JPS645739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、既存の倉庫あるいはバン型自動車
の荷台等の室内に簡単に形成することができる簡
易式の保冷装置に関するものである。

一般に、冷凍食品や生鮮食品等を保存する場合
には、外気との断熱が十分な冷蔵庫等内にこれら
保冷対象物を収容し、また、保冷対象物を輸送す
る場合においても断熱及び冷却機能を備えたコン
テナあるいはコンテナ車が必要とされている。し
かし、上記のような断熱及び冷却機能を備える冷
蔵庫あるいはコンテナ車を設置、製作するには多
くの設備や費用がかかり、特に必要なシーズンだ
け保冷対象物を取り扱う場合には、折角、設置あ
るいは購入した冷蔵庫、コンテナ車の機能を十分
発揮することができないという不都合があつた。

この考案は、上記事情に鑑みなされたもので、
所定の室、例えば倉庫内あるいはバン型自動車の
荷台内に簡単にしかも着脱自在に形成できる断熱
シート製の上部覆い体と、この上部覆い体の底部
に密着する断熱シート製床体及びこの床体の上面
に敷設される通気性を有する荷敷体とで構成する
ことにより、必要に応じて保冷対象物の保冷保存
あるいは保冷運搬を可能にし、しかも、不要時に
は室から取り外されて室内を別の用途に使用でき
るようにしたことを特徴とする簡易式の保冷装置
を提供しようとするものである。

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の簡易保冷装置の構成部材及
びその付属部材を示す分解斜視図で、図中、１は
上部覆い体であつて、所定の室の天井部に係止さ
れるループ状帯片で形成される係止部２を複数有
する天井面３と、この天井面３の四周から垂下す
る壁面４，４…とで構成され、この場合、壁面４
の任意の箇所にはフアスナ等の結合手段５によつ
て開閉自在な開閉扉６が形成されている。また、
この上部覆い体１を構成する天井面３及び壁面４
は、断熱性シートで形成されており、この場合、
この断熱性シートは、例えば第２図に示すよう
に、プラスチツクフイルム又はシート７にアルミ
ニウム層８を積層するとともに、接着剤９を介し
てこのアルミニウム層８に布層１０を接着し、か
つ、布層１０に接着剤９を介して軟質合成樹脂発
泡層１１を接着して成るものが使用される（実願
昭56−78289号参照）。

上記のように構成される上部覆い体１の下部開
口には、この上部覆い体１の天井面３及び壁面４
と同様な断熱シートで形成される床体１２が粘着
テープや係脱自在な面状係止テープ（図示せず）
を介して一体的に形成されるようになつており、
この断熱シート製床体１２の上面には上下及び長
手面方向に通気性を有するすのこ等の荷敷体１３
が敷設されるようになつている。この場合、荷敷
体１３は、第１図に示したプラスチツク製のすの
こ以外に例えば第３図ａないしｃに示すように、
互いに平行な複数の脚片１３ａ，１３ａ…の上面
に展設された天板１３ｂに多数の通気孔１３ｃ，
１３ｃ…を穿設したもの、複数の角柱状桟１３
ｄ，１３ｄ…同士を連結桟１３ｅ，１３ｅ…で連
結したもの、あるいは、底板１３ｆ上に複数のＴ
字状起立片１３ｇ，１３ｇ…を互いに平行に立設
したものなどが使用される。

なお、１４はすのこ等の通気性を有する床材で
あつて、この考案の保冷装置をバン型自動車の荷
箱に形成する場合に必要となり、エンジン等の機
械熱や排気熱等の滞留を防止する役目をなすもの
である。また、１５は蓄冷体であつて、例えばア
ルミ等の缶に蓄冷剤を充填封入した蓄冷体あるい
は袋に詰めた氷やドライアイス等が容器１６内に
収容されて、前記開閉扉６から保冷装置内の所定
位置に設置されるようになつている。

次に、第４図及び第５図を参照して、この考案
の保冷装置をバン型自動車の荷台に形成する場合
について説明する。

バン型自動車１７の荷台１８内にこの考案の保
冷装置を形成するには、まず、荷台１８の床部に
床材１４を敷設し、次に荷台１８の天井部に形成
されたフツク（図示せず）に係止部２を係止させ
て上部覆い体１を吊り下げた後、この上部覆い体
１の下部に粘着テープ等をもつて床体１２を密着
し、そして、床体１２の上面に荷敷体１３を敷設
すれば取付作業は完了する。

なお、開閉扉６は、取り付けられるバン型自動
車１７の開閉部１９の位置に合せた位置に予め形
成しておく。

上記のように構成されるこの簡易保冷装置は、
バン型自動車の荷台１８の天井部に吊り下げられ
る蚊帳状の断熱シート製上部覆い体１と、この上
部覆い体１の底部に密着される断熱シート製床体
１２と、この床体１２の上面に敷設される上下方
向に通気性を有する荷敷体１３とで構成されるの
で、荷台１８への取付が容易であり、しかも、取
外しが可能となるため、必要に応じてバン型自動
車を保冷用コンテナ車に改装することができる。
そして、保冷用コンテナ車として使用した場合に
は、床材１４がエンジンの機械熱や排気熱等の滞
留を防止し、断熱シート製の上部覆い体１と床体
１２とで保冷空間を確保することができるので、
内部に収容された被冷却用荷物すなわち保冷対象
物を蓄冷体１５及び荷敷体１３による冷気の自然
対流作用によつて保冷保存することができる。な
おこの場合、好ましくは蓄冷体１５を通気性の良
いプラスチツクケース等に内部の蓄冷剤が凍結し
た蓄冷体を収容したものを、運転席の後背位にあ
たる部位に段積みするか、あるいは保冷対象物の
上に載せることによつて、保冷効果の向上が図れ
る。

なお、上記実施例ではバン型自動車１７の荷台
１８内にこの考案の保冷装置を形成した場合を説
明したが、既存の倉庫内においても同様に形成す
ることができることは勿論であり、しかも、同様
の効果が得られるものである。

以上に説明したように、この考案の簡易保冷装
置によれば、所定の室の天井部に係止される係止
部を有する天井面と、この天井面の四周から垂下
される壁面とを有する断熱シート製上部覆い体
と、この上部覆い体の底部に密着される断熱シー
ト製床体と、この床体の上面に敷設される上下方
向に通気性を有する荷敷体とで構成され、前記上
部覆い体の壁面に形成された開閉扉を介して被冷
却用荷物及び蓄冷剤の出し入れを可能に形成して
成るので、既存の倉庫あるいはバン型自動車の荷
台等に必要に応じて簡単に取付あるいは取外せ、
取外した場合、折畳んで小さくして保管できしか
も、形成すべき室の形態に対応して保冷空間を形
成することができるので、その利用価値は顕著で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の簡易保冷装置の分解斜視
図、第２図はこの考案における断熱シートの拡大
断面図、第３図ａないしｃはそれぞれこの考案に
おける荷敷体の別の形態を示す斜視図、第４図は
この考案の簡易保冷装置をバン型自動車の荷台に
取り付ける場合の分解斜視図、第５図はその取付
状態の要部背面図である。 図において、１……上部覆い体、２……係止
部、３……天井面、４……壁面、５……結合手
段、６……開閉扉、１２……床体、１３……荷敷
体、１５……蓄冷体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の室の天井部に係止される係止部を有する
   天井面と、この天井面の四周から垂下される壁面
   とを有する断熱シート製上部覆い体と、この上部
   覆い体の底部に密着される断熱シート製床体と、
   この床体の上面に敷設される上下及び面方向に通
   気性を有する荷敷体とで構成され、前記上部覆い
   体の壁面に形成された開閉扉を介して被冷却用荷
   物及び蓄冷体の出し入れを可能にした簡易保冷装
   置。