JPS645742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は貯蔵室の上面開口を閉塞する防風カバー
を備えた貯蔵庫に関し、その目的とする処は防風
カバーの透視効果を損なうことなく防風カバーへ
の結露をなくすことにある。

以下第１図及び第２図により従来の実施例を説
明する。

１は上面を開口する内箱２と、外箱３と、この
内外両箱を接続する化粧枠４と、前記内外両箱及
び化粧枠にて囲まれる空間に充填された発泡性の
断熱材５とにより本体を構成してなる平型オープ
ンシヨーケース等の貯蔵庫で、上面開口６なる貯
蔵室７を前記内箱にて画成し、この内箱の外周面
に蛇行状に配設された冷却管８にて貯蔵室７を冷
却する。９は本体下部に形成された機械室で、前
記冷却管とともに冷凍サイクルを構成する圧縮機
１０、凝縮器１１、蒸発皿１２を設置している。
前記上面開口の周縁部となる化粧枠４にはその周
方向に延び一部に排水孔１３を有する溝１４が形
成されている。１５は前記溝からの露水を蒸発皿
１２に導く排水管である。

１６は前記化粧枠の溝に着脱自在に載置され貯
蔵室７の上面開口６を閉塞する透視可能な防風カ
バーで、スカート状の傾斜面を有する枠状の周壁
１７と、上面に形成した商品収納及び取出用の開
口部１８とよりなり、透明樹脂等により一体形成
されるものである。この防風カバーは化粧枠４に
載置されたとき、開口部１８周縁が上面開口６周
縁より貯蔵室中心方向に突出するよう予じめ設計
されている。

斯る構成によれば、貯蔵庫本体１を外気風速の
ある例えば店頭に設置したとしても、防風カバー
１６により商品収納及び取出機能を阻害すること
なしに貯蔵室７の冷気を外気から保護して冷却性
能の低下を防止することができるとともに、防風
カバー１６自身に付着する露を貯蔵室７に流れさ
すことなくその傾斜面に沿つて滴下させ、溝１４
に集水して外部に排出することができる効果があ
る。

然し乍ら、防風カバー１６の周壁１７への露の
付着現象は、単に防風カバー１６を介しての透視
効果を減少させるだけでなく、周壁１７自身が冷
気でもつて露点温度以下に放射冷却され、貯蔵室
７の熱損失を招く。従つて、貯蔵室７に温度上昇
が生じるとともに、開口部１８以外の周壁１７を
介し赤外線、紫外線等商品に対して有害な熱線が
貯蔵室７に侵入するため、商品の品質低下や変質
を招く欠点が生じた。

本案に斯る欠点に鑑みなされたもので、以下第
３，４図によりその実施例を説明する。尚、第３
４図において、防風カバーの符号以外の符号は第
１，２図と同じものとする。

２０は防風カバーで、裏面に可視光線透過率及
び熱線反射率の優れた熱線反射フイルム２１を貼
着した透明なガラス板又は樹脂板よりなる４枚の
周壁２２と、下広がり形をなし前記各周壁をスカ
ート状に傾斜させて相互に接続する樹脂製の４本
のコーナー部材２３とにより構成され、開口部２
４を形成する。２５は前記フイルムの上端縁を被
覆するため各周壁２２の上端縁に嵌着された保護
枠である。前記フイルムは第５図に示す如く周壁
２２に貼着される糊層２１ａと、ポリエステル等
のベース層２１ｂと、銀・酸化チタン等よりなる
蒸着層２１ｃと、保護層２１ｄとよりなる防湿性
で且つ選択透過反射機能を有し、可視光線を透
過、赤外線を反射させるものである。

斯る構成によれば、周壁２２の下方に形成され
る空気層は略静止状態であり、且つ、周壁２２の
裏面の略全面に貼着されたフイルム２１自身の伝
熱面の温度が低いため、貯蔵室７からフイルム２
１への伝導による伝熱は無視できる程小さくな
り、又フイルム２１は赤外線域における反射率が
大きいため、フイルム２１の表面が晒されている
貯蔵室７内の冷気に対しても放射冷却されない状
態となり、赤外線域における周壁２２の断熱効果
を大幅に向上できるとともに、可視光線域におけ
る貯蔵室７の透視効果の大幅な減少を防止するこ
とができる。又、周壁２２自身赤外線域において
放射率が大きく室外からの放射熱を吸収し、他方
フイルム２１自身放射率が小さいため、周壁２２
の温度は貯蔵庫本体１を包囲する空気（外気）温
度に近づき露点温度以上となり、周壁２２への結
露を防止することができる。さらに、フイルム２
１はコーナー部材２３へは貼着されずに、平面状
の４枚の周壁２２の裏面に貼着されるため、湾曲
してにるコーナー部材２３への貼着作業に比較し
て極めて容易にしわ等を発生させることなく貼着
作業を行うことができる。又、各周壁２２及びフ
イルム２１の上端縁は全幅にわたり夫々保護枠２
５にて被覆されているため、貯蔵庫への商品収納
時又は商品取出時等に、商品が防風カバー２０の
上端縁に当接したときには周壁２２及びフイルム
２１の上端縁は保護枠２５により保護され、フイ
ルム２１の上端縁の傷み及び周壁２２からの剥離
を回避することができ、さらに、フイルム２１の
特に糊層２１ａの経年変化に伴なうフイルム上端
縁の剥離も回避することができる。

従つて、防風カバー２０は開口部２４における
商品収納及び取出機能を阻害することなく外気風
速から貯蔵室７の冷気を保持する他に、周壁の裏
面に貼着されたフイルム２１により貯蔵室７の透
視効果を損うことはなく、又、周壁２２の室外か
らの放射熱の吸収、及びフイルム２１自身の放射
率の低いことにより周壁２２が温度上昇を図るこ
とができ、この結果、周壁２２の温度上昇を図
り、周壁２２への結露を防止して展示向果の向上
が図れ、又周壁２２を介しての貯蔵室７への熱線
侵入及び貯蔵室７からの熱損失を防止して貯蔵室
７の温度を引き下げることができ、又、フイルム
２１の周壁２２裏面への貼着作業を容易に行うこ
とができ、さらに保護枠２５によりフイルム２１
及び周壁２２の上端縁を被覆することによるフイ
ルム２１の傷み及び剥離の防止を図ることができ
る等種々の附加機能を備えたものとなる。

以上述べた如く本案は、上面開口な貯蔵室を画
成する内箱と、外箱と、この内外両箱間に充填さ
れた断熱材とにより本体を構成し、周壁をスカー
ト状の傾斜面となし上面に商品収納及び取出用の
開口部を有する透視可能な防風カバーを貯蔵室の
上面開口を閉塞する如く上面開口周縁部に配設し
てなる貯蔵庫において、前記防風カバーは左右方
向に湾曲し、且つ下方へ広がる樹脂製の４本のコ
ーナー部材と、これらコーナー部材の間に夫々設
けられた４枚の平面状の周壁と、これら周壁の裏
面略全域に貼着され、可視光線透過率及び熱線反
射率の優れた熱線反射フイルムと、前記周壁の上
端縁の前記各コーナー部材間略全長にわたり嵌着
されて前記周壁及び熱線反射フイルムの上端縁を
被覆する保護枠とを備えたことを特徴とするもの
であるから、防風カバーにより商品収納及び取出
機能を阻害することなしに外気風速から貯蔵室の
冷気を保護することができ、又、防風カバーに貼
着した熱線反射フイルムにより透視効果を損なう
ことなく周壁への結露を防止して展示効果の向上
が図れるとともに、周壁を介する貯蔵室内への熱
侵入、及び貯蔵室内から外部への熱放射を大幅に
防止して貯蔵室の温度を引き下げることができる
等貯蔵庫本体の大幅な性能アツプが図れ、さら
に、熱線反射フイルムは平面板である各周壁裏面
に貼着されるため、貼着作業は極めて容易にな
り、又、保護枠による周壁及び熱線反射フイルム
の上端縁の被覆により、前記フイルム上端縁の傷
み及び周壁からの剥離を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の貯蔵庫の斜視図、第２図は第１
図Ａ−A′断面図、第３図は本案貯蔵庫の要部斜
視図、第４図は第３図Ｂ−B′断面図、第５図は
第４図円Ｃの拡大図である。 ２０……防風カバー、２１……熱線反射フイル
ム、２２……周壁、２３……コーナー部材、２５
……保護枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面開口な貯蔵室を画成する内箱と、外箱と、
   この内外両箱間に充填された断熱材とにより本体
   を構成し、周壁をスカート状の傾斜面となし、上
   面に商品収納及び取出用の開口部を有する、透視
   可能な環状の防風カバーを、貯蔵室の上面開口の
   上部に位置する如く、上面開口周縁部に配設して
   なる貯蔵庫において、前記防風カバーは左右方向
   に湾曲し、且つ下方へ広がる樹脂製の４本のコー
   ナー部材と、これらコーナー部材の間に夫々設け
   られた４枚の平面状の周壁と、これら周壁の裏面
   略全域に貼着され可視光線透過率及び熱線反射率
   の優れた熱線反射フイルムと、前記周壁の上端縁
   の前記各コーナー部材間略全長にわたり嵌着され
   て前記周壁及び熱線反射フイルムの上端縁を被覆
   する保護枠とを備えたことを特徴とする貯蔵庫。