JPS644983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビルの外壁面や窓硝子の清掃用として
ビル屋上より昇降自在に吊垂支持せしめるゴンド
ラに関し、その目的はビル外壁面がくぼんだ部分
でもゴンドラの一部を突出せしめゴンドラ吊垂位
置を変えることなく所望の清掃作業が行えるよう
になしたものである。

従来ビル清掃用のゴンドラはビル屋上を走行す
る台車より作業者が搭乗したり、自動清掃装置を
搭載したるゴンドラをワイヤーロープを介してビ
ル外壁面にそつて昇降自在に吊垂している。しか
しビル外壁面が面一な形状であるならばゴンドラ
の昇降のみで所望の清掃が行えるが外観が複雑な
凹凸状となつた外壁では特に凹状部分の清掃が行
ない難いものとなる。これはゴンドラの吊垂位置
はビル屋上の台車位置及びワイヤーロープを支持
するアームのシーブ位置によつて予め定められ、
この設定されたゴンドラ吊垂位置よりくぼんだ箇
所ではゴンドラに搭乗した作業者の手が届かなく
なるためである。このため、この凹状部の清掃に
際して屋上で、補助ゴンドラを予め装着して行う
方法が採用されているがビル外壁面は常にその上
階より下階に亘つて垂直面となつているとは限ら
ず、ある階部分のみ凹状となつている場合、この
補助ゴンドラを装着する方法は不適となる。

本考案はこれに鑑みてゴンドラの一部で、ビル
外壁面に対向する側板を傾起自在とし、必要箇所
に応じてこの側板をビル外壁面側へ突出せしめ、
補助ゴンドラの如き作用を行わしめ、複雑な外壁
形状を有するビルでもゴンドラ吊垂位置の変更を
行うことなく簡易に清掃を行えるようになしたも
ので、以下本考案を図示の実施例に基づいて説明
する。

図に於て１はビルの屋上に軌条式又はタイヤ式
にて走行自在に設ける走行台車で、この走行台車
１には走行駆動装置が設けられると共にワイヤー
ロープを支持するアーム２を突設し、このアーム
２は固定式としてもよいが、俯仰あるいは横方向
への揺動を行うようになす。そして走行台車に設
けた昇降装置よりアーム先端に設けたシーブを介
してワイヤーロープＷを支持し、このワイヤーロ
ープＷの下端部に所望の形状と大きさを有するゴ
ンドラＧを係着し、昇降自在に吊垂せしめるもの
である。

このゴンドラＧは作業者が一人又は二人以上が
搭乗でき、窓硝子の清掃やタイルの目地仕上、修
理等の作業が行いやすいように底板３とこの外周
を囲む側板４とよりなる外形状とされると共に第
３図以下に詳示される如くビル外壁面と対向する
側板の一部がビル側に突出するようになつてい
る。これはゴンドラの側板４の一部を一人又は二
人の人が移乗できるような大きさに切り欠いて、
この切欠部４ａに傾起側板５を設ける。この傾起
側板５は切欠部４ａの対向する内側にフレーム
６，６を対設し該フレーム６の下端をゴンドラの
切欠部内側に設けた本体フレーム７側に軸P₁に
て枢着し、この両フレーム６，６間に架設される
ものである。またこの傾起側板５はフレーム６と
ともに軸P₁を中心として傾起する時、作業者が
移乗できる折畳式の補助ゴンドラGaとなるよう
フレーム６の先端には軸P₂を介して前縦フレー
ム８を枢着し、この前縦フレーム８の先端には上
フレーム９を軸P₃にて枢着し、さらにこの上フ
レーム９の先端を前記本体フレーム７に軸P₄を
介して枢着し、之等本体フレーム７、フレーム
６、前縦フレーム８、上フレーム９にて平行四辺
形のリンク形状とし、これを傾起側板の両側に形
成しまた対向する前縦フレーム上端間に上前フレ
ーム１６を架設する。また対向する前縦フレーム
と本体フレーム間には安全性のため索条１０を張
架する。

またこの折畳式補助ゴンドラGaを第４図の如
くゴンドラＧの本体側より突出せしめた時、傾起
側板上に作業者が乗つてもその荷重を支えられる
ようフレーム５の端部にストツパーアーム１１を
設ける。このストツパーアーム１１はフレーム６
とある角度にて固定して突設され、補助ゴンドラ
が第４図、第５図に示す如く突出した場合、本体
フレーム７に沿うようになし、このアーム先端と
本体フレーム間にロツクピン１２を挿通するよう
になし、これにて補助ゴンドラを固定すると共に
この補助ゴンドラがゴンドラ本体より突出した状
態で、ゴンドラＧのバランスを保つためにバラン
スウエイト１３が設けられる。これはフレーム５
の一部にロツド１４を枢着し、このロツド１４の
先端にゴンドラのフレーム側に軸P₅にて枢着さ
れたリンク１５を設け、このリンク１５の先端に
前記バランスウエイト１３を設けるものである。

而して上述の如く折畳式ゴンドラを具備したゴ
ンドラＧは通常の昇降を行う場合、この補助ゴン
ドラGaは折り畳み第３図、第５図の鎖線の如く
なしゴンドラ切欠部に傾起側板５は垂直状態とな
つている。この時安全のため上フレームと本体フ
レーム間にはロツクピン１７が貫通されており、
バランスウエイト１３はゴンドラＧの下部外側面
に沿つた位置となつている。そしてゴンドラがビ
ルの凹状部になつた時にこのロツクピン１７を抜
き、補助ゴンドラの一部例えば上前フレーム等を
ビル側に押すと、軸P₁，P₄を中心としてフレー
ム６、上フレーム９は垂直の折畳位置より第５
図、第６図に示す水平位置に傾動すると共に傾起
側板もゴンドラＧの側板位置より水平なる補助ゴ
ンドラの座板となり、且バランスウエイト１３は
このフレーム６の傾動にてロツド１４、リンク１
５にて第６図実線位置へ突出しゴンドラのバラン
スが保持される。そしてロツクピン１２をアーム
１１と本体フレーム７間に貫通すれば補助ゴンド
ラはゴンドラより突出した状態で保持され、これ
に人が乗つて所望の作業を行うものである。

本考案による時はビル外壁面にそつて昇降自在
に吊垂されるゴンドラに折畳式にした補助ゴンド
ラをビル外壁面側に向つて突出するようにして設
けているため第２図鎖線で示すようなビル外壁面
の凹状箇所に於ても同じゴンドラから清掃等の作
業が行え、しかも簡単な操作でゴンドラが吊垂さ
れた状態でも折畳が行えると共に構成が簡単であ
る等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体を示す外観図、第２図は平面より
見たる説明図、第３図はゴンドラの正面図、第４
図は同平面図、第５図は同側面図、第６図は断面
図である。 １……走行台車、２……アーム、３……底板、
４……側板、５……傾起側板、６……フレーム、
７……本体フレーム、８……前縦フレーム、９…
…上フレーム、１０……索条、１１……ストツパ
ーアーム、１２，１７……ロツクピン、１３……
バランスウエイト、１４……ロツド、１５……リ
ンク、１６……上前フレーム、Ｇ……ゴンドラ、
Ga……補助ゴンドラ、Ｗ……ワイヤーロープ、
P₁〜P₅……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行台車よりワイヤーロープを介してビル外壁
   面にそつて昇降自在に吊垂されるビル清掃用ゴン
   ドラに於て、該ゴンドラのビル外壁側の側板の一
   部を切り欠き、この側板切欠部に傾起側板をリン
   ク、フレーム機構を介して折畳式に設け、ビル側
   に補助ゴンドラを、反ビル側にバランスウエイト
   を突出するようにして一体に折畳自在にして設け
   て成るビル清掃用ゴンドラ。