JPS644217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧着端子に関する。

一般に、各種の電気設備や制御設備のケーブル
端子台では、圧着端子が広く利用されている。

従来の圧着端子は、第１図から第３図に示す如
く、端子本体１の導線圧着部２に絶縁性合成樹脂
材料からなる管状の端子キヤツプ３を被嵌した構
造であるから、導線圧着部２に先端の導線被覆４
が剥がした導線５の端末を差込み、それを圧着固
定した状態において、導線被覆４に引抜く方向の
外力が加わると、第３図に示すように導線被覆４
がずれ中の導線５が露出し、短絡や感電等の事
故、故障、災害を引き起す危険性があつた。

ここにおいて、本考案の目的は、このような不
都合を解消した圧着端子を提供することにある。

そのため、本考案では、端子本体の導線圧着部
に絶縁性材料からなる端子キヤツプを被覆した圧
着端子において、前記端子キヤツプの内面に、前
記導線圧着部に圧着される導線の被覆に圧着時に
喰い込まれる突起を設け、この突起には前記導線
が挿入される挿入方向へ向うに従つて次第に内方
へ隆起する挿入案内面と、この挿入案内面の先端
から外方へ向つて前記挿入方向に対して略直角に
形成された係止面とが形成されていることによ
り、上記目的を達成しようとするものである。

要するに、導線被覆を剥いだ導線の端末を端子
本体の導線圧着部へ差入れ、端子キヤツプの上か
ら導線圧着部を圧着すると、端子キヤツプは導線
圧着部に喰込むと同時に、端子キヤツプの突起が
導線被覆に喰込み、その結果導線被覆が引張られ
ても中の導線が露出するのを防止することができ
る。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第４図は本実施例の圧着端子を示す分解斜視
図、第５図は導線を接続した状態の断面図であ
る。これらの図において、全体の導電性金属板等
により構成された端子本体１１は、例えば端子台
等の端子に固定される円環状の接続部１２の一側
から、筒状に湾曲された導線圧着部１３が一体的
に構成されている。導線圧着部１３には、その内
部に外側が絶縁性の導線被覆１４によつて被覆さ
れた導線１５が挿入されるようになつているとと
もに、外側に比較的剛性の高い絶縁性合成樹脂材
料によつて筒状に成形された端子キヤツプ１６が
被嵌されている。端子キヤツプ１６の他端部内周
面には、前記導線１５の端末が前記導線圧着部１
３に圧着された状態において、前記導線被覆１４
の外周に喰込む２条の突起１７が全周に沿つて形
成されている。これらの突起１７は、第６図に示
す如く、前記導線１５が挿入される挿入方向へ向
うに従つて次第に内方へ隆起する挿入案内面１８
と、この挿入案内面１８の先端から端子キヤツプ
１６の外方へ向つて前記導線１５の挿入方向に対
して直角に形成された係止面１９とを有する断面
鋸歯状に形成されている。

このような構成において、圧着端子に導線１５
を接続するには、先端の導線被覆１４を剥いだ導
線１５の端末を端子本体１１の導線圧着部１３へ
差し入れる。この際、突起１７の挿入案内面１８
に沿つて導線１５の導線被覆１４を案内しながら
挿入し、導線被覆１４を端子キヤツプ１６内に
深々と入る位置まで挿入する。このとき、突起１
７と導線被覆１４とは、緩く係合した状態、また
は導線被覆１４の外径が突起１７の内径より小さ
い場合には、単に挿入させた状態であり、必要に
応じて導線を抜き、再度挿入しなおして位置調整
を行う。この状態において、端子キヤツプ１６の
上から導線圧着部１３を例えば圧着機等で圧着す
ると、端子キヤツプ１６の一端部が端子本体１１
の導線圧着部１３に喰込み固定されるとともに、
端子キヤツプ１３の突起１７が導線被覆１４の外
周面に喰込んだ状態となる。従つて、導線被覆１
４が引抜き方向へ引張られても、その中の導線１
５が外部へ露出することがない。

従つて、本実施例によれば、端子本体１１の導
線圧着部１３に被嵌された端子キヤツプ１６の内
面に全周に沿つて突起１７を形成したため、導線
圧着部１３の圧着時にどの方向から圧着されて
も、突起１７を導線被覆１４の外面に確実に喰い
込ませることができる。さらに、導線被覆１４が
かなりの力で引張られても、突起１７から受ける
保持力は導線被覆１４の周方向に広く分散され、
導線被覆１４が当該部材で破損することを防止で
きる。このため、導線被覆１４の固定、および導
線１５の露出防止をより確実にすることができ、
短絡や感電時の故障、事故、災害を未然に防止で
きる。

また、端子キヤツプ１６の内面に突起１７を一
体的に形成するだけでよいので、比較的簡単にか
つ安価に製造することができる。しかも、突起１
７は、挿入案内面１８と係止面１９とを有する断
面図鋸歯形状に形成したので、挿入案内面１８に
よつて導線被覆１４および導線１５を端子キヤツ
プ１６内へ簡単かつ円滑に深々と挿入でき、その
際に導線１５の先端にひつかかつて乱れを生じる
ことがない。また、圧着した後には、係止面１９
によつて導線被覆１４を確実に係止することがで
きる。

なお、上記実施例では、端子本体１１の導線圧
着部１３と端子キヤツプ１６とを、圧着時に端子
キヤツプ１６の一端側のつぶれによつて固定する
ようにしたが、例えば第７図および第８図のよう
に構成してもよい。このものは、導線圧着部１３
の両側部に、端子キヤツプ１６の挿入方向へ向う
に従つて外方へ隆起した三角形状の突起２０を切
り起したものである。このようにすると、第８図
に示す如く、突起２０が端子キヤツプ１６の脱落
を防止するので、端子本体１１と端子キヤツプ１
６と導線被覆１４とを確実に固定することができ
る。

また、上記実施例では、２条の突起１７を端子
キヤツプ１６の、内面全周に沿つて形成したが、
この条数は、１本または３本以上でもよく、実施
にあたつて適宜変更すればよい。さらに、突起１
７は連結した条線のようなものに限らず、例えば
数個所にいぼ状の突起を形成したものでもよい。

以上の通り、本考案によれば、導線被覆のずれ
による短絡や感電等の故障、事故、災害を未然に
防止できる圧着端子を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧着端子を示す斜視図、第２図
および第３図はその断面図、第４図は本考案の一
実施例を示す分解斜視図、第５図はその断面図、
第６図は突起の拡大断面図、第７図は本考案の他
の実施例を示す分解斜視図、第８図はその断面図
である。 １１……端子本体、１３……導線圧着部、１４
……導線被覆、１５……導線、１６……端子キヤ
ツプ、１７……突起、１８……挿入案内面、１９
……係止面、２０……突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 端子本体の導線圧着部に絶縁性材料からなる
   端子キヤツプを被嵌した圧着端子において、前
   記端子キヤツプの内面に、前記導線圧着部に圧
   着される導線の被覆に圧着時に喰い込まれる突
   起を設け、この突起には前記導線が挿入される
   挿入方向へ向うに従つて次第に内方へ隆起する
   挿入案内面と、この挿入案内面の先端から外方
   へ向つて前記挿入方向に対して略直角に形成さ
   れた係止面とが形成されていることを特徴とす
   る圧着端子。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記端子本体の導線圧着部には、前記端子キヤツ
   プの内面に喰い込む突起が形成されていること
   を特徴とする圧着端子。