JPS64971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、沈澱池等に堆積した土砂を池外へ搬
出するための吸砂機に関するものである。

〔従来技術〕

従来、沈澱池等に堆積した土砂を搬出する装置
としては多種多様なものがあるが、その一つに、
ワイヤロープ、チエーン、単一吊下げアームなど
で水中ポンプを吊下げ、該ポンプによつて水と共
に土砂を吸上げ搬出する装置が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記従来のワイヤロープ、チエ
ーン、単一吊下げアームなどで吊下げた水中ポン
プは、吊下げ深さの調節が難しく、堆積土砂の吸
上げ時に水中ポンプが傾いたり、堆積土砂の吸い
上げが完了しても水中ポンプが運転中であつたり
して、土砂の吸上げに変動があり、運転に支障を
来していた。

本考案は、かかる水中ポンプによる土砂の吸上
機を改良し、水中ポンプの姿勢を常に正しく保持
しつつ昇降を容易にし、的確なる土砂の吸上げ作
用を行わしめようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、架台から吊下げアームにて吊下げた
水中ポンプにより沈澱池等に堆積した土砂を吸上
げる吸砂機において、前記吊下げアームを上下に
２分割し、上部アームの上端を前記架台にピンに
て枢着すると共に上部アームを昇降装置に連動さ
せ、下部アームの上端を前記上部アームの下端に
ピンにて枢着すると共に下部アームに前記水中ポ
ンプを取付け、前記上部アームの昇降に対して前
記下部アームが常に一定方向に保持されることを
特徴とする吸砂機である。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図〜第３図を参照しな
がら説明すれば、架台１には水中ポンプの吊下げ
アームを上下に２分割した上部アーム２の上端が
ピン３によつて枢着され、下部アーム４の上端は
上部アーム２の下端にピン５にて枢着されると共
に水中ポンプ６が取付けられている。上部アーム
２には、架台１上に設置されたウインチなどの昇
降装置７に一端が固定されたワイヤロープ８の他
端がシーブ車９を経て固定され、昇降装置７の運
転によりワイヤロープ８により上部アーム２がピ
ン３を支点に回動昇降するようになつている。

この昇降装置７としては、前記ワイヤロープ８
によるもののほか、油圧又はエアシリンダなどで
直接作動させるものその他の公知の装置を用いて
もよく、また水中ポンプ６の吐出口は、フレキシ
ブルホース１０を介して架台１上の排出管１１に
連結されている。

図中、１２は動力操作盤を示す。

しかしてその作用は、沈澱池等（図示せず）の
土砂の堆積高さに応じて昇降装置７により、ワイ
ヤロープ８を介して上部アーム２を昇降させれ
ば、水中ポンプ６は下部アーム４と共に昇降する
が、上部アーム２を下部アーム４とはピン５にて
枢着されているから、水中ポンプ６は常に下向き
状態に保たれながら昇降し、円滑な土砂の吸上げ
作用が行われる。

また、水中ポンプ６の姿勢をさらに確保させる
ためには、上部アーム２と下部アーム４の各上端
のピン３，５と同心の位置に互いに等径の上スプ
ロケツト１３と下スプロケツト１４をそれぞれ設
け、上スプロケツト１３を架台１に相対的に固定
し、下スプロケツト１４を下部アーム４に相対的
に固定し、これら上，下スプロケツト１３，１４
にンエンドレスチエーン１５を張設すればよい。
すなわち、上部アーム２の昇降時には、エンドレ
スチエーン１５の張力により下スプロケツト１４
が上部アーム２に相対的に回転し、下部アーム４
は常に平行移動して水中ポンプ６が堆積土砂の傾
斜面に到達してもその姿勢が傾くようなことがな
い。

さらに、水中ポンプ６の吊下げアームにかかる
負荷重量は、水中ポンプ６が土砂面に到達したか
否かによつて変化するから、昇降装置７に上部ア
ーム２にかかる負荷重量を検知する機能を具備さ
せるとよく、例えばシーブ車９にストレインゲー
ジ（図示せず）を設け、これと昇降装置７の運転
を連動させれば一層便利である。すなわち、第４
図に示すように、上部アーム２を下降させて水中
ポンプ６が堆積した土砂に到達したことを上部ア
ーム２にかかる負荷重量の変化で検知し、設定負
荷重量以下となつた場合に下降を停止して水中ポ
ンプ６を運転して吸砂を行う。しかして設定負荷
重量以上になつた場合には、上部アーム２をさら
に下降させて最終到達位置まで繰返し、最終到達
位置で一定時間運転後水中ポンプ６を停止させて
上部アーム２を上限位置まで吊下げる。そして、
架台を移動させながら、このような作動を繰返す
ことにより、池内の吸砂運動を効率よく行うこと
ができる。

このような作用を作動シーケンス図で示せば第
４図の通りである。

なお、架台１は、フロート１６を備えて水面上
に浮上したフロート式構造とするのもよく、その
場合、架台１の四隅にウインチ１７を旋回可能に
設置して、沈澱池等の周囲に適宜固定したワイヤ
ロープを巻取り、巻戻すことによつて架台１を移
動させたり、水中ポンプ６の吐出圧力水を多方向
切換弁などの操作によつて水面下の適宜方向に噴
出させることによつて架台１を移動させることが
できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案は水中ポンプの方向
を常に正しく保持しつつ昇降を容易にしたもので
あるから、堆積土砂の吸上げ搬出は無駄なくきわ
めて円滑に行われ、沈澱池等の機能を最大限に発
揮させることができるという有用なる効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切断正面図、第２図は平面図、第３図は上部の側
面図で、第４図は作動シーケンス図である。 １…架台、２…上部アーム、３，５…ピン、４
…下部アーム、６…水中ポンプ、７…昇降装置、
８…ワイヤロープ、９…シーブ車、１０…フレキ
シブルホース、１１…排出管、１２…動力操作
盤、１３…上スプロケツト、１４…下スプロケツ
ト、１５…エンドレスチエーン、６…フロート、
１７…ウインチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 架台から吊下げアームにて吊下げた水中ポン
   プにより沈澱池等に堆積した土砂を吸上げる吸
   砂機において、前記吊下げアームを上下に２分
   割し、上部アームの上端を前記架台にピンにて
   枢着すると共に上部アームを昇降装置に連動さ
   せ、下部アームの上端を前記上部アームの下端
   にピンにて枢着すると共に下部アームに前記水
   中ポンプを取付け、前記上部アームの昇降に対
   して前記下部アームが常に一定方向に保持され
   ることを特徴とする吸砂機。 (2) 前記上部アーム及び下部アームの各上端の前
   記ピンと同心の位置に互いに等径の上スプロケ
   ツトと下スプロケツトをそれぞれ設け、前記上
   スプロケツトを前記架台に相対的に固定し、前
   記下スプロケツトを前記下部アームに相対的に
   固定し、これら上、下スプロケツトにエンドレ
   スチエーンを張設したものである実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の吸砂機。 (3) 前記昇降装置が前記上部アームにかかる負荷
   重量変化を検知する機能を具備したものである
   実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載
   の吸砂機。 (4) 前記架台がフロート式架台である実用新案登
   録請求の範囲第１項〜第３項のいずれか一つの
   項記載の吸砂機。