JPS649964B2 - - Google Patents

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JPS649964B2
JPS649964B2 JP56201346A JP20134681A JPS649964B2 JP S649964 B2 JPS649964 B2 JP S649964B2 JP 56201346 A JP56201346 A JP 56201346A JP 20134681 A JP20134681 A JP 20134681A JP S649964 B2 JPS649964 B2 JP S649964B2
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anus
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JP56201346A
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JPS58103321A (ja
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Kaneshiro Nagai
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は痔疾患の治療剤に関し、特にL−カル
ノシンまたはその塩を有効成分として含有するこ
とを特徴とする痔疾患の治療剤に関する。 痔疾患は肛門またはその周辺に発生する疾患の
総称であつて、医学的には(1)肛門部の皮膚や粘膜
に発生する表在性の潰瘍である裂肛(俗にいう
“きれじ”)、(2)皮下、粘膜下組織の化膿性炎症、
膿瘍或いはそれらの自潰や切開により形成される
瘻孔である痔瘻(俗にいう“あなじ”)及び(3)肛
門部の静脈瘤である痔核(俗にいう“いぼじ”)
およびこれが肛門外に脱出した脱肛などに分けら
れる。これら痔疾患のなかでも痔核や脱肛は非常
に多い病変であり、我国成人の50〜80%は痔核を
有すると言われている。元来、肛門付近は体表静
脈系と腹部内臓静脈系(門脈系)との結合点にあ
たり、こゝには無数の静脈が集まつて直腸静脈叢
及び肛門静脈叢(上下の痔静脈叢)を形成してお
り、習慣性便秘症、楽器吹奏、ぜんそく、下痢な
どで腹圧の亢進をきたす機会が多かつたり、妊娠
や長時間の常態的座仕事などで静脈が圧迫された
り、飲酒による充血などによつて、血流のうつ
滞、静脈の拡張を起し静脈瘤を生じ易い。痔核
(腫瘤)はその発生部位により、直腸肛門部粘膜
下即ち直腸柱部静脈叢に発生したものを内痔核、
肛門部櫛状線より外方の肛門静脈叢に発生したも
のを外痔核と称する。従つて、内痔核は粘膜に覆
われて内肛門括約筋より上部に存在し、外痔核に
肛門部皮膚に覆われて外肛門括約筋の下部に存在
する。この中間に発生して一部皮膚に一部粘膜に
覆われているとき中間痔核と呼ぶときもある。ま
た、脱肛は内痔核が次第に肛門外に押出され、そ
の一部または全部が肛門外に脱出した状態であ
り、本質的には痔核と異ならない。症状としては
主として排便時の出血および疼痛であるが、出血
の程度は核部の大きさ、数、びらんの程度により
様々であり、核部を拭う際に付着するものから、
滴下するもの、更には迸出するものなどがあり、
また、疼痛も軽いものから激痛を伴うもの、排便
時のみのもの、長時間持続するもの、甚しくは歩
行困難、睡眠不能となるものまで大小様々であ
る。 裂肛は肛門の皮膚粘膜境界部に生じた裂創様の
亀裂または潰瘍であり、体質的素因も関係する
が、一般に硬い便の通過などによつて生じ易く、
排便時の激しい灼熱痛を主徴とし、軽度の出血を
伴う。また、痔瘻は瘻管開口部により外、内およ
び完全痔瘻に分けられるが、結核性のものが大半
を占めており、肛門周囲炎(肛門周囲膿瘍)或い
は直腸周囲炎など肛門付近に急性炎症を生じて膿
がたまり、これが破れた後或いは切開によつて排
膿された後痔瘻となるものが多い。 上述の説明からも判る通り、痔症患と言つても
痔核、裂肛(痔裂)および痔瘻は医学的にはそれ
ぞれ全く別個の疾患であり、従つて、その治療法
も痔疾の種類、症状に応じて種々の方法が採られ
ている。比較的軽度の痔核や裂肛であれば局所の
安静及びその原因や誘因となる不規則な便通、便
秘の改善や飲酒の中止などで一時的に軽快するこ
ともあるが、一般に根治することは少なく症状が
持続したり、繰返したりすることが多く、従つ
て、通常は出血、炎症、疼痛などの諸症状に対し
てそれぞれの治療目的に適した薬剤、例えば、抗
炎症剤、血管収縮剤、収れん剤、局所麻酔剤、鎮
痛剤、殺菌消毒剤などを適宜配合した坐剤や軟膏
が用いられる。しかし、患者の疾患部位に対する
羞恥心から専問医が診断、加療するときには発病
初期に於ける売薬による素人療法の不適切さなど
とも相俟つて可成り病状が進行、悪化しているこ
とが少なくない。そのため治療薬としても短期間
で確実に優れた効果の得られる薬剤は極めて少な
く、就中、痔核の消失や根治に至る程の著効を有
する薬剤は殆んど見当らず、結局、重度のものや
長期に亘る疾患に対しては最終的には全て外科手
術が行われる。尚、痔瘻については殆んど全ての
場合薬物治療では治ゆせず、原則的には手術が必
要であると言われている。 本発明者は生体内オリゴペプタイドであるL−
カルノシンの特異な生理活性に着目して、その生
理学的存在意義、薬理的有用性について永年に亘
り、研究を重ねてきたが、此度、図らずもこのL
−カルノシンまたはその生理学的に許容される塩
が痔疾患、特に痔核の治療剤として卓効を有する
ことを見出した。 L−カルノシンすなわちβ−アラニル−L−ヒ
スチヂンは1900年グレウイツチ(Gulewitsch)
によつてリービツヒの肉エキス中より発見され
た、L−ヒスチヂンとβ−アラニンよりなるヂペ
プチドである。融点250℃(分解)、〔α〕20 D=+
20.0゜(H2O)で、無味、無臭の、水に溶け易い白
色結晶性粉末である。つぎの化学構造式 で表わされ、その水溶液のPHは8.0〜8.5である。
発見以来、その生理学的存在意義、薬理作用等が
多くの研究者によつて研究されたが、何れの臓器
に対しても著明な薬理効果は発見できず、今日ま
で生理学的存在意義も未知な物質である。諸種の
動物の、主として肝、筋に多量に存在する物質
で、日常食肉類より食品として摂取され、またL
−ヒスチヂンとβ−アラニンとから生合成され
る。摂取されたL−カルノシンは血中に入り、カ
ルノシナーゼによりL−ヒスチヂンとβ−アラニ
ンに分解されて栄養源となり、一部はL−カルノ
シンに再合成される〔L−カルノシン生合成の中
間物質としてβ−アラニル−1−メチル−ヒスチ
ヂン(Anserine)がある〕。 上記のごとくL−カルノシンは食品類似の物質
であり、吸収後は血中カルノシナーゼにより分解
され、栄養素アミノ酸となることは、多くの医薬
品が肝臓で代射され、肝機能の負坦になるのとは
全く異なる。L−カルノシンの合成法は公知であ
り(Journal of Biological Chemistry.,108,
753、1935)、カルポベンズオキシβ−アラニンを
五塩化リンでクロライドとし、メタノールでメチ
ルエステルに導き、ヒドロアザイドを経てアジド
となし、L−ヒスチヂンメチルエステルとカツプ
リングし、最後に接触還元によつてカルポベンズ
オキシ基をはずすことによつてL−カルノシンを
得ることができる。本発明はL−カルノシンの塩
からなる治療剤をも包含するが、L−カルノシン
の塩としてはカルボン酸基にもとづく塩と、アミ
ノ基にもとづく、薬理学上許容される酸との酸付
加塩があり、またカルボン酸基とアミノ基の双方
にもとずく塩がある。カルボン酸基にもとずく塩
にはナトリウム、カリウム、カルシウムおよびア
ルミニウムのような金属との塩、アンモニウム塩
および置換アンモニウム塩たとえばトリエチルア
ミンのようなトリアルキルアミンその他のアミン
との塩があり、アミノ基にもとずく塩には塩酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸
塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸
塩、マレイン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トル
エンスルホン酸塩などがあるが、これらはそれ自
体公知の方法により、遊離のL−カルノシンを化
学量論的に計算された量の、選択された酸または
塩基と反応させることによつて製造することがで
きる。 1900年に発見されて以来このように大量に遊離
の状態に存在するL−カルノシンについて、その
生理学的存在意義、薬理作用が追求され、微弱な
血圧降下作用、心機能の抑制作用、或いは筋に多
量に存在することにより筋機能と関連づける研究
も行なわれたが、何れも著明な薬理作用ではな
く、臓器に対する著明な刺激作用は証明されてい
ない。 つぎにL−カルノシンの急性毒性について述べ
る。 急性毒性 マウスを1群10匹として種々の用量のL−カル
ノシンを腹腔内ならびに経口的に投与し、投与後
5時間の急性中毒症状を観察した。LD50は72時
間後の死亡数よりフアンデアワルデン(Van der
Waerden)法により算出した。L−カルノシン
は投与液量が0.1〜0.3ml/1.0gになるよう生理食
塩液に溶解した。 L−カルノシンの中毒症状としては15000mg/
Kg腹腔内投与(LD100)後約30分頃より自発運動
の低下を招き腹位をとり呼吸数は減少して不整と
なるが、正向反射あるいは逃避反射の消失はみら
れず、時々挙尾反応を示したり間代性痙攣の発現
をみるものが半数にみられた。さらに症状が進む
と横転を繰り返し、接触刺激に対して反射亢進し
痙攣の誘発がみられるようになり、強直性痙攣に
移行し死に至つた。1時間30分後に半数、2時間
後に80%、5時間後には全例が死亡した。15000
mg/Kgの経口投与後には殆んど影響を示さなかつ
たが、12時間後に10例中1例の死亡を認めた。
【表】 dd系雄マウスに対する急性毒性(72時間値)
は表に示す通りであり、L−カルノシンは極めて
毒性の低い化合物であるといえる。 本発明の治療剤は疾患に対するL−カルノシン
の適用が都合よく行われるのであればどんな剤形
のものであつてもよく、例えば軟膏、粉末、注射
液、トローチ、坐剤、注腸剤などの種々の剤形を
あげることができるが、これらを症状に応じてそ
れぞれ単独で、また組合せて使用する。 軟膏剤を製造するには、製剤界に公知の技術に
したがい、所望濃度の軟膏となる量のL−カルノ
シンの微粉末を軟膏基剤例えば密ロウ、ゴマ油、
落花生油、オリーブ油、豚脂、牛脂などの動植物
油脂、脱水ラノリン、黄色および白色ワセリン、
グリセリン、ロウ、樹脂、高級アルコール、グリ
コール類、ハイドロカーボンゲル軟膏基剤、界面
活性剤、防腐剤またはこれらの混合物と混和し、
均質となるまで十分にかきまぜて練り合わせる。 粉末剤をつくるには、合成したL−カルノシン
を200メツシユ程度の微粉末としてガラス容器に
入れ、約120℃の温度で数時間乾熱滅菌する。 坐剤も軟膏剤とほゞ同じ様につくられ、例えば
溶解した坐剤基剤中に防腐剤とL−カルノシンと
を加えて均一に混合し、鋳型に流し込み、固化さ
せて取り出す。 L−カルノシンは水に易溶であるため、無菌的
操作のもとに容易にL−カルノシンの3%、5%
または10%水溶液をつくることができる。これを
不活性ガス気流下にアンプルに封入したものを普
通の注射器によつて注射する。また予め無菌的操
作によりアンプルあるいはバイアル瓶に凍結乾燥
して封入したL−カルノシン粉末を注射直前に無
菌蒸留水で溶解し、3%、5%または10%の水溶
液として直ちに注射に使用してもよい。 つぎに本発明の治療剤の製剤例をあげる。 製剤例1 (坐剤) 合成したL−カルノシンを用いホスコE−75
(丸石製薬〓)を基剤として下記処法(坐剤1
ケ分) L−カルノシン 0.2g パラオキシ安息香酸エチル 0.00085g ホスコE−75 適 量 で坐剤を製造した。 L−カルノシンとパラオキシ安息香酸エチルを
200メツシユで篩過し、50℃で溶解させたホスコ
E−75に少量づつ加え均一となるように調製し
た。鋳型への注加は38℃で行ない、室温で放冷固
化後冷蔵庫で冷却した。これを鋳型から除き、パ
ラフイン紙で包装した。 製剤例2 (軟膏剤) 合成したL−カルノシンを用い、ハイドロカー
ボンゲル軟膏基剤を基剤として下記処法 L−カルノシン 10g ハイドロカーボンゲル軟膏基剤 90g 100g で10%軟膏剤を製造した。 製剤例3 (粉末剤) 合成したL−カルノシンを電動擂鉢を使用して
微粉末とし、局方200メツシユの篩でふるつた。
この微粉末をガラス容器に入れ、121℃で3時間
乾熱滅菌して粉末剤とした。 製剤例4 (注射剤) 無菌的操作のもとにL−カルノシンおよびL−
カルノシン・塩酸塩の粉末の当量混合物を3%、
5%または10%(いずれもL−カルノシンとし
て)の水溶液としてアンプルに充填した。 つぎに本発明の治療剤を使用した臨床例を示
す。
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 L−カルノシンまたはその塩を有効成分とし
    て含有する痔疾患の治療剤。
JP56201346A 1981-12-14 1981-12-14 痔疾患の治療剤 Granted JPS58103321A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56201346A JPS58103321A (ja) 1981-12-14 1981-12-14 痔疾患の治療剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56201346A JPS58103321A (ja) 1981-12-14 1981-12-14 痔疾患の治療剤

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Publication Number Publication Date
JPS58103321A JPS58103321A (ja) 1983-06-20
JPS649964B2 true JPS649964B2 (ja) 1989-02-21

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ID=16439504

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JP56201346A Granted JPS58103321A (ja) 1981-12-14 1981-12-14 痔疾患の治療剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6028921A (ja) * 1983-07-27 1985-02-14 Kaneshiro Nagai 炎症治癒促進剤
JPH0235057A (ja) * 1988-04-26 1990-02-05 Kinuko Nagai 機能性食品
JP2009078980A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Takahashi Gakuen 疼痛緩和剤および疼痛緩和補助食品

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JPS58103321A (ja) 1983-06-20

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