JPS646094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は裁縫箱、小物入れ、宝石箱などの所謂
収納箱に関するものである。

いま従来の収納箱について説明すると、このも
のは、第１図に示すように主箱１′をベースとし
てその開口部の上側に把手２′を備えた蓋部材
３′を開閉自在に蝶着すると共に、同上側にして
前記蓋部材３′の両側に蓋体４′および４′を開閉
自在に配設したものであつた。而してこの蓋部材
３′にはその自由端側に係止金具５′が付設されて
いて、この蓋部材３′を閉塞位置で固定するよう
になつているが、両側の蓋体４′，４′は単に蝶着
されているだけで何らの係止手段が備えられてい
なかつた。

従つてこの蓋体４′，４′が運搬時や梱包作業に
際して邪魔になり、かつその時に損傷を受けてし
まうという問題があり、また使用時においては妄
りに開いてしまうためにデザイン的に見て重厚さ
を欠き、さらに子供のいたずらの的となるなどの
短所をもつていた。

この考案は上記した従前の問題点に鑑みてなさ
れたもので、運搬や梱包作業に当つて支障がな
く、またデザイン感覚が新しくて安全に使用する
ことができる収納箱を提供することを目的とする
ものである。

以下本考案の一実施例を図面について具体的に
説明する。

第２図および第３図は本考案を適用した収納箱
の正面図および縦断側面図を示すものにして、符
号１は内部に上下二段の引出しＡおよびＢを嵌装
すると共に、上部に開口２を設けた主箱で、この
開口２内には長方形状の収納空間が形成される。
３は後端側を主箱１の後板１ａに蝶着４すると共
に、前端側の止着金具５を前板１ｂの受金具６に
係脱自由にして配設した蓋部材で、この蓋部材３
によつて前記開口２の中央部を開閉させる。７は
上記蓋部材３の上部に取付けた把手である。なお
前記蓋部材３内には、これを反転させた場合にお
いて上面へ開放する収納筐３ａを形成するもの
で、本物品を裁縫箱として使用する場合などにお
いては該収納箱３ａに針山８を備えさせる。

次に符号８ａおよび８ｂは前記開口２の残余の
部分を閉塞すべく、蓋部材３の両側に隣接して配
設した蓋体で、これらはその一端をそれぞれ主箱
１の側板１ｃ，１ｃに蝶着９，９させると共に自
由端側を前記蓋部材３の側縁部まで延在させてあ
る。なお符号１０，１０は蓋体８ａ，８ｂの上面
部に付設したつまみである。

そして本考案においては上記の各構成に加えて
蓋体８ａ，８ｂの自由な運動を拘束する係止手段
を備えさせるもので、この係止手段は蓋部材３の
側縁部に設けた下向き勾配状の当接面ａ，ａとこ
の当接面ａ，ａに対応する蓋体８ａ，８ｂの受面
ｂ，ｂによつて構成される。而して当接面ａ，ａ
の下向きの押付力を前記受面ｂ，ｂを介して蓋体
８ａ，８ｂに作用させて、その開きを阻止するよ
うにする。

本考案に係る収納箱の一実施例は上記のように
構成されているから、両側の蓋体８ａ，８ｂを開
口２に被せた後、これらの間に上から蓋部材３を
被せると、この蓋部材３の当接面ａ，ａが受面
ｂ，ｂに作用して、これを押え込むため、蓋体８
ａ，８ｂはその自由な動きを拘束されるものであ
る。従つてこの状態において蓋部材３を止着金具
５によつて主箱１に係止すれば、これらが盲動を
起すことがないもので、その取扱いを極めてスム
ーズに行うことができる。また一方、使用上にお
いては各部の動きをワンタツチで拘束しておくこ
とができるから機能的にも優れ、子供のいたずら
に対する配慮を得ることもできる。加えてこの場
合においては漸新なカツトラインを施してデザイ
ン的価値の高い収納箱を創作することもできる。

なお前記した収納箱の各部を開放して使用する
には、まず止着金具５を外して蓋部材３を外側に
反転させ、次いで蓋体８ａ，８ｂを外方へ開くよ
うにすれば、主箱１への物の出入れをスムーズに
行うことができる。

また本考案に適用する係止手段は上記一実施例
のものに限らず種々設計することができるもの
で、例えば第４図のように蓋部材３に取付けた把
手７１を利用して構成することもできる。すなわ
ち上記把手７１の下縁部を蓋部材３１の両側端よ
り伸び出させて当接片a′，a′を形成すると共に、
この当接片a′，a′に対応させて蓋体８ａ，８ｂの
上面部を受部b′，b′としたものである。勿論上記
の把手７１に代えて蓋部材３１の端縁部に当接片
を突設するようにしてよいことは言うまでもな
い。

さらに本考案は一実施例に挙げた収納箱の他に
存在する収納箱においてもほとんど変更なく適用
することができるものであつて、以下この事例を
第５図を参照して説明する。

すなわちこの例は主箱１の前板１ｂと後板１ａ
とに夫々開口２の幅の半分づつをカバーする蓋部
材３２および３２を蝶着４，４したもので、これ
らの突合せ端に把手７２，７２を設けると共に、
蓋部材３２，３２に止着金具５１と受金具６１を
施したものである。このタイプの収納箱において
は前述した一実施例の係止手段の他、変形例に示
した係止手段をそのまま適用することができる。

以上実施例の説明で明らかなように、本考案に
よれば簡単な構成によつて運搬、梱包時の各種ト
ラブルを解消することができると共に、実用性に
優れデザイン感覚の新しい収納箱を創作すること
ができるという従来にみない特色を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の収納箱の構成を示す正面図、第
２図および第３図は本考案に係る収納箱の一実施
例を示す正面図および縦断側面図、第４図は本考
案の他の実施例を示す収納箱の正面図、第５図は
本考案を適用した収納箱の他の例を示す縦断側面
図である。 １：主箱、Ａ，Ｂ：引出し、２：開口、３，３
１，３２：蓋部材、９，４：蝶番、５：止着金
具、６：受金具、７，７１，７２：把手、８：針
山、８ａ，８ｂ：蓋体、１０：つまみ、a′，a′：
当接面、ｂ：受面、b′：受部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 主箱の上部に把手を備えた蓋部材を開閉自在
   に蝶着し、該蓋部材をその自由端側に設けた止
   着金具によつて所定の開塞位置に保持させるよ
   うにすると共に、上記蓋部材に隣接して主箱の
   上部に蓋体を開閉自由に配設し、これら蓋部材
   と蓋体とが所定の閉塞位置にある場合におい
   て、前記蓋部材側に設けた係止手段を蓋体に係
   合させ、その自由な移動を阻止させるようにし
   たことを特徴とする収納箱。 (2) 係止手段を蓋部材側に設けた勾配状の当接面
   と、この当接面に対応する蓋体側の受面によつ
   て構成した実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の収納箱。 (3) 係止手段を蓋部材側に設けた当接片と、この
   当接片に対応する蓋体側の受部によつて構成し
   た実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の収納
   箱。