JPS644641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、紙製包装用台紙を用いた包装体の自
動包装に使用される装置に係り、代表的には、ガ
ラスタンブラーのような大量生産品を、数個一ま
とめにして包装ケースに挿入させる包装ケースへ
の製品積み込み挿入装置に関するものである。

（考案の背景） 以下の説明は、本考案が代表的に適用されるガ
ラスタンブラーの３個を一組として包装する場合
を例にとつて行なうものとするが、本考案がこれ
に限定される趣旨のものではない。

従来より、第１図に示すような比較的厚紙の台
紙１に、所定の切り込み、折り線を設けてこれを
包装容器として利用するようにした包装形式はよ
く知られている。第１図は本願装置に用いられる
包装容器の１例であり、台紙１において２，２，
２，２はそれぞれ折り線であり、これによつて台
紙１は、中央の底片３、その両側の側壁片４，
５、両端の蓋片６，７に区画される。また前記一
方の蓋片６にはＵ字形の舌片９，９，９の先端を
蓋片６の端部に向けた姿勢をなした状態で区画す
るように切込孔８，８，８が刻設され、他方の蓋
片７には、矢印図形状の差込舌片１０，１０，１
０がその先端を蓋片７端部に向けた姿勢で刻設さ
れている。これら差込舌片１０と切込孔８とは、
差込舌片を切込孔に差込みするという一対の組合
せ関係をなすものであり、この図示のものでは、
３個のガラスタンブラーを一まとめとして包装す
るものであるところから、前記組合せのものは３
対に設けられている。

なお、側壁片４および５には、図の上下に接す
る折り線２，２にそれぞれ連らなるように上・下
対をなす３対の山形切込み１１，１２が刻設され
ているが、これは、包装対象とするタンブラーの
外周の一部を同切込み１１，１２部分で係合させ
ることにより位置決めをなすためのものである。
また、２′は各タンブラー毎に台紙を切離せるよ
うにしたミシン目である。

このような台紙１を用いた３個のタンブラーを
一まとめとした包装は、従来は手作業によつて第
２図のＡ→Ｂ→Ｃの順序に行なわれている。

すなわち、まず台紙１の底片３両側の折り線を
折曲させて第２図のＡ状態を作り、これに３個の
タンブラー１３を並べて底片３上に載置し、側壁
片４，５の上方の上方の折り線２，２を折曲させ
て蓋片６更にその上に蓋片７を重ね合せて第２図
Ｂの状態とする。

次いでステイツク状の道具を用いて差込舌片１
０を切込孔８側に押込み、差込舌片１０の矢印え
ら部を切込孔８の裏面側において該孔８の外縁に
掛止めさせ、第２図Ｃに示したようなロツクされ
た包装体に仕上げるのである。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、かかる一連の作業は全て手作業により
行なつていたため、作業能率は極めて低く、した
がつて極少数ロツトの包装処理の場合を除いて、
包装自動化の要望は高くなつているが、自動化す
るには、複数のガラスタンブラー等の製品を折曲
した包装台紙に対し供給するための装置が必要と
なり、特に台紙の底返上の所定位置に製品を載置
させることが要求される。

（考案の目的） 本考案は、前記した第１図、第２図で説明され
るような包装台紙による包装作業のうち、特に製
品を台紙の底片上に載置させる工程を、機械的に
自動化して行うことのできるようにした包装ケー
スへの製品積み込み挿入装置を提供せんとするも
のである。

（問題点を解決するための手段及び作用） 前記した目的を達成するための要旨とするとこ
ろは、製品を正立状態に複数並列して供給端から
順次供給する製品供給手段における該供給端と該
供給端の斜め下方位置に用意された上方が開口し
た包装ケースとの間に配置され、該供給端側に傾
動の支点を有して該供給端と略同レベルとなる略
水平姿勢の製品積み込み位置と傾動端が該包装ケ
ースの上方開口に臨む製品挿入位置との間を傾動
可能で、且つ上面の幅方向に製品を傾斜上流側か
ら傾斜下流側に向け個々に滑落案内するための溝
部を該製品供給端に並列する被包装製品に対応し
て複数設けたトレイと、該トレイの製品積み込み
側において幅方向に架設され、該トレイを被包装
製品積み込み位置から製品挿入位置に向け傾斜さ
せる際に該トレイの溝部上を滑落する被包装製品
の上部と当接することで該製品を横倒させるスト
ツパとから構成したことを特徴とする包装ケース
への製品積み込み挿入装置にあり、その作用はト
レイが製品積み込み位置に傾動されると、複数の
製品が一度に正立状態で積み込まれ、トレイを製
品挿入位置に向け傾斜させると製品が滑落する際
にストツパに当つて横倒し、夫々溝部の下端から
包装ケース内に挿入される。

（考案の実施例とその効果） 以下本考案の一実施例を第４図に基づいて詳細
に説明するが、本実施例において使用する包装台
紙は第１図に示したものと同じであり、したがつ
て第１図および第２図で説明した符号は以下の図
においてもそのまま使用するものとした。

また、本考案の挿入装置は、本考案者が開発し
た一連の自動包装設備に組込まれることによつて
最も有効にその機能、効果を発揮するので、第３
図、第５図、第６図を参照しながら、先ずかかる
一連の設備について説明する。

ここで前記一連の設備における包装作業の工程
は、台紙１を第２図Ａの姿勢に整形・準備する第
１工程、次いでこの姿勢の台紙１の底辺３上に３
個のタンブラーを整列・位置決めして載置させる
第２工程、次いで一対の蓋片６，７を所定の順序
で重ね合せさせながら、ロツク作業の位置に移送
する第３工程、更に、ロツク作業の位置に移入さ
れた包装体に対し、差込舌片１０を切込孔８内に
押込むことで掛止めロツクさせる第４工程、第１
〜第４の工程として構成されている。

第３図はそのうちの第１工程を説明するための
図であり、１４は平状の台紙１を多数枚積載した
状態に収納する台紙マガジンで、その開口１５端
に向つてばね等により最下層の一枚を臨むように
押圧し、開口１５端の縁フランジ１６により係止
している。そして、この台紙１は包装時の外面を
マガジン開口１５端から外に臨むように収納され
ると共に、後記する取出し杆１７によつて縁フラ
ンジ１６を乗り越えて一枚づつマガジンから取出
しできるようになつている。この取出し杆１７
は、軸１８を中心とした円弧に沿つて揺動する円
弧部１７ａを有し、図示しないエアシリンダ装置
によつて第３図のＤ（台紙取出し位置）→Ｅ（台紙
取出し状態）→Ｆ（台紙整形位置）→Ｄの姿勢変
化を繰り返すようになつている。

１９は前記取出し杆１７の先端に取り付けられ
たバキユームパツトで、図示しない吸引装置に連
結されていて、マガジン１４内の開口に臨んだ台
紙１の底辺３に吸着できるようになつている。

２０は前記取出し杆１７の円弧部１７ａの運動
軌動を挟むようにして一対設けられた下側受け棒
で、この一対の下側受け棒２０の上方にはこれら
下側受け棒の間隔よりも若干広い間隔で上側受け
棒２１が設けられている。

マガジン１４から取出された台紙１は、これら
受け棒２０，２１によつて台紙１の側壁片４，５
が底辺３の両側に折り線２に沿つて起立されて、
略正立Ｕ字状に整形された第３図Ｆの状態とさ
れ、第１工程は終了する。

第４図は第２工程を行なう本考案による包装ケ
ースへの製品積み込み挿入装置の一実施例を示し
ているが、この装置の説明は後述し、以下第３工
程および第４工程について説明する。

次ぎに第３工程について説明すると、これは第
４図Ｉの状態で示されるタンブラーの載つた台紙
１を、その蓋片６，７を折曲げして最終の包装体
のロツクを行なわせる準備状態となすための工程
であり、折曲げの状態は第５図に示した。

本例におけるこのような蓋片６，７の折曲げ
は、搬送途中に沿設した屈曲状態のガイドバーを
利用して行なう周知の方法によればよく、ガイド
バーの図示は省略した。

そしてこの第３工程を所定の搬送路途中で行な
わせるようにしているのは、前記した台紙１の整
形、後述する第２工程のタンブラーの積み込み作
業位置と、差込舌片１０を切込孔８内に押込みさ
せるロツク作業位置とは、設備上あるいは作業能
率上、別の位置とすることがよいという要請にう
まく合致し、全体設備の無駄のない構成・レイア
ウトを実現している。

次ぎに、第３工程を経て第５図Ｊの状態に台紙
１が更に整形された包装体（ロツク前の包装体）
は、ロツク作業位置に移入され、第４工程のロツ
ク作業が行なわれる。第６図はこのロツク作業の
直前の状態を示す図で、２２は差込舌片１０を切
込孔８内に押込みさせて差込舌片１０と切込孔８
の間のロツクを行うための作業爪で、各ロツク位
置に対応して３個設けられており、各作業爪２２
の上端は図示しない往復動装置に連結された基体
２３に取り付けられている。そして、この基体２
３を下降させて、３ケ所の差込舌片を同時に切込
孔８内に押込みさせるようにしている。

続いて本考案による包装ケースへの製品積み込
み挿入装置の一実施例を第４図に基づいて詳細に
説明する。

第４図に示された装置は、３個づつのタンブラ
ー１３を、前記の第２工程で整形された台紙１の
底辺３上に位置合せ（例えば等間隔に）しながら
積み込み挿入する装置であり、前記第３図Ｆで示
される位置の整形台紙１に対して若干上方におい
て、マガジン１４とは反対側に位置するように設
けられている。

第４図中、２５は上方に配置されたコンベア２
８の供給端と、この供給端の斜め下方位置に位置
する第１工程で整形された台紙１との間に配置さ
れたトレイで、該供給端側に設けた軸２４を中心
として、第４図Ｇに示す如く該供給端と略同レベ
ルで略水平な姿勢の製品積み込み位置と、第４図
Ｈに示す如く傾動端が整形された台紙の上方の開
口に臨む挿入位置との間で傾動を繰り返し、該ト
レイが製品積み込み位置に位置する際に該供給端
から図示の如く、複数並列の正立状態のタンブラ
ー１３が傾動記端部側に積み込まれる。このトレ
イ２５の上面には、図示の如く、整形済の台紙１
の各ミシン目２′に対応する隔壁によつて区画さ
れた３つのトラフ２６，２６，２６が形成され、
コンベア２８からのタンブラー１３は夫々これら
のトラフ２６，２６，２６に１個づつ積み込まれ
る。そして、これらトラフの上流側には正立状態
のタンブラーの上部が当接しているタンブラーを
横倒させるストツパ２７が架設されると共に、こ
れらトラフの下流側にはトラフの底板との間でタ
ンブラーが倒れて滑り落ちることができる程度の
間隙を保つて跳り防止バー２７′が架設されてい
る。積み込みトレイ２５の傾動は、図示しないエ
アシリンダ装置によつて駆動され、これは前記し
た台紙１の整形とタイミングを合わせて繰り返し
行なわれる。

そして、この積み込みトレイ２５に対しては、
第４図Ｇに示す如く、適宜のコンベア２８によつ
てタンブラーを送り込みするようになつている
が、傾動によつて台紙１に落し込むタンブラーは
一度に３個づつであるから、前記積み込みトレイ
２５上には、これの傾動とタイミングを合わせて
３個づつのタンブラーだけが載るような送り込み
制御手段（図示せず）を設けることが通常は必要
とされる。

而して、第４図Ｇの状態に３個のタンブラー１
３が載つた積み込みトレイ２５を、第３図Ｈの状
態に傾動させると、トレイ２５上のタンブラー１
３は、ストツパ２７に当たることで倒れ、この状
態でトラフ内を滑りながら下方の台紙１上に挿入
される。このとき、整形された台紙１に対して各
トラフ２６から滑り落ちるタンブラー１３は、ト
ラフ２６内から略垂直に落下し、かつ台紙１の底
片３を水平に保つておけば、必要以上の落差を与
えない限り常に一定の位置に落下静止されること
になり、落下衝撃、そのときに生ずる振動、バウ
ンド等は実用上何等支障とならないことが実用機
の運転によつて確かめられている。また積み込み
トレイ２５上においてストツパ２７によりタンブ
ラーが倒されるときの衝撃も、同じく支障のない
ものであることは確かめられているが、極く薄肉
のタンブラー等である場合に必要であれば、トレ
イの特に底板部分を軟質の部材を用いるなどして
もよい。

以上によつて第２工程は終了し、第４図Ｉに示
す如く、整形された台紙１の底片３上に３個のタ
ンブラー１３が載置される。

以上述べた如く本実施例の包装ケースへの製品
積み込み挿入装置によれば、大量に搬送されたタ
ンブラーを順次３個づつ台紙１の所定位置に積み
込み挿入させることができるので、従来手作業に
よつて行なつていた紙製包装台紙による包装ケー
スへのタンブラー積み込み挿入作業が自動化さ
れ、その作業能率は従来の数10倍にも達する極め
て有効なものである。

また、この挿入装置による第２工程と第１工程
は既述の説明から明らかであるように、マガジン
１４と本装置を対向させた位置の間で行なわせる
ことができ、設備的に容積をとらず実用上極めて
有利なものとなつている。

（考案の変形例とその効果） 本考案の包装ケースへの製品積み込み挿入装置
は、前記説明した一連の設備の一部として好適に
用いられることは既述の通りであるが、これにの
みに限定されず、単独に使用しても充分に効果を
奏するものであるし、また他の変更した設備と組
合せしてもよい。

第７図は第４図に示した実施例の変形例を示し
ている。

図中、２９は矩形平板状の跳り防止板で、一端
がトラフ２６の上流側上部に、底板との間でタン
ブラーが倒れて滑り落ちることができる程度の間
隙を保つて揺動自在に取り付けられると共に、ト
ラフ２６の下流側にはこの跳り防止板２９の揺動
端がトラフの隔壁上端より上方に跳ね上げられる
のを防止するストツパ杆３０が設けられている。

すなわち、トレイ２５が傾動されると、タンブ
ラー１３は跳り防止板２９の一端に当たつて横倒
され、この跳り防止板２９の内面と摺接しながら
該跳り防止板２９を上方に押し上げて台紙１の底
片３に載置されるので、タンブラー１３のトラフ
２６外への飛び出しを有効に防止することができ
るようにしたものである。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案よりなる包装ケースへの
製品積み込み挿入装置は、正立状態にて搬送され
る複数の製品を、その搬送姿勢を保持したまま一
括して包装ケースに挿入することができ、特に一
連の包装自動化設備への適用性にも優れているな
どその有効性は極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は、本考案装置において使用される
紙製包装台紙の一例を示す展開図、第２図はこの
台紙による包装手順を説明するための図、第３図
〜第６図は本考案装置の実施例を説明するための
一連の自動包装設備を示した図であり、第３図は
台紙の整形工程、第４図はタンブラーの落し込み
工程、第５図はロツク前包装体の搬送折曲げ工
程、第６図はロツク作業工程の直前の状態をそれ
ぞれ示す図であり、第７図は第４図に示した装置
の実施例の変形例を示している。 １……包装台紙（台紙）、２……折り線、２′…
…切取り用ミシン目、３……底片、４，５……側
壁片、６，７……蓋片、８……切込孔、９……Ｕ
字形舌片、１０……差込舌片、１１，１２……山
形切込み、１３……タンブラー、１４……台紙マ
ガジン（マガジン）、１５……開口、１６……縁
フランジ、１７……取出し杆、１７ａ……円弧
部、１８……軸、１９……バキユームパツト、２
０，２１……受け棒、２２……作業爪、２３……
基体、２４……軸、２５……積み込みトレイ、２
６……トラフ、２７……ストツパ、２７′……跳
ね上り防止バー、２８……コンベア、２９……跳
り防止板、３０……ストツパ杆。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 製品を正立状態に複数並列して供給端から順次
   供給する製品供給手段における該供給端と該供給
   端の斜め下方位置に用意された上方が開口した包
   装ケースとの間に配置され、該供給端側に傾動の
   支点を有して該供給端と略同レベルとなる略水平
   姿勢の製品積み込み位置と傾動端が該包装ケース
   の上方開口に臨む製品挿入位置との間を傾動可能
   で、且つ上面の幅方向に製品を傾斜上流側から傾
   斜下流側に向け個々に滑落案内するための溝部を
   該製品供給端に並列する被包装製品に対応して複
   数設けたトレイと、 該トレイの製品積み込み側において幅方向に架
   設され、該トレイを被包装製品積み込み位置から
   製品挿入位置に向け傾斜させる際に該トレイの溝
   部上を滑落する被包装製品の上部と当接すること
   で該製品を横倒させるストツパとから構成したこ
   とを特徴とする包装ケースへの製品積み込み挿入
   装置。