JP2002195913A - 収差測定装置及び方法、露光装置、並びにマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

収差測定装置及び方法、露光装置、並びにマイクロデバイスの製造方法

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JP2002195913A
JP2002195913A JP2000397452A JP2000397452A JP2002195913A JP 2002195913 A JP2002195913 A JP 2002195913A JP 2000397452 A JP2000397452 A JP 2000397452A JP 2000397452 A JP2000397452 A JP 2000397452A JP 2002195913 A JP2002195913 A JP 2002195913A
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aberration
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Tomoyuki Matsuyama
知行 松山
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70591Testing optical components
    • G03F7/706Aberration measurement

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として、設定誤差や環境変化に起因して生
ずる所定の収差の影響をほぼ受けずに、高い精度で被検
光学系の残存収差を測定する際に用いて好適な収差測定
装置及び方法、並びに収差測定方法を提供する。 【解決手段】 被検光学系に適した第1波長を持つ第1
の光を用いて収差測定装置の収差測定光学系の収差を計
測し(工程S34)、被検光学系と収差測定装置との少
なくとも一方の設定誤差に起因して発生する所定の収
差、及び前記収差を計測する際の環境変化に起因して発
生する所定の収差のうちの少なくとも一方を抑えるため
に、上記計測結果を用いて第1波長からの波長調整量を
求め(工程S42)、第1波長から波長調整量だけ調整
された第2波長を持つ第2の光を用いて収差測定装置の
収差測定光学系の収差を計測し(工程S34)、算出し
た波長調整量に基づいて第2の光を用いたときの計測結
果を校正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収差測定装置及び
方法、露光装置、並びにマイクロデバイスの製造方法に
係り、特にリソグラフィー工程で微細なパターンが形成
されたマイクロデバイスを製造する際に用いて好適な収
差測定装置及び方法、露光装置、並びにマイクロデバイ
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造におい
ては、マスクやレチクル(以下、これらを総称する場合
にはマスクと称する)に形成されたパターンの像をウェ
ハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合に
は、基板と称する)に転写する露光装置が用いられる。
例えば、半導体素子を製造する場合には、主として所謂
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(以下、ス
テッパと称する)が多用されている。このステッパは、
フォトレジスト等の感光剤が塗布されたウェハを二次元
的に移動自在なステージ上に載置し、このステージによ
りウェハを歩進(ステッピング)させて、マスクのパタ
ーン像の縮小像をウェハ上の各ショット領域に順次露光
する動作を繰り返す装置である。
【0003】一般に、マイクロデバイスは基板上に複数
層のパターンを重ねて形成して製造されるため、基板の
位置とパターンの像の位置とを精密に合わせる必要があ
る。近年、基板に形成されるパターンの微細化に伴って
マスクと基板との高い位置合わせ精度が要求されてい
る。例えば、半導体素子の製造を例に挙げると、現在の
CPU(中央処理装置)は、0.18μm程度のプロセ
スルールで製造されているが、今後0.1〜0.13μ
m程度のプロセスルールでの製造が行われつつあり、将
来的には更に微細なプロセスルールで製造されるものと
予想される。ステッパは、マスクと基板とを精密に位置
合わせした後、マスクに形成されたパターンの像を、投
影光学系を介して基板上に転写する。
【0004】ここで、パターン像を基板の各ショット領
域に高い解像力をもって忠実に投影するために、露光装
置が備える投影光学系は諸収差が充分に抑制された良好
な光学性能を有するように設計されている。ところが、
実際に製造された露光装置の投影光学系は、設計上の光
学性能とは異なり、様々な要因に起因する諸収差が残存
している。そこで、従来、露光装置に搭載された投影光
学系のような被検光学系に残存する収差を測定するため
に種々の収差測定装置が案出されている。収差測定装置
の基本的な原理は以下の通りである。つまり、マスクの
位置にピンホールが形成されたテストレチクルを載置
し、ピンホールを照明してほぼ理想的な球面波とみなせ
る球面波を発生させ、このほぼ理想的な球面波とみなせ
る球面波が投影光学系を通過したときの波面と理想的な
球面とのずれ量を求める。そして、このずれ量から投影
光学系に残存している収差を測定するものである。かか
る原理を用いた収差測定装置の一例の詳細については、
例えば国際公開WO99/60361号公報を参照され
たい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、投影光学系
の残存収差を測定するには、例えば投影光学系の結像位
置における上記ピンホールの像を観察する必要がある。
ピンホールの像を観察するために、収差測定装置は通常
対物光学系等の光学部品を備える。収差測定装置が備え
る対物光学系等に収差が残存し、収差測定装置自体に収
差が生じていると、投影光学系に残存する収差に収差測
定装置自体で生じている収差を上乗せした収差が投影光
学系に残存する収差として測定されるため測定誤差が生
ずる。よって、収差測定装置に残存する収差は、被検光
学系としての投影光学系に残存する収差と同程度以下に
設定される。一般的に収差測定装置に残存する収差を小
さくすれば投影光学系の残存収差のみが計測できるた
め、測定精度は向上すると考えられる。
【0006】しかしながら、一般的に収差(特にコマ収
差)が補正された光学系は正弦条件を満たしているが、
この正弦条件を満たした光学系においては、測定対象が
光学系の前側焦点位置から光軸方向に移動した場合、原
理的に球面収差が生ずる。これは、上述の収差測定装置
についても同様であり、収差測定装置が備える対物光学
系の前側焦点位置が投影光学系の結像位置から光軸方向
にずれた場合には、そのずれに起因して生ずる球面収差
が上乗せされた状態で投影光学系の残存収差を測定して
しまう。よって、投影光学系の残存収差を正確に測定す
るためには、収差測定装置に残存する収差を小さくする
のみならず、収差測定時における投影光学系の結像位置
と収差測定装置が備える対物光学系の前側焦点位置とを
正確に位置合わせする必要がある。
【0007】通常、露光装置が備える投影光学系及び収
差測定装置は高い精度をもって製造され、位置等が設定
されているが、誤差が全く生じていないという訳ではな
く、僅かながら各種の設定誤差が生じることがある。よ
って、この設定誤差を考慮して投影光学系の結像位置と
収差測定装置の前側焦点位置との相対的な位置合わせを
行う必要がある。また、上記の設定誤差のみを考慮すれ
ば良いという訳ではなく、温度や気圧等の環境に応じて
投影光学系の結像位置や収差測定装置の前側焦点位置が
変化する。従って、投影光学系に残存する収差を高い精
度で測定するためには、更に環境の変化も考慮する必要
がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、設定誤差や環境変化に起因して生ずる所定の収差
の影響をほぼ受けずに、高い精度で被検光学系の残存収
差を測定する際に用いて好適な収差測定装置及び方法、
及び当該収差測定装置を備える露光装置、並びに当該露
光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点による収差測定方法は、被検光
学系(PL)の収差を測定する収差測定装置(40)を
用いた収差測定方法において、前記被検光学系(PL)
に適した第1波長を持つ第1の光を用いて前記収差測定
装置(40)の収差測定光学系(42、43、44、4
5)の収差を求める第1収差計測工程(S34、S3
6、S38)と、前記被検光学系(PL)と前記収差測
定装置(40)との少なくとも一方の設定誤差に起因し
て発生する所定の収差、及び前記収差を計測する際の環
境変化に起因して発生する所定の収差のうちの少なくと
も一方を抑えるために、前記第1収差計測工程(S3
4、S36、S38)の結果を用いて前記第1波長から
の波長調整量を求める波長調整量算出工程(S42)
と、前記第1波長から前記波長調整量だけ調整された第
2波長を持つ第2の光を用いて前記収差測定装置(4
0)の収差測定光学系(42、43、44、45)の収
差を求める第2収差計測工程(S34)と、前記収差測
定装置(40)の収差測定光学系(42、43、44、
45)を介して前記第1波長を持つ第1の光のもとで前
記被検光学系(PL)に残存する残存収差を求める残存
収差測定工程(S56)と、前記被検光学系(PL)の
校正された収差測定結果を得るために、前記波長調整量
算出工程(S42)の算出結果と前記第2収差計測工程
(S34、S36、S38)の計測結果とに基づいて、
前記残存収差測定工程(S56)の測定結果を校正する
校正結果(S58、S68、S70、S72)とを含む
ことを特徴としている。この発明によれば、第1波長を
持つ第1の光を用いて収差測定装置の収差測定光学系の
収差を計測し、この計測結果に基づいて被検光学系と収
差測定装置との少なくとも一方の設定誤差に起因して発
生する所定の収差、及び前記収差を計測する際の環境変
化に起因して発生する所定の収差のうちの少なくとも一
方を抑えるための波長調整量を算出し、上記第1波長か
ら算出した波長調整量だけ調整された第2波長を持つ第
2の光を用いて収差測定装置の収差測定光学系の収差を
計測し、前記収差測定装置の収差測定光学系を介して前
記第1波長を持つ第1の光のもとで前記被検光学系に残
存する収差を計測し、前記波長調整量の算出結果及び前
記第2の波長を持つ第2の光による収差の測定結果とを
用いて、前記被検光学系の残存収差の測定結果を校正し
ているため、被検光学系と収差測定装置との少なくとも
一方の設定誤差に起因して発生する所定の収差、及び前
記収差を計測する際の環境変化に起因して発生する所定
の収差を良好に校正することができる。また、本発明の
収差測定方法は、前記波長調整量算出工程(S42)
が、前記被検光学系(PL)と前記収差測定装置(4
0)との少なくとも一方の設定誤差に起因するデフォー
カス成分を抽出する第1抽出工程と、前記第1抽出工程
にて得られたデフォーカス成分を補正し得る第1波長調
整量を算出する第1算出工程とを含むことを特徴として
いる。また、本発明の収差測定方法は、前記波長調整量
算出工程(S42)が、前記収差を計測する際の環境変
化に起因する収差の誤差成分を抽出する第2抽出工程
と、前記第2抽出工程にて得られたデフォーカス成分を
補正し得る第2波長調整量を算出する第2算出工程とを
含むことを特徴としている。また、本発明の収差測定方
法は、前記設定誤差が、前記収差測定光学系(42、4
3、44、45)の前側焦点位置に対する校正用開口部
を有する基準部材の設置誤差を含むことを特徴としてい
る。更に、本発明の収差測定方法は、前記環境変化が、
少なくとも気圧の変化を含むことを特徴としている。更
には、本発明による収差測定方法は、前記第2収差計測
工程(S34、S36、S38)に先立って、前記収差
測定装置(40)の収差測定光学系(42、43、4
4、45)へ導かれる測定光を前記第1波長を持つ第1
の光から前記第2波長を持つ第2の光に変更する第1波
長変更工程(S44)と、前記残存収差測定工程(S5
6)に先立って、前記被検光学系(PL)へ導かれる測
定光を前記第2波長を持つ第2の光から前記第1波長を
持つ第1の光に変更する第2波長変更工程とを更に含む
ことを特徴としている。上記課題を解決するために、本
発明の第2の観点による収差測定方法は、被検光学系
(PL)の収差を測定する収差測定方法において、収差
測定装置(40)を用いて被検光学系(PL)に残存す
る収差を求める残存収差測定工程(S56)と、前記被
検光学系(PL)と前記収差測定装置(40)との少な
くとも一方の設定誤差に起因して発生する収差の誤差成
分、及び前記収差を計測する際の環境変化に起因して発
生する収差の誤差成分のうちの少なくとも一方を前記残
存収差測定工程の結果から除去する補正工程(S58、
S68、S70、S72)とを含むことを特徴としてい
る。この発明によれば、収差測定装置を用いて被検光学
系に残存する収差を求め、この結果から被検光学系と収
差測定装置との少なくとも一方の設定誤差に起因して発
生する収差の誤差成分、及び収差を計測する際の環境変
化に起因して発生する収差の誤差成分のうちの少なくと
も一方を除去しているので、被検光学系の残存収差を計
測する際に設定誤差や環境変化に起因して生ずる所定の
収差の影響をほぼ受けずに、高い精度で被検光学系の残
存収差を測定することができる。上記課題を解決するた
めに、本発明の第1の観点によるマイクロデバイスの製
造方法は、上記第1の観点による収差測定方法を用いて
前記被検光学系としての投影光学系(PL)の残存収差
を測定する残存収差計測工程と、前記投影光学系(P
L)を用いて所定のパターン(DP)が形成されたマス
ク(R)の像を感光性基板(W)に投影する露光工程
(S96)と、露光された前記感光性基板(W)を現像
する現像工程(S97)とを含むことを特徴としてい
る。また、本発明の第1の観点によるマイクロデバイス
の製造方法は、前記露光工程(S96)に先立って、前
記残存収差計測工程の結果に基づいて前記投影光学系
(PL)の光学特性を調整する光学特性調整工程を更に
含むことを特徴としている。上記課題を解決するため
に、本発明の第2の観点によるマイクロデバイスの製造
方法は、上記第2の観点による収差測定方法を用いて前
記被検光学系としての投影光学系(PL)の残存収差を
測定する残存収差計測工程と、前記投影光学系(PL)
を用いて所定のパターン(DP)が形成されたマスク
(R)の像を感光性基板(W)に投影する露光工程(S
96)と、露光された前記感光性基板(W)を現像する
現像工程(S97)とを含むことを特徴としている。ま
た、本発明の第2の観点によるマイクロデバイスの製造
方法は、前記露光工程(S96)に先立って、前記残存
収差計測工程の結果に基づいて前記投影光学系(PL)
の光学特性を調整する光学特性調整工程を更に含むこと
を特徴としている。上記課題を解決するために、本発明
の収差測定装置は、被検光学系(PL)の収差を測定す
るための収差測定光学系(42、43、44、45)
と、前記収差測定光学系(42、43、44、45)を
介した光を光電変換する光電検出器(46)と、前記光
電検出器(46)からの光電検出情報に基づいて前記被
検光学系(PL)の収差を検出する収差検出系(46
a)と、前記被検光学系(PL)と前記収差測定光学系
(42、43、44、45)との少なくとも一方の設定
誤差に起因して発生する収差の誤差成分、及び前記収差
を計測する際の環境変化に起因して発生する収差の誤差
成分のうちの少なくとも一方を前記収差検出系の検出結
果から除去する補正系(20)とを含むことを特徴とし
ている。上記課題を解決するために、本発明の露光装置
は、所定のパターン(DP)が形成されたマスク(R)
を照明する照明光学系(1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11)と、所定のパターン(DP)が形
成されたマスク(R)の像を感光性基板(W)に投影す
る投影光学系(PL)と、被検光学系として前記投影光
学系(PL)の残存収差を測定する上記収差測定装置
(40)とを含むことを特徴としている。また、本発明
の第3の観点によるマイクロデバイスの製造方法は、上
記露光装置を用いて前記マスク(R)のパターン(D
P)を感光性基板(W)に露光する露光工程(S96)
と、露光された前記感光性基板(W)を現像する現像工
程(S97)とを含むことを特徴としている。上記第1
から第3の観点によるマイクロデバイスの製造方法によ
れば、被検光学系としての投影光学系に残存する収差を
高い精度で計測し、この計測結果に基づいて投影光学系
の光学特性を調整した上でマスクのパターンを感光性基
板に露光しており、マスクのパターン像が感光性基板に
高い解像力をもって忠実に投影されるため、微細なマイ
クロデバイスを製造する上で極めて好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態による収差測定装置及び方法、露光装置、並び
にマイクロデバイスの製造方法について詳細に説明す
る。
【0011】〔露光装置〕図1は、本発明の一実施形態
による収差測定装置を備えた本発明の一実施形態による
露光装置の主要部分の概略構成を示す図である。本実施
形態においては、半導体素子の回路パターンDPが形成
されたレチクルRを用い、ステップ・アンド・リピート
方式により、上記回路パターンDPの像をウェハWに転
写する露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
尚、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交
座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各
部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系
は、X軸及びY軸がウェハステージ15に対して平行と
なるよう設定され、Z軸がウェハステージ15に対して
直交する方向(投影光学系PLの光軸AXに平行な方
向)に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際に
はXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直
上方向に設定される。尚、図1では、投影光学系PLの
像面(結像面)に本発明の一実施形態による収差測定装
置40の標示板41(基準部材)を位置決めした収差測
定時の状態を示しているが、アライメント系としてのア
ライメントセンサ35や焦点検出系としての斜入射方式
のオートフォーカス系(21〜32)を用いた位置検出
時及び投影露光時には、投影光学系PLの像面にウェハ
Wが位置決めされる。
【0012】図1の露光装置は、露光光(照明光)を供
給するための光源1として、例えば248nm(Kr
F)又は193nm(ArF)の波長(本発明にいう被
検光学系に適した第1波長)の光を供給するエキシマレ
ーザ光源を備えている。また、光源1は主制御系20か
ら出力される制御信号に基づいて、例えば上記波長から
数百pm程度の波長幅で可変である波長(本発明にいう
第2波長)の光を射出する。光源1から射出されたほぼ
平行光束は、ビーム整形光学系2を介して所定断面の光
束に整形された後、干渉性低減部3に入射する。干渉性
低減部3は、被照射面であるレチクルR上(ひいてはウ
ェハW上)での干渉パターンの発生を低減する機能を有
する。干渉性低減部3の詳細については、例えば特開昭
59−226317号公報に開示されている。干渉性低
減部3からの光束は、第1フライアイレンズ(第1オプ
ティカルインテグレータ)4を介して、その後側焦点面
に多数の光源を形成する。これらの多数の光源からの光
は振動ミラー5で偏向された後、リレー光学系6を介し
て第2フライアイレンズ(第2オプティカルインテグレ
ータ)7を重畳的に照明する。
【0013】ここで、振動ミラー5は、Y軸周りに回動
する折り曲げミラーであって、被照射面での干渉パター
ンの発生を低減する機能を有する。こうして、第2フラ
イアイレンズ7の後側焦点面には、多数の光源からなる
二次光源が形成される。この二次光源からの光束は、そ
の近傍に配置された開口絞り8により制限された後、コ
ンデンサ光学系10及び折り曲げミラー11を介して、
下側面に所定の回路パターンDPが形成されたレチクル
Rを重畳的に均一照明する。ここで、開口絞り8とコン
デンサ光学系10との間であって、開口絞り8の近傍に
は光路に対して挿脱自在に濃度フィルタ9が配置され、
折り曲げミラー11とレチクルRとの間には、光路に対
して挿脱自在にレモンスキン板12が配置されている。
【0014】濃度フィルタ9は、開口絞り8を通過した
光束を所定の光強度分布の光束にするためのものであ
り、レモンスキン板12は、入射する光束を拡散するた
めのものである。これら濃度フィルタ9及びレモンスキ
ン板12は、例えば収差測定装置40を用いて投影光学
系PLの収差を測定する際に光路中に挿入される。尚、
以上説明した光源1、ビーム整形光学系2、干渉性低減
部3、第1フライアイレンズ4、振動ミラー5、リレー
光学系6、第2フライアイレンズ7、開口絞り8、濃度
フィルタ9、コンデンサ光学系10、及び折り曲げミラ
ー11は、露光時においてレチクルRを照明する照明光
学系をなす。
【0015】レチクルRの回路パターンDPを透過した
光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板としての
ウェハW上に回路パターンDPの縮小像を形成する。レ
チクルRは、レチクルホルダ(不図示)を介して、レチ
クルステージ13に載置されている。尚、レチクルステ
ージ13は、主制御系20からの指令に基づき、レチク
ルステージ制御部(不図示)によって駆動される。この
とき、レチクルステージ13の移動は、レチクル干渉計
(不図示)とレチクルステージ13に設けられた移動鏡
(不図示)とにより計測され、その計測結果は主制御系
20に出力される。投影光学系PLには、温度や気圧を
計測するとともに、温度、気圧等の環境変化に応じて投
影光学系PLの結像特性等の光学特性を一定に制御する
レンズコントローラ部13aが設けられている。このレ
ンズコントローラ部13aは計測した温度や気圧を主制
御系20へ出力し、主制御系20はレンズコントローラ
部13aから出力された温度や気圧及び後述する収差測
定装置40の測定結果に基づいて、レンズコントローラ
部13aを介して投影光学系PLの結像光学系等の光学
特性を制御する。
【0016】ウェハWは、ウェハステージ15上のウェ
ハホルダ14に真空チャックされている。ウェハステー
ジ15は、図中X軸方向及びY軸方向にそれぞれ移動可
能な一対のブロック(不図示)を重ね合わせたものであ
り、XY平面内での位置が調整自在になっている。ま
た、図示は省略しているが、ウェハステージ15は、Z
軸方向にウェハWを移動させるZステージ、ウェハWを
XY平面内で微小回転させるステージ、及びZ軸に対す
る角度を変化させてXY平面に対するウェハWの傾きを
調整するステージ等から構成される。このように、ウェ
ハステージ15は、X軸方向の移動機能、Y軸方向の移
動機能、Z軸方向の移動機能、Z軸周りの回転機能、X
軸周りのチルト機能、及びY軸周りのチルト機能を有す
る。
【0017】ウェハステージ15の上面の一端にはウェ
ハステージ15の移動可能範囲以上の長さを有する移動
鏡16が取り付けられ、移動鏡16の鏡面に対向した位
置にレーザ干渉計17が配置されている。尚、図1では
簡略化して図示しているが、移動鏡16はX軸に垂直な
反射面を有する移動鏡及びY軸に垂直な反射面を有する
移動鏡より構成されている。また、レーザ干渉計17
は、X軸に沿って移動鏡16にレーザビームを照射する
2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡1
6にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より
構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1
個のレーザ干渉計により、ウェハステージ15のX座標
及びY座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザ
干渉計の計測値の差により、ウェハステージ15の回転
角が計測される。また、X軸用の2個のレーザ干渉計の
計測値の差により、ウェハステージ15のXY平面内に
おける回転角が計測される。レーザ干渉計17により計
測されたX座標、Y座標、及び回転角の情報はステージ
位置情報として主制御系20に供給される。主制御系2
0は供給されたステージ位置情報をモニターしつつステ
ージ駆動系18へ出力し、ウェハステージ15の位置決
め動作をナノメートルオーダーで制御する。
【0018】また、本実施形態の露光装置は、投影光学
系PLの光軸AXの方向、即ちZ軸方向に沿ったウェハ
Wの位置を検出するための所謂斜入射方式の二次元オー
トフォーカス系(以下、二次元AF系という)21〜3
2を備えている。この斜入射方式の二次元AF系は、検
出光として波長幅の広い白色光を供給するための光源と
して、例えばハロゲンランプ(不図示)を備えている。
光源からの照明光はリレー光学系(不図示)を介して、
ライトガイド21に入射する。ライトガイド21の内部
を伝播した照明光は、コンデンサレンズ22を介してほ
ぼ平行光束に変換された後、偏向プリズム23に入射す
る。偏向プリズム23は、コンデンサレンズ22からの
ほぼ平行光束を、屈折作用により偏向させる。また、偏
向プリズム23の射出側には、X軸方向に延びる細長い
透過部とX軸方向に延びる細長い遮光部とが一定のピッ
チで交互に設けられた透過型格子パターンが形成されて
いる。
【0019】偏向プリズム23の透過型格子パターンを
透過した光は、投影光学系PLの光軸AXに平行な光軸
に沿って配置された投射用集光レンズ24に入射する。
投射用集光レンズ24を介した光束は、ミラー25及び
投射用対物レンズ26を介して、検出光として所要の入
射角でウェハWや収差測定装置40の標示板41に入射
する。こうして、ウェハW上又は標示板41上には、二
次元スリット投影パターンとしての格子パターンの一次
像がその全体に亘って正確に形成される。ウェハW又は
標示板41で反射された光は、受光用対物レンズ27及
び振動ミラー28を介して、受光用集光レンズ29に入
射する。受光用集光レンズ29を介した光は、上述の偏
向プリズム23と同様の構成を有するアオリ補正プリズ
ム30に入射する。こうして、アオリ補正プリズム30
の入射面には、格子パターンの二次像が形成される。
尚、アオリ補正プリズム30の入射面には、二次元受光
スリットが設けられている。アオリ補正プリズム30の
射出面から射出された光は、一対のレンズで構成される
リレー光学系31に入射する。リレー光学系31を介し
た光は、アオリ補正プリズム30の入射面上に形成され
た格子パターンの二次像と受光スリットの開口部との共
役像を、受光部32の受光面上に形成する。受光部32
の受光面には、受光スリットの複数の開口部に光学的に
対応するように、二次元受光センサとしての複数のシリ
コン・フォト・ダイオードが設けられている。
【0020】尚、格子パターンが形成された偏向プリズ
ム23の射出面とウェハWの露光面、及び二次元受光ス
リットが形成されたアオリ補正プリズム30の入射面と
ウェハWの露光面とがシャインプルーフの条件を満たし
た共役関係になっている。ここで、ウェハW又は標示板
41が投影光学系PLの光軸AXに沿ってZ軸方向に上
下移動すると、アオリ補正プリズム30の入射面上に形
成される格子パターンの二次像は、ウェハW又は標示板
41の上下移動に対応してパターンのピッチ方向に横ず
れを起こす。こうして、光電顕微鏡の原理により、格子
パターンの二次像の横ずれ量を光電検出し、光電検出し
た横ずれ量に基づいて投影光学系PLの光軸AXに沿っ
たウェハW又は標示板41の面位置を検出する。また、
二次元多点オートフォーカス方式に従って投影光学系P
Lの光軸AXに沿ったウェハWの面位置を二次元的に検
出する。その結果、ウェハステージ15をZ軸方向に移
動させたり、X軸周り及びY軸周りにチルトさせること
により、投影光学系PLのフォーカス方向にウェハWの
面位置を二次元的にアライメントすることができる。
尚、光電顕微鏡の原理の詳細については、例えば特開昭
56−42205号公報に開示されている。また、二次
元多点オートフォーカス方式の詳細については、例えば
特開平6−97045号公報に開示されている。
【0021】また、図1に示した本実施形態の露光装置
は、アライメントセンサ35を備える。このアライメン
トセンサ35は、投影光学系PLの側方に設けられ、投
影光学系PLの光軸AXに垂直な平面、即ちXY平面内
におけるウェハWの位置情報を計測するオフ・アクシス
方式であって、FIA(Field Image Alignment)方式
のアライメントセンサである。アライメントセンサ35
には、ハロゲンランプ33からライトガイド34を介し
て照明光が供給されており、この照明光に対して整形等
を行って反射プリズム36により、ウェハWに形成され
たウェハマークWMを落射照明する。尚、熱的な影響を
避けるため、ハロゲンランプ33はアライメントセンサ
35や投影光学系PLが配置されるチャンバ外に設けら
れる。
【0022】また、本実施形態の露光装置は、本発明の
一実施形態による収差測定装置40を備えている。この
収差測定装置40は主として投影光学系PLの収差を測
定するために設けられる。以下、本発明の一実施形態に
よる収差測定装置40の詳細について説明する。
【0023】〔収差測定装置〕図1に示したように、本
発明の一実施形態による収差測定装置40は、基準部材
としての標示板41、収差測定光学系としてのコリメー
トレンズ42、リレーレンズ43,44、及び波面分割
手段としてのマイクロフライアイ(マイクロレンズアレ
イ)45、光電検出器としてのCCD(Charge Coupled
Device)46、並びに収差検出系としての信号処理ユ
ニット46a(図2参照)を含んで構成される。また、
図1に示すように、収差測定装置40は、収差測定装置
40が備えるコリメートレンズ42等の光学部材の温度
を検出する温度検出装置42aを備えており、温度検出
装置42aの検出結果は図2に示す信号処理ユニット4
6a及び主制御系20へ出力される。尚、主制御系20
には、本発明にいう補正系の機能が設けられている。
【0024】図2は、図1に示した波面測定装置40の
要部構成を概略的に示す図である。尚、図2において
は、収差測定装置40をその光軸AX1に沿って展開し
た状態を示している。本実施形態の収差測定装置40が
被検光学系としての投影光学系PLの収差を測定する場
合には、レチクルステージ13上に収差測定用のテスト
レチクルTRが設置される。図3は、テストレチクルT
Rの上面図である。図3に示すように、テストレチクル
TRには投影光学系PLの収差測定用の円形状の開口部
tr1がX軸方向及びY軸方向に沿って複数個(図3で
は9個)等間隔に配列されて形成されている。また、開
口部tr1よりも実質的に大きな正方形状の開口部tr
2が形成されている。この開口部tr2は、収差測定装
置40自体が有する収差を計測する際に用いられる。
【0025】また、本実施形態の収差測定装置40は、
ウェハステージ15上においてウェハWの表面とほぼ同
じ高さ位置(Z軸方向位置)に取り付けられた標示板4
1を備えている。標示板41は、例えばガラス基板から
なり、その表面は投影光学系PLの光軸AXに垂直に、
ひいては収差測定装置40の光軸AX1に垂直に形成さ
れている。図4は、標示板41の上面図である。図4に
示すように、標示板41の上面の中央部には校正用開口
部41aが形成され、その周辺には複数組(図4に示し
た例では4組)のアライメントマーク41bが形成され
ている。ここで、校正用開口部41aは、投影光学系P
Lを介して投影されるテストレチクルTRの開口部tr
1の像よりも大きく設定されている。また、各組のアラ
イメントマーク41bは、X軸方向に沿って形成された
ライン・アンド・スペースパターンとY軸方向に沿って
形成されたライン・アンド・スペースパターンとから構
成されている。更に、校正用開口部41a及び複数のア
ライメントマーク41bを除く領域には反射面41cが
形成されている。反射面41cは、例えばガラス基板に
クロム(Cr)を蒸着することにより形成されている。
尚、本実施形態では、標示板41の校正用開口部41a
をガラス基板の透過領域としているが、その透過領域に
相当する領域に円形開口(円形の穴)を形成したものを
標示板41の校正用開口部41aとして用いることも可
能である。
【0026】コリメートレンズ42の前側焦点位置は、
校正用開口部41aの中央であって標示板41の表面位
置とほぼ同一に設定されているが、コリメートレンズ4
2aの前側焦点位置に対する標示板41の設置誤差が本
発明にいう設定誤差の一つであり、収差測定装置40の
測定誤差を生ずる原因の一つとなる。また、投影光学系
PLの残存収差を計測する場合には、前述した二次元A
F系を用いて標示板41の表面のZ軸方向の位置を計測
した結果に基づいて標示板41の表面を投影光学系PL
の結像面に合わせ込んでいるが、このときのZ軸方向の
計測誤差及び合わせ込み時の誤差も本発明にいう設定誤
差の一つであり、収差測定装置40の測定誤差を生ずる
原因の一つとなる。
【0027】さて、図2に示したように、テストレチク
ルTRの開口部tr1の像は、投影光学系PLの像面に
配置された標示板41に形成された校正用開口部41a
を通過し、コリメートレンズ42及びリレーレンズ4
3,44を順に介してマイクロフライアイ45に入射す
る。図5はマイクロフライアイ45の正面図である。図
5に示すように、マイクロフライアイ45は、縦横に且
つ稠密に配列された正方形状の正屈折力を有する多数の
微小レンズ45aからなる光学素子である。マイクロフ
ライアイ45は、例えば平行平面ガラス板にエッチング
処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成
されている。従って、マイクロフライアイ45に入射し
た光束は多数の微小レンズ45aにより二次元的に分割
され、微小レンズ45a各々の後側焦点面の近傍にはそ
れぞれテストレチクルTRに形成された開口部tr1の
像が形成される。換言すると、マイクロフライアイ45
の後側焦点面の近傍には、開口部tr1の像が多数形成
される。こうして形成された多数の像は、光電検出器と
してのCCD46によって検出される。CCD46の出
力は、信号処理ユニット46aに供給され、波面収差並
びに波面収差の各成分の算出が行われる。以上の構成を
有する収差測定装置40は、ウェハステージ15に一体
的に取り付けられ、ウェハステージ15の移動に合わせ
て移動する。尚、波面収差の各成分を求める方法の詳細
については後述する。
【0028】ところで、露光装置に搭載された投影光学
系PLの波面収差を正確に測定するには、収差測定装置
40自体で発生する波面収差などの影響をどのように処
理するかが問題となる。本実施形態の収差測定装置40
には、コリメートレンズ42、リレーレンズ43,4
4、マイクロフライアイ45、CCD46、ミラー(図
1参照)などの光学部材が用いられている。これらの光
学部材の製造誤差は、投影光学系PLの波面収差の測定
時にその測定値に上乗せされる。収差測定装置40自体
で発生する波面収差などの測定値への影響を小さく抑え
るには、収差測定装置40を構成する各光学部材の公差
を非常に厳しく設定し、被検光学系としての投影光学系
PLの波面収差発生量に比して収差測定装置40の波面
収差発生量を十分に小さく抑える方法、又は収差測定装
置40自体で発生する波面収差などの影響を予め把握し
て測定値を補正する方法が考えられる。
【0029】本実施形態のように、被検光学系が露光装
置に搭載される投影光学系PLの場合、投影光学系PL
に比して収差測定装置40の波面収差発生量を十分に小
さく抑えることは現実的に不可能に近い。なぜなら、露
光装置の投影光学系PLに残存している波面収差量が元
々非常に小さい値に抑えられているからである。一方、
収差測定装置40を構成するレンズ部品やミラー部品の
面精度を厳しく設定するためには、光学材料(光学ガラ
ス)自体の均一性を向上させたり、面精度を測定する干
渉計の絶対値精度を向上させなければならない。
【0030】干渉計の精度を向上させるためには、干渉
計を構成するフィゾーレンズや参照球面ミラー等の部品
レベルでの精度の向上及び誤差の把握が必要となる。面
精度を向上させるための研磨機自体にも更に厳しい精度
が要求され、場合によっては部分的に面精度を補正する
部分修正研磨技術なども適用しなければならない。この
ように列挙していくと、収差測定装置40自体の波面収
差発生量を投影光学系PLに比して十分に小さく抑える
ことがいかに困難であるかがわかる。従って、収差測定
装置40自体の波面収差発生量をある程度許容できる範
囲に抑え、収差測定装置40の誤差に基づいて測定値を
補正することにより収差測定装置40自体で発生する波
面収差などの影響を校正するのが望ましいことがわか
る。
【0031】以上、本発明の一実施形態による収差測定
装置40の構成について概説したが、収差測定装置40
が備えるコリメートレンズ42及びリレーレンズ43,
44は、収差測定装置40の測定誤差が極力小さくなる
ように収差を極力補正して製造される。つまり、投影光
学系PLは、レチクルRに形成された回路パターンDP
の像を高い解像度をもってウェハWの各ショット領域に
転写するために十分に収差が小さくなるよう設定され、
製造されている。よって、投影光学系PLが有する十分
小さな収差を測定する収差測定装置40自体で生ずる収
差が大きいと、投影光学系PLの収差を正確に測定する
ことはできない。そのためにコリメートレンズ42は、
収差が極力小さくなるように製造される。ここで、コリ
メートレンズ42及びリレーレンズ43,44の具体的
なレンズ構成を第1実施例及び第2実施例を挙げて説明
する
【0032】[コリメートレンズ42及びリレーレンズ
43,44の第1実施例]図6は、本発明の一実施形態
による収差測定装置40に設けられる第1実施例による
コリメートレンズ42及びリレーレンズ43,44の構
成を示す図である。第1実施例による対物光学系として
のコリメートレンズ42及びリレーレンズ43,44
は、物点Oに集光された光束又は物点Oから発せられた
光束を収差をほぼ発生させることなく対物光学系の射出
瞳Pにコリメートする光学系であり、波長が248nm
(KrFエキシマレーザの波長)の光に対して最適化さ
れた光学系である。第1実施例の対物光学系に設けられ
るコリメートレンズ42は、図6に示すように、物体側
(物点O側)から順に、平行平板ガラスL31、物体側
に凹面を向けた正メニスカスレンズL32〜L34、両
凸レンズL35,L36、物体側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL37、及び両凹レンズL38から構成さ
れている。また、リレーレンズ43は、物体側から順に
両凸レンズL39、物体側に凸面を向けた正メニスカス
レンズL40、及び両凹レンズL41から構成され、リ
レーレンズ44は、物体側から順に両凹レンズL42、
物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL43、及び
両凸レンズL44から構成されている。
【0033】ここで、コリメートレンズ42を構成する
正メニスカスレンズL33及び両凸レンズL35は屈折
率温度係数(dn/dT)が負の値を有する光学材料で
ある蛍石(化学式CaF2:以下の[表1]では、“C
AF2”と表記)で形成され、正メニスカスレンズL3
2,L34、両凸レンズL36、及び正メニスカスレン
ズL37は、屈折率温度係数が正の値を有する光学材料
である石英(以下の[表1]では、“QUARTZ”と
表記)で形成され、平行平板ガラスL31及び両凹レン
ズL38は石英で形成されている。また、リレーレンズ
43,44を構成する正メニスカスレンズL40,L4
3は、屈折率温度係数が負の値を有する光学材料である
螢石で形成され、両凸レンズL39,L44は、屈折率
温度係数が正の値を有する光学材料である石英で形成さ
れ、両凹レンズL41,L42は石英で形成されてい
る。次の[表1]に、第1実施例の対物光学系(基準波
長:248nm)の諸元の値を掲げる。尚、[表1]に
おいては、光線追跡計算の都合上、射出瞳P側、無限遠
の位置に物体を配置し、光線追跡は射出瞳P側から物体
側(物点O側)に向かって行う。尚、[表1]中のNA
は、対物光学系の開口数、面番号は、射出瞳P側からの
光学部材のレンズ面の順序である。
【0034】 [表1] (主要諸元) NA=0.83 最大像高=0.02 面番号 曲率半径 間隔 部材 有効径 0(物体) ∞ ∞ 1(絞り) ∞ 32.8 10.208 2 27.17 2.6 ‘QUARTZ’ 10.425 3 -51.60 0.5 10.191 4 14.09 2.5 ‘CAF2’ 9.711 5 113.57 3.8 8.965 6 -36.50 2.5 ‘QUARTZ’ 6.778 7 28.48 35.9 5.866 8 -22.35 2.0 'QUARTZ’ 8.129 9 40.68 3.3 9.128 10 -85.39 3.2 ‘CAF2’ 11.242 11 -15.69 0.5 12.359 12 34.80 3.1 ‘QUARTZ’ 13.275 13 -39.43 33.5 13.488 14 -18.41 2.8 ‘QUARTZ’ 13.324 15 28.75 5.3 14.592 16 -52.62 4.9 ‘QUARTZ’ 17.239 17 -31.79 0.5 19.594 18 126.02 4.7 ‘QUARTZ’ 21.003 19 -36.55 0.5 21.767 20 53.39 3.8 ‘CAF2’ 22.212 21 -135.00 0.5 22.116 22 15.69 4.7 ‘QUARTZ’ 21.381 23 33.98 0.5 20.049 24 12.50 5.0 ‘CAF2’ 18.085 25 38.13 0.5 15.974 26 9.14 4.2 ‘QUARTZ’ 12.732 27 26.26 0.9 9.450 28 ∞ 6.0 ‘QUARTZ’ 0.932 29 ∞ 0.0 0.040 30(像面) ∞ 0.0 (材料物性表) 光学部材 屈折率 屈折率温度係数(1/℃) 線膨張係数(1/℃) ‘QUARTZ’ 1.50838974 14×10-6 0.54ppm ‘CAF2’ 1.46788252 -7.3×10-6 24ppm
【0035】[コリメートレンズ42及びリレーレンズ
43,44の第2実施例]図7は、本発明の一実施形態
による収差測定装置40に設けられる第2実施例による
コリメートレンズ42及びリレーレンズ43,44の構
成を示す図である。第2実施例による対物光学系として
のコリメートレンズ42及びリレーレンズ43,44
は、物点Oに集光された光束又は物点Oから発せられた
光束を収差をほぼ発生させることなく対物光学系の射出
瞳Pにコリメートする光学系であり、波長が193nm
(ArFエキシマレーザの波長)の光に対して最適化さ
れた光学系である。第2実施例の対物光学系に設けられ
るコリメートレンズ42は、図7に示すように、物体側
(物点O側)から順に、平行平板ガラスL51、物体側
に凹面を向けた正メニスカスレンズL52〜L54、両
凸レンズL55,L56、物体側に凸面を向けた正メニ
スカスレンズL57、及び両凹レンズL58から構成さ
れている。また、リレーレンズ43は、物体側から順に
両凸レンズL59、物体側に凸面を向けた正メニスカス
レンズL60、及び両凹レンズL61から構成され、リ
レーレンズ44は、物体側から順に両凹レンズL62か
ら構成され、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ
L63、及び両凸レンズL64から構成されている。
【0036】ここで、コリメートレンズ42を構成する
正メニスカスレンズL53及び両凸レンズL55は屈折
率温度係数(dn/dT)が負の値を有する光学材料で
ある蛍石(化学式CaF2:以下の[表2]では、“C
AF2”と表記)で形成され、正メニスカスレンズL5
2,L54、両凸レンズL56、及び正メニスカスレン
ズL57は、屈折率温度係数が正の値を有する光学材料
である石英(以下の[表2]では、“QUARTZ”と
表記)で形成され、平行平板ガラスL51及び両凹レン
ズL58は石英で形成されている。また、リレーレンズ
43,44を構成する両凸レンズL59及び正メニスカ
スレンズL60は、屈折率温度係数が負の値を有する光
学材料である螢石で形成され、正メニスカスレンズL6
3、及び両凸レンズL64は、屈折率温度係数が正の値
を有する光学材料である石英で形成され、凹レンズL6
1,62は石英で形成されている。次の[表2]に、第
2実施例の対物光学系(基準波長:193nm)の諸元
の値を掲げる。尚、[表2]においても[表1]と同様
に、光線追跡計算の都合上、射出瞳P側、無限遠の位置
に物体を配置し、光線追跡は射出瞳P側から物体側(物
点O側)に向かって行う。尚、[表2]中のNAは、対
物光学系の開口数、面番号は、射出瞳P側からの光学部
材のレンズ面の順序である。
【0037】 [表2] (主要諸元) NA=0.81 最大像高=0.02 面番号 曲率半径 間隔 部材 有効径 0(物体) ∞ ∞ 1(絞り) ∞ 32.8 10.244 2 24.93 2.8 ‘QUARTZ’ 10.455 3 -68.09 0.5 10.149 4 16.49 2.6 ‘QUARTZ’ 9.693 5 152.58 3.7 8.871 6 -40.22 2.2 ‘QUARTZ’ 6.574 7 23.34 33.8 5.728 8 -35.89 2.2 ‘QUARTZ’ 7.608 9 51.09 4.1 8.445 10 -47.65 3.5 ‘CAF2’ 10.716 11 -16.98 0.5 12.033 12 46.42 4.0 ‘CAF2’ 12.763 13 -31.24 33.2 13.163 14 -25.12 3.0 ‘QUARTZ’ 12.997 15 23.89 4.7 13.915 16 -44.90 4.0 ‘QUARTZ’ 16.032 17 -34.44 1.0 18.059 18 88.49 4.5 ‘QUARTZ’ 19.726 19 -55.87 0.5 20.589 20 47.07 5.0 ‘CAF2’ 21.231 21 -72.19 0.5 21.238 22 15.69 4.7 ‘QUARTZ’ 20.490 23 27.20 0.5 18.790 24 12.50 5.0 ‘CAF2’ 17.346 25 43.59 0.5 15.180 26 9.141 4.0 ‘QUARTZ’ 12.146 27 20.87 1.0 8.820 28 ∞ 6.0 ‘QUARTZ’ 7.335 29 ∞ 0.0 0.040 30(像面) ∞ 0.0 0.040 (材料物性表) 光学部材 屈折率 屈折率温度係数(1/℃) 線膨張係数(1/℃) ‘QUARTZ’ 1.5603261 19.5×10-6 0.54ppm ‘CAF2’ 1.5014548 -2.9×10-6 24ppm
【0038】図8は、コリメートレンズ42及びリレー
レンズ43,44の第1実施例の場合において、コリメ
ートレンズ42がベストフォーカス位置に配置されてい
るときのレンズ設計値から得られた光線収差図である。
これは、コリメートレンズ42及びリレーレンズ43,
44に入射する光の波長が248nm(KrFエキシマ
レーザの波長)の光であり、例えばコリメートレンズ4
2の前側焦点位置が投影光学系PLの結像位置と一致し
ている場合に相当する。図8に示したように、コリメー
トレンズ42がベストフォーカス位置に配置されている
場合には、残存収差が極めて小さいことが分かる。
【0039】図9は、コリメートレンズ42がベストフ
ォーカス位置から1μmだけ光軸方向にずれたときのレ
ンズ設計値から得られた光線収差図である。これは、例
えば、投影光学系PLの結像位置が、コリメートレンズ
42側へ1μmだけ近接した位置に配置された場合に相
当する。図9から明らかなように、コリメートレンズ4
2がベストフォーカス位置から僅か1μmずれただけで
大きな収差が生ずることが分かる。図9に示した収差の
RMS(root mean square:自乗平均平方根)は、図8
に示した収差のRMSの30倍程度に悪化している。
尚、図9に示したように、光線収差図が斜め方向に傾斜
した図となる場合には、その光学系にデフォーカス成分
が生じていることを意味する。
【0040】図10は、コリメートレンズ42がベスト
フォーカス位置から1μmだけ光軸方向にずれた状態に
おいて、コリメートレンズ42等のデフォーカス成分を
補正したときのレンズ設計値から得られた光線収差図で
ある。図10に示したように、光線収差図の傾斜が抑え
られているため、デフォーカス成分が補正されているこ
とが分かるが、デフォーカスに起因する球面収差の影響
が生じていることが分かる。ここで生じている収差のR
MSは、図9に示したデフォーカス成分が生じている場
合と同値となる。
【0041】以上の結果から、投影光学系PLの結像位
置に対して収差測定装置40が備えるコリメートレンズ
42の前側焦点位置がデフォーカスした状態において
は、デフォーカス成分を補正しただけでは、デフォーカ
スに起因する収差(特に球面収差)が影響するため、結
果として投影光学系PLの収差測定において収差測定装
置40の残存収差が悪影響を及ぼす。かかる状況は、温
度や気圧等の環境変化が生じた場合にも同様である。こ
こで、投影光学系PLと収差測定装置40との少なくと
も一方の設定誤差に起因して発生する球面収差等の収
差、及び収差を計測する際の環境変化に起因して発生す
る球面収差等の収差は、投影光学系PLと収差測定装置
40との設定誤差を皆無にするよう調整し、且つ環境変
化があっても投影光学系PLの結像位置と収差測定装置
40との位置合わせを精度良く調整すれば良いと考えら
れるが、かかる調整は極めて困難である。そこで、本実
施形態では、以下に説明する校正方法を用いてデフォー
カスに起因して生ずる収差測定装置40の収差(特に、
球面収差)を校正している。以下、本発明の一実施形態
による収差測定方法について詳細に説明する。
【0042】〔収差測定方法〕図11は、本発明の一実
施形態による収差測定方法の概略フローを示すフローチ
ャートである。図3に示したように、テストレチクルT
Rには、投影光学系PLの残存収差を計測する際に用い
る開口部tr1が多数形成されており、この開口部tr
1各々を用いてXY平面内の異なる位置から投影光学系
PLに対して光束を入射させる(像高を変える)ことに
より、投影光学系PLの残存収差を計測する。図11で
は、各開口部tr1を照明して投影光学系PLの残存収
差を測定する度に、収差測定装置40を校正するフロー
を例として図示している。このように、本実施形態で
は、収差測定装置40を校正する校正ルーチン及び投影
光学系PLの残存収差を計測する計測ルーチンが繰り返
し行われるが、これらの処理の詳細を述べる前に全体の
処理の流れについて説明する。
【0043】処理が開始すると、まず濃度フィルタ9及
びレモンスキン板12(図1参照)を光路中に挿入して
配置する(工程S10)とともに、テストレチクルTR
をレチクルステージ13上に載置する(工程S12)。
濃度フィルタ9を光路に挿入するのは開口絞り8を通過
した光束を所定の光強度分布を有する光束に変換するた
めであり、レモンスキン板12を挿入するのは入射する
光束を拡散するためのものである。一般に、露光装置で
は、照明光学系(光源1〜折り曲げミラー11)から供
給される照明光の開口数(NA)が投影光学系PLの物
体側開口数よりも小さく設定されている。従って、テス
トレチクルTRの開口部tr1、tr2を照明しても、
開口部tr1,tr2を介した光が不充分な開口数で投
影光学系PLに入射することになる。そこで、レモンス
キン板12を用いて図2に示すように、投影光学系PL
の物体側開口数NAp以上の開口数NAiで開口部tr
1,tr2が照明(インコヒーレント照明)されるよう
に設定する。
【0044】また、本実施形態では、収差測定装置40
の校正ルーチンが計測ルーチンに先立って行われるた
め、照明光学系内に設けられた図示せぬレチクルブライ
ンドによりテストレチクルTRに形成された開口部tr
2のみに照明光が照射されるよう設定される。濃度フィ
ルタ9、レモンスキン板12、及びテストレチクルTR
の配置及びレチクルブラインドによる照明領域の設定が
行われている間に、主制御系20はステージ駆動系18
を介してウェハステージ15をXY面内で移動させ、収
差測定装置40の標示板41を投影光学系PLの露光領
域内へ、ひいては二次元AF系の検出視野領域内へ移動
させる。その状態で、二次元AF系を用いて標示板41
のZ軸方向の位置情報及びX軸周りの傾き及びY軸周り
の傾きを検出し、この検出結果に基づいてウェハステー
ジ15のZ軸方向の位置及び傾きを調整して標示板41
の上面を投影光学系PLの像面に位置合わせする。
【0045】次に、ウェハステージ15をXY平面内に
おいて駆動して、収差測定装置40をアライメントセン
サ35の検出視野領域内へ移動させ、アライメントセン
サ35を用いて標示板41に形成されたアライメントマ
ーク41bの位置情報を計測することにより、収差測定
装置40の光軸AX1のXY平面内における位置を検出
する。このようにして、収差測定装置40の光軸AX1
のXY平面内における位置情報が検出されると、主制御
系20は、ウェハステージ15をXY平面内で移動さ
せ、テストレチクルTRに形成された開口部tr2の像
が投影光学系PLを介して投影される位置に、標示板4
1に形成された校正用開口部41aを位置決めする(工
程S14)。この位置決めがされた状態においては、投
影光学系PLを介して形成された開口部tr2の像の中
心点と収差測定装置40の光軸AX1とがXY平面内に
おいて一致する。
【0046】以上の処理が終了すると、校正ルーチンが
実行されて(工程S16)収差測定装置40の校正が行
われ、その後に投影光学系PLの波面収差を計測する計
測ルーチンが実行される(工程S18)。本実施形態に
おいては、テストレチクルTRに形成された開口部tr
1毎に複数回校正ルーチン(工程S16)及び計測ルー
チン(工程S18)を行って計測結果を平均化してい
る。そのために、測定した回数が予め設定された回数で
あるか否かが主制御系20によって判断される(工程S
20)。ここで、設定回数は、例えば数回〜十回程度に
設定される。測定回数が設定回数に達していない(等し
くない)と主制御系20が判断した場合(判断結果が
「NO」の場合)には、工程S16に戻り、再度校正ル
ーチン(工程S16)及び計測ルーチン(工程S18)
が行われる。一方、測定回数が設定回数に達した(等し
くなった)と主制御系20が判断した場合(判断結果が
「YES」の場合)には、測定を行った測定点が予め定
められた最終測定点であるか否かが主制御系20により
判断される(工程S22)。
【0047】図3に示したように、テストレチクルTR
には投影光学系PLの波面収差を測定する際に用いられ
る開口部tr1が複数形成されている。この工程S22
では、例えば開口部tr1全てを用いて投影光学系PL
の波面収差を計測したか否かが判断される。工程S22
の判断結果が「NO」の場合には、工程S14へ戻り、
ウェハステージ15を移動させて校正ルーチン(工程S
16)を実行し、異なる開口部tr1を用いて投影光学
系PLの波面収差を計測する処理が行われる。一方、工
程S22での判断結果が「YES」の場合には、一連の
処理が終了する。
【0048】以上、本発明の一実施形態による収差測定
方法の概略フローについて説明したが、次に図11中の
校正ルーチン(工程S16)及び計測ルーチン(工程S
18)の詳細を順に説明する。図12は、図11中の校
正ルーチンの詳細なフローを示すフローチャートであ
る。校正ルーチンが開始される前には、前述したように
レチクルブラインドによってテストレチクルTRに形成
された開口部tr2のみが照明されるように設定され、
また開口部tr2の像が投影光学系PLを介して投影さ
れる位置に、標示板41に形成された校正用開口部41
aが配置されている。この状態で主制御系20が光源1
に制御信号を出力して照明光を射出させると、照明光学
系(光源1〜折り曲げミラー11)からの照明光がテス
トレチクルTRに形成された開口部tr2を照明し(工
程S30)、開口部tr2の像が投影光学系PLを介し
て標示板41の校正用開口部41aに投影される。この
ときに照明光学系から射出される照明光(測定光)の波
長は投影光学系PLに適した波長(露光波長)であり、
この照明光は本発明にいう第1波長を持つ第1の光に相
当する。
【0049】次に、校正ルーチンが実行されているとき
の計測時点における環境の測定が行われる(工程S3
2)。この工程では、投影光学系PLに設けられたレン
ズコントローラ部13aによって、計測時点における気
圧が計測されるとともに、収差測定装置40内に設けら
れた温度検出装置42aにより収差測定装置40内のコ
リメートレンズ42等の光学部材の温度が計測される。
これらの計測結果は主制御系20に出力される。以上の
環境測定が終了すると、CCD46から出力される信号
に基づいて、CCD46の撮像面に結像する点像の位置
計測が信号処理ユニット46aで行われる(工程S3
4)。前述した投影光学系PLを介した開口部tr2の
像は、校正用開口部41aよりも実質的に大きい。投影
光学系PLの収差を測定する場合には、テストレチクル
TRに形成された開口部tr1の像が校正用開口部41
aにケラレることなく校正用開口部41aを通過するが
(詳細は後述)、収差測定装置40の残存収差を計測し
て校正する校正ルーチンの場合には、開口部tr2の像
が校正用開口部41aよりも実質的に大きいため、校正
用開口部41aによってその一部がケラレることにな
る。よって、校正用開口部41aを通過した光は、コリ
メートレンズ42、リレーレンズ43,44、及びマイ
クロフライアイ45を順に介して、CCD46の受光面
上に校正用開口部41aの多数の像を形成する。
【0050】ここで、投影光学系PLの物体側開口数N
Ap以上の開口数NAiで開口部tr2を照明している
場合には、図13に示すように、マイクロフライアイ4
5の各微小レンズ45a毎に互いに独立な多数の結像光
学系が存在すると考えることが可能である。図13は、
マイクロフライアイ45の各微小レンズ45a毎に互い
に独立な多数の結像光学系が存在する様子を示す図であ
る。図13に示すように、各結像光学系は、各微小レン
ズ45aの大きさに相当する波面収差の一部分の影響を
受けて開口部tr2の像をCCD46の撮像面にそれぞ
れインコヒーレント結像することになる。ここで、コリ
メートレンズ42、リレーレンズ43,44、及びマイ
クロフライアイ45が設計値通りに製造されて配置され
ている場合には、校正用開口部41aの各像が、マイク
ロフライアイ45の各微小レンズ45aの光軸上に整然
と並んで形成されるはずである。しかしながら、収差測
定装置40の残存収差、マイクロフライアイ45の製造
誤差、CCD46の受光素子の配列誤差等により、実際
に測定される各開口部像の光量重心位置は設計上仮定し
た理想位置から位置ずれしてしまう。
【0051】ここで発生した校正用各開口部41aの像
の位置ずれは、収差測定装置40にのみ起因するもので
あって、投影光学系PLの波面収差等の影響を受けてい
ない。なぜならば、開口部tr2の像を校正用開口部4
1aに投影している状態において、投影光学系PLは、
照明光学系と収差測定装置40との間の光路中に配置さ
れた照明リレー光学系の機能を果たしているに過ぎない
からである。そこで、本実施形態では、収差測定装置4
0で生ずる収差等の影響を排除するために、校正ルーチ
ンの工程S34において計測された開口部像(点像)の
位置を新たに測定用の各原点に設定することにより校正
している。尚、工程S34で計測された点像の位置を新
たな各原点に設定することにより図12に示す校正ルー
チン内において収差測定装置40を校正しても良いが、
本実施形態では、校正ルーチン内で計測された点像の位
置を考慮して、計測ルーチン(工程S18)内の計測結
果を補正することにより校正を行う場合を例に挙げて説
明する。つまり。投影光学系PLの波面収差を測定する
場合に、校正ルーチン時に設定した新たな測定用の各原
点を基準として波面収差の測定を行うことにより、収差
測定装置40自体が発生する波面収差等の誤差が投影光
学系PLの測定結果に実質的に影響することなく、精度
の高い波面収差測定を行うこととしている。
【0052】次に、工程S34で計測された点像位置に
対してツェルニケ(Zernike)の円筒関数系Zn(ρ,
θ)をフィッティングして各項毎の展開係数Cn(ツェ
ルニケ係数)を求める処理が信号処理ユニット46で行
われる(工程S36)。ここで、展開係数Cnを算出す
ると、展開係数Cnとツェルニケの円筒関数系Zn
(ρ,θ)とを用いて最終的に以下の(1)式から波面
収差W(ρ,θ)を得ることができる。尚、下式(1)
において、ρは射出瞳P(例えば、図6,図7に示した
射出瞳P)の半径を1に規格化した規格化瞳半怪であ
り、θは射出瞳面上に設定された極座標の動径角であ
る。尚、この処理は主制御系20で行われる。 W(ρ,θ)=ΣCnZn(ρ,θ) =C1・Z1(ρ,θ)+C2・Z2(ρ,θ) ・・・・+Cn・Zn(ρ,θ) …(1)
【0053】(1)式を参照すると、この展開数Cnと
ツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)との積の各項毎
の和が波面収差W(ρ,θ)であるため、各項毎の展開
係数Cnは、いわば波面収差の成分の大きさを示す数値
である。ここで、ツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,
θ)のうち、第1項〜第36項にかかる円筒関数系Z1
〜Z36は、次に示す通りである。 n:Zn(ρ,θ) 1:1 2:ρcosθ 3:ρsinθ 4:2ρ2−1 5:ρ2cos2θ 6:ρ2sin2θ 7:(3ρ2−2)ρcosθ 8:(3ρ2−2)ρsinθ 9:6ρ4−6ρ2+1 10:ρ3cos3θ 11:ρ3sin3θ 12:(4ρ2−3)ρ2cos2θ 13:(4ρ2−3)ρ2sin2θ 14:(10ρ4−12ρ2+3)ρcosθ 15:(10ρ4−12ρ2+3)ρsinθ 16:20ρ6−30ρ4+12ρ2−1 17:ρ4cos4θ 18:ρ4sin4θ 19:(5ρ2−4)ρ3cos3θ 20:(5ρ2−4)ρ3sin3θ 21:(15ρ4−20ρ2+6)ρ2cos2θ 22:(15ρ4−20ρ2+6)ρ2sin2θ 23:(35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρcosθ 24:(35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρsinθ 25:70ρ8−140ρ6+90ρ4−20ρ2+1 26:ρ5cos5θ 27:ρ5sin5θ 28:(6ρ2−5)ρ4cos4θ 29:(6ρ2−5)ρ4sin4θ 30:(21ρ4−30ρ2+10)ρ3cos3θ 31:(21ρ4−30ρ2+10)ρ3sin3θ 32:(56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2cos2
θ 33:(56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2sin2
θ 34:(126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2
5)ρcosθ 35:(126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2
5)ρsinθ 36:252ρ10−630ρ8+560ρ6−210ρ4
30ρ2−1
【0054】ここで、展開係数C1にかかる第1項は定
数項である。また、展開係数C2及びC3にかかる第2
項及び第3項はチルト成分(X軸方向及びY軸方向)で
ある。更に、展開係数C4にかかる第4項はパワー成分
(フォーカス成分)である。ここで、展開係数C4にか
かる第4項〜展開係数C9にかかる第9項は、幾何光学
でいうザイデルの5収差に相当する(完全に一致する訳
ではない)。展開係数C5及びC6にかかる第5項及び
第6項はアス成分であり、幾何光学にいう非点収差に相
当し、展開係数C7及びC8にかかる第7項及び第8項
はコマ収差成分であり、幾何光学にいうコマ収差(偏心
コマ収差)に相当し、展開係数C9にかかる第9項は球
面収差成分であり、幾何光学にいう球面収差に相当す
る。
【0055】ツェルニケ計数を算出すると、上述した波
面収差W(ρ,θ)のRMSが算出されるとともに、デ
フォーカス成分が抽出される(工程S38)。ここで、
デフォーカス成分は、展開係数C4にかかる第4項で示
される成分(フォーカス成分)と比例関係にある。次
に、抽出したデフォーカス成分は主制御系20へ出力さ
れ、予め定められた規格内であるか否かが主制御系20
によって判断される(工程S40)。ここで、デフォー
カス成分が予め定められた規格内であるか否かを判断す
るのは、デフォーカスに起因して生ずる球面収差の影響
を少なくするためである。つまり、位置合わせ誤差や環
境変化によってコリメートレンズ42の前側焦点位置と
投影光学系PLの結像位置との相対位置ずれ(デフォー
カス)が生じると、前述したように球面収差が生ずる。
デフォーカスが大きくなると球面収差も大きくなり、収
差測定装置40に残存する収差が大きくなるからであ
る。収差測定装置40の残存収差が大きくなると、計測
ルーチン(工程18)において投影光学系PLの残存収
差を計測する際に誤差が大きくなり好ましくない状況と
なる。ここで、デフォーカス成分は、投影光学系PLの
結像位置に対する収差測定装置40のZ軸方向の位置ず
れによるものと、温度や気圧等の環境変化によるものが
考えられる。Z軸方向の位置ずれに関しては、例えば上
述した二次元AF系を用いて標示板41の表面のZ軸方
向の位置を計測し、その計測結果に基づいて標示板41
の表面を投影光学系PLの結像位置に合わせ込んでいる
が、標示板41の表面の位置にコリメートレンズ42の
前側焦点位置が正確にあっていない場合には、これが設
置誤差となり、デフォーカス成分を生ずる原因となる。
【0056】工程S40において、デフォーカス成分が
規格外であると主制御系20が判断した場合(判断結果
が「NO」の場合)には、残留しているデフォーカスを
補正するための波長調整量を算出する処理を行う(工程
S42)。この工程では、工程S38で抽出されたデフ
ォーカス成分を調整し得る照明光の波長調整量を算出す
る処理が行われる。上述したように、デフォーカス成分
が生ずる原因は、投影光学系PLと収差測定装置40と
の少なくとも一方の設定誤差に起因するものと、環境変
化に起因するものが考えられる。工程S42は、これら
の内、一方のみを考慮して波長調整量を算出しても良
く、両方を考慮して波長調整量を算出しても良い。尚、
波長の変化に対するデフォーカス成分の変化量、及び温
度や気圧の変化に対するデフォーカス成分の変化量は予
めシミュレーションにて求めておく。尚、上述したよう
に、工程S42ではデフォーカス成分を調整し得る照明
光の波長調整量を算出しているが、このデフォーカス成
分は投影光学系PLの結像位置に対するコリメートレン
ズ42のデフォーカスに起因するものと、温度や気圧等
の環境の変化に起因するものを含んでいる。よって、こ
の工程は、本発明にいう第1抽出工程及び第1算出工程
又は第2抽出工程及び第2算出工程を含んだ工程であ
る。
【0057】次に、主制御系20は光源1に制御信号を
出力し、工程S42で算出した波長調整量分だけ波長を
変化させた照明光を光源1から射出させる(工程S4
4)。ここで、光源1から射出される照明光(測定光)
は、第1波長の光(露光波長の光)とは僅かに異なる波
長、即ち本発明にいう第2波長を持つ第2の光に相当す
る。このように、工程S44においては、主制御系20
は、第1の波長の光(露光波長の光)を供給する光源1
に対して制御信号を出力し、第1波長の第1の光(露光
波長の光)から工程S42にて算出された波長調整量だ
けずれた第2波長の光を光源1が供給するように照明光
(測定光)の波長を調整する。これによって、本発明で
いう第1波長調整工程が実行される。そして、処理は工
程S34へ戻り、波長を変化させた照明光で開口部tr
2を照明したときの点像位置を計測する。一方、工程S
40において、デフォーカス成分が規格内であると主制
御系20が判断した場合(判断結果が「YES」の場
合)には工程S34で計測した点像位置情報、工程S3
2で計測した気圧や気温、及び波長を変化させた場合に
は波長調整量を校正データD1として記憶し、一連の校
正ルーチンの処理は終了する。以上説明した工程S40
から、工程S42,S44を介して工程S34に至る処
理では、つまるところ照明光の波長を調整して残存する
デフォーカス成分を、球面収差の影響がほぼ生じない程
度に追い込み、追い込んだ後に得られる点像位置を求め
る処理を行っている。
【0058】次に、計測ルーチンの詳細を説明する。図
14は、図11中の計測ルーチンの詳細なフローを示す
フローチャートである。上述した校正ルーチン(工程S
16)ではテストレチクルTRに1つのみ形成された開
口部tr2を照明して投影光学系PLを介して開口部t
r2の像を校正用開口部41aに投影していた。しかし
ながら、投影光学系PLの残存収差を計測する際には、
テストレチクルTRに複数形成された開口部tr1の
内、恣意的に選択された開口部tr1のみを用いるた
め、恣意的に選択された開口部tr1に照明光が照明さ
れるようレチクルブラインドを設定する(工程S5
0)。次に、ウェハステージ15をXY面で移動させ、
工程S50にて恣意的に選択された開口部tr1の像が
投影される位置に校正用開口部41aを配置する(工程
S52)。
【0059】以上の工程が終了すると、次に、投影光学
系PLの残存収差計測時点における環境の測定が行われ
る(工程S54)。この工程では、図12中の工程S3
2と同様に、投影光学系PLに設けられたレンズコント
ローラ部13aによって、計測時点における気圧が計測
されるとともに、収差測定装置40内に設けられた温度
検出装置42aにより収差測定装置40内のコリメート
レンズ42等の光学部材の温度が計測される。これらの
計測結果は主制御系20に出力される。以上の環境測定
が終了すると、工程S56へ移行し、恣意的に選択され
た開口部tr1に照明光を照射し、この開口部tr1の
像を投影光学系PLを介して校正用開口部41aに投影
する。尚、ここで開口部tr1を照明する照明光は、投
影光学系PLに適した波長の照明光(露光波長の光)で
あり、本発明にいう第1波長をもつ第1の光に相当す
る。従って、図14において図示していないが、投影光
学系PLに残存する収差を計測する工程S56を実行す
る前に、主制御系20は、工程S44にて調整されて第
2の波長の光を供給する光源1に対して制御信号を出力
し、光源1が第1波長の第1の光(露光波長の光)を供
給するように照明光(測定光)の波長を調整する。これ
によって、本発明でいう第2波長調整工程が実行され
る。投影された開口部tr1の像は、標示板41に形成
された校正用開口部41aの位置で結像する。校正用開
口部41aは、投影光学系PLを介して形成されるテス
トレチクルTRの開口部tr1の像よりも大きく設定さ
れているため、開口部tr1の像は校正用開口部41a
でケラレることなく校正用開口部41aを通過する。そ
の後、開口部tr1の像はコリメートレンズ42、リレ
ーレンズ43,44を順に介してマイクロフライアイ4
5に入射する。
【0060】図13に示すように、各結像光学系は、各
微小レンズ45aの大きさに相当する波面収差の一部分
の影響を受けて開口部tr1の像をCCD46の撮像面
にそれぞれインコヒーレント結像することになる。ここ
で、前述した校正ルーチン(工程S16)と計測ルーチ
ンとにおいて最も相違する点は、校正ルーチンでは校正
用開口部41aの像がCCD46の撮像面に結像するの
に対し、計測ルーチンでは開口部tr1の像がCCD4
6の撮像面に結像する点である。よって、校正ルーチン
では、収差測定装置40が備えるコリメートレンズ42
等の残存収差のみを反映して点像の位置が変化するが、
計測ルーチンでは、投影光学系PLの残存収差及び収差
測定装置40の残存収差を反映して点像の位置が変化す
る。
【0061】次に、CCD46から出力される信号に基
づいて、CCD46の撮像面に結像する点像の位置計測
が信号処理ユニット46aで行われる(工程S56)。
上述したように、計測ルーチンにおいてCCD46の撮
像面に結像する点像は、投影光学系PLの残存収差及び
収差測定装置40の残存収差を反映したものである、そ
こで、収差測定装置40の残存収差等の影響を除去する
ために、工程S56で計測された点像位置を、校正デー
タD1に含まれる点像位置情報で校正し、収差測定装置
40の残存収差の影響を除去している(工程S58)。
具体的には、図12中の工程S34で計測された点像位
置情報を新たな各原点に設定し、工程S56で計測され
た点像位置を、これら新たな原点に対する位置ずれに変
換することにより点像位置を校正する。
【0062】次に、工程S58にて校正された点像位置
に対してツェルニケの円筒関数系Zn(ρ,θ)をフィ
ッティングして各項毎の展開係数Cn(ツェルニケ係
数)を求める処理が信号処理ユニット46aで行われる
(工程S60)。尚、求められたツェルニケ係数は主制
御系20に出力される。次に、上述した波面収差W
(ρ,θ)のRMSが算出されるとともに、デフォーカ
ス成分が抽出される(工程S62)。抽出されたデフォ
ーカス成分は主制御系20に出力される。次に、主制御
系20は、工程S62で抽出されたデフォーカス成分が
予め定められた規格内であるか否かを判断する(工程S
64)。ここで、デフォーカス成分が規格内であるか否
かを判断するのは、デフォーカスに起因して生ずる球面
収差等の収差の影響を極力小さくするためである。
【0063】工程S64において、デフォーカス成分が
規格外であると判断した場合(判断結果が「NO」の場
合)には、主制御系20は、ステージ駆動系18を介し
てウェハステージWをZ軸方向へ移動させ、投影光学系
PLの結像位置と収差測定装置40が備えるコリメート
レンズ42の前側焦点位置とのデフォーカスを調整する
(工程S66)。尚、この調整量は、工程S62で抽出
されたデフォーカス成分に応じて設定される。ウェハス
テージ15をZ軸方向へ移動させて投影光学系PLと収
差測定装置40との相対位置の調整を行った後は、処理
が工程S56に戻り、再度点像位置を計測して、デフォ
ーカス成分の抽出等の処理が行われる。
【0064】一方、工程S64において、デフォーカス
成分が規格内であると主制御系20が判断した場合(判
断結果が「YES」の場合)には、収差測定装置40が
備える収差測定光学系(コリメートレンズ42、リレー
光学系43,44、及びマイクロフライアイ45)の色
収差を校正する処理を行う。前述した工程S58では、
工程S56で計測された点像位置を、校正ルーチンで計
測された点像位置情報で校正していたが、校正ルーチン
では、照明光の波長を調整して残存するデフォーカス成
分を、球面収差の影響がほぼ生じない程度に追い込み、
追い込んだ後に得られる点像位置を求めていた。従っ
て、校正ルーチンで計測された点像位置情報は、照明光
の波長変化の影響を受けたものである。そこで、工程S
68では、この波長変化の影響を除去するための色収差
校正を行っている。具体的には、収差測定装置40が備
える収差測定光学系の設計値から波長を可変させたとき
のツェルニケ係数の変化分をシミュレーションにより予
め求めておき、校正データD1に含まれる波長調整量に
応じた量だけ、工程S60で算出されたツェルニケ係数
をソフト的に校正する。
【0065】次に、主制御系20は、デフォーカス成分
に起因する収差測定光学系の球面収差を校正する処理を
行う(工程S70)。前述した校正ルーチンでは、照明
光の波長を調整し、残存するデフォーカス成分を球面収
差の影響がほぼ生じない程度に追い込み、追い込んだ後
に得られる点像位置を求めていた。これは、図10を用
いて説明したように、デフォーカス成分が大きいと、デ
フォーカス成分を補正しただけではデフォーカスに起因
する球面収差の影響が残るため、照明光の波長を調整し
て球面収差の影響を低減するために必要であった。工程
S70では、デフォーカス成分を追い込んだ後のデフォ
ーカス成分に起因する収差測定光学系の球面収差をソフ
ト的に微調している。これはデフォーカス成分を可変さ
せたときの球面収差成分にかかるツェルニケ係数の変化
分をシミュレーションにより予め求めておき、工程S6
2で抽出したデフォーカス成分に応じた量だけ、工程S
68で校正されたツェルニケ係数を更にソフト的に校正
する。
【0066】次に、主制御系20は、気圧の変化による
投影光学系の結像測定に起因する収差の校正を行う(工
程S72)。この工程では、予めシミュレーションによ
り求められた基準気圧(投影光学系の結像特性が最良と
なる)に対する気圧の変化による投影光学系PLの結像
特性を示すツェルニケ係数の変化分を用いて、工程S5
4においてレンズコントローラ部13aによって計測さ
れた気圧の基準気圧からのずれに応じた分だけ、工程S
70で校正されたツェルニケ係数を更にソフト的に校正
する。以上の説明した工程を経て、投影光学系PLの残
存収差の残存収差の指標となるツェルニケ係数D2が求
められる。
【0067】図15は、本発明の一実施形態による収差
測定方法を用いて校正された収差測定装置に残存する収
差の一例を示す光線収差図である。図15と図10とを
比較すると、本実施形態による校正方法を用いること
で、収差を良好に校正することができることが分かる。
尚、校正後の収差のRMSは、図8に示した収差のRM
Sの10倍以下程度に抑えられている。
【0068】以上、本発明の一実施形態による収差測定
方法について説明した。上記実施形態では、テストレチ
クルTRに形成された開口部tr1を用いて投影光学系
PLの残存収差を計測する計測ルーチン(工程S18)
を実行する前に必ず校正ルーチン(工程S16)を実行
していた。しかしながら、テストレチクルTRに形成さ
れた開口部tr1全てについて予め校正ルーチン(工程
S16)を実行しておき、投影光学系PLの残存収差を
計測する際には、校正ルーチンを実行せずに、予め実行
しておいた校正ルーチンの結果を用いて投影光学系PL
の計測結果を校正するようにしてもよい。
【0069】以上、本発明の一実施形態による収差測定
装置及び方法、並びに露光装置について説明したが、本
発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自
由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、被
検光学系(投影光学系PL)の収差を測定する収差測定
装置(波面収差測定装置)として、マイクロフライアイ
(マイクロレンズアレイ)45を用いてマトリックス状
に波面分割された光の位置ずれを求める方式を示した
が、本発明は上記実施形態に示した収差測定装置(波面
収差測定装置)に限ったものに適用されるものではな
い。例えば、本発明では、フィゾー型の干渉計やシェア
ーリング干渉計等の干渉計を収差測定装置(波面収差測
定装置)として用いることも可能である。また、上記実
施形態に示した収差測定装置(波面収差測定装置)によ
る被検光学系(投影光学系PL)の残存収差の計測結果
(計測評価結果)としては、1つの照明条件の下で行う
事に限らず、複数の照明条件の下で行うことが好まし
い。例えば、照明光学系の瞳に形成される光強度分布の
大きさや形状を変化させる、即ち、照明光学系の瞳に形
成される光強度分布の形状が円形状、輪帯状、又は多極
状(2極状、4極状等)の何れか一つとなるように設定
し、同時にその設定された光強度分布の大きさを適切に
することによって、照明条件を変更することができる。
この照明条件の変更は、図1に示す装置では、照明光学
系の瞳の位置に配置されており照明光学系の二次光源の
形状及び大きさを規定する開口絞り8の開口部の大きさ
や形状を可変とする構成にすることにより実現すること
ができる。
【0070】尚、本発明の一実施形態による露光装置は
(図1)は、ウェハWを精度よく高速に位置制御するこ
とができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露
光が可能となるように、照明光学系(光源1〜折り曲げ
ミラー11)、は、レチクルステージ13及び図示せぬ
移動鏡や干渉計を含むレチクルアライメント系、ウェハ
ホルダ14、ウェハステージ15、移動鏡16、ステー
ジ駆動系18、干渉計19、及びアライメントセンサ3
5を含むウェハアライメント系、投影光学系PL、及び
収差測定装置40等の図1に示された各要素が電気的、
機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合
調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造さ
れる。ここで、総合調整の際には、前述した検査装置の
製造方法で示した調整が行われる。尚、露光装置の製造
は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0071】次に、本発明の一実施形態による露光装置
をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造
方法の実施形態について説明する。図16は、マイクロ
デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネ
ル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製
造例のフローチャートを示す図である。図16に示すよ
うに、まず、ステップS80(設計ステップ)におい
て、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導
体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現する
ためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS81
(マスク製作ステップ)において、設計した回路パター
ンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ス
テップS82(ウェハ製造ステップ)において、シリコ
ン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0072】次に、ステップS83(ウェハ処理ステッ
プ)において、ステップS80〜ステップS82で用意
したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップS84(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップS83で処理されたウェハを用
いてデバイス組立を行う。このステップS84には、ダ
イシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS85(検査ステップ)において、ス
テップS84で作製されたマイクロデバイスの動作確認
テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を
経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0073】図17は、半導体デバイスの場合におけ
る、図16のステップS83の詳細なフローの一例を示
す図である。図17において、ステップS91(酸化ス
テップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステッ
プS92(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップS93(電極形成ステップ)
においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ス
テップS94(イオン打込みステップ)においてはウェ
ハにイオンを打ち込む。以上のステップS91〜ステッ
プS94のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工
程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて
選択されて実行される。
【0074】ウェハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
95(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップS96(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウェハに転写する。次に、ステップS97(現像ステッ
プ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS
98(エッチングステップ)において、レジストが残存
している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより
取り去る。そして、ステップS99(レジスト除去ステ
ップ)において、エッチングが済んで不要となったレジ
ストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを
繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パタ
ーンが形成される。
【0075】尚、図19に示したステップS96及びス
テップS97を実行するに先だって、収差測定装置40
を用いて投影光学系PLに残存する収差を計測する残存
収差計測が実行され、残存収差計測工程の計測結果に基
づいて主制御系20がレンズコントローラ部13aに制
御信号を出力して投影光学系PLの結像特性等の光学特
性を調整する光学特性調整工程が実行される。
【0076】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範
囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態
ではステップ・アンド・リピート方式の露光装置を例に
挙げて説明したが、ステップ・アンド・スキャン方式の
露光装置にも適用可能である。また、本実施形態の露光
装置の照明光学系の光源は、248nm(KrF)又は
193nm(ArF)の波長の光を供給するエキシマレ
ーザ光源を例に挙げて説明したが、これに限らず、超高
圧水銀ランプから射出されるg線(436nm)及びi
線(365nm)等、F2レーザ(157nm)から射
出されるレーザ光、X線や電子線等の荷電粒子線を用い
ることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子
銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(L
aB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。ま
た、前述した実施形態においては、液晶表示素子を製造
する場合を例に挙げて説明したが、もちろん、液晶表示
素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、半導体
素子等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイス
パターンを半導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気
ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミッ
クウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素
子の製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用する
ことができる。
【0077】また、半導体素子等のマイクロデバイスだ
けではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマ
スクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板
やシリコンウェハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置
にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)や
VUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的
に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石
英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フ
ッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、X
線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ス
テンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マス
ク基板としてはシリコンウェハ等が用いられる。尚、こ
のような露光装置は、WO99/34255号、WO9
9/50712号、WO99/66370号、特開平11
−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等
に開示されている。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、第1波長を持つ第1の光を用いて収差測定装置の収
差測定光学系の収差を計測し、この計測結果に基づいて
被検光学系と収差測定装置との少なくとも一方の設定誤
差に起因して発生する所定の収差、及び前記収差を計測
する際の環境変化に起因して発生する所定の収差のうち
の少なくとも一方を抑えるための波長調整量を算出し、
上記第1波長から算出した波長調整量だけ調整された第
2波長を持つ第2の光を用いて収差測定装置の収差測定
光学系の収差を計測し、前記収差測定装置の収差測定光
学系を介して前記第1波長を持つ第1の光のもとで前記
被検光学系に残存する収差を計測し、前記波長調整量の
算出結果及び前記第2の波長を持つ第2の光による収差
の測定結果とを用いて、前記被検光学系の残存収差の測
定結果を校正しているため、被検光学系と収差測定装置
との少なくとも一方の設定誤差に起因して発生する所定
の収差、及び前記収差を計測する際の環境変化に起因し
て発生する所定の収差を良好に校正することができると
いう効果がある。また、本発明によれば、収差測定装置
を用いて被検光学系に残存する収差を求め、この結果か
ら被検光学系と収差測定装置との少なくとも一方の設定
誤差に起因して発生する収差の誤差成分、及び収差を計
測する際の環境変化に起因して発生する収差の誤差成分
のうちの少なくとも一方を除去しているので、被検光学
系の残存収差を計測する際に設定誤差や環境変化に起因
して生ずる所定の収差の影響をほぼ受けずに、高い精度
で被検光学系の残存収差を測定することができるという
効果がある。また、本発明によれば、被検光学系として
の投影光学系に残存する収差を高い精度で計測し、この
計測結果に基づいて投影光学系の光学特性を調整した上
でマスクのパターンを感光性基板に露光しており、マス
クのパターン像が感光性基板に高い解像力をもって忠実
に投影されるため、微細なマイクロデバイスを製造する
上で極めて好適であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による収差測定装置を備
えた本発明の一実施形態による露光装置の主要部分の概
略構成を示す図である。
【図2】 図1に示した波面測定装置40の要部構成を
概略的に示す図である。
【図3】 テストレチクルTRの上面図である。
【図4】 標示板41の上面図である。
【図5】 マイクロフライアイ45の正面図である。
【図6】 本発明の一実施形態による収差測定装置40
に設けられる第1実施例によるコリメートレンズ42及
びリレーレンズ43,44の構成を示す図である。
【図7】 本発明の一実施形態による収差測定装置40
に設けられる第2実施例によるコリメートレンズ42及
びリレーレンズ43,44の構成を示す図である。
【図8】 コリメートレンズ42及びリレーレンズ4
3,44の第1実施例の場合において、コリメートレン
ズ42がベストフォーカス位置に配置されているときの
レンズ設計値から得られた光線収差図である。
【図9】 コリメートレンズ42がベストフォーカス位
置から1μmだけ光軸方向にずれたときのレンズ設計値
から得られた光線収差図である。
【図10】 コリメートレンズ42がベストフォーカス
位置から1μmだけ光軸方向にずれた状態において、コ
リメートレンズ42等のデフォーカス成分を補正したと
きのレンズ設計値から得られた光線収差図である。
【図11】 本発明の一実施形態による収差測定方法の
概略フローを示すフローチャートである。
【図12】 図11中の校正ルーチンの詳細なフローを
示すフローチャートである。
【図13】 マイクロフライアイ45の各微小レンズ4
5a毎に互いに独立な多数の結像光学系が存在する様子
を示す図である。
【図14】 図11中の計測ルーチンの詳細なフローを
示すフローチャートである。
【図15】 本発明の一実施形態による収差測定方法を
用いて校正された収差測定装置に残存する収差の一例を
示す光線収差図である。
【図16】 マイクロデバイスの製造工程の一例を示す
フローチャートである。
【図17】 半導体デバイスの場合における、図18の
ステップS83の詳細なフローの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源(照明光学系) 2 ビーム整形光学系(照明光学系) 3 干渉性低減部(照明光学系) 4 第1フライアイレンズ(照明光学系) 5 振動ミラー(照明光学系) 6 リレー光学系(照明光学系) 7 第2フライアイレンズ(照明光学系) 8 開口絞り(照明光学系) 9 濃度フィルタ(照明光学系) 10 コンデンサ光学系(照明光学系) 11 折り曲げミラー(照明光学系) 20 主制御系(補正系) 40 収差測定装置 41 標示板(基準部材) 41a 校正用開口部 42 コリメートレンズ(収差測定光学系) 43,44 リレーレンズ(収差測定光学系) 45 マイクロフライアイ(収差測定光学系) 46 CCD(光電検出器) 46a 信号処理ユニット(収差検出系) DP パターン(回路パターン) PL 投影光学系(被検光学系) R レチクル(マスク) W ウェハ(感光性基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 516A Fターム(参考) 2F065 BB27 CC20 FF01 FF04 FF69 GG25 JJ26 LL10 NN06 PP12 QQ00 UU01 UU05 UU07 2G086 HH06 2H087 KA12 KA21 LA25 NA04 PA13 PB13 QA02 QA06 QA14 QA21 QA26 QA32 QA41 QA45 RA41 UA03 UA04 5F046 BA04 DA13 DA14 FA10 FB04 FB12 FB17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検光学系の収差を測定する収差測定装
    置を用いた収差測定方法において、 前記被検光学系に適した第1波長を持つ第1の光を用い
    て前記収差測定装置の収差測定光学系の収差を求める第
    1収差計測工程と、 前記被検光学系と前記収差測定装置との少なくとも一方
    の設定誤差に起因して発生する所定の収差、及び前記収
    差を計測する際の環境変化に起因して発生する所定の収
    差のうちの少なくとも一方を抑えるために、前記第1収
    差計測工程の結果を用いて前記第1波長からの波長調整
    量を求める波長調整量算出工程と、 前記第1波長から前記波長調整量だけ調整された第2波
    長を持つ第2の光を用いて前記収差測定装置の収差測定
    光学系の収差を求める第2収差計測工程と、 前記収差測定装置の収差測定光学系を介して前記第1波
    長を持つ第1の光のもとで前記被検光学系に残存する残
    存収差を求める残存収差測定工程と、 前記被検光学系の校正された収差測定結果を得るため
    に、前記波長調整量算出工程の算出結果と前記第2収差
    計測工程の計測結果とに基づいて、前記残存収差測定工
    程の測定結果を校正する校正結果とを含むことを特徴と
    する収差測定方法。
  2. 【請求項2】 前記波長調整量算出工程は、前記被検光
    学系と前記収差測定装置との少なくとも一方の設定誤差
    に起因するデフォーカス成分を抽出する第1抽出工程
    と、 前記第1抽出工程にて得られたデフォーカス成分を補正
    し得る第1波長調整量を算出する第1算出工程とを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の収差測定方法。
  3. 【請求項3】 前記波長調整量算出工程は、前記収差を
    計測する際の環境変化に起因する収差の誤差成分を抽出
    する第2抽出工程と、 前記第2抽出工程にて得られたデフォーカス成分を補正
    し得る第2波長調整量を算出する第2算出工程とを含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の収差測定
    方法。
  4. 【請求項4】 前記設定誤差は、前記収差測定光学系の
    前側焦点位置に対する校正用開口部を有する基準部材の
    設置誤差を含むことを特徴とする請求項1から請求項3
    の何れか一項に記載の収差測定方法。
  5. 【請求項5】 前記環境変化は、少なくとも気圧の変化
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか
    一項に記載の収差測定方法。
  6. 【請求項6】 前記第2収差計測工程に先立って、前記
    収差測定装置の収差測定光学系へ導かれる測定光を前記
    第1波長を持つ第1の光から前記第2波長を持つ第2の
    光に変更する第1波長変更工程と、 前記残存収差測定工程に先立って、前記被検光学系へ導
    かれる測定光を前記第2波長を持つ第2の光から前記第
    1波長を持つ第1の光に変更する第2波長変更工程とを
    更に含むことを特徴とする請求項1から請求項5の何れ
    か一項に記載の収差測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れか一項に記
    載の収差測定方法を用いて前記被検光学系としての投影
    光学系の残存収差を測定する残存収差計測工程と、 前記投影光学系を用いて所定のパターンが形成されたマ
    スクの像を感光性基板に投影する露光工程と、 露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含む
    ことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記露光工程に先立って、前記残存収差
    計測工程の結果に基づいて前記投影光学系の光学特性を
    調整する光学特性調整工程を更に含むことを特徴とする
    請求項7記載のマイクロデバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 被検光学系の収差を測定する収差測定方
    法において、 収差測定装置を用いて被検光学系に残存する収差を求め
    る残存収差測定工程と、 前記被検光学系と前記収差測定装置との少なくとも一方
    の設定誤差に起因して発生する収差の誤差成分、及び前
    記収差を計測する際の環境変化に起因して発生する収差
    の誤差成分のうちの少なくとも一方を前記残存収差測定
    工程の結果から除去する補正工程とを含むことを特徴と
    する収差測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の収差測定方法を用いて
    前記被検光学系としての投影光学系の残存収差を測定す
    る残存収差計測工程と、 前記投影光学系を用いて所定のパターンが形成されたマ
    スクの像を感光性基板に投影する露光工程と、 露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含む
    ことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記露光工程に先立って、前記残存収
    差計測工程の結果に基づいて前記投影光学系の光学特性
    を調整する光学特性調整工程を更に含むことを特徴とす
    る請求項10記載のマイクロデバイスの製造方法。
  12. 【請求項12】 被検光学系の収差を測定するための収
    差測定光学系と、 前記収差測定光学系を介した光を光電変換する光電検出
    器と、 前記光電検出器からの光電検出情報に基づいて前記被検
    光学系の収差を検出する収差検出系と、 前記被検光学系と前記収差測定光学系との少なくとも一
    方の設定誤差に起因して発生する収差の誤差成分、及び
    前記収差を計測する際の環境変化に起因して発生する収
    差の誤差成分のうちの少なくとも一方を前記収差検出系
    の検出結果から除去する補正系とを含むことを特徴とす
    る収差測定装置。
  13. 【請求項13】 所定のパターンが形成されたマスクを
    照明する照明光学系と、 所定のパターンが形成されたマスクの像を感光性基板に
    投影する投影光学系と、 被検光学系として前記投影光学系の残存収差を測定する
    請求項12記載の収差測定装置とを含むことを特徴とす
    る露光装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の露光装置を用いて前
    記マスクのパターンを感光性基板に露光する露光工程
    と、 露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含む
    ことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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