JPS644929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ホイール式走行装置にドーザ装置を
付設するとともに、機体の走行方向を前進および
後進方向へ選択操作自在な操作具として、手動レ
バーと足踏操作用のペダルとの両方を設けてある
ドーザ作業車の前後進切換用操作構造に関する。

従来より、この種のドーザ作業車においては、
前後進を繰り返しながらドーザ作業を行うので、
その前後進の切換操作を手早く行う必要があつた
が、操向操作やドーザの昇降操作も同時的に行わ
なければならないために、それらの操作のうち、
前後進切換操作を、手動操作も可能で、足踏操作
も可能とするべく、手動レバーと足踏操作用のペ
ダルとにより行うようにしたものが知られてい
る。これによれば、操向操作やドーザの昇降操作
を手動操作しているときは、ペダルの方を操作し
て走行装置の前後進切換を行うようにして、手動
操作だけで前記３つの操作を同時的に行う煩雑さ
を極力解消するものである。

しかしながら、上記従来のものにおいては、ド
ーザ作業を行わないとき、例えば路上走行時とか
ドーザ以外の作業装置を操作するときに、前後進
切換操作用のペダルを誤つて踏む虞れがあり、急
に後進状態になる等、危険性が大であるという欠
点を有していた。

そこで、上記のようにペダルを誤つて踏んで
も、実際の操作がなされないようにするものとし
て、従来は、例えば、実開昭55−50176号公報に
開示されたもののように、操作レバーとペダルと
が連動連結した操作系中にクラツチを介装して、
そのクラツチの断続操作によりペダルを使用可能
な状態と使用不能な状態とに切換え得るものが、
機体の前後進切換操作を操作目的とするものでは
ないけれども知られていた。

しかしながら、上記従来構造のものは、クラツ
チを用いているために、単にペダルの操作を不能
にする構造としては高価なものになり、かつ複雑
な構造となる等の欠点を有していた。

本考案は、上記実情を鑑みてなされたものであ
つて、ドーザ作業時における操作性の向上をペダ
ルを設けて図つたものでありながら、ドーザ作業
を行わないときにそのペダルを誤つて操作してし
まうことの回避を図るとともに、その回避構造を
簡素で、安価なものとするドーザ作業車の前後進
切換用操作構造の提供を目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、ホイール式走行装置１
に、バツクホウ装置２、搭乗運転部３及び原動部
４を備えた旋回台５、並びに、ドーザ装置６を取
付けて、掘削作業及びドーザ作業を選択的に行う
ための作業車を構成してある。

前記搭乗運転部３において、第２図に示すよう
に、操向用回転ハンドル７の右側にアクセルペダ
ル８及び走行用ブレーキペダル９を左右に並設す
ると共に、ハンドル７の左側に、前後進切換用ペ
ダル１７を設け、かつ、運転座席１１の左側に、
前後進切換レバー１２、走行用変速レバー１３、
旋回台５駆動あるいは旋回台５に対するバツクホ
ウ装置２の左右揺動を選択するレバー１４、アク
セルレバー１５を設けると共に、運転座席１１の
右側に、ドーザ装置６の昇降用流体圧シリンダ６
ａを操作するレバー１０を設け、さらに、バツク
ホウ装置２に対する２本の二次元方向揺動自在な
操作レバー１６ａ，１６ｂを運転座席１１に対し
て左右に振分け配置してある。

前記前後進切換用のレバー１２及びペダル１７
を、第３図に示すように、ホイール式走行装置１
を駆動する流体圧モータの回路に備えられた前後
進切換用バルブＶに並列的にかつ機械的に接続し
て、路上走行時にはレバー１２を、かつ、ドーザ
作業時にはペダル１７を夫々選択操作できるよう
に構成してある。また、ペダル１７を、バルブＶ
の操作系である揺動レバー１８に対して同芯状に
かつ相対的に揺動自在な支持部材１９に、支軸２
０周りで車体左右方向に揺動自在に取付けて、揺
動レバー１８と係合して一体揺動する使用位置
と、揺動レバー１８とは連動解除されると共に受
台２１に前上り姿勢で載置固定されて足のせ台と
なる不使用位置に変位操作自在に構成し、もつ
て、レバー１２を使用するに際して、ペダル１７
が不測に操作されたり、あるいは、運転のじやま
になつたりしないように構成してある。

尚、本考案は、ドーザ作業専用車等の各種ホイ
ール式ドーザ作業車に適用できる。

前後進切換のための被操作部の具体的構成は、
例えばギアやクラツチ式等の機械式等の各種変更
が可能であり、また、前後進切換用レバー１２及
びペダル１７を被操作部に連係させる具体的構成
も、機械式、流体圧式、電気式等において各種の
変更が可能である。

以上要するに、本考案にかかるドーザ作業車の
前後進切換用操作構造は、冒記構成のものにおい
て、前記ペダルを、前記走行方向の選択操作が可
能な操作部材に係合して連動する使用位置と、前
記操作部材との連動が解除される不使用位置と
に、位置変更自在に構成するとともに、前記不使
用位置に前記連動が解除されたペダルを載置支持
してそのペダルを足のせ台に兼用するための受台
を設けてあることを特徴構成とする。

すなわち、ペダルの操作により機体の前後進切
換を行う必要があるときは、ペダルを前進および
後進への選択操作が可能な操作部に連動する使用
位置に位置変更し、路上走行時等、手動レバーの
操作で前後進切換が容易に行えるときは、ペダル
を、前記操作部材との連結が解除された状態で受
台上に載置する不使用位置に位置変更し得るか
ら、ドーザ作業時には、前記ペダルを使用して、
手動操作との組合せで操作性及び作業性の向上を
図ることができるとともに、路上走行時において
は、ペダルを誤つて踏んでも何ら操作されないの
で、急に後進状態になる等の危険性を小にして、
安全性を高め、かつ、不使用位置のペダルを足の
せ台として、不整地での足元の踏ん張りをよくす
ることもでき、さらに、ペダルでの操作を不能と
するためクラツチを操作系に介装する従来構造と
比べ、クラツチが不要となる分安価なものとな
り、かつ構造が簡素になる等の効果を奏するに至
つた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るドーザ作業車の前後進切換
用操作構造の実施例を示し、第１図はドーザ作業
車の側面図、第２図は運転部の平面図、第３図は
要部の説明図である。 １……ホイール式走行装置、６……ドーザ装
置、１２……手動レバー、１７……ペダル、１８
……操作系。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイール式走行装置１にドーザ装置６を付設す
   るとともに、機体の走行方向を前進および後進方
   向へ選択操作自在な操作具として、手動レバー１
   ２と足踏操作用のペダル１７との両方を設けてあ
   るドーザ作業車の前後進切換用操作構造であつ
   て、前記ペダル１７を、前記走行方向の選択操作
   が可能な操作部材１８に係合して連動する使用位
   置と、前記操作部材１８との連動が解除される不
   使用位置とに、位置変更自在に構成するととも
   に、前記不使用位置に前記連動が解除されたペダ
   ル１７を載置支持してそのペダル１７を足のせ台
   に兼用するための受台２１を設けてあることを特
   徴とするドーザ作業車の前後進切換用操作構造。