JPS645807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、開閉接触部を覆うアークしやへい板
を着脱可能に備えた電磁接触器に関する。

小形電磁接触器は独立した消弧室をもたないも
のが多い。このような電磁接触器は、開閉接触部
の開閉時に発生するアークによる相間短絡を防止
し、開閉接触部に塵埃が入らないように絶縁隔壁
の間に開閉接触部を覆うようにしやへい板が設け
られる。

従来のこの種の電磁接触器の一例を第１図およ
び第２図に示す。第１図および第２図において、
１は電磁接触器のベースで、可動接触子３を備え
可動鉄心５をピン６で支えたクロスバー２、電磁
コイル８を巻いた固定鉄心７、ベース１に画成さ
れた隔壁１ａの間に設けられた開閉接触部を覆う
しやへい板９などが取付けられている。１０は外
部引出し端子である。電磁コイル８に通電すれば
可動鉄心５が固定鉄心７に吸収され、これに伴つ
てクロスバー２が下方に移動して可動接触子３が
固定接触子４に接触して電路を閉じる。また電磁
コイル８の通電を断てば、クロスバー２および可
動鉄心５が図示しない復帰ばねにより元の位置に
復帰され、可動接触子３と固定接触子４とが開離
して電路を開く。

しやへい板９は、第２図に示すようにほぼ逆Ｌ
字状に形成され、その幅Ｗは客一対の接触子３，
４間を区画するためにベース１に形成された隔壁
１ａの間隔に合わされている。そして水平部の先
端は三つ股に割られて両側の脚に係合溝部９a′が
形成され、一方、各隔壁１ａの両側には天井面と
の間にしやへい板９の厚さを残してその間の所定
位置にしやへい板９を案内する案内部１ｂが形成
されるとともにしやへい板９が所定位置に達した
ときにしやへい板９の係合溝部９a′に係合する突
起部１ｃが形成されている。そしてしやへい板９
はその係合溝部９a′が突起部１ｃに係合したとき
しやへい板９の垂直部下端は固定接触子４を押圧
するようにして保持される。

このような構成では、しやへい板の着脱は簡単
であるが、三つ股に割られた外側の脚はしやへい
板と平行方向の弾性を利用して突起部１ｃに係合
されるので、脚の幅を広くすれば弾性変形の利用
が困難となり、狭くすれば永久変形を起こし易
い。またしやへい板の保持は、逆Ｌ字状の水平部
を天井面と案内部との間に挿入し、垂直部で固定
接触子を押圧して、ほぼ90度に折り曲げられたし
やへい板の角度を広げようとするときの弾性力を
利用しているので、角度のばらつきによる影響を
受け易く、また垂直部はアークにさらされて弾性
を失い、押圧力が失われてがたや脱落の原因とな
る。このほかにも種々のしやへい板を備えた電磁
接触器が公知であるが、一般に固定接触子などに
固定されたものは着脱困難であり、着脱容易なも
のは脱落するおそれがあり、または構造複雑であ
るなどの欠点がある。

本考案は、上述の欠点を除去して、着脱容易で
振動や衝撃に対し容易に脱落せず、しかも構造簡
単なアークしやへい板を備えた電磁接触器を提供
することを目的とする。

この目的は、絶縁隔壁の間で開閉される開閉接
触部を覆うようにして設けられたしやへい板を備
えた電磁接触器において、前記しやへい板が水平
部を円弧状とし該円弧の先端部に係合突起を有し
ほぼ逆Ｌ字状に形成された弾性板からなり、前記
絶縁隔壁の間には開閉接触部の上部に互いに対向
する突起と、該突起から開閉接触部との間に位置
し該突起から前記水平部の円弧の高さより狭い間
隙を残して連結壁が設けられるとともに該連結壁
の突起側に前記しやへい板の水平部を誘導するス
ライド面と斜面および前記係合突起が係合する段
部を有し、前記連結壁と前記突起との間に前記し
やへい板の水平部を挿入して係合突起を前記段部
に係合させることによりしやへい板を固着し、前
記連結壁によりしやへい板の円弧状水平部を開閉
接触部から発生するアーク熱よりしや蔽するよう
に構成することによつて達成される。

次に本考案を実施例による図面に基づいて詳細
に説明する。第３図および第４図において、電磁
接触器のベース１には従来のものと同じように、
可動接触子３と可動鉄心５が取付けられたクロス
バー２、電磁コイル８を巻いた固定鉄心７、ベー
ス１に画成された隔壁の間に設けられ開閉接触部
を覆うしやへい板９などが取付けられている。１
０は固定接触子の外部接続端子、１１は電磁コイ
ル８の外部接続端子である。この電磁接触器の動
作は従来のものと同様であるから省略する。

しやへい板９は、第５図に示すようにしやへい
板９を挿入する第６図に示す両隔壁１ａの間隔
W₁より僅か狭い幅W₂の弾性板を逆Ｌ字状に折り
曲げて、水平部は外側に膨らみをもたせた円弧状
で、水平部９ａの先端に係合突起９ｃを有する。
また垂直部９ｂには先端に切り起こしを有する舌
片９ｄとガス抜き孔９ｅとが設けられている。こ
のしやへい板９で覆う開閉接触部の両側の隔壁１
ａの幅W₁の間には第６図および第７図に示すよ
うに互いに対向する突起１２が設けられこの突起
１２の下にしやへい板９の円弧の自由高さより狭
い間隙Ｇをあけて連結壁１３が設けられ、連結壁
１３には突起１２側にしやへい板９の水平部９ａ
を誘導するスライド面１３ａと斜面１３ｂおよび
しやへい板９が所定位置に達したとき、しやへい
板９の係合突起９ｃが落込み係合するためのスラ
イド面１３ａとほぼ直角の段部１３ｃが設けられ
ている。さらに突起１２と連結壁１３とのしやへ
い板９の挿入口は突起１２側の幅を狭くして段差
Ｓを設け、しやへい板９が挿入され易くされてい
る。また連結壁１３は挿入されるしやへい板９の
水平部９ａと開閉接触部とを隔離し、しやへい板
９が開閉接触部から発生するアーク熱にさらされ
て、円弧の弾性を失はないように構成されてい
る。

しやへい板９は、水平部９ａが突起１２と連結
壁１３との間に挿入されると、円弧状の水平部９
ａは押し延ばされるようにされて、係合突起９ｃ
はスライド面１３ａを滑り、さらに斜面１３ｂを
乗り超えて、所定位置に達したとき段部１３ｃに
落ち込む。こうしてしやへい板９は、円弧部分が
突起１２と連結壁１３とに押え付けられるための
弾力と、係合突起９ｃの段部１３ｃとの係合によ
り、水平部９ａだけで確実に保持される。したが
つてしやへい板９の垂直部９ｂの下端は固定接触
子４を押圧するように接触してもよく、また固定
接触子４との間隔をあけて、開閉接触部が電流し
や断時発生するガスを放出させることもできる。
またこのガスはガス放出孔９ｅからも放出され
る。しやへい板９を取外すには舌片９ｄをペンチ
などで挟んでＰ矢印方向に引抜けば、舌片９ｄの
先端が切り起こされているから、ベンチなどは滑
ることなくしやへい板を引き抜くことができる。
なお、この実施例ではしやへい板の水平部は外側
に膨らんだ弧を有しているが、しやへい板の水平
部は内側に膨らんだ弧としてもよく、効果は変り
はない。

以上述べたように本考案は、開閉接触部を覆う
アークしやへい板が水平部分を円弧状とし先端に
係合突起を有するほぼ逆Ｌ字状の弾性板で形成さ
れ、この円弧部分が開閉接触部の隔壁間に設けら
れた突起と連結壁との間に挿入され、円弧の弾性
と係合突起とによつて保持される。したがつて、
構造簡単、着脱容易である。しかも、しやへい板
の円弧状水平部が絶縁隔壁の間に設けられた連結
壁によつて開閉接触部の開閉により発生するアー
ク熱からしや蔽されていることにより、前記しや
へい板の円弧状水平部がアークにさらされて弾性
を失うことがなく、しやへい板は確実に保持さ
れ、がたを生じたり脱落するおそれがないという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁接触器の断面図、第２図は
第１図の要部部分断面斜視図、第３図は本考案に
よる電磁接触器の正面図、第４図は第３図のＸ−
Ｘ線に沿う断面図、第５図は第３図および第４図
に示すしやへい板の斜視図、第６図は第３図の主
要部正面図、第７図は第６図のＹ−Ｙ線に沿う断
面図である。 １ａ……開閉接触部の隔壁、３……可動接触
子、４……固定接触子、９……しやへい板、９ａ
……しやへい板の水平部、９ｂ……しやへい板の
垂直部、９ｃ……係合突起、９ｄ……舌片、９ｅ
……ガス抜き孔、１２……隔壁の突起、１３……
連結壁、１３ａ……連結壁のスライド面、１３ｂ
……連結壁の斜面、１３ｃ……連結壁の段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁隔壁の間で開閉される開閉接触部を覆うよ
   うにして設けられたしやへい板を備えた電磁接触
   器において、前記しやへい板は水平部が円弧状で
   該円弧の先端部に係合突起を有しほぼ逆Ｌ字状に
   形成された弾性板からなり、前記絶縁隔壁の間に
   は開閉接触部の上部に互いに対向する突起と、該
   突起と開閉接触部との間に位置し該突起から前記
   水平部の円弧の高さより狭い間隙を残して連結壁
   が設けられるとともに該連結壁の突起側に前記し
   やへい板の水平部を誘導するスライド面と斜面お
   よび前記係合突起が係合する段部を有し、前記連
   結壁と突起との間に前記しやへい板の水平部を挿
   入して係合突起を前記段部に係合させることによ
   りしやへい板を固着し、前記連結壁によりしやへ
   い板の円弧状水平部を開閉接触部から発生するア
   ーク熱よりしや蔽するようにしたことを特徴とす
   る電磁接触器。