JPS646059B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は木材選別車に係り、特に自走可能な台
車に選別機を搭載せしめて任意の場所において原
木の選別作業を可能にしたものである。

従来、原木又は製品木などの木材を選別するに
は、樹木の種類、曲直の如何、元玉、二番玉、大
きさ等の種々の選別方法がある。これらの選別に
際して用いられる選別機として、50ｍ程度の延長
台に木材を動力搬送し、目視選別したものを延長
台の長手方向に移動させながら、該延長台の片側
に人力又は動力によつて落下させることとしたた
め、選別場として広くスペースを必要とし、か
つ、選別作業の能率も極めて低いものとなつてい
た。

そこで出願人としては移動可能な台車上にベル
トコンベアなどの搬送手段を搭載した移動式木材
選別機を提供した（実願昭58−15317号外）。しか
し、この移動式木材選別機は移動可能な台車上に
搭載されてはいるが、ベルトコンベアを縦列した
構成であるから、台車の幅が大きくなるととも
に、全長も大きくなるので移動に不便であるほ
か、少なくともその台車を駐車でき、しかも台車
の前後部及び両側部に選別した木材の置場を余裕
のスペースとして必要とするから依然としてかな
りの広さの選別場所を必要とする不都合がある。

そこで本発明は上述の事情に鑑みて、少なくと
も大型トラツク程度の車体上に木材選別装置も搭
載し、軽便に移動できる一方選別場所も比較的に
狭くて足る木材選別車を提供せんとするものであ
る。

本発明は上記目的の下に、走行自在な車体上に
ローラコンベアなどの選別装置を固定するととも
に、該搬送装置と接続して折畳可能な後部展開台
を設けるとともにその後部展開台上にも搬送装置
を固定し、これらの搬送装置も挟んで車体の両側
に傾斜台を設け、かつ、この傾斜台のいずれかに
木材を転落させる選別機を搬送装置の内方に設け
る一方、搬送装置に木材を移送する折畳自在な側
部展開台を設けてなるもので、木材選別作業時は
側部展開台を車体の側方に、また後部展開台を車
体の後方にそれぞれ展開して行なうとともに、走
行移動時には側部展開台と後部展開台とを車体上
方へ折畳んで収納することができるようにした。

以下に本発明の構成を図面に示す一実施例に基
ずいて説明する。

図面は本発明に係る木材選別車の一実施例を示
し、第１図はその側面図、第２図はその平面図、
第３図はその背面図、第４図は木材選別作業時の
背面図、第５図及び第６図は選別機の正面図、第
７図は木材選別作業時の正面図、第８図は第７図
の平面図、第９図は作用説明図である。

第１図において、車体１は大型トラツクなどの
車輛であつて、運転室２と車輪３とを有し自走可
能である。この車体１上には、その中心線に沿つ
て長手方向へ木材を移送する為の搬送装置４が設
けられている。搬送装置４は、溝形の枠５の両端
部にそれぞれ駆動プーリ６を回転自在に軸支し、
この駆動プーリ６，６間に３本の無端状ローラコ
ンベア７が掛回されて回動自在である。そして、
この搬送装置の両側には、車体１の幅方向へ傾斜
した矩形枠状の傾斜台８，８が設けられている
（第３図及び第４図参照）。この傾斜台８は搬送装
置４上を移動する木材が選別されて転落するため
のものである。そして、運転室２近くの車体１の
一側には折畳自在な側部展開台９が設けられてい
る。この側部展開台９は、一端を車体１にブラケ
ツト１０及び軸１１，１１ａ，２１，２１ａを介
し回動自在に固定したアーム１２と、このアーム
１２の他端に軸１３を介し回動自在に軸支したア
ーム１４の複数組を一定間隔で枠状に連設したも
ので、アーム１２，１４にはそれぞれチエーンベ
ルト１５，１６（第２図〜第４図参照）を設け、
搬送装置４へ木材を供給する。チエーンベルト１
５は油圧モータ１７でスプロケツト１８を回転し
軸１１を回しスプロケツト１９で駆動される。ま
たチエーンベルト１６は油圧モータ２０で回転す
る軸２１及びスプロケツト２２を介し駆動され
る。チエーンベルト１５，１６は爪付きがよい。
そして、アーム１２の基部にラム２３が連結さ
れ、そのラム２３はシリンダ２４に係合し、その
シリンダ２４は車体１に固定され、アーム１２は
シリンダ２４の駆動により折畳展開自在である。
更にアーム１４にはラム２５が固着され、ラム２
５はシリンダ２６に係合し、そのシリンダ２６は
アーム１２に固定され、アーム１４はアーム１２
から折畳展開自在である（第３図、第４図参照）。
一方、車体１の尾端略中央部には、後部展開台２
７が折畳展開自在に設けられている。この後部展
開台２７は、前記搬送装置４の端部で車体１に軸
２８を介し倒伏自在に直立する柱体２９と、この
柱体２９に軸３０を介し回動自在に軸支された枠
体３１と、該枠体３１上にその長手方向へ前記搬
送体４と同様溝成に係る搬送装置４ａと、該搬送
装置４ａの両側において前記傾斜台８と同様構成
の傾斜台８ａからなる。搬送装置４ａは３列ロー
ラコンベア３２をプーリ３３間に回動自在に設け
てなり、搬送装置４と同一平面で連続して木材を
搬送する。また、柱体２９にはその基部にラム３
４が軸着されラム３４はシリンダ３５に係合し、
シリンダ３５は車体１に固定され、ラム３４が伸
縮して柱体２９を折畳展開可能である。また枠体
３１の一端にはラム３６が軸着されラム３６はシ
リンダ３７に係合し、シリンダ３７は柱体２９に
固定され、ラム３６が伸縮すると枠体３１は柱体
２９に対し折畳展開可能である。なお、側部展開
台９、後部展開台２７には脚台９ａ，３８がそれ
ぞれ取付けられ、展開部９，２７を地上から一定
高さに保持する。前記搬送装置４，４ａの内方に
は第５図及び第６図に示すように、木材３９を左
右いずれかの側の傾斜台８，８ａに転落させるた
めの選別機４０，４０ａが設けられている。この
選別機４０，４０ａは枠５の内側でローラコンベ
ア７が走行できるように切欠部４１を有してロー
ラコンベア７と直交し、かつ、上下動自在に設け
られた板体４２とその板体４２を駆動するラム４
３及びラム４３と係合し枠５に固定されたシリン
ダ４４とからなる。板体４２の上端辺は左右いず
れかに傾斜していて、木材３９をローラコンベア
７から浮上させて傾斜台８，８ａに転落させるも
ので、好ましくは木材３９の両端近傍を浮上させ
ることができるように組として配設する。なお、
運転室２の背部にはコントロール盤４５が幌４６
とともに立設され、このコントロール盤４５で各
部の動作を制御する。

そこで、本発明の作用を上記実施例に即して説
明する。まず、木材選別地まで移動するには、第
１図から第３図に示すように、側部展開台９並び
に後部展開台２７を車体１上に折畳んで全車長及
び全車幅内で完全に収め、走行に支障のない状態
とする。そして木材選別地に着くと、コントロー
ル盤４５を操作し、まず初めに側部展開台９のア
ーム１２を展開をさせるべくシリンダ２４を駆動
してラム２３を引き、アーム１２を一側の傾斜台
８上へ載置固定する。ついでアーム１４を展開さ
せるべくシリンダ２６を駆動してラム２５を引
き、アーム１４の脚９ａを接地させる。かくして
第３図及び第４図に示すように、側部展開台９は
車体１の側部に張出して搬送台を形成する。一
方、後部展開台２７を展開すべくシリンダ３５を
駆動してラム３４を引き、柱体２９を車体１の後
方へ引き倒す。そして更に枠体３１が柱体２９と
一直線状となるようにシリンダ３７を駆動してラ
ム３６を押出す。かくして、後部展開台２７は第
７図及び第８図に示すように、車体１の後方に張
出して地上に載置固定され、搬送装置４，４ａは
同一平面上に、かつ、一直線状に整列する。この
ようにして木材選別作業の準備が整うと、次に油
圧モータ１７，２０を駆動してチエーンベルト１
５，１６を搬送装置４に向けて回動させるととも
に、ローラーチエーン７を回動すべく駆動プーリ
６を回転させる。また、後部展開台２７のローラ
ーコンベア３２を回動させるべくプーリ３３を回
転させる。そこで第９図に示すように、側部展開
台９上へ貯木場に積まれた多量の木材３９の一本
一本をクレーン等でチエーンベルト１６上に載せ
る。木材３９はチエーンベルト１６には車体１と
平行に移動し、チエーンベルト１５で搬送装置４
へと運ばれる。そこで、コントロール盤４５を操
作する選別監視者はチエーンベルト１５，１６を
移動する木材３９を監視してその種類によりその
木材３９の転落場所を定める。すなわち、第１の
選別場所は側部展開台９に対面した傾斜台８であ
る。そこで、その傾斜台８へその木材３９を転落
させんとするならば、木材３９がローラーコンベ
ア７上に載置された段階で、選別機４０を操作す
べく、第５図に示す如く、シリンダ４４を駆動し
てラム４３を突出させ板体４２を上方へ移動させ
る。板体４２は上端辺が右方へ傾斜しているの
で、その上端辺がローラコンベア７から突出して
木材３９をローラーコンベア７から浮上させ傾斜
台８側へ木材３９を転落させる。木材３９を傾斜
台８側へ転落させた後は再び板体４２をローラー
コンベア７の下方へ引込めておく（第５図中仮想
線図示参照）。第２、第３の選別場所は後部の車
輪３から車体の尾端に亘る範囲内に形成されてい
る傾斜台８であり、搬送装置４を中心として車体
１の両側である。この範囲内における搬送装置４
には第５図に示す選別機４０の一組と第６図に示
す選別機４０ａの一組とそれぞれ設けられてい
る。そこで、木材３９が車体１の尾部に移動する
と選別機４０を駆動すると木材３９は車体１の右
側へ転落し、また選別機４０ａを駆動すると木材
３９は車体１の左側へ転落する。第４、第５の選
別場所は後部展開台２７の搬送装置４ａの左右両
側にある傾斜台８ａ，８ａである。この搬送装置
４ａにも第５図及び第６図に示すごとき選別機４
０，４０ａが一組としてそれぞれ設けられてお
り、前記同様に駆動され、後部展開台２７に移動
した木材３９を後部展開台２７の左右いずれかに
選択して転落させる。第６の選別場所は後部展開
台２７の後方である。すなわち、後部展開台２７
まで搬送装置４，４ａを直進移動した木材３９を
そのまま、なお直進させて後部展開台２７の略中
央部後方へ放り出すものである。

かくて、第１〜第６の選別場所に木材３９を選
別し終えると、シリンダ３７を駆動してラム３６
を引き枠体３１を柱体２９に直交する如く回動さ
せるとともに、シリンダ３５を駆動してラム３４
を突出させ柱体２９を車体１と直交する如く回動
させることにより後部展開台２７を車体１上へ折
畳み収納する。ついで、シリンダ２６を駆動して
ラム２５を突出させてアーム１４をアーム１２側
へ回動して近接させるとともに、シリンダ２４を
駆動してラム２３を突出させアーム１２を車体１
に直交する如く軸１８を中心として回動させ、側
部展開台９を車体１上に折畳み収納する。

なお、側部展開台９上を移動する木材９が車体
と平行に移送されず斜めに進むと、ローラーコン
ベア７に木材３９が全体として載置されず搬送の
支障を来たすのでこれを修正する修正装置を設け
るのがよい。この修正装置は、例えば搬送装置４
の両側部に直交方向で上下動自在な円板を配設
し、側部展開台９からローラーコンベア７に落下
した木材３９の一端がローラーコンベア７上に載
置され他端が搬送装置４外にあるとき、その他端
を押し上げローラーコンベア７上に移動させるも
のとしてもよい。更に、例えば前記選別機４０，
４０ａと同様に上端辺がそれぞれ左右へ傾斜した
板体を、側部展開台９と接する搬送装置４の両側
に対向させて設け、搬送装置４からはみ出た木材
３９の端部を選択的に押し上げローラーコンベア
７上に載せることとしてもよい。そして、ローラ
ーコンベア７は中央の１列を他の２列よりも低位
に配設し木材３９の径の如何にかかわらず移送可
能としてもよい。

以上に説明した本発明によれば、大型トラツク
程度の自走可能な車輛に木材選別装置を折畳展開
自在に搭載し、しかも木材の選別は６種にも及ん
でなし得るので、コンパクトでありながら機能的
に秀れ、軽便に移動し得て、選別場所を広大に必
要とせず、木材選別作業を簡便、迅速、かつ、容
易に行うことができる。しかも、搬送装置は３列
のローラーコンベアにて構成し、かつ、中央の１
列を他の２列よりも地位にしたから小径、大径を
問わず移送ができる。その上、木材が搬送装置上
に平行に載置されず斜めに載置されてもこれを修
正してスムーズな木材の搬送ができるから選別作
業の能率が向上する等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る木材選別車の一実施例を示
し、第１図はその側面図、第２図はその平面図、
第３図はその背面図、第４図は木材選別作業時の
背面図、第５図及び第６図は選別機の正面図、第
７図は木材選別作業時の側面図、第８図は第７図
の平面図、第９図は作用説明図である。 １……車体、４，４ａ……搬送装置、７……ロ
ーラーコンベア、８，８ａ……傾斜台、９……側
部展開台、２７……後部展開台、４０，４０ａ…
…選別機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走行自在な車体上に、その長手方向へ木材を
   搬送する搬送装置を設け、該搬送装置の両側で車
   体の両側部下方に木材を転落させる傾斜台を設
   け、該傾斜台の一部に選別すべき木材を前記搬送
   装置へ移送する折畳自在な側部展開台を設けると
   ともに、前記搬送装置と連結して木材を車体の後
   方へ移送する搬送装置並びにその両側に傾斜台を
   備えた折畳自在な後部展開台を設け、かつ、前記
   搬送装置上を移動する木材を任意の傾斜台側へ転
   落させる選別機を搬送装置の内方に設けてなるこ
   とを特徴とする木材選別車。 ２ 選別機が搬送装置の下方から上方へ出没する
   板状体であつて、該板状体の上端辺が左右いずれ
   かに傾斜してなることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の木材選別車。 ３ 搬送装置がその両側部において上方へ出没す
   る板体にて木材の斜め移送を修正する修正装置を
   有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の木材選別車。 ４ 搬送装置が３列に整列された無端のローラコ
   ンベアからなることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の木材選別車。 ５ ３列のローラコンベアのうち中央の１列が両
   側の２列よりも下位に配設されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第４項記載の木材選別車。