JPS646641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、作業機連結装置に関するものであ
る。

従来、トラクタの機体に作業機を連結する方法
としては、左右一対のロワーリンク及びトツプリ
ンクによる三点ヒツチ装置を用いるのが一般的で
ある。しかして、ロワーリンクは機体に連結され
る作業機の種類が異なる場合でも同一のものが使
用されるが、トツプリンクは作業機の種類によつ
て標準形の長いものと特殊形の短いものとが使い
分けられている。そして、機体の後部には標準形
のトツプリンクを連結する標準トツプリンク取付
台と特殊形のトツプリンクを連結する特殊トツプ
リンク取付台とが近接して設けられており、特殊
トツプリンク取付台は後方に大きく延出されてい
る。このため、標準形のトツプリンクを標準トツ
プリンク取付台に連結する際にはトツプリンクが
特殊トツプリンク取付台に干渉する虞れがあり、
したがつて、標準トツプリンク取付台を使用する
際には特殊トツプリンク取付台を取り外す必要が
あり、特殊トツプリンク取付台は着脱を容易にす
るためピン等によつて機体に連結されている。こ
のように、特殊トツプリンク取付台はピン等によ
つて機体に連結されているため、連結部分におけ
る遊びによつてがたつきを生じ易く、特殊トツプ
リンク取付台を使用する際にはこのがたつきが作
業機に伝わつて作業機に悪影響をを及ぼすという
欠点がある。そして、このがたつきを防止するた
めにくさびや押しボルト等が使用されているが、
部品点数の増加やがたつき防止機構の複雑化を招
いている。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、トラクタの機体にピンによつて着脱自在に連
結されるトツプリンク取付台のがたつきを簡単な
構造で確実に防止しうる作業機連結装置を得るこ
とを目的とするものである。

この考案は、トラクタの機体の後部に固定され
たトツプリンク取付台基部にトツプリンク取付台
を複数個のピンによつて後方に延出する状態で着
脱自在に連結し、少くとも一個のピンにカム形状
部を形成してそのピンを軸心回りに回動する向き
に付勢することにより、ピンのカム形状部をトツ
プリンク取付台のピン取付穴とトツプリンク取付
台基部のピン取付穴とのいずれか一方の内周面に
一方向に押圧する状態で圧接させるとともに、ピ
ンの他の部分をトツプリンク取付台のピン取付穴
とトツプリンク取付台基部のピン取付穴とのいず
れか他方の内周面にカム形状部による押圧方向と
反対方向に押圧する状態で圧接させてトツプリン
ク取付台を押圧方向に移動させることにより、互
いに平行なピンにピン取付穴の内周面を反対方向
から圧接し、しかも、同一のピンに対するトツプ
リンク取付台のピン取付穴とトツプリンク取付台
基部のピン取付穴との圧接方向を逆向きにするこ
とにより、ピンがピン取付穴に対して相対的に移
動することを防止してトツプリンク取付台のがた
つきを防止しうるように構成したものである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。トラクタの機体１の後部には左右一対のロワ
ーリンク２やトツプリンク３等により作業機４が
着脱自在に連結されている。前記ロワーリンク２
の先端部は前記機体１の後部に上下方向回動自在
に連結され、このロワーリンク２の前後方向略中
央部と前記機体１の油圧装置（図示せず）に連結
されて上下方向回動自在なリフトアーム５の後端
部との間にはリフトロツド６が連結されている。
なお、前記トツプリンク３は特殊形の短いもので
あり、このトツプリンク３は前記作業機４のトツ
プマスト７の先端部と後述するトツプリンク取付
台の後端部との間に連結されている。

前記機体１の後部にはトツプリンク取付台基部
８がボルト９により固定され、このトツプリンク
取付台基部８には上下に一対ずつ合計四個のピン
取付穴１０，１１，１２，１３が形成されてい
る。上方に位置するピン取付穴１０，１１は中心
線が一致するとともに内径が等しく定められ、下
方に位置するピン取付穴１２，１３は中心線は一
致しているが内径は一方のピン取付穴１３が大き
く定められている。そして、先端部に上下一対の
ピン取付穴１４，１５が形成されたトツプリンク
取付台１６が設けられており、このトツプリンク
取付台１６は前記ピン取付穴１１，１４，１０を
挿通するピン１７と前記ピン取付穴１３，１５，
１２を挿通するピン１８とによつて前記トツプリ
ンク取付台基部８に後方に延出する状態で着脱自
在に連結されている。

前記ピン取付穴１４は前記ピン取付穴１０，１
１とほぼ等しい内径に定められ、前記ピン１７は
全長にわたつて直径が等しい円柱状に形成されて
いる。前記ピン取付穴１５の内径は前記ピン取付
穴１２の内径よりも大きく、かつ、前記ピン取付
穴１３の内径よりも小さく定められ、前記ピン１
８の直径は前記ピン取付穴１２，１５，１３に嵌
合する部分に応じて三段階に分けられている。そ
して、前記ピン取付穴１２に嵌合する細径部１９
と前記ピン取付穴１３に嵌合する太径部２０との
軸心が一致しており、前記ピン取付穴１５に嵌合
する部分は前記細径部１９及び前記太径部２０の
軸心に対して偏心した軸心を有するカム形状部２
１とされている。

前記太径部２０の外側端には後方に延出するレ
バー２２が固定されており、このレバー２２の後
端部と前記トツプリンク取付台基部８に固定され
て側方に突出した突起部２３との間にはスプリン
グ２４が張設されている。

なお、前記ピン１７，１８の先端部には抜止ピ
ン２５が抜差自在に設けられており、また、前記
機体１の後部には前記トツプリンク取付台基部８
の上方に位置して標準形の長いトツプリンク（図
示せず）を連結するための標準トツプリンク取付
台２６が固定されている。

このような構成において、ピン取付穴１１，１
４，１０にピン１７を差し込み、ピン取付穴１
３，１５，１２にピン１８を差し込んでトツプリ
ンク取付台基部８へのトツプリンク取付台１６の
連結を行なう。ピン１７，１８を差し込んだだけ
の状態では、ピン１７とピン取付穴１１，１４，
１０及びピン１８とピン取付穴１３，１５，１２
との間に隙間があるためトツプリンク取付台１６
はがたつきを生ずる。そこで、レバー２２と突起
部２３との間にスプリング２４を張設すると、ピ
ン１８は細径部１９と太径部２０とをそれぞれピ
ン取付穴１２，１３の上方側の内周面に接合させ
つつスプリング２４の引張方向に回動する。この
回動によつて、カム形状部２１はピン取付穴１５
の下方側の内周面に圧接され、トツプリンク取付
台１６は下方に押し付けられる。そして、細径部
１９と太径部２０とがピン取付穴１２，１３の上
方側の内周面に圧接されるとともにカム形状部２
１がピン取付穴１５の下方側の内周面に圧接され
て、スプリング２４の引張力によるピン１８の回
動が停止される。また、トツプリンク取付台１６
はカム形状部２１によつて下方に押し付けられる
ためその押付け方向に移動してピン取付穴１４の
上方側の内周面がピン１７に圧接され、同時にピ
ン１７はピン取付穴１０，１１の下方側の内周面
に圧接される。これによつて、ピン１７，１８は
トツプリンク取付台基部８のピン取付穴１０，１
１，１２，１３に対して位置固定となり、また、
トツプリンク取付台１６はピン１７，１８に対し
て位置固定となり、トツプリンク取付台１６のが
たつきが防止される。このように、ピン１８にカ
ム形状部２１を形成し、そのピン１８をスプリン
グ２４によつて軸心回りに回動する方向に付勢す
る簡単な構造でトツプリンク取付台１６のがたつ
きを防止しうる。なお、ピン１７，１８を抜き取
り、トツプリンク取付台１６を取り外す場合は、
スプリング２４の一端を突起部２３から外してピ
ン１８をスプリング２４による引張方向と逆方向
に回動させると、カム形状部２１とピン取付穴１
５の内周面との圧接状態が解除されてトツプリン
ク取付台１６がピン１７，１８に対してがたつき
を生ずる状態となり、ピン１７，１８とピン取付
穴１０，１１，１２，１３との圧接状態も解除さ
れてピン１７，１８の抜き取りを簡単に行なえ
る。

なお、本実施例においては、スプリング２４の
一端をトツプリンク取付台基部８に固定した突起
部２３に係止したが、ピン１７やトツプリンク取
付台１６等の位置が固定される部材に係止しても
よいものである。

この考案は、上述のように構成したので、トツ
プリンク取付台基部にトツプリンクを連結するピ
ンのトツプリンク取付台及びトツプリンク取付台
基部のピン取付穴に対する相対的な移動を防止し
てトツプリンク取付台のがたつきを確実に防止す
ることができ、しかも、トツプリンク取付台のが
たつき防止を少くとも一個のピンにカム形状部を
形成してそのピンを軸心回りに回動する方向に付
勢するという簡単な構造で行なうことができる等
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであり、
第１図は側面図、第２図はその一部を拡大して一
部を切欠した縦断側面図、第３図はその縦断背面
図、第４図はカム形状部を有するピンの斜視図で
ある。 １……機体、８……トツプリンク取付台基部、
１２〜１３……ピン取付穴、１５……ピン取付
穴、１６……トツプリンク取付台、１７……ピ
ン、１８……ピン、２１……カム形状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタの機体の後部にトツプリンク取付台基
   部を固定し、このトツプリンク取付台基部に後方
   に延出するトツプリンク取付台を複数個のピンに
   より着脱自在に連結し、前記ピンの少なくとも一
   個に前記トツプリンク取付台基部に形成されたピ
   ン取付穴に嵌合する部分と前記トツプリンク取付
   台に形成されたピン取付穴に嵌合する部分とが相
   対的に偏心するカム形状部を形成し、このカム形
   状部が形成された前記ピンを軸心回りに回動する
   向きに付勢したことを特徴とする作業機連結装
   置。