JPS647344B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電波の位相を測定するための位相測
定回路に関するものである。従来、電波の位相乃
至位相差を測定する方法として、例えばバランス
トミキサの如き位相検波器を用い位相差に対応し
たアナログ電圧値を得て、これで位相差を測定す
る方法があるが、この方法では位相検波器やその
周辺回路の位相のゆらぎから高々数十度の測定精
度した得られない。さらにまたヒユーレツトパツ
カード社製ベクトルボルトメータHP−8405の如
く測定精度を高めるためミキサー用パルス発振器
のクロツクパルス毎に基準波並びに被測定波をサ
ンプルホールドする方法もある。すなわちサンプ
ルホールドすることにより基準波並びに被測定波
を底い周波数波に変換して位相検波器にかけるこ
とにより、もとの周波数波の位相差に対応する時
間差を拡大し、この時間差に対応して定電流回路
の出力ゲートを開閉し、積分回路を通して出力メ
ータを振らしている。この場合の測定精度は数度
となる。しかし、更に高い測定精度を得ることは
上記のアナログ的な方法では電源変動に起因する
定電流回路や積分回路の不安定性等から困難であ
つた。

本発明の目的は比較的簡単な回路で高い測定精
度を得る位相測定回路を提供することにある。

以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
第１図は本発明に関連した回路例である。例えば
端子１３には基準波sin（ωst＋φ1）が、端子１４
には被測定波sin（ωst＋φ2）が接続され、局発波
SINωLtの発振源（以下局発源と略称する）７か
らの出力と周波数混合器１および２にてそれぞれ
混合されて後、底域波器３および４を通り、
各々の差周波数波sin｛（ωs−ωL）ｔ＋φ1｝、sin
｛（ωs−ωL）ｔ＋φ2｝となる。ここで基準波と被
測定波の位相差（φ1−φ2）に対応する時間差は
φ1−φ2／ωsからφ1−φ2／ωs−ωLへとωs／ωs−
ωL倍に拡大さ れている。（第３図ａ，ｂを参照されたい。） ５は波形変換回路で第２図のごとくリミツタア
ンプ１５、シユミツト回路１６、立上り検出回路
１７より例えば第３図ｃの如き立上り検出パルス
を作る。同様にもう一つの波形変換回路６は第３
図ｆの如き立上り検出パルスを作る。この２つの
立上がり検出パルスはセツト・リセツト・フリツ
プフロツプ（FF）８のＳ端子およびＲ端子にそ
れぞれ供給されて第３図ｇに示す如く位相差
（φ1−φ2）に対応する時間差｜φ1−φ2／ωs−ωL｜
をパル ス巾とするパルス列つくる。パルス発生器９は第
３図ｈのごとく所望の測定精度τ（sec）より充分
狭いパルス間隔Δt（sec）を有するパルス列を発
生し、第３図ｇの時間差パルス列とアンド回路１
０で論理積をとられて第３図ｉに示すバースト状
のパルス列群を得る。パルス計数回路１１は第３
図ｃに示すパルスでリセツトを受け第３図ｉに示
すパルス列を各群毎に計数する。この計数結果は
出力部１２にて数表示又はグラフイツク表示もし
くはアナログ出力される。

かくして位相差φ1−φ2に対応する出力が得ら
れる。位相差を表示する単位として、時間
（sec）、ラジアル、度、等のどれを用いるかによ
つて表示出力部の表示部分のスケールおよび単位
や回路構成定数は変化する。次に被測定周波数が
可変の場合の本発明に関連した回路例を第４図に
示す。周波数混合器１および２の出力周波数が一
定周波数となるようフエイズロツクループ
（PLL）型局部発振器を使用することにより複雑
な較正回路なしに容易にラジアン、度単位の位相
差を算出できる。すなわち第４図において基準周
波数の発振源２１、位相比較回路１９の出力に比
例して被測定周波数との差周波数を発生する電圧
制御発振器２０と、周波数混合器１または２とか
ら成るPLL回路により周波数混合器１または２
の出力周波数を常に一定にすることが可能で、こ
の場合には被測定周波数が変化しても第３図ｇに
示す位相差に対応するパルス時間巾φ1−φ2／ω0は φ1−φ2が一定ならば一定となるので、位相差を
ラジアン乃至度単位で出力することが可能であ
る。

次に本発明の第１の実施例を第５図に示す。第
５図では第１図の局発源７の代りに被測定波ωs
に比例する周波数ωL＝ｎ／ｍωsの局発波をつくる 周波数変換回路２３を用いている。この場合には
時間拡大率ｍ／ｍ−ｎが常に一定となり、被測定波 と基準波の位相差を時間の単位で出力する場合に
は出力部１２の回路は簡単になる。

第６図は、本発明の第２の実施例であり、位相
差をラジアン乃至度単位で出力する場合に用いら
れ、これにより出力部１２の回路は簡単になる。
すなわち第６図に示す回路においては第５図の９
の代りに被測定周波数に応じた電圧を出力するデ
イスクリミネータ１８と電圧制御型のパルス発振
器２２を用いることにより１／Δt＝αωsなるパルス 間隔のパルス列を得ることができ、位相差に対応
する時間差φ1−φ2／ωs−ωL＝（φ1−φ2）１／ωs
ｍ／ｍ−ｎ （但し第５図の場合と同様にωL＝ｎ／ｍωsが成立つ ている。）をこのパルス列で計数すれば計数結果
は（φ1−φ2）ｍ／ｍ−ｎαとなり、ラジアン乃至度 単位での位相差出力が簡単に得られることとな
る。また、第６図では第４図と同様に被測定周波
数が可変の場合に用いることができる。

なお、以上の説明では周波数混合器１および２
は例えばバランストミキサのごときものとして説
明したが、sinωLtの局発源７の代りにパルス間
隔１／ωLのパルス発振器を用い、周波数混合器１お よび２の代りにサンプルホールド回路を用いても
低域波器３および４の出力には第３図ａおよび
ｄに示すビートダウン出力が得られる。またその
パルス発生器として入力周波数ωsから周波数変
換して得られたものを使用すれば出力部１２にお
いて時間単位の換算回路は簡単になる。

このようにして得られた高精度の位相測定回路
は単に室内における計測だけではなく、例えば移
動物体（車輛、船舶、航空機等）の位置検知シス
テムにおいても大変有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第４図は本発明に関連した回路
例、第５図および第６図は本発明の位相測定回路
の実施例である。第２図は第１図、第４図乃至第
６図の波形変換回路５の詳細図である。第３図は
第１図の回路例のタイムチヤート図である。なお
図において、１，２……周波数混合器、３，４…
…低域波器、５，６……波形変換回路、７……
局発源、８……セツトリセツトフリツプフロツプ
回路、９……パルス発生器、１０……アンド回
路、１１……パルスカウンタ、１２……出力部、
１３，１４……入力端子、１５……リミツタアン
プ、１６……シユミツト回路、１７……立上り検
出回路、１８……デイスクリミネータ、１９……
位相比較回路、２０……電圧制御発振器、２１…
…発振源、２２……電圧制御パルス発振器、２３
……周波数変換回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同一周波数の基準波と被測定波の位相差を測
   定する位相測定回路において、前記基準波に応答
   し前記周波数のn/m倍（ｎ、ｍは整数）の周波数
   を出力とする局部発振器と、前記局部発振器の出
   力波と前記基準波との差周波数及び前記局部発振
   器の出力波と被測定波の差周波数波を得るための
   ２つの周波数混合器と、前記２つの差周波数波の
   位相差に相当するパルス巾をもつパルスを作る回
   路と、パルス発振器と、前記回路の出力パルスで
   前記パルス発振器の出力パルスの通過あるいは阻
   止を制御する制御回路と、前記制御回路の出力パ
   ルス数を計測するデジタル計数回路を含むことを
   特徴とする位相測定回路。 ２ 同一周波数の基準波と被測定波の位相差を測
   定する位相測定回路において、前記基本波に応答
   し前記周波数のn/m倍（ｎ、ｍは整数）の周波数
   を出力とする局部発振器と、前記局部発振器の出
   力波と前記基準波との差周波数波及びその局部発
   振器の出力波と被測定波の差周波数波を得るため
   の２つの周波数混合器と、前記２つの差周波数波
   の位相差に相当するパルス巾をもつパルスを作る
   回路と、前記被測定波の周波数に比例した出力を
   出すデイスクリミネータと、前記デイスクリミネ
   ータの出力によりパルス間隔が変化可能な電圧制
   御パルス発振器と、前記回路の出力パルスで前記
   パルス発振器の出力パルスの通過あるいは阻止を
   制御する制御回路と、前記制御回路の出力パルス
   数を計測するデジタル計数回路を含むことを特徴
   とする位相測定回路。