JPS646056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばまんじゆうなどの食品を製
造する場合に、あんのような中心材を小麦粉を練
つたものなどの外皮材で包皮して切断する食品包
皮切断機に関するものである。

従来、前記のような食品包皮切断機として、中
心材を外皮材で筒状に包んで押出し、これを金属
製の回転カツターで次々にちぎり取つて行くもの
があつた。しかし、従来のものは、中心材と外皮
材の物性とくに粘性に制限があり、外皮材には中
心材をちぎつて丸め込んで行く強さが必要であ
り、例えばおはぎのようにもち米飯を中心材とし
てあんを外皮材としたものなど、中心材が粘り強
く、外皮材の粘りが不足する材料には外皮材が破
れるので使用できず、また包皮切断した食品の仕
上がりがあまりよくないという欠点があつた。

この考案は、上段および下段シヤツターとして
それぞれ上下一方の端部が固定され他方の端部が
正逆回転されて開閉する筒状布を備えたものを用
い、上段および下段のシヤツターの閉鎖で中心材
および外皮材をそれぞれ切断するようにしたこと
により、前述した欠点を解消できる食品包皮切断
機を提供することを目的としている。

以下、この考案の一実施例につき図面を参照し
て説明する。

第１図において、１は機体であり、機体１に中
心材押出機２と外皮材押出機３とが装着されてい
る。中心材押出機２は、機体１上に配設したホツ
パー４の下端に一体に設けた縦軸筒体５が機体１
に固定され、縦軸筒体５に縦軸の押出スクリユー
６が嵌挿され、これのスクリユー軸６ａの上端部
がホツパー４上に固定した軸受７に軸支され、ス
クリユー軸６ａに設けたギヤ８が電動機９の軸に
設けた歯車１０に噛合されている。前記外皮押出
機３は、機体１の一側部に固定した横軸筒体１１
の基部上にホツパー１２が連結され、横軸筒体１
１に横軸の押出スクリユー１３が嵌挿され、これ
のスクリユー軸１３ａの両端部が横軸筒体１１に
軸支され、スクリユー軸１３ａに設けた歯車１４
が電動機１５の軸に設けた歯車１６に噛合されて
いる。また、横軸筒体１１内の先端が機体１内に
形成した断面ほぼ三角形の環状腔部１７と連通さ
れ、この環状腔部１７の内周部が機体１の内周か
ら突出したガイド１ａによつて下向きにされた環
状押出口３ａと連通されている。外皮材押出機３
の環状押出口３ａは中心材押出機２の縦軸筒体５
下端の押出口２ａより下方外周側に開口され、押
出口２ａ下方で環状押出口３ａ上方には上段シヤ
ツター１８の筒状布１９が配設され、環状押出口
３ａの下方にこれと近接して下段シヤツター２０
の筒状布２１が配設されている。上段シヤツター
１８の筒状布１９と下段シヤツター２０の筒状布
２１とは、下段シヤツター２０の筒状布２１が少
し大径である以外は実質的に同構成であるから、
上段シヤツター１８の筒状布１９について説明す
る。この筒状布１９は、第２図、第３図にも示す
ように、ナイロン織布またはゴム引ナイロン布か
らなり、上、下端部が互に径の異なる上、下リン
グ２２，２３にそれぞれ連結され、大径側のリン
グ２２の180゜の正逆回転によつて小径側のリング
２３を固定しておくと、第２図に示すように多数
のひだが形成されてねじれた閉鎖状態と、第３図
に示す開放状態になるように構成されている。そ
して、上段シヤツター１８は、筒状布１９の大径
の上リング２２が機体１に回動自在に支持された
筒状歯車２４に着脱可能に固定され、下リング２
３が機体１の内周部に着脱可能に固定され、筒状
歯車２４が機体１に軸支された駆動歯車２５に噛
合され、駆動歯車２５が180゜の回転角で正逆転さ
れるロータリーソレノイド２６の軸に嵌合固定さ
れている。下段シヤツター２０は、筒状布２１の
小径の上リング２７が機体１の内周部に着脱可能
に固定され、大径の下リング２８が機体１に回動
自在に支持された筒状歯車２９に着脱可能に固定
され、この歯車２９が機体１に軸支された駆動歯
車３０に噛合され、駆動歯車３０が180゜の回転角
で正逆転されるロータリーソレノイド３１の軸に
嵌合固定されている。なお、図示省略したが電動
機９，１５およびロータリーソレノイド２６，３
１は適宜の固定側部材に固定されている。

次に、以上のように構成された食品包皮切断機
の動作について説明する。中心材押出機２，外皮
材押出機３のホツパー４，１２に中心材、外皮材
をそれぞれ入れて、電動機９，１５を駆動し、押
出スクリユー６，１３を回転させることで、中心
材、外皮材を押出口２ａ、環状押出口３ａから押
出し、下段シヤツター２０の筒状布２１が閉鎖し
ている時、第４図に示すように、環状押出口３ａ
から押出された外皮材３２が筒状布２１上の中心
に引寄せられて連続したほぼ皿状になつている。
上段シヤツター１８のロータリーソレノイド２６
を正転駆動し、駆動歯車２５，筒状歯車２４を介
して上リング２２を180゜正回転させて閉じていた
筒状布１９を開くと、その下方に中心材３３が押
出される。押出された中心材３３が筒状布２１上
の外皮材３２に接した時に、上段シヤツター１８
のロータリーソレノイド２６を逆転駆動して上リ
ング２２を180゜逆回転させることで、筒状布１９
をねじつて閉じると、中心材３３が絞られて切断
される。続いて、下段シヤツター２０のロータリ
ーソレノイド３１を正転駆動し、駆動歯車３０，
筒状歯車２９を介して下リング２８を180゜正回転
させて閉じていた筒状布２１を開くと、環状押出
口３ａから外皮材３２が押出されて切離された中
心材３３を包み、これと共に外皮材３２がこれら
の自重によつて下段シヤツター２０の筒状布２１
下方に下降する。所定位置まで下降した時に、ロ
ータリーソレノイド３１を逆転駆動して下リング
２８を180゜逆回転させることで、筒状布２１をね
じつて閉じると、外皮材３２が絞られて切断さ
れ、これに包まれた中心材３３と共に自重により
落下する。以後、前述した動作を繰返して、中心
材３３を外皮材３２で包んで切断したものが自重
によつて落下する。落下したものは、下段シヤツ
ター２０の筒状布２１下方に設置した図示しない
コンベヤーなどに受けて搬出し、整形処理した
後、必要に応じて熱処理を施す。

そして、上段シヤツター１８、下段シヤツター
２０の筒状布１９，２１が開いて中心材３３、中
心材３３を包んだ外皮材３２が下降する際には、
筒状布１９，２１は第１図に示すように下方に垂
れ下がり、筒状布１９，２１は閉じるとほぼ水平
になるので、これらの動作時の撓みによつて、剛
体からなる金属製のカツターで中心材、外皮材を
切断するものと異なり、中心材３３、外皮材３２
がきれいに絞られて切断される。このため、外皮
材３２は粘性が比較的小さいものでも、破られる
ことがなく、例えばおはぎのようなものでも、包
皮切断することができ、包皮切断したものの仕上
がりがソフトにできる。

なお、この実施例において、中心材、外皮材は
上段シヤツター、下段シヤツターの筒状布が開い
ている時にのみ押出されるようにし、中心材押出
機、外皮材押出機の電動機および上段シヤツタ
ー、下段シヤツターのロータリーソレノイドの駆
動は適当なタイミングで間欠的に行うものとし、
これらの操作はコンピユータによる自動制御やタ
イマーなどで行うことができる。

以上説明したように、この考案の食品包皮切断
機は、中心材押出機の押出口下方に上下一方の端
部が固定され他方の端部が正逆回転されて開閉す
る筒状布を配設した上段シヤツターを有し、この
上段シヤツターの筒状布下方の外周側に外皮材押
出機の環状押出口を開口させ、この押出口下方に
上下一方の端部が固定され他方の端部が正逆回転
されて開閉する筒状布を配設した下段シヤツター
を備え、上段および下段シヤツターの筒状布の閉
鎖で中心材および外皮材をそれぞれ切断するよう
にしたので、筒状布が軟かいために、外皮材とし
て粘性が比較的小さいものを用いても、外皮材が
破れることなく中心材を包被でき、したがつて、
使用できる外皮材、中心材の範囲を拡大すること
ができ、また仕上がりがよく外皮材で中心材を包
んで切断しすることができるため、その後の整形
が容易または不要となり、不良品の発生も少なく
なるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による食品包皮切
断機を示す縦断面図、第２図および第３図は筒状
布の開放状態および閉鎖状態をそれぞれ示す斜視
図、第４図は要部の動作説明図である。 １……機体、２……中心材押出機、２ａ……押
出口、３……外皮材押出機、３ａ……環状押出
口、１８，２０……上段、下段シヤツター、１
９，２１……筒状布、２６，３１……ロータリー
ソレノイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心材押出機の押出口下方に上下一方の端部が
   固定され他方の端部が正逆回転されて開閉する筒
   状布を配設した上段シヤツターを有し、この上段
   シヤツターの筒状布下方外周側に外皮材押出機の
   環状押出口を開口させ、この押出口下方に上下一
   方の端部が固定され他方の端部が正逆回転されて
   開閉する筒状布を配設した下段シヤツターを備
   え、上段および下段シヤツターの筒状布の閉鎖で
   中心材および外皮材をそれぞれ切断するようにし
   たことを特徴とする食品包皮切断機。