしたがって製造された3つの試作対物レンズ系に残存する波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。実施例は、屈折率均質性に関する規格および面精度に関する第4の規格にしたがって製造された第1実施例の対物レンズ系に残存する波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第5表を参照すると、各面の基準面に対する波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になるように従来の規格にしたがって製造したとしても、対物レンズ系の性能に関する本実施形態の補助規格を満足しない場合があることがわかる。これに対し、本実施形態の屈折率均質性に関する規格および面精度に関する規格にしたがって製造することにより、対物レンズ系の性能に関する本実施形態の補助規格を満足することがわかる。
次の第6表は、第5表に対応する表であって、3つの試作対物レンズ系および第1実施例の対物レンズ系が性能に関する第1の規格〜第3の規格を満足していることを検証するものである。したがって、第5表では各展開係数の値を示しているが、第6表では対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分のRMS値を示している。
第6表において、成分は、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分を示している。試作1〜3は、3つの試作対物レンズ系の性能であって、残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。実施例は、第1実施例の対物レンズ系の性能であって、残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
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第6表を参照すると、各面の基準面に対する波面収差の全成分のRMS値が0
.01λ以下になるように従来の規格にしたがって製造しても、対物レンズ系の性能に関する本実施形態の第1の規格〜第3の規格を満足しないことがわかる。これに対し、本実施形態の屈折率均質性に関する規格および面精度に関する規格にしたがって製造することにより、対物レンズ系の性能に関する本実施形態の第1の規格〜第3の規格を満足することがわかる。
次の第7表は、本実施形態の面精度に関する第4の規格と、波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になっているが性能悪化の原因となる従来の特異面との関係を示している。第7表において、ツェルニケ係数nは、第n項に対応することを示している。面精度規格は、本実施形態の面精度に関する第4の規格に対応し、波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の許容値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
実際研磨面は、波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になるように従来技術にしたがって実際に研磨された面に対応し、その波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ面は、波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になっているがツェルニケ多項式の第10項のみ大きく発生している面に対応し、その波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ高次コマ複合面は、波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下になっているがツェルニケ多項式の第10項と第14項とがほぼ同量だけ発生している面に対応し、その波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第1項〜第36項の展開係数C1〜C36の値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
なお、第17図は、第7表の実際研磨面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。第18図は、第7表の実際研磨面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。第19図は、第7表の3θ面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。第20図は、第7表の3θ面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。第21図は、第7表の3θ高次コマ複合面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。第22図は、第7表の3θ高次コマ複合面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。
次の第8表は、第7表に対応する表であって、本実施形態の面精度に関する第1の規格〜第3の規格と従来の特異面の面精度との関係を示している。したがって、第7表では各展開係数の値を示しているが、第8表では面精度に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分のRMS値を示している。第8表において、成分は、面精度に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分を示している。面精度規格は、面精度に関する第1の規格〜第3の規格における各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。 実際研磨面は、第7表の実際研磨面に対応する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ面は、第7表の3θ面に対応する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ高次コマ複合面は、第7表の3θ高次コマ複合面に対応する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
第8表を参照すると、従来の特異面では、波面収差の全成分のRMS値が0.01λ以下に抑えられているが、面精度に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる他の各成分の許容値を上回っていることがわかる。
次の第9表は、第7表の1枚の特異面が対物レンズ系の波面収差に与える影響を示している。第9表において、成分は、対物レンズ系の性能に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分を示している。対物レンズ規格は、対物レンズ系の光学性能に関する第1の規格〜第3の規格に対応し、対物レンズ系に残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。なお、ここでは、特異面が発生している面を対物レンズ内にて特定していないため、発生面を屈折率1.7(平均的な値である)の非貼り合せ面として示している。
実際研磨面は、第7表の実際研磨面を1枚含む対物レンズ系に残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ面は、第7表の3θ面を1枚含む対物レンズ系に残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。3θ高次コマ複合面は、第7表の3θ高次コマ複合面を1枚含む対物レンズ系に残存する波面収差の各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
第9表を参照すると、実際研磨面を1枚含む対物レンズ系では第1の規格の回転対称2次4次残差成分の許容値を上回り、3θ面や3θ高次コマ複合面を1枚含む対物レンズ系では第1の規格のアス補正後非回転成分の許容値を上回っている。また、実際研磨面を1枚含む対物レンズ系では第2の規格のすべての成分の許容値を下回っているが、3θ面や3θ高次コマ複合面を1枚含む対物レンズ系では第2の規格の横収差成分の許容値および横収差高次成分の許容値を上回っている。なお、第3の規格については、すべての成分の許容値を下回っている。いずれにしても、1枚の特異面を含むだけで対物レンズ系の性能が大きく悪化することがわかる。
次の第10表は、面精度に関する第1の規格〜第3の規格と、面精度に関する第4の規格との関係を示している。第10表において、成分は、面精度に関する第1の規格〜第3の規格に含まれる各波面収差成分を示している。面精度規格は、面精度に関する第1の規格〜第3の規格における各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。ツェルニケ規格は、面精度に関する第4の規格から換算された各成分のRMS値をλ(=632.8nm)にかかる係数で示している。
Figure 2002021187
Figure 2002021187
第10表を参照すると、面精度に関する第1の規格〜第3の規格と第4の規格との間には良好な対応関係が認められるが、第1の規格〜第3の規格の方が概して第4の規格よりも精度的に厳しく設定されていることがわかる。したがって、上述の説明では、面精度に関する第4の規格にしたがう対物レンズ系を例にとっているが、面精度に関する第1の規格〜第3の規格から任意に選択された規格にしたがう対物レンズ系においても、所望の性能規格を満足することができる。
すなわち、本実施形態では、屈折率均質性に関する規格と面精度に関する第1の規格〜第4の規格から任意に選択された規格とにしたがって対物レンズ系の光学部材を製造し、組み立てられた対物レンズ系において所要の光学調整を行うことにより、対物レンズ系の性能に関する第1の規格〜第3の規格から任意に選択された規格を満たすとともに、対物レンズ系の性能に関する補助規格を満たすことができる。さらに、結像光学系の対物レンズ系以外の光学部材を、対物レンズ系の光学部材に準じた規格にしたがって製造し、組み立てられた結像光学系において所要の光学調整を行うことにより、結像光学系の性能に関する規格を満たすことができる。
実際に、面精度に関する第1の規格で研磨を実施したところ、面精度に関する第4の規格(ツェルニケ規格)を満たすことがわかった。したがって、面精度に関する第1の規格で研磨すれば、所望の精度で加工された面が得られることが判明した。同様に、面精度に関する第2の規格または第3の規格で研磨しても、面精度に関する第4の規格(ツェルニケ規格)を満たすことが確認された。
また、前述したように、1つの特異面だけで対物レンズ系の性能に関する規格値の大部分を占める波面収差を発生させることがある。第7表に、この種の特異面に関するツェルニケデータを示し、第8表に、各成分のRMS値に換算した数値を示している。この種の特異面は、第18図、第20図および第22図に示すように、真球からのずれの大きい特別な形状をしている。第9表には、この種の特異面が対物レンズ系中に1面あると、対物レンズ系の透過波面収差にどの程度影響するかを示している。
実際の研磨面例では、1枚の特異面の存在により、対物レンズ系の性能に関する規格値の8割以上の収差を発生させている。したがって、このような研磨面が1枚でも発生すると、最終的に対物レンズ系の性能に関する規格を満たすことができない可能性が高い。また、3θ面および3θ高次コマ複合面のような特異面については、1面だけで対物レンズ系の性能に関する規格値を超える収差を発生させている。このような傾向の特異面が実際に発生することがあり、その場合には性能に関する規格を満足しない対物レンズ系が製造されるものと考えられる。 さて、第1図に示す、FIA系アライメント装置では、アライメントマーク(ウェハマークWM)のX方向(0度方向)位置およびY方向(90度方向)位置を計測する。このようなアライメント装置では、X方向用のCCDおよびY方向用のCCDのように2つの撮像デバイスを用い、各方向の位置を別々に計測することが可能である。この場合、X方向用のCCDの受光面およびY方向用のCCDの受光面をX方向フォーカス位置およびY方向フォーカス位置へ独立して合わせ込むことが容易に可能となる。したがって、基本的に本発明の仕様を満たしていれば、非点収差(アス)は光学調整によって補正することができる。
顕微鏡に含まれる対物レンズ系のような比較的小型の対物レンズ系の場合、レンズ室に偏心を追い込んだ状態で各レンズが挿入され、さらに各レンズの挿入された各レンズ室が鏡筒に組み込まれて製造される。この場合、メカ押え機構により発生する成分は、概してツェルニケ係数のC2およびC3のチルト成分、C4のフォーカス成分、C5およびC6のアス成分と言った具合に係数の順序で大きいほうから並んでいると考えられる。チルト成分は公差内であれば折り込み済みで問題なく、フォーカス成分、アス成分、コマ収差成分、球面収差成分は、光学部材の間隔調整、偏心調整などによって補正可能である。また、アス成分に関しては、シリンドリカル面を用いた調整機構によって補正することも可能である。 したがって、メカ機構で気を付ける必要がある収差成分は、ツェルニケ係数のC10およびC11の3θ成分、C12およびC13の高次アス成分、C14およびC15の高次コマ成分などである。レンズ室への組込み時におけるこれらの収差成分の発生に十分注意する必要があるが、これらの収差成分の発生は、比較的小径(たとえば50mm以下の有効径)の対物レンズ系においては無視し得る程度に小さく抑え込むことが可能であり、今後とも必要に応じてより小さくなるような機構を採用すれば無視することができる。
基本的に、面精度に関する第4の規格(ツェルニケ規格)を満たせば、各面面精度に基づいて計算により予想される対物レンズ系の性能が本実施形態の補助規格を満たすことは前述した通りである。このとき、各面面精度に基づく計算において、レンズ組み込み時の非回転対称成分の相殺効果を約0.5と見込んで計算している。以下、相殺効果について説明する。光学系で使用されるレンズ枚数が多い場合、各レンズで発生したツェルニケの非回転対称成分は、各レンズの光軸垂直面内での回転調整によりある程度相殺される。例えば、あるレンズで0度方向にピーク値を有する非回転対称成分が残存し、別のレンズにも0度方向に同様の非回転対称成分が残存していた場合、どちらか一方のレンズを光軸垂直面内にて回転させることにより、波面収差を小さくすることができる。ここでは、このような効果を相殺効果と呼び、約0.5と見込んでいる。
規格に含まれる各成分の発生量と、低次収差や高次収差の発生量との関係は、一対一に対応していない。しかしながら、面精度に関する4つの規格のうちいずれの規格を採用しても、最終的な対物レンズ系の性能に関する規格を満たすように設定されていなければならない。このように、面精度に関する規格を設けることにより、研磨面のうねり成分の発生が現実に少なくなる。面精度に関する規格を設定しない場合には、前述したような特異面が発生し、対物レンズ系の性能に関する規格を、ひいては結像光学系の性能に関する規格を満たすことができなくなる。
以下、各面のツェルニケ係数から、対物レンズ系の透過波面収差を計算により見積もる方法を示す。ツェルニケ係数は、各レンズの有効径に対して規格化されている。したがって、実際に使用する光束径に換算する必要がある。面が既にツェルニケ関数フィッティングされているので、光軸中心で半径を小さくして新たなツェルニケ係数を求めることは、半径ρを光束径/有効径の比率で求めて換算することにより容易に可能である。
また、干渉計による面精度の検査は、第11図に示すように反射波面収差の計測により行われる。このため、透過波面収差に換算するには、計測波長のガラス屈折率nと、空気屈折率または接合レンズの場合には接着剤屈折率(いずれの場合もn0で表す)との差(n−n0)を乗じなければならない。換算時に計測波長(通常He−Ne波長:λ=632.8nm)と使用波長λ0とが異なる場合は、波面収差の単位である波長を換算するためにλ0/λを乗じる必要がある。 このような手法により、第1実施例の対物レンズ系の透過波面収差を計算により見積もった値を、第3表の対物レンズ性能の欄に示している。この見積もり結果は、前述したように、対物レンズ系の性能に関する規格とほぼ整合した値となっている。したがって、各面を本実施形態の規格にしたがって研磨すれば、性能に関する所望の規格を満たす対物レンズ系が得ることができる。
また、本実施形態では、各光学部材の屈折率分布による波面収差のP−V値(peak to valley:最大最小の差)を0.005λ以下に抑えている。調査の結果から、比較的小径(たとえば有効径が60mm以下)の光学部材においては、このような屈折率均質性に関する精度を満たす光学材料を供給することが可能であることが解った。光学部材の屈折率分布はなだらかな分布形状を示しており、局所的なうねりは少ない。
したがって、このP−V値を成分解析すると、高次のうねり成分は多くてもP−V値で0.001λ以下となり、実質的な影響が無いと考えられる。特開平8−5505号公報に開示されているように、低次の屈折率分布に起因して発生する収差成分は光学系の調整によって補正可能な成分であり、ツェルニケ係数で表すと、第2項の展開係数C2〜第9項の展開係数C9に相当する。したがって、本実施形態の屈折率均質性に関する規格を満たしていれば、最終的な対物レンズ系の性能に実質的な悪影響を及ぼすことはないと考えられる。
なお、面精度に関する規格および性能に関する規格のうち、第2の規格は最終的な結像光学系の性能の規格と整合しているので最も有効である。ただし、通常の市販の干渉計ではこのような成分に関する数値はソフトに機能がなく表示されないため、ツェルニケ係数から計算しなければならない。実際のFIA系アライメント装置においては、縦収差が各種マークの位置検出時のフォーカス位置のばらつきに寄与し、横収差が各種マークの位置検出時の横方向の計測誤差となる。
アライメントマークを画像処理する際に、ソフトウェア処理の技術にしたがってこれらの誤差要因を減少させる技術も非常に進歩が著しいが、基本的にハードウェアとして結像光学系の性能が高いほど望ましい。たとえば、理想的に収差が全く発生しない場合、対物レンズ系を含む結像光学系に関する誤差要因はなくなり、ウェハ上に形成されたアライメントマークの形状誤差等の影響が残るだけとなる。
第1図に示す本実施形態における各光学部材及び各ステージ等を前述したような機能を達成するように、電気的、機械的または光学的に連結することで、本実施形態にかかる露光装置を組み上げることができる。そして、照明系ILによってマスクを照明し(照明工程)、投影光学モジュールPM1〜PM5からなる投影光学系PLを用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に走査露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、第1図に示す本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき第23図のフローチャートを参照して説明する。
先ず、第23図のステップ301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、第1図に示す露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系(投影光学モジュール)を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、第1図に示す露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、第24図のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。第24図において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、波面収差をツェルニケの多項式で表現しているが、たとえば特開平11−125512号公報に開示されているようにツェルニケ多項式を用いることなく波面収差を表現することもできる。
また、上述の実施形態では、波面収差をツェルニケの多項式で表現する際に第36項まで展開しているが、これに限定されることなく、さらに第36項を超えて展開することもできる。この場合、第37項以降の項については、たとえば第36項に関する規格値を適用することができる。
さらに、上述の実施形態では、ウェハマークの位置を検出するためのFIA系アライメント装置に本発明を適用しているが、これに限定されることなく、たとえば特開平6−58730号公報、特開平7−71918号公報、特開平10−128814号公報、特開平10−122820号公報、および特開2000−258119号公報などに開示される重ね合わせ精度測定装置やパターン間寸法測定装置にも本発明を適用することができる。
以上の通り、本発明は上述した実施形態には限られずに種々の構成をとり得る。
産業上の利用の可能性
以上説明したように、本発明では、残存する波面収差高次成分を良好に抑えることのできる対物レンズ系を設計レベルで実現することができる。また、本発明では、対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて対物レンズ系を設計することにより、残存する波面収差高次成分を良好に抑えることができる。さらに、本発明では、対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、各光学部材をそれぞれ製造することにより、対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を良好に抑えることができる。
したがって、本発明の対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置では、対物レンズ系に、ひいては結像光学系に残存する波面収差高次成分を良好に抑えることができる。また、本発明の観察装置を備えた露光装置では、たとえば観察装置を用いて投影光学系に対してマスクと感光性基板とを高精度に位置合わせして良好な露光を行うことができる。さらに、本発明の露光装置を用いたマイクロデバイス製造方法では、良好な露光工程を介して良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施形態にかかる観察装置および該観察装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
第2図は、本実施形態の観察装置であるFIA系アライメント装置に含まれる第1実施例の対物レンズのレンズ構成を示す図である。
第3図は、第1実施例の対物レンズの諸収差を示す図である。
第4図は、本実施形態のFIA系アライメント装置に含まれる第2実施例の対物レンズのレンズ構成を示す図である。
第5図は、第2実施例の対物レンズの諸収差を示す図である。
第6図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれ変化させたときに発生する高次球面収差成分のRMS値を示す図である。
第7図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿って偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を示す図である。
第8図は、第1実施例の対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿って偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長(530nm)の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長(800nm)の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を示す図である。
第9図は、本実施形態の対物レンズ系を構成する各光学部材の製造フローを示すフローチャートである。
第10図は、光学部材の屈折率の分布による波面収差を計測するための干渉計装置の構成を概略的に示す図である。
第11図は、各光学部材の光学面の基準面に対する波面収差を計測するための干渉計装置の構成を概略的に示す図である。
第12図は、第9図のフローチャートの変形例を示す図である。
第13図は、本実施形態の対物レンズ系を構成する各光学部材の組み込みおよび光学調整フローを示すフローチャートである。
第14図は、組み立てられた本実施形態の対物レンズ系の全体構成を示す図である。
第15図は、組み立てられた対物レンズ系に残存する波面収差を計測するための干渉計装置の構成を概略的に示す図である。
第16図は、第15図の干渉計装置の変形例を示す図である。
第17図は、第7表の実際研磨面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。
第18図は、第7表の実際研磨面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。
第19図は、第7表の3θ面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。
第20図は、第7表の3θ面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。
第21図は、第7表の3θ高次コマ複合面に対応する波面収差を0.005λの等高線図で示している。
第22図は、第7表の3θ高次コマ複合面のうねりを誇張して三次元的に示す図である。
第23図は、本実施形態の露光装置を用いてマイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
第24図は、本実施形態の露光装置を用いてマイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。

Claims (50)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群中において最も物体側に配置されたレンズの中心厚をd1とし、前記最も物体側に配置されたレンズの物体側の面と物体との間の光軸に沿った空気換算距離をd0としたとき、
    d1/d0<0.2
    の条件を満足することを特徴とする対物レンズ系。
  2. 前記第2レンズ群中において最も像側に配置された一対のレンズのうち物体側のレンズのアッベ数をν1とし、前記一対のレンズのうち像側のレンズのアッベ数をν2としたとき、
    |ν1−ν2|<15
    ν1<40
    ν2<40
    の条件を満足することを特徴とする請求の範囲1に記載の対物レンズ系。
  3. 前記一対のレンズは、接合レンズを構成していることを特徴とする請求の範囲2に記載の対物レンズ系。
  4. 前記対物レンズ系中のレンズ成分のうち負の屈折力の最も大きいレンズ成分の中心厚をDとし、前記第2レンズ群中において最も像側に配置されたレンズの像側の面と前記物体との間の光軸に沿った距離をLとしたとき、
    D/L<0.17
    の条件を満足することを特徴とする請求の範囲1乃至3のいずれか1項に記載の対物レンズ系。
  5. 対物レンズ系の製造方法において、
    前記対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて前記対物レンズ系を設計する設計工程と、
    組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする対物レンズ系の製造方法。
  6. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれd(mm)だけ変化させたときに発生する波面収差のうち高次球面収差成分のRMS(root mean square:自乗平均平方根)値を(30・d・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲5に記載の対物レンズ系の製造方法。
  7. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲5または6に記載の対物レンズ系の製造方法。
  8. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲5乃至7のいずれか1項に記載の対物レンズ系の製造方法。
  9. 対物レンズ系の製造方法において、
    前記対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造する製造工程と、
    組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする対物レンズ系の製造方法。
  10. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の屈折率分布による波面収差のP−V値(peak to valley:最大最小の差)を0.005λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲9に記載の対物レンズ系の製造方法。
  11. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分の回転対称成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記回転対称成分から2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差のRMS値を0.003λ以下に抑え、前記全成分からアス成分を補正した後の非回転対称成分のRMS値を0.005λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲9または10に記載の対物レンズ系の製造方法。
  12. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分の縦収差成分のRMS値を0.007λ以下に抑え、前記全成分の縦収差高次成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の横収差成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の横収差高次成分のRMS値を0.003λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲9または10に記載の対物レンズ系の製造方法。
  13. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分からアス成分を補正した後の成分のRMS値を0.008λ以下に抑え、前記全成分からアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の高次収差成分のRMS値を0.003λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲9または10に記載の対物レンズ系の製造方法。
  14. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第9項の展開係数C9を0.009λ以下に抑え、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36を0.005λ以下にそれぞれ抑えることを特徴とする請求の範囲9または10に記載の対物レンズ系の製造方法。
  15. 前記製造工程に先立って、前記対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて前記対物レンズ系を設計する設計工程を含むことを特徴とする請求の範囲9乃至14のいずれか1項に記載の対物レンズ系の製造方法。
  16. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれd(mm)だけ変化させたときに発生する波面収差のうち高次球面収差成分のRMS値を(30・d・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲15に記載の対物レンズ系の製造方法。
  17. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲15または16に記載の対物レンズ系の製造方法。
  18. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲15乃至17のいずれか1項に記載の対物レンズ系の製造方法。
  19. 光学調整の後に対物レンズ系に残存する波面収差を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする対物レンズ系。
  20. 波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.012λ以下に抑えられ、前記全成分の回転対称成分のRMS値が0.007λ以下に抑えられ、前記回転対称成分から2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分を補正した後の非回転対称成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲19に記載の対物レンズ系。
  21. 波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.012λ以下に抑えられ、前記全成分の縦収差成分のRMS値が0.008λ以下に抑えられ、前記全成分の縦収差高次成分のRMS値が0.006λ以下に抑えられ、前記全成分の横収差成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記全成分の横収差高次成分のRMS値が0.004λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲19に記載の対物レンズ系。
  22. 波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.012λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分を補正した後の成分のRMS値が0.010λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分のRMS値が0.008λ以下に抑えられ、前記全成分の高次収差成分のRMS値が0.007λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲19に記載の対物レンズ系。
  23. 前記波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第9項の展開係数C9が0.009λ以下に抑えられ、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36が0.008λ以下にそれぞれ抑えられていることを特徴とする請求の範囲20乃至22のいずれか1項に記載の対物レンズ系。
  24. 請求の範囲1乃至4のいずれか1項に記載の対物レンズ系または請求の範囲19乃至23のいずれか1項に記載の対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察することを特徴とする観察装置。
  25. 対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置において、
    光学調整の後に前記結像光学系に残存する波面収差を抑えるために、前記結像光学系中の前記対物レンズ系以外の各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする観察装置。
  26. 対物レンズ系を含む結像光学系を備え、該結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置において、
    前記結像光学系は、前記対物レンズ系と前記物体像との間の光路中に配置される光学部材を備え、
    光学調整の後に前記結像光学系に残存する波面収差を抑えるために、前記対物レンズ系と前記物体像との間の光路中に配置される全ての光学部材中の各光学部材の屈折率分布による波面収差が抑えられ、且つ前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差が抑えられていることを特徴とする観察装置。
  27. 波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の縦収差成分のRMS値が0.012λ以下に抑えられ、前記残存する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の横収差成分のRMS値が0.006λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲25または26に記載の観察装置。
  28. 前記各光学部材の屈折率分布による波面収差のP−V値が0.005λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲25乃至27のいずれか1項に記載の観察装置。
  29. 前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.010λ以下に抑えられ、前記全成分の回転対称成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記回転対称成分から2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差のRMS値が0.003λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分を補正した後の非回転対称成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲25乃至27のいずれか1項に記載の観察装置。
  30. 前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.010λ以下に抑えられ、前記全成分の縦収差成分のRMS値が0.007λ以下に抑えられ、前記全成分の縦収差高次成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記全成分の横収差成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記全成分の横収差高次成分のRMS値が0.003λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲25乃至27のいずれか1項に記載の観察装置。
  31. 前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.010λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分を補正した後の成分のRMS値が0.008λ以下に抑えられ、前記全成分からアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分のRMS値が0.005λ以下に抑えられ、前記全成分の高次収差成分のRMS値が0.003λ以下に抑えられていることを特徴とする請求の範囲25乃至27のいずれか1項に記載の観察装置。
  32. 前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値が0.010λ以下に抑えられ、前記波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第9項の展開係数C9が0.009λ以下に抑えられ、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36が0.005λ以下にそれぞれ抑えられていることを特徴とする請求の範囲25乃至27のいずれか1項に記載の観察装置。
  33. 対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、
    前記対物レンズ系を請求の範囲5乃至18のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造することを特徴とする観察装置の製造方法。
  34. 前記結像光学系中の前記対物レンズ系以外の各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造することを特徴とする請求の範囲33に記載の観察装置の製造方法。
  35. 請求の範囲24乃至32のいずれか1項に記載の観察装置と、マスクのパターンを感光性基板上へ投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
  36. 前記観察装置は、前記投影光学系に対して前記マスクと前記感光性基板とを位置合わせするために、前記マスク上に設けられたマークまたは前記感光性基板上に設けられたマークを観察することを特徴とする請求の範囲35に記載の露光装置。
  37. 請求の範囲35または36に記載の露光装置を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板へ露光する露光工程と、
    前記露光された基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  38. 前記観察装置を請求の範囲33または34に記載の製造方法を用いて製造することを特徴とする請求の範囲37に記載のマイクロデバイスの製造方法。
  39. 対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、
    前記対物レンズ系の光学調整により発生する波面収差高次成分および波長毎の偏心コマ収差の差の少なくとも一方を抑えて前記対物レンズ系を設計する設計工程と、
    組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする観察装置の製造方法。
  40. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔をそれぞれd(mm)だけ変化させたときに発生する波面収差のうち高次球面収差成分のRMS(root mean square:自乗平均平方根)値を(30・d・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲39に記載の観察装置の製造方法。
  41. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち高次コマ収差成分のRMS値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲39または40に記載の観察装置の製造方法。
  42. 前記設計工程では、前記対物レンズ系の物体側の開口数をNAとし、使用光の中心波長をλ1としたとき、前記対物レンズ系を構成する各レンズを光軸と直交する方向に沿ってs(mm)だけ偏心させたときに発生する波面収差のうち使用光の最短波長の偏心コマ収差成分のRMS値と使用光の最長波長の偏心コマ収差成分のRMS値との差の絶対値を(50・s・NA)・λ1以下に設定することを特徴とする請求の範囲39乃至41のいずれか1項に記載の観察装置の製造方法。
  43. 対物レンズ系を含む結像光学系を介して形成された物体像を観察する観察装置の製造方法において、
    前記対物レンズ系に残存する波面収差高次成分を抑えるために、前記対物レンズ系を構成する各光学部材の屈折率分布による波面収差を抑えるとともに、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差を抑えて、前記各光学部材をそれぞれ製造する製造工程と、
    組み立てられた前記対物レンズ系に残存する収差を補正するために前記対物レンズ系を光学調整する調整工程とを含むことを特徴とする観察装置の製造方法。
  44. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の屈折率分布による波面収差のP−V値を0.005λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲43に記載の観察装置の製造方法。
  45. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分の回転対称成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記回転対称成分から2次4次曲線成分を除去した回転対称成分2次4次残差のRMS値を0.003λ以下に抑え、前記全成分からアス成分を補正した後の非回転対称成分のRMS値を0.005λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲43または44に記載の観察装置の製造方法。
  46. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分の縦収差成分のRMS値を0.007λ以下に抑え、前記全成分の縦収差高次成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の横収差成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の横収差高次成分のRMS値を0.003λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲43または44に記載の観察装置の製造方法。
  47. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記全成分からアス成分を補正した後の成分のRMS値を0.008λ以下に抑え、前記全成分からアス成分および低次球面収差成分を補正した後の成分のRMS値を0.005λ以下に抑え、前記全成分の高次収差成分のRMS値を0.003λ以下に抑えることを特徴とする請求の範囲43または44に記載の観察装置の製造方法。
  48. 前記製造工程では、波面収差の計測光の波長をλとしたとき、前記各光学部材の各面の基準面に対する波面収差からチルト成分およびパワー成分を補正した後の全成分のRMS値を0.010λ以下に抑え、前記波面収差をツェルニケの多項式で表すときの第9項の展開係数C9を0.009λ以下に抑え、第10項〜第36項の展開係数C10〜C36を0.005λ以下にそれぞれ抑えることを特徴とする請求の範囲43または44に記載の観察装置の製造方法。
  49. 請求の範囲39乃至48のいずれか1項に記載の製造方法を用いて製造された観察装置と、マスクのパターンを感光性基板上へ投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
  50. 請求の範囲49に記載の露光装置を用いて前記マスクのパターンを前記感光性基板へ露光する露光工程と、
    前記露光された基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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