JPS64427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、はペーパードレーン材の伴上り防
止装置に関する。

従来、透水性の良い不織布を帯状に形成したペ
ーパードレーン材を軟弱地盤に鉛直に打設し、地
盤に含まれている多量の水をこのドレーン材で集
水し、その透水性により地表に吸い上げて排水
し、地盤の沈下を早期に促進させて地盤強度を高
めるようにした、いわゆるOVドレーン工法が一
般に知られている。

そして、このOVドレーン工法に用いられるド
レーン打設機は、地中に打設されるマンドレルの
内部を上下に貫通してドレーン材を挿通し、その
下端をマンドレル先端に保持する構造となつてお
り、マンドレルの打設後、引上げられた場合には
ドレーン材下端が地中に残置され、この結果、ド
レーン材が地中に残るようになつている。

以上の作用を実現するための従来のドレーン材
の残置手段としては、第１図に示すように、マン
ドレル１の中央溝１ａの下端に突出するドレーン
３の余剰端を巻き取る波形のプレート４と、この
波形プレート４の下端を押える支持プレート５と
の組合せからなり、これら各プレート４，５をマ
ンドレル１の先端に重ね合せるようにしていた。

しかしながら、これらプレート４，５の組合せ
の場合には、マンドレル１が地表に接地するまで
プレート４，５を図に示す平坦状に重なるよう手
で押えていなければならず、一打設施工毎の設定
が面倒である。また、マンドレル１が地中に下降
する場合、その先端土圧がプレート５に均一に加
わらず遍在している場合などでは、各プレート
４，５がマンドレル１の先端からずれて外れる恐
れがある。さらにはマンドレル１の打設後これを
引き上げた場合にプレート４，５に土圧が加わつ
てアンカー効果が働くまでに遊びがあり、このた
めにドレーン材３がその遊び分マンドレル１の上
昇に伴つて上昇し、設定された深さより短い長さ
で地中に残る場合があること、またドレーン材３
の必要量も多い等の各種の不具合が指摘されてい
た。

この考案は以上の不具合を解消すべくなされた
ものであつて、その目的とするところは、マンド
レル先端にワンタツチで取付けることができ、打
設中にずれることがなく、しかもマンドレルを引
抜く際には直ちにアンカー効果が働いてドレーン
材を土中に残置できるようにしたペーパードレー
ン材の伴上り防止装置を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を第２図以下の図面
を用いて詳細に説明する。

第２図は、この考案に係る伴上り防止装置を示
すもので、この防止装置は弾性を有するプラスチ
ツク射出成形体からなるもので、ガイドプレート
１０と、支持プレート１２とに二分割構成されて
いる。

前記ガイドプレート１０は平盤部１４と、この
平盤部１４の中央にスリツト１６を設けて一体に
立設された一対のガイド板１８，１８と、平盤部
１４の両側より所要の傾斜角をもつて拡開状に立
上がる一対のアンカーベーン２０，２０と、これ
ら各アンカーベーン２０の基部間に架橋された補
強板２２，２２とからなつている。

前記支持プレート１２は、前記ガイドプレート
１０の底面よりスリツト１６内に差込まれるくさ
びコーン２４と、このくさびコーン２４の基部に
直交して一体化されたリツドプレート部２６とか
らなつている。

ペーパードレーン材３は前記ガイドプレート１
０のスリツト１６に挿通され、その先端をガイド
プレート１０の底面の矢印Ａ方向に引き出され
る。次いで支持プレート１２のくさびコーン２４
を矢印Ｂ方向にスリツト１６内に差込めば、ドレ
ーン材３は平盤部１４の下面に沿つて折曲され、
その先端部が露出するようにして、その横断方向
をくさびコーン２４の外周とガイド板１８の内面
との間に強固に挾まれて固定され、またスリツト
１６の開口も蓋される。

第３図１はドレーン材３を、前記の如く構成さ
れた防止装置によりマンドレル１の先端部に固定
した状態を示す。

なおこの例では、前記マンドレル１の先端外周
部にはガイドプレート１０のアンカーベーン２０
と形状に合せてテーパー状の切欠部１ｂを形成し
てある。

第３図１において、マンドレル１が地中に矢印
Ｃ方向に打設される状況下では、マンドレル１の
両側に突出するアンカーベーン２０は、上述のよ
うに所要の傾斜角でもつて拡開されているため、
マンドレル１が土地に降下する場合の抵抗となる
ことが殆どない。マンドレル１を地中に打設する
際は、ドレーン材３の先端部が平盤部１４の外面
に沿つて露出した状態で支持プレート１２によつ
て挾持固定されているので、マンドレル１の貫入
反力によりドレーン材３は平盤部１４に密着す
る。

次に、第３図２に示すように、マンドレル１が
矢印C′に示す如く地中より引上げられると、伴上
り防止装置は、前記ドレーン材３の張力によりマ
ンドレル１とともに上昇しようとするが、この際
に伴上り防止装置のアンカーベーン２０は、上述
したように拡開しているため、直ちにこの先端部
に伴上り防止装置の上昇を阻止する方向に土圧
P₁が加わり、上昇に対する抵抗として作用する。

すなわち、マンドレル１が設定深度まで打設さ
れると、ドレーン材３の先端部は土砂と平盤部１
４との間に挾まれるとともに、支持プレート１２
はドレーン材３の横断方向を挾持固定しているの
で、マンドレル１を引上げる時に、アンカーベー
ン２０に上昇を阻止する方向に土圧が作用する
と、ドレーン材３を設定深度に確実に残置させる
ことができるとともに、この時前記アンカーベー
ン２０はマンドレル１の打設方向に対しては抵抗
がなく、上昇方向に対しては大きな抵抗を与える
ことにより、ドレーン材３の先端を確実に地中に
残置できるようになつている。

なお、第３図１，２に示す符号３０は、マンド
レル１のいわゆる空打時において、前記支持プレ
ート１２をマンドレル１の中央溝１ａ内に挿入
し、支持プレート１２のくさびコーン２４に穿設
された透孔３２と連通される挿通孔であり、ピン
３４を挿入することで支持プレート１２をマンド
レル１の先端部に保持することができる。

また、前記支持プレート１２には、段差部１２
ａが設けられ、この段差部１２ａはマンドレル１
の中央溝１ａに嵌合できるように形成されてい
る。

従つて、第４図に示すように支持プレート１２
を取付けて空打ちを行なうとマンドレル１の開口
は支持プレート１２によつてほぼ完全に蓋されて
しまうため、空打時において土砂がマンドレル１
内に侵入することを確実に防止できる。

以上説明したように、この考案に係る伴上り防
止装置によれば、ワンタツチでペーパードレーン
材の先端に装着でき、しかもマンドレルを打設す
る際にはその先端に確実に位置した状態を保ち、
打設時の抵抗とならない。またマンドレルを引上
げる際には、直ちにそのアンカーベーンの拡開し
た部分に土圧が作用し大きな抵抗を生じ、これに
よつてドレーン材がマンドレルに伴つて上昇する
ことがなく、確実に地中内の所定の深さ位置に残
置できる。

また、マンドレルを空打する場合においてもマ
ンドレル内に土砂が侵入することを確実に防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドレーン材の従来のドレーン材残置手
段を示す要部断面図、第２図はこの考案に係る伴
上り防止装置の分解斜視図、第３図１，２は同防
止装置を設けたマンドレル先端部の作用を説明す
るための要部断面図、第４図は空打時のマンドレ
ル先端を示す要部断面図である。 １……マンドレル、３……ペーパードレーン
材、１０……ガイドプレート、１２……支持プレ
ート、１６……スリツト、１８……ガイド板、２
０……アンカーベーン、２４……くさびコーン、
２６……リツドプレート部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マンドレル下端に取り付けられる平盤部と、こ
   の平盤部の中央にペーパードレーン材を挿通する
   スリツトを設けて一体に立設された一対のガイド
   板と、前記平盤部の両側に所要の傾斜角で拡開す
   る一対のアンカーベーンを有するガイドプレート
   と、このガイドプレートの底面より該スリツト内
   に差込まれて前記ドレーン材の先端部が前記平盤
   部の外面に沿つて露出した状態でその横断方向を
   挾持固定するとともに、スリツトの底面開口を蓋
   する支持プレートとからなるペーパードレーン材
   の伴上り防止装置。