JPS643280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は圧電振動子の特性改善に関するもの
で、警報器や報知器等の圧電ブザーをはじめとし
て圧電発音体に用いられる振動子に広く利用され
るものである。

従来例の構成とその問題点 第１図は従来の圧電振動子の一例で正帰還電極
をもつ３端子型圧電振動子の平面図である。図に
おいて、１は圧電性をもつ薄板状の素子、２は金
属製の振動板で、これらは貼合わされている。３
は圧電素子１と振動板２を外部と電気的に接続
し、かつ支持するための端子、４は半田接続部分
である。圧電発音体はこの振動子に端子３を介し
て圧電素子１に電圧をかけることにより発生する
歪みを振動板２と一体となつた振動として取り出
し、これを音響効果等を有するケースに支持固定
して構成している。

取り出す振動は一般に圧電素子１外周付近を節
とするような一次共振を用いることが多い。

ところで、導電性端子３は圧電素子１表面と振
動板２上に半田により接続している。その際、圧
電素子１表面の接続場所はちようど一次共振によ
り節になるところであるので、圧電素子１の振動
には影響を与えない。振動板２上の接続場所は節
からはずれた位置、すなわち振動部分にあたるた
めに、接続部分に半田をのせたことが影響して次
の２点で振動子の特性を低下させる要因になつて
いた。

振動板２の重量バランスに偏りが生じ、振動
がゆがめられるために、音圧が下がる。

接続部分付近で振動が乱れるために、二次共
振、三次共振等の高調波に移行しやすく性能に
安定性を欠く。

考案の目的 本考案は従来からの上記問題点を解消し、振動
子の一次共振を安定させ、音圧をより増大させた
圧電振動子を提供することを目的とするものであ
る。

考案の構成 この目的を達成するために、本考案では半田接
続部分のごく近傍に半田と同重量分を切り欠きま
たは穴をあけた振動板を用いて、振動子を構成し
ている。これによつて接続に要する半田は振動板
の重量バランスに影響を与えなくなるので、半田
に基づく上述のような問題点は解消され、目的が
達成される。

実施例の説明 第２図に本考案の振動子の一実施例を示す。図
において、第１図に示した従来例の構成要素と対
応する部分には同じ符号を付している。

本実施例において、もつとも特徴とするところ
は、半田接続部分４の外側に半田と同重量分だけ
丸く切り欠きをいれた振動板２を用いていること
である。この切欠部分５によつて、振動板２上の
接続部分４に半田をのせることによる重量の偏り
はなくされるから、一次共振を用いる場合も節以
外の場所であるにもかかわらず、振動子の振動に
は影響を与えなくなる。同時に重量バランスのく
ずれによつて一次共振が乱れ、しばしば高調波発
振しがちであつた圧電振動子の欠点が解決され
る。なお、切り欠きに代えて穴を設けてもよいこ
とはいうまでもないことである。

考案の効果 以上のように本考案の振動板を振動子に用いる
ことによつて振動板の重量バランスが回復し、半
田がのつた状態で全円の振動板と同じ効果を発揮
する。したがつて振動子の振動が抑圧されなくな
るので、発音体としての音圧がより大きくとれる
ようになり、また異質な振動が生じないから、二
次共振、三次共振の高調波への移行を防くことが
でき、安定した性能をもつ振動子を供給すること
ができる。さらに切り欠きまたは穴あけることに
より振動板の位置決めが可能となるので、圧電振
動子の製造において圧電素子との貼合わせ、半田
づけ、ケースへの支持固定など多くの工程で自動
化が実現され、量産を可能にするという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧電振動子の一例を示す平面
図、第２図は本考案の圧電振動子の一実施例の平
面図である。 １……圧電素子、２……振動板、３……端子、
４……半田接続部分、４……切欠部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の圧電素子と、これより面積が大きい金属
   製の振動板とを貼り合わせるとともに、電気ケー
   スに支持固定するための導電性端子のうち、前記
   振動板に接続する端子のごく近傍で前記端子を接
   続するに要する半田を同重量分だけ振動板に切り
   欠き、または穴をあけてなることを特徴とする圧
   電振動子。