JPS64512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、住宅や店舗等の建物に用いられる空
調装置に係り、特に、室外機と室内機との二つに
分離し冷媒ガス配管で連結するようにしたスプリ
ツト型あるいはリモートコンデンサー型の空調装
置における室外機の設置構造に関する。

例えばスプリツト型空調装置では、圧縮機、一
方の熱交換器および送風機を室外機ユニツトとし
て戸外に設置しており、また、リモートコンデン
サ型空調装置では、一方の熱交換器と送風機を室
外機ユニツトとして戸外に設置している。このよ
うな構造では室外機の設置スペースを必要とする
し、屋敷全体の外観も良くない欠点がある。

そこで最近では、建物の床下空間に対応した側
壁部に開口を形成し、その開口に室外機を嵌め込
むことが提案されている。それによれば、建物の
床下空間の戸外に比較して夏は低温で冬は高温で
ある空気が利用されることになるため、空調装置
の運転効率を、冷房使用のときもまたヒートポン
プ式の暖房使用のときも高くとることができると
いう利点もある。

しかし空調装置の運転時には室外機の振動が建
物の側壁部を介して室内に伝播しやすいという欠
点をもつ。また建物の床下空間の空気が、戸外に
比較して夏は低温であり冬は高温であることを利
用するものである以上、挿入された室外機の周囲
の隙間はなるべく狭いことが望ましい。一方、室
外機の挿入作業の容易性からみると、室外機の周
囲の隙間は広いことが望ましい。このように相反
する問題をもつ。

それ故に本考案は、きわめて簡単な構造によつ
て、室外機の振動の室内への伝播を防止できる室
外機設置構造の提供を目的とする。

本考案の他の目的は、室外機の挿入時にはその
周囲の隙間は広く、かつ設置完了時には室外機周
囲の隙間を狭くできる室外機設置構造の提供にあ
る。

本考案のさらに他の目的は、設置完了時には室
外機の周囲の隙間を実質的に塞ぎ、これにより室
外機の保持および振動吸収の両作用を果すように
した付加部品を有する室外機設置構造の提供にあ
る。

以下図面を参照しながら、実施例を用いて説明
する。

第１図は、住宅１に本考案を実施した場合の概
略構成を示している。住宅１の室内２に配置され
た室内機３と、住宅１の床下空間４に対応した側
壁部即ち基礎壁５に組みつけられた室外機６と
は、冷媒ガス配管７によつて互いに接続され、こ
の結果、空調装置を構成している。

室外機６は、第２図に示すように、前部６１が
基礎壁５に支持され、後部６２が床下空間４に対
応させられる。前部６１はフアンモータ及び圧縮
機を内部に収容した比較的重い部分であり、後部
６２は室外熱交換器６３を含む比較的軽い部分で
ある。室外機６の前面にはルーバー６４が備えら
れている。運転時には、前部６１に収容されてい
るフアンモータによつて、床下空間４の空気がこ
の室外機６の内部を通つてルーバー６４から吐出
され、その際、室外熱交換器６３では熱交換され
る。

室外機６を基礎壁５に組みつけるために、第３
図〜第５図を参照して、基礎壁５の上面に凹所５
１を形成し、かつこの基礎壁５の上面には根太材
８を載せ、かくして室外機６を挿入するための開
口９を形成する。開口９にはその口縁に沿つて実
質的に四角環状にのびた弾性素子１１を配置す
る。弾性素子１１は、例えばゴムチユーブ等のよ
うなフレキシブルな中空体１１１の一部に、住宅
１の戸外側に位置する空気入口１１２とバルブ１
１３とを設けたものであり、空気入口１１２から
空気を送り込むと膨らんで弾力性を示すものであ
る。ただし室外機６を挿入する前は、中空体１１
１の空気を抜き、したがつて中空体１１１を萎ん
だ状態にする。

この状態において、室外機６を持ち上げて基礎
壁５の外側から弾性素子１１の内側に挿入する。
室外機６が所定の深さまで挿入された状態で、空
気入れ装置１２によつて空気入口１１２から中空
体１１１に空気を圧送し、これを膨張させる。中
空体１１１の膨張は、室外機６と開口９の口縁と
の間隔を実質的に塞ぐまで、好ましくはそれ以上
になるまで、行なわれる。中空体１１１に圧送さ
れた空気の逆流はバルブ１１３によつて阻止され
るものとする。なお１３は室外機６の前部周囲に
設けたフランジである。

かくして弾性素子１１は、室外機６の振動吸
収、保持および周囲隙間の封止という各作用を一
挙に果す。

また弾性素子１１は室外機６の底面に対応する
部分にのみ備えられてもよく、その場合であつて
も室外機６の振動吸収効果は得られる。

なお上述では住宅につき説明したが、店舗の場
合にも同様に実施できる。また室外機６を組み込
むための開口９は、通風孔等の既設のものによつ
ても代用し得ることはいうまでもない。

以上説明したように、本考案によれば、開口に
挿入された室外機の運転時の振動を、その少なく
とも底面に対応して設けた膨張・収縮させ得る空
気封入式の簡単な構造の弾性素子によつて吸収す
ることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は住宅に本考案を実施した場合の概略構
成図、第２図は室外機の組みつけ状態を示す斜視
図、第３図は本考案の一実施例の断面図、第４図
は同実施例で使用された弾性素子の一部のみを示
した断面斜視図、第５図は同実施例における基礎
壁の要部斜視図である。 １……住宅、３……室内機、４……床下空間、
５……基礎壁、５１……凹所、６……室外機、８
……根太材、９……開口、１１……弾性素子、１
１１……中空体、１１２……空気入口、１１３…
…バルブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 建物用空調装置の室外機の設置構造におい
   て、建物の床下空間に対応した側壁部に形成さ
   れ、上記室外機を受け入れる開口と、該開口に
   挿入された上記室外機の少なくとも底面と該開
   口の口縁との間隔に介在した弾性素子とを有
   し、該弾性素子はフレキシブルな中空体の内部
   に空気入口から空気を送り込んで封入したもの
   であることを特徴とする空調装置における室外
   機の設置構造。 ２ 上記弾性素子は、上記開口の口縁と上記室外
   機との間隔に沿つて実質的に環状にのびたもの
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の空
   調装置における室外機の設置構造。