JPS643202B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS643202B2 JPS643202B2 JP56210088A JP21008881A JPS643202B2 JP S643202 B2 JPS643202 B2 JP S643202B2 JP 56210088 A JP56210088 A JP 56210088A JP 21008881 A JP21008881 A JP 21008881A JP S643202 B2 JPS643202 B2 JP S643202B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copolymer
- groups
- imide
- amide
- ammonium salt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/74—Synthetic polymeric materials
- A61K31/785—Polymers containing nitrogen
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P1/00—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
- A61P1/04—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/44—Preparation of metal salts or ammonium salts
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/48—Isomerisation; Cyclisation
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Public Health (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
本発明は抗腫瘍剤として有用な重合体状化合物
の製法に関する。 種々の天然に存在する多陰イオン性物質および
合成の多陰イオン性物質は、現在までそれらの抗
腫瘍作用および関連のある薬学的に活性な作用に
ついて研究されてきた。かなりの注意を払われ且
つ多年にわたつて研究されてきたある種の合成重
合体は、エチレン/無水マレイン酸(EMA)共
重合体から誘導されたポリカルボキシレートの種
類である。これらの重合体状化合物の抗腫瘍作用
は以前にRegelson氏ら〔「Nature(London)」第
186巻第778〜780頁(1960年)〕により、そしてカ
ナダ特許第664326号明細書(米国特許出願第
758023号明細書に相当)において記載されてい
る。後者の特許によればこれら重合体の有用な分
子量は500〜1500000の範囲であると云われてい
る。その後これらの重合体の1種すなわち平均分
子量20000〜30000を有するEMAの半アミド半ア
ンモニウム塩は囓歯類動物および犬において慢性
的毒性を示すことが報告された〔Mihich氏ら
「Fed.Proc.」第19巻第1号第142a頁(1960年3
月)参照〕。慢性的毒性はまたあとになつて分子
量2000〜3000の重合体を犬において用いた場合に
もMihich氏ら「Fed.Proc.」第20巻第1号第407a
頁(1961年3月)参照〕により報告されている。
これらの毒性の発見によりそれらの重合体の臨床
試験は行なわれなかつた。 さらに最近になつて約300〜1500の比較的低い
平均分子量を有するEMA型共重合体のある種の
新規な誘導体は、さらに高分子量の共重合体より
もはるかに低い毒性を有し、そして一層有用な抗
腫瘍作用を有することが見い出された。これらの
共重合体は半アミド半カルボン酸塩の基およびイ
ミド基の両方を含有するように誘導体化され、そ
の場合後者の基は2つの基の約5〜約40重量%を
構成する。これらの誘導体化された共重合体に関
するさらに詳細な記載については米国特許出願第
5638号明細書を参照することができる。 上記の米国特許出願第5638号明細書に記載され
ているように、後者の共重合体は好ましくは二段
階法により有機溶媒中でのアンモニア処理
(ammoniation)により誘導体化される。第一段
階においてはEMA型共重合体をアセトン中で液
体アンモニアと反応させて中間体である半アミド
半アンモニウム塩(AEMA)を製造する。
AEMAは溶液から沈殿し、そして過、遠心分
離および同様の分離操作により回収される。第二
段階においては所望のイミドの割合(%)が形成
されるまで中間体であるAEMAを適当な溶媒た
とえばキシレンまたはトルエン中還流温度でアン
モニアと反応させると同時に、水を除去すること
によりイミドを含有する誘導体を製造する。 その後、上記の有機溶媒中での誘導体化におい
ては最終生成物中に望ましくない副生汚染物質が
生成されることが見い出され、そして現在その生
成物を薬学的に使用するために汚染物質を避ける
ことが所望されている。これらの汚染物質は最終
生成物の望ましくない暗色化を引き起こす。副生
汚染物質の特定の組成は同定されていないが、た
とえば(アンモニアにより提供できるような)塩
基性媒質中でアセトンとのアルドール縮合が生起
してジアセトンアルコール、メシチルオキシド、
フオロン、イソフオロンおよびジアセトンアミン
のような化合物が得られる。たとえばフイーザー
およびフイーザー両氏著「Advanced Organic
Chemistry」第457〜458頁(Reinhold
Publishing社1961年発行)およびRoyals氏著
「Advanced Organic Chemistry」第759〜761頁
(Prentice―Hall社1961年発行)を参照されたい。
本発明はこれらおよび他のそのような汚染物質の
問題を解決することに関する。 共重合体誘導体の製造法において有機溶媒を使
用しないことは、処理の間の過性を改善し、そ
して可燃性物質による火災の可能性を回避するの
で一層望ましい。 本発明により半アミド半アンモニウム塩の基お
よびイミド基の両方を含有するように誘導化され
た前記の一般的な型の低分子量共重合体は、水相
中でのアンモニア処理および熱的イミド化により
有意に且つ実質的に改善されて有機溶媒媒質の不
存在下において誘導体化された共重合体が生成さ
れる。 本発明において使用するための出発共重合体は
エチレンと無水マレイン酸とからなる共重合体で
あり、それは平均分子量が約300〜約1500である。
これらの共重合体は(a)半アミド半アンモニウム塩
の基および(b)イミド基(ただしそのイミド基は上
記の誘導体化された基の約5〜約40重量%を構成
する)の両方を含有するように誘導体化される。 最終的な誘導体化された共重合体生成物におい
て、イミド基は好ましくは誘導体化された基(a)お
よび(b)の約10〜約25重量%を構成する。 またこれらの重合体状化合物の製造中に、一部
反応したかまたは反応していない酸無水物から誘
導されるかもしれない少量の(10%以下であると
信じられている。)モノアンモニウムカルボキシ
ル基または他の薬学的に許容しうる塩の基およ
び/またはジカルボキシル基が存在してもよい。 また誘導体化された最終生成物はアンモニウム
以外の薬学的に許容しうる塩の誘導体たとえばナ
トリウムおよびカリウム塩に変換することもでき
るが、アンモニウムが好ましい。 またイミド基は1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基でN―アルキル化することもできるが、
以下に記載される好ましい生成物においては置換
されないままである。 誘導体化された最終共重合体状生成物の特に望
ましい例は、平均分子量が約850であるエチレン
および無水マレイン酸とのベース共重合体から製
造され、そして(a)半アミド半アンモニウム塩の基
および(b)イミド基(ただしイミド基は上記の誘導
体化された基の約18重量%を構成する)の両方を
含有するように誘導体化される。 上記の例示的なEMAのベース共重合体に対し
て記載された約850という分子量は、ナウアー
(Knauer)の蒸気圧(VP)浸透圧計を使用して
無水ジメチルホルムアミド(DMF)中120℃で蒸
気圧浸透圧法により測定された数平均分子量
(Mn)である。この共重合体生成物はまたキヤ
ノン―ウブルホード(Cannon Ubblehode)(希
釈サイズ75)自動調時粘度計を使用して毛管粘度
測定法により測定した場合に、約0.06の比粘度
(DMF中1%、25℃において)を有する。これら
は重合体状物質の分子量を測定するための通常の
方法であり、EMA型共重合体に対して米国特許
出願第5638号明細書に開示された方法に相当す
る。 2つの別法において、AEMAの部分的にイミ
ド化された(イミド18%)対応する誘導体の分子
量は、炭素―13NMR分光測定法によれば約1339
であると計算され、そしてプロトンNMR分光測
定法によれば約1460であると計算された。 便宜上、以下の本明細書中ではEMA型共重合
体の記載された分子量は、蒸気圧浸透圧法により
無水DMF中120℃で測定された数平均分子量を意
味するものとする。 本発明の好ましい方法により出発共重合体を水
性アンモニア(NH4OH)と反応させて半アミド
半アンモニウム塩の水性溶液を生成し、つぎにそ
れを噴霧乾燥して実質的に無水の固体状微粒子の
形態の中間生成物を生成する。所望の割合(%)
のイミドが生成されるまでこの噴霧乾燥された中
間生成物を高められた温度で処理すると同時に水
を除去することにより熱的にイミド化する。イミ
ドの含有量は米国特許出願第5638号明細書に記載
されたようにして通常の赤外線分光測定法により
測定することができる。 出発共重合体たとえばEMAの水性アンモニア
との最初の反応は、好ましくは固体状EMAを周
囲温度(約10〜25℃)で濃アンモニア(たとえば
約7.5〜15N)と反応させることにより行なわれ
る。ベース共重合体において無水物1当量(また
は1モル)あたり少なくとも2当量(または2モ
ル)のNH3(またはNH4OH)を使用する限り希
水酸化アンモニウムを使用することもできる。し
かしながら希水酸化アンモニウムを使用する場合
には、つぎの噴霧乾燥段階において実質的に無水
の生成物を得るために他の方法で必要とするより
も多量の水を除去することが必要である。その反
応生成物を過してEMAの半アミド半アンモニ
ウム塩(アンモニア処理されたEMAすなわち
AEMA)の透明で実質的に無色の溶液を得るこ
とができる。EMAおよびAEMAという用語は本
発明の方法を説明する際に便宜上本明細書中で使
用されること、および前記に定義されたような他
の共重合体およびアンモニア処理された共重合体
は開示された本発明の範囲内に含まれることを理
解すべきである。 ある場合には出発EMA共重合体の純度および
状態により、ある種の揮発性有機汚染物質が
AEMA溶液中に吸蔵されているかもしれない。
たとえばベースEMA共重合体を製造する場合に
は、一般的に米国特許第2857365号、同第2913437
号、同第2938016号および同第2980653号各明細書
中に記載されたようにして単量体成分を有機溶媒
たとえばベンゼン、ハロベンゼン、ハロパラフイ
ンおよびアルキル化された芳香族炭化水素たとえ
ばエチルベンゼンの存在下で反応させる。出発
EMAの共重合によりAEMA中に持ち込まれた揮
発性有機残留物は痕跡量でさえもAEMA溶液か
ら除去するのが好ましい。少量の留出物(約1〜
2容量%)を除去するための水性EMA溶液の真
空蒸留すなわち「トツピング」により検出可能な
揮発性有機物を含まない(通常の液体またはガス
クロマトグラフイー分析操作により検出すること
ができない。)生成物が提供されることが見い出
された。約20゜〜約80℃好ましくは約60℃の温度
で約254〜約711mmHg好ましくは約635mmHgの減
圧下で約30〜約360分間好ましくは約60分間加熱
することによりこれらの残留している揮発性有機
物は有効に除去される。 半アミド半アンモニウム塩の水性溶液の噴霧乾
燥は、薬剤および生化学薬品を無菌的且つ衛生的
に処理するための通常の噴霧乾燥装置で行なうこ
とができる。噴霧乾燥は好ましくはサブミクロン
フイルター(次微子過器)で上記の水性溶液を
前もつて過し、つぎに入口の温度が約150℃〜
約300℃であり、そして出口の温度が約70℃〜約
150℃である噴霧乾燥室に霧化ノズルを通して噴
霧することにより行なわれる。入口および出口の
温度は好ましくはそれぞれ約200℃および100℃で
ある。得られた噴霧乾燥生成物は水分含有量が約
12%以下であり、そして約60を越えない好ましく
は約20を越えないAPHAカラー(2%水溶液)
に相当する白度を有する。 ある場合には噴霧乾燥により望ましくない汚染
物質である過酸化物が生成する可能性がある。こ
の過酸化物の生成は噴霧乾燥するまえに少量では
あるが有効量の水溶性亜硫酸水素塩好ましくはピ
ロ亜硫酸塩をその水性溶液中に混入することによ
り回避できる。有用な水溶性亜硫酸水素塩の具体
例はアルカリ金属亜硫酸水素塩およびピロ亜硫酸
塩たとえばナトリウムおよびカリウム塩および酸
性亜硫酸アンモニウムである。ピロ亜硫酸ナトリ
ウム(Na2S2O5)は好ましい水溶性亜硫酸水素塩
である。約0.05〜約0.2重量%というこれらの物
質の量は過酸化物の生成を避けるために適当であ
る。米国薬局方の非経口的生成物の使用基準に適
合するためにはそれ以上の量を使用しないことが
好ましい。 噴霧乾燥した中間体である半アミド半アンモニ
ウム塩(たとえばAEMA)の熱的イミド化は、
その固体状物質を高められた温度好ましくは約60
℃〜約150℃に加熱すると同時に、好ましくはた
とえば窒素または他の不活性気体の掃引または真
空を使用することにより反応の水を除去すること
により行なわれる。赤外線分光測定法により測定
した場合イミドの含有量が約5〜約40重量%であ
る最終生成物を確実に生成するために、熱的イミ
ド化反応を注意深く監視することが重要である。 誘導体化された共重合体の他の薬学的に許容し
うる陽イオンの塩の形態は、通常のイオン交換の
技術により製造することができる。たとえばナト
リウム塩およびカリウム塩の形態への交換は、そ
れぞれナトリウムイオンおよびカリウムイオンの
形のRohm&Haas IRC―120樹脂および同様の
そのようなナトリウム交換樹脂を用いるアンモニ
ウム塩のイオン交換により行なわれる。 上記で製造されたような誘導体化された共重合
体状生成物は任意の適当な投薬形態にすることが
できる。たとえばバルク医薬製品は発熱物質を含
まない水に溶解し、PHを約9.5に調節し、滅菌
過し、所望の容量の単位投与バイアルに充填し、
そしてつぎに凍結乾燥することにより再構成する
ことができる。別法としては再構成された水性生
成物を滅菌過し、無菌的に噴霧乾燥し、そして
単位投与バイアルに直接充填することができる。 誘導体化された共重合体状生成物は種々の通常
の経路により、特に静脈内および腹腔内経路によ
り温血動物に投与することができる。そのような
投与は好ましくは水性溶液たとえば滅菌水または
通常の生理食塩水(0.9%NaCl)中の溶液として
行なわれ、そして上記で製造された凍結乾燥また
は噴霧乾燥された固体状物質を適当に再構成する
ことにより行なわれる。また誘導体化された共重
合体状生成物は錠剤、粉末、エリキシール剤の形
態および同様の投薬形態で経口的に投与すること
もでき、そして通常の固体状および液体状の賦形
剤、希釈剤、担体、懸濁剤および補助剤たとえば
とうもろこし澱粉、乳糖、タルク、ステアリン
酸、ステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチ
ルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、イナゴ
マメガム、アルコール、水、ジメチルスルホキシ
ド、植物油および同様の物質と混合して使用する
ことができる。液体状の経口的投薬形態はまた(a)
半アミド半アンモニウム塩および(b)イミドからな
る2つの基の安定性を保持するために投与時に液
体状混合物中で再構成される固体分であるのが好
ましい。 米国特許出願第5638号明細書に記載されている
重合体状化合物の投与量は、免疫反応およびある
種の動物の腫瘍に対して関連のある抗腫瘍活性を
与えるためには体重Kgあたり約1〜約100mgであ
ると例示されている。その後体重Kgあたり300〜
2000mgという実質的に高い無毒性の投与量レベル
において、ある種の他の動物の腫瘍に対する抗腫
瘍活性が高められることが見い出された。従つて
本発明の方法により製造された改良された重合体
状化合物は、好ましくは体重Kgあたり約1mgから
約2000mgまでの範囲の投与量で投与することがで
きる。EMA共重合体(分子量850)から製造さ
れ、そして約14〜22重量%のイミドを含有するよ
うに誘導体化された例示的な重合体状生成物は、
マウスおよびラツトにおいて比較的低い急性毒性
を有し、腹腔内に投与した場合LD50は約2.5g/
Kgであり、そして静脈内に投与した場合には1.5
〜1.75g/Kgである。 本発明により誘導体化された共重合体生成物の
製造法は、先行技術の製造法にまさる数種の利点
を提供する。望ましくない吸蔵された有機溶媒の
存在を回避し、ある種の副生汚染物質の生成を除
去することにより一層白い生成物が得られ、そし
て生成物を種々の操作段階の間に有機溶媒媒質中
に懸濁するかわりに水性溶液中で再構成するので
精製のために過を一層容易に行なうことができ
る。代表的な例においては本発明により製造され
た水性アンモニアで処理され且つ熱的にイミド化
されたEMA共重合体の誘導体はAPHAカラー
(2%水溶液)15を示し、そして検出可能なトル
エンまたはキシレンの揮発性残留物を含有しない
が、他方アセトン溶液中でアンモニア処理し、そ
してトルエンおよびキシレンの混合物中で還流し
てイミド化することにより製造された同様の
EMA共重合体の誘導体は、APHAカラー(2%
水溶液)200を示し、そしてロツトにおいては
94ppmのトルエンおよび31ppmのキシレン残留物
を、またもう一つのロツトにおいては30ppmのト
ルエンおよび400ppmのキシレン残留物を含有す
る。 本発明により製造された改良された生成物は標
準的な実験室用実験動物を用いたある種の抗腫瘍
試験において有意な活性を示す。たとえば
B6D2F1系マウスの皮下に移植されたルイス
(Lewis)の肺癌に対する活性を調べる試験にお
いて、無処理の対照動物と比較した場合本発明に
より製造された生成物で処理された動物におい
て、第1期の腫瘍の成長を抑制するのに実質的な
改善が認められた。ルイスの肺癌は一般的に治療
困難な重症の腫瘍状態であり、それに対しては大
部分の抗腫瘍化合物は無効であることが認められ
ている。 本発明をさらによく理解せしめるために以下に
実施例をあげて説明するが、本発明はそれらによ
り限定されるものではない。 実施例1 EMAの水性アンモニア処理 撹拌器および温度計を装備した500mlの四頚フ
ラスコに濃(15N)水酸化アンモニウム200mlを
加える。つぎに温度を20℃以下で保持しながら比
粘度約0.06(DMF中1%、25℃)を有する固体状
エチレン/無水マレイン酸(EMA)共重合体
(分子量850)20gを撹拌下で少量ずつ加える。
生成物である半アミド半アンモニウム塩
(AEMA)をガラスフイルターで過すると透明
で実質的に無色の生成物が得られる。 実施例2 水性AEMAの真空蒸留および噴霧乾
燥 EMA(比粘度0.06)の水性アンモニア処理によ
り製造され、固体含有量が22%である水性
AEMA溶液162.8を635mmHgの減圧下で且つ35
℃〜60℃で加熱し、そして60℃で1時間保持する
ことによりトツピングを行なう。この処理ののち
通常の逆相法を使用して液体クロマトグラフイー
により測定した場合、その生成物中には揮発性有
機物は検出できなかつたが、他方上記の真空トツ
ピングを行なうまえには約0.1%のそのような揮
発性分が検出された。トツピングされた溶液をサ
ブミクロンフイルター(孔サイズ0.2μ)で過
し、そして2個の液体用ノズルを装備した小型の
噴霧乾燥器に液を1時間あたり17.6の割合で
供給し、そして入口の乾燥温度200℃そして出口
の温度100℃で操作することによりAEMAを微細
な白色粉末として単離する。得られた粉末は2%
水性溶液としてAPHAカラー10を有する。 本明細書中ではAPHAカラーの測定は実質的
に「Standard Methods for the Examination
of Water and Sewage」(米国公衆衛生協会
1936年発行)第12〜14および22頁に従つて行なわ
れた。この方法に従つて均一な白地の上でネスラ
ー比色管の溶液を肉眼観察で上から見ることによ
り、試料溶液の色を一連の標準の色と比較する。
標準のベースカラーは白金のそれであるが、色合
いを変えるためにコバルトを使用する。ベースカ
ラーは塩化白金酸カリウム(K2PtCl6)1.245g
(白金0.50gを含有する)を蒸留水100mlおよび濃
塩酸(12NHCl)100mlを含有する溶液中に溶解
することにより製造される。最高の暗色の標準は
上記の白金溶液に結晶化された塩化コバルト
(CoCl2・6H2O)1g(コバルト0.248gを含有す
る)を溶解し、そして蒸留水で1に希釈するこ
とにより製造される。この溶液は最高のカラーNo.
500と表示される。つぎに後者の溶液を蒸留水で
適当に希釈することにより0から500までの色勾
配を製造する。たとえばカラー標準50mlの容量に
対してはカラーNo.10の標準はカラーNo.500の標準
1mlを抜き取り50mlに希釈することにより製造さ
れるが、他方カラーNo.100の標準はカラーNo.500の
標準10mlを抜き取りそして50mlに希釈することに
より製造される。 実施例3 ピロ亜硫酸ナトリウムを用いる水性
AEMAの噴霧乾燥 水性AEMA溶液のもう一つの部分を実施例2
の操作に従つて噴霧乾燥するが、ただし噴霧乾燥
するまえにピロ亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)
0.2%をその水性溶液中に混入する。過酸化物に
対する標準的な澱粉/ヨード試験により測定した
場合、得られた噴霧乾燥生成物は汚染物質である
過酸化物を含有しない。この試験により痕跡量の
沃化物の存在下における澱粉溶液は、沃化物から
沃素を遊離させて澱粉/沃素錯体の特徴的な青色
を与えることができるような微量の酸化剤たとえ
ば過酸化物を測定するために使用される。 実施例4 噴霧乾燥されたAEMAの部分的イミ
ド化 小型の回転二重円錐乾燥器にAEMA(実質的に
実施例3と同様にして製造する)4700gを入れ
る。乾燥器を密閉し、そして50mm以下の真空下で
85℃に9時間加温する。上記の物質はこの間に85
〜90℃で7時間保持される。つぎに乾燥窒素を用
いて乾燥器を大気圧にする。この間に濃縮物370
gが集取される。窒素を通じながら90℃で20時間
加熱を続行する。赤外線分光測定法により乾燥器
の内容物を測定するとその重合体状粉末はイミド
を18%含有することが示された。イミド化された
生成物である白色粉末(2%水性溶液として
APHAカラー20である)の重量は4000gである。
この実施例はまた以下の実施例6の一段階を構成
する。 実施例5 部分的にイミド化されたAEMAの水
性溶液の噴霧乾燥 熱的にイミド化されたAEMA(実質的に実施例
4と同様にして製造する)の50重量%水性溶液
600gを0.4ミクロンのフイルターに通すことによ
り透明にする。2本の液体ノズルを有する小型の
乾燥器を用いて1分間あたり60mlの供給速度で且
つ入口温度175℃および出口温度105℃で操作して
その溶液を噴霧乾燥することにより、固体状の最
終生成物が微細な白色粉末として得られる。その
粉末はイミドの含有量(赤外線スペクトル)が20
%であり、そして2%水性溶液はAPHAカラー
20を有する。 実施例3および5の噴霧乾燥された最終生成物
は有意のダスト化を伴わずに、そして揮発性有機
物を検出することなしに容易に水性溶液中に混合
される。それらはPHを約8.8に上昇させると極め
て透明な溶液を生成し、そしてサブミクロンフイ
ルターで容易に過されて単位投与バイアルの無
菌的な充填物が製造される。 実施例 6 薬学的に活性な生成物に関して試験するための
部分的にイミド化されたAEMAはつぎのように
して製造され且つ試験される。 〔重合〕 窒素雰囲気下で撹拌されたステンレススチール
製の反応器中のエチルベンゼン231.8Kgに無水マ
レイン酸30Kgを加える。完全な溶液になるまでそ
の混合物を撹拌し且つ50℃に加温する。エチルベ
ンゼン32.7Kgに溶解された過酸化ベンゾイル2.35
Kgの溶液をこの溶液に加える。前もつて清浄に
し、乾燥し、エチレンを通じ、そして前もつて40
℃に加温した455の反応器にこの得られた混合
物を移す。つぎにその反応器を撹拌し、エチレン
で414kPaに加圧し、そして75℃に加温する。75
℃においては圧力は1380kPaに増大する。この時
点を反応時間ゼロと考えられる。穏和な発熱が観
察されるが反応器ジヤケツトの温度を適当に下げ
ることにより75℃±2℃に調節する。75℃で3時
間保持したのち、2回目の触媒すなわちエチルベ
ンゼン28.2Kgに溶解された過酸化ベンゾイル1.56
Kgを移動ボンベから加圧して反応器に加える。
1380kPaの圧力下でその温度を75℃で合計17時間
保持する。つぎに反応器を25℃に冷却し、窒素で
パージし、そして内容物を過器にあける。集取
した固体分をエチルベンゼン136.4Kg中で再びス
ラリー化し、インライン・スラリーグラインダー
を通してフイルター上に移す。スラリー状態で摩
砕された固体分を毎回エチルベンゼン136.4Kg中
で1時間4回再スラリー化し、摩砕し、過し、
その後固体分を真空オーブンに移す。乾燥分析に
おける損失がそれ以上の重量損失を示さなくなる
まで絶対圧20mmHgで且つ60℃で真空オーブン中
に窒素をゆつくり通じながら乾燥を行なう。乾燥
したエチレン/無水マレイン酸(EMA)共重合
体生成物を集取し、そして測定するとそれは比粘
度0.055を有する。 〔アンモニア処理〕 100ガロンの反応器に水酸化アンモニウム(58
%)85.5Kgおよび発熱物質を含まない脱イオン水
41.4Kgを入れる。この溶液に15〜25℃の温度で
EMA(上記で製造されたもの27.3Kg)を少量ずつ
(4分間あたり約0.39Kg)加える。EMAの添加が
完了した時点でその混合物を30℃で半時間撹拌す
ると完全な溶液になる。つぎにこの反応混合物を
180〜250mmの真空にすると同時に、その温度を2
時間かけて30℃から45〜50℃に上昇させる。明ら
かにある程度の発泡が認められるが、抑制するの
は困難なことではない。50℃で1時間保持したの
ち液体クロマトグラフイー分析により、得られた
AEMA溶液中に不純物である炭化水素が存在す
るという証拠は示されなかつた。つぎに水200ml
中ピロ亜硫酸ナトリウム(25g)の溶液を加え、
順次に1ミクロンおよび0.2ミクロンのフイルタ
ーでそのAEMA溶液を過する。得られた淡黄
色の液を冷蔵し(5℃)、そしてつぎの段階で
噴霧乾燥するために保存する。 〔噴霧乾燥〕 上記の過された溶液(固体分22%)の噴霧乾
燥は、噴霧乾燥器を用いて入口の温度195〜200
℃、出口の温度70〜85℃で且つ1時間あたり3.1
〜3.6Kgの速度で行なわれる。つぎのイミド化の
ために19.1Kgの噴霧乾燥生成物を集取する。 上記の噴霧乾燥されたAEMAの粉末は水分含
有量7.4%、1gあたり過酸化物4×10-6当量を
有し、2%水性溶液としてAPHAカラー10であ
り、そして粒子サイズの分布はつぎのとおりであ
る。 <2.4μ=0.4% 2.4〜4.8μ=21% 4.8〜9.6μ=36% 9.6〜19.2μ=32% >19.2μ=10% 〔オーブントレーでの静的イミド化〕 オーブン中でイミド化するためにそれぞれ4個
のトレーを含む3個の真空オーブンを使用する。
10個のトレーに上記の噴霧乾燥されたAEMAの
粉末を少量ずつ(それぞれ600〜900g、合計8300
g)入れる。最初の7時間真空を適用するとその
間にトレーは82〜90℃の温度範囲に平衡化する。
その時点から窒素を緩徐に流しながら大気圧下で
オーブンを操作する。試料を定期的に除去して赤
外線分光測定法によりイミド/アミド比を測定
し、生成物が17.5%のイミド量に近づいた時点で
トレーを除去する。イミド化された生成物を集取
すると7.2Kgであり、そして2%水性溶液として
APHAカラー10を有することが分析により示さ
れる。 〔回転二重円錐乾燥器中でのイミド化〕 小型の回転二重円錐乾燥器に上記の噴霧乾燥さ
れたAEMAの粉末4700gを入れる。乾燥器を密
閉し、そして50mm以下の真空下で85℃に9時間加
温する。90℃でさらに7時間真空を続ける。つぎ
に乾燥窒素を用いて乾燥器を大気圧にする。濃縮
物370gが集取される。90℃でさらに20時間加熱
を続行するが、その際赤外分光測定法により18%
のイミドが示されるまでしばしばイミドの%を監
視する。つぎに部分的にイミド化された生成物
(4000g)を白色粉末(2%水性溶液として
APHAカラー20を有する)として清潔な二重の
ポリエチレンの袋に集取する。 〔単位薬量形態の製造〕 上記のオーブントレーにおける静的イミド化お
よび回転二重円錐乾燥器中でのイミド化により得
られた生成物を一緒に混合し、そしてつぎのよう
な単位薬量形態を製造するためのバルク薬剤とし
て保存する。 上記のバルク薬剤8754gを発熱物質を含まない
水に溶解し、水酸化アンモニウムでPHを9.5に調
節することにより最終的な投薬形態を製造する。
得られた溶液を滅菌過により滅菌し、その滅菌
された溶液を滅菌された血清バイアルに無菌的に
分配する。それらのバイアルを無菌的に凍結乾燥
し、キヤツプをし、そして包装する。 〔薬学的試験〕 上記の方法により製造された熱的にイミド化さ
れた生成物(イミド18%)はルイスの肺癌に対す
るその抗腫瘍活性について種々の投与量で試験さ
れる。この試験においては106個のルイスの肺細
胞をB6D2F1系雄性マウス(1群あたり10匹)の
右脇腹の皮下に移植する。試験生成物を滅菌され
た0.9%塩化ナトリウム溶液に溶解し、マウスあ
たり0.5mlの容量で腹腔内投与する。14日目に垂
直直径で腫瘍を測定し、式長さ×幅2×0.5により
腫瘍の体積を計算する。平均および中間の腫瘍の
体積を各処理群に対して計算し、そしてT/C比
を得るために無処理の対照と比較する。結果はつ
ぎの表に記載される。
の製法に関する。 種々の天然に存在する多陰イオン性物質および
合成の多陰イオン性物質は、現在までそれらの抗
腫瘍作用および関連のある薬学的に活性な作用に
ついて研究されてきた。かなりの注意を払われ且
つ多年にわたつて研究されてきたある種の合成重
合体は、エチレン/無水マレイン酸(EMA)共
重合体から誘導されたポリカルボキシレートの種
類である。これらの重合体状化合物の抗腫瘍作用
は以前にRegelson氏ら〔「Nature(London)」第
186巻第778〜780頁(1960年)〕により、そしてカ
ナダ特許第664326号明細書(米国特許出願第
758023号明細書に相当)において記載されてい
る。後者の特許によればこれら重合体の有用な分
子量は500〜1500000の範囲であると云われてい
る。その後これらの重合体の1種すなわち平均分
子量20000〜30000を有するEMAの半アミド半ア
ンモニウム塩は囓歯類動物および犬において慢性
的毒性を示すことが報告された〔Mihich氏ら
「Fed.Proc.」第19巻第1号第142a頁(1960年3
月)参照〕。慢性的毒性はまたあとになつて分子
量2000〜3000の重合体を犬において用いた場合に
もMihich氏ら「Fed.Proc.」第20巻第1号第407a
頁(1961年3月)参照〕により報告されている。
これらの毒性の発見によりそれらの重合体の臨床
試験は行なわれなかつた。 さらに最近になつて約300〜1500の比較的低い
平均分子量を有するEMA型共重合体のある種の
新規な誘導体は、さらに高分子量の共重合体より
もはるかに低い毒性を有し、そして一層有用な抗
腫瘍作用を有することが見い出された。これらの
共重合体は半アミド半カルボン酸塩の基およびイ
ミド基の両方を含有するように誘導体化され、そ
の場合後者の基は2つの基の約5〜約40重量%を
構成する。これらの誘導体化された共重合体に関
するさらに詳細な記載については米国特許出願第
5638号明細書を参照することができる。 上記の米国特許出願第5638号明細書に記載され
ているように、後者の共重合体は好ましくは二段
階法により有機溶媒中でのアンモニア処理
(ammoniation)により誘導体化される。第一段
階においてはEMA型共重合体をアセトン中で液
体アンモニアと反応させて中間体である半アミド
半アンモニウム塩(AEMA)を製造する。
AEMAは溶液から沈殿し、そして過、遠心分
離および同様の分離操作により回収される。第二
段階においては所望のイミドの割合(%)が形成
されるまで中間体であるAEMAを適当な溶媒た
とえばキシレンまたはトルエン中還流温度でアン
モニアと反応させると同時に、水を除去すること
によりイミドを含有する誘導体を製造する。 その後、上記の有機溶媒中での誘導体化におい
ては最終生成物中に望ましくない副生汚染物質が
生成されることが見い出され、そして現在その生
成物を薬学的に使用するために汚染物質を避ける
ことが所望されている。これらの汚染物質は最終
生成物の望ましくない暗色化を引き起こす。副生
汚染物質の特定の組成は同定されていないが、た
とえば(アンモニアにより提供できるような)塩
基性媒質中でアセトンとのアルドール縮合が生起
してジアセトンアルコール、メシチルオキシド、
フオロン、イソフオロンおよびジアセトンアミン
のような化合物が得られる。たとえばフイーザー
およびフイーザー両氏著「Advanced Organic
Chemistry」第457〜458頁(Reinhold
Publishing社1961年発行)およびRoyals氏著
「Advanced Organic Chemistry」第759〜761頁
(Prentice―Hall社1961年発行)を参照されたい。
本発明はこれらおよび他のそのような汚染物質の
問題を解決することに関する。 共重合体誘導体の製造法において有機溶媒を使
用しないことは、処理の間の過性を改善し、そ
して可燃性物質による火災の可能性を回避するの
で一層望ましい。 本発明により半アミド半アンモニウム塩の基お
よびイミド基の両方を含有するように誘導化され
た前記の一般的な型の低分子量共重合体は、水相
中でのアンモニア処理および熱的イミド化により
有意に且つ実質的に改善されて有機溶媒媒質の不
存在下において誘導体化された共重合体が生成さ
れる。 本発明において使用するための出発共重合体は
エチレンと無水マレイン酸とからなる共重合体で
あり、それは平均分子量が約300〜約1500である。
これらの共重合体は(a)半アミド半アンモニウム塩
の基および(b)イミド基(ただしそのイミド基は上
記の誘導体化された基の約5〜約40重量%を構成
する)の両方を含有するように誘導体化される。 最終的な誘導体化された共重合体生成物におい
て、イミド基は好ましくは誘導体化された基(a)お
よび(b)の約10〜約25重量%を構成する。 またこれらの重合体状化合物の製造中に、一部
反応したかまたは反応していない酸無水物から誘
導されるかもしれない少量の(10%以下であると
信じられている。)モノアンモニウムカルボキシ
ル基または他の薬学的に許容しうる塩の基およ
び/またはジカルボキシル基が存在してもよい。 また誘導体化された最終生成物はアンモニウム
以外の薬学的に許容しうる塩の誘導体たとえばナ
トリウムおよびカリウム塩に変換することもでき
るが、アンモニウムが好ましい。 またイミド基は1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基でN―アルキル化することもできるが、
以下に記載される好ましい生成物においては置換
されないままである。 誘導体化された最終共重合体状生成物の特に望
ましい例は、平均分子量が約850であるエチレン
および無水マレイン酸とのベース共重合体から製
造され、そして(a)半アミド半アンモニウム塩の基
および(b)イミド基(ただしイミド基は上記の誘導
体化された基の約18重量%を構成する)の両方を
含有するように誘導体化される。 上記の例示的なEMAのベース共重合体に対し
て記載された約850という分子量は、ナウアー
(Knauer)の蒸気圧(VP)浸透圧計を使用して
無水ジメチルホルムアミド(DMF)中120℃で蒸
気圧浸透圧法により測定された数平均分子量
(Mn)である。この共重合体生成物はまたキヤ
ノン―ウブルホード(Cannon Ubblehode)(希
釈サイズ75)自動調時粘度計を使用して毛管粘度
測定法により測定した場合に、約0.06の比粘度
(DMF中1%、25℃において)を有する。これら
は重合体状物質の分子量を測定するための通常の
方法であり、EMA型共重合体に対して米国特許
出願第5638号明細書に開示された方法に相当す
る。 2つの別法において、AEMAの部分的にイミ
ド化された(イミド18%)対応する誘導体の分子
量は、炭素―13NMR分光測定法によれば約1339
であると計算され、そしてプロトンNMR分光測
定法によれば約1460であると計算された。 便宜上、以下の本明細書中ではEMA型共重合
体の記載された分子量は、蒸気圧浸透圧法により
無水DMF中120℃で測定された数平均分子量を意
味するものとする。 本発明の好ましい方法により出発共重合体を水
性アンモニア(NH4OH)と反応させて半アミド
半アンモニウム塩の水性溶液を生成し、つぎにそ
れを噴霧乾燥して実質的に無水の固体状微粒子の
形態の中間生成物を生成する。所望の割合(%)
のイミドが生成されるまでこの噴霧乾燥された中
間生成物を高められた温度で処理すると同時に水
を除去することにより熱的にイミド化する。イミ
ドの含有量は米国特許出願第5638号明細書に記載
されたようにして通常の赤外線分光測定法により
測定することができる。 出発共重合体たとえばEMAの水性アンモニア
との最初の反応は、好ましくは固体状EMAを周
囲温度(約10〜25℃)で濃アンモニア(たとえば
約7.5〜15N)と反応させることにより行なわれ
る。ベース共重合体において無水物1当量(また
は1モル)あたり少なくとも2当量(または2モ
ル)のNH3(またはNH4OH)を使用する限り希
水酸化アンモニウムを使用することもできる。し
かしながら希水酸化アンモニウムを使用する場合
には、つぎの噴霧乾燥段階において実質的に無水
の生成物を得るために他の方法で必要とするより
も多量の水を除去することが必要である。その反
応生成物を過してEMAの半アミド半アンモニ
ウム塩(アンモニア処理されたEMAすなわち
AEMA)の透明で実質的に無色の溶液を得るこ
とができる。EMAおよびAEMAという用語は本
発明の方法を説明する際に便宜上本明細書中で使
用されること、および前記に定義されたような他
の共重合体およびアンモニア処理された共重合体
は開示された本発明の範囲内に含まれることを理
解すべきである。 ある場合には出発EMA共重合体の純度および
状態により、ある種の揮発性有機汚染物質が
AEMA溶液中に吸蔵されているかもしれない。
たとえばベースEMA共重合体を製造する場合に
は、一般的に米国特許第2857365号、同第2913437
号、同第2938016号および同第2980653号各明細書
中に記載されたようにして単量体成分を有機溶媒
たとえばベンゼン、ハロベンゼン、ハロパラフイ
ンおよびアルキル化された芳香族炭化水素たとえ
ばエチルベンゼンの存在下で反応させる。出発
EMAの共重合によりAEMA中に持ち込まれた揮
発性有機残留物は痕跡量でさえもAEMA溶液か
ら除去するのが好ましい。少量の留出物(約1〜
2容量%)を除去するための水性EMA溶液の真
空蒸留すなわち「トツピング」により検出可能な
揮発性有機物を含まない(通常の液体またはガス
クロマトグラフイー分析操作により検出すること
ができない。)生成物が提供されることが見い出
された。約20゜〜約80℃好ましくは約60℃の温度
で約254〜約711mmHg好ましくは約635mmHgの減
圧下で約30〜約360分間好ましくは約60分間加熱
することによりこれらの残留している揮発性有機
物は有効に除去される。 半アミド半アンモニウム塩の水性溶液の噴霧乾
燥は、薬剤および生化学薬品を無菌的且つ衛生的
に処理するための通常の噴霧乾燥装置で行なうこ
とができる。噴霧乾燥は好ましくはサブミクロン
フイルター(次微子過器)で上記の水性溶液を
前もつて過し、つぎに入口の温度が約150℃〜
約300℃であり、そして出口の温度が約70℃〜約
150℃である噴霧乾燥室に霧化ノズルを通して噴
霧することにより行なわれる。入口および出口の
温度は好ましくはそれぞれ約200℃および100℃で
ある。得られた噴霧乾燥生成物は水分含有量が約
12%以下であり、そして約60を越えない好ましく
は約20を越えないAPHAカラー(2%水溶液)
に相当する白度を有する。 ある場合には噴霧乾燥により望ましくない汚染
物質である過酸化物が生成する可能性がある。こ
の過酸化物の生成は噴霧乾燥するまえに少量では
あるが有効量の水溶性亜硫酸水素塩好ましくはピ
ロ亜硫酸塩をその水性溶液中に混入することによ
り回避できる。有用な水溶性亜硫酸水素塩の具体
例はアルカリ金属亜硫酸水素塩およびピロ亜硫酸
塩たとえばナトリウムおよびカリウム塩および酸
性亜硫酸アンモニウムである。ピロ亜硫酸ナトリ
ウム(Na2S2O5)は好ましい水溶性亜硫酸水素塩
である。約0.05〜約0.2重量%というこれらの物
質の量は過酸化物の生成を避けるために適当であ
る。米国薬局方の非経口的生成物の使用基準に適
合するためにはそれ以上の量を使用しないことが
好ましい。 噴霧乾燥した中間体である半アミド半アンモニ
ウム塩(たとえばAEMA)の熱的イミド化は、
その固体状物質を高められた温度好ましくは約60
℃〜約150℃に加熱すると同時に、好ましくはた
とえば窒素または他の不活性気体の掃引または真
空を使用することにより反応の水を除去すること
により行なわれる。赤外線分光測定法により測定
した場合イミドの含有量が約5〜約40重量%であ
る最終生成物を確実に生成するために、熱的イミ
ド化反応を注意深く監視することが重要である。 誘導体化された共重合体の他の薬学的に許容し
うる陽イオンの塩の形態は、通常のイオン交換の
技術により製造することができる。たとえばナト
リウム塩およびカリウム塩の形態への交換は、そ
れぞれナトリウムイオンおよびカリウムイオンの
形のRohm&Haas IRC―120樹脂および同様の
そのようなナトリウム交換樹脂を用いるアンモニ
ウム塩のイオン交換により行なわれる。 上記で製造されたような誘導体化された共重合
体状生成物は任意の適当な投薬形態にすることが
できる。たとえばバルク医薬製品は発熱物質を含
まない水に溶解し、PHを約9.5に調節し、滅菌
過し、所望の容量の単位投与バイアルに充填し、
そしてつぎに凍結乾燥することにより再構成する
ことができる。別法としては再構成された水性生
成物を滅菌過し、無菌的に噴霧乾燥し、そして
単位投与バイアルに直接充填することができる。 誘導体化された共重合体状生成物は種々の通常
の経路により、特に静脈内および腹腔内経路によ
り温血動物に投与することができる。そのような
投与は好ましくは水性溶液たとえば滅菌水または
通常の生理食塩水(0.9%NaCl)中の溶液として
行なわれ、そして上記で製造された凍結乾燥また
は噴霧乾燥された固体状物質を適当に再構成する
ことにより行なわれる。また誘導体化された共重
合体状生成物は錠剤、粉末、エリキシール剤の形
態および同様の投薬形態で経口的に投与すること
もでき、そして通常の固体状および液体状の賦形
剤、希釈剤、担体、懸濁剤および補助剤たとえば
とうもろこし澱粉、乳糖、タルク、ステアリン
酸、ステアリン酸マグネシウム、カルボキシメチ
ルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、イナゴ
マメガム、アルコール、水、ジメチルスルホキシ
ド、植物油および同様の物質と混合して使用する
ことができる。液体状の経口的投薬形態はまた(a)
半アミド半アンモニウム塩および(b)イミドからな
る2つの基の安定性を保持するために投与時に液
体状混合物中で再構成される固体分であるのが好
ましい。 米国特許出願第5638号明細書に記載されている
重合体状化合物の投与量は、免疫反応およびある
種の動物の腫瘍に対して関連のある抗腫瘍活性を
与えるためには体重Kgあたり約1〜約100mgであ
ると例示されている。その後体重Kgあたり300〜
2000mgという実質的に高い無毒性の投与量レベル
において、ある種の他の動物の腫瘍に対する抗腫
瘍活性が高められることが見い出された。従つて
本発明の方法により製造された改良された重合体
状化合物は、好ましくは体重Kgあたり約1mgから
約2000mgまでの範囲の投与量で投与することがで
きる。EMA共重合体(分子量850)から製造さ
れ、そして約14〜22重量%のイミドを含有するよ
うに誘導体化された例示的な重合体状生成物は、
マウスおよびラツトにおいて比較的低い急性毒性
を有し、腹腔内に投与した場合LD50は約2.5g/
Kgであり、そして静脈内に投与した場合には1.5
〜1.75g/Kgである。 本発明により誘導体化された共重合体生成物の
製造法は、先行技術の製造法にまさる数種の利点
を提供する。望ましくない吸蔵された有機溶媒の
存在を回避し、ある種の副生汚染物質の生成を除
去することにより一層白い生成物が得られ、そし
て生成物を種々の操作段階の間に有機溶媒媒質中
に懸濁するかわりに水性溶液中で再構成するので
精製のために過を一層容易に行なうことができ
る。代表的な例においては本発明により製造され
た水性アンモニアで処理され且つ熱的にイミド化
されたEMA共重合体の誘導体はAPHAカラー
(2%水溶液)15を示し、そして検出可能なトル
エンまたはキシレンの揮発性残留物を含有しない
が、他方アセトン溶液中でアンモニア処理し、そ
してトルエンおよびキシレンの混合物中で還流し
てイミド化することにより製造された同様の
EMA共重合体の誘導体は、APHAカラー(2%
水溶液)200を示し、そしてロツトにおいては
94ppmのトルエンおよび31ppmのキシレン残留物
を、またもう一つのロツトにおいては30ppmのト
ルエンおよび400ppmのキシレン残留物を含有す
る。 本発明により製造された改良された生成物は標
準的な実験室用実験動物を用いたある種の抗腫瘍
試験において有意な活性を示す。たとえば
B6D2F1系マウスの皮下に移植されたルイス
(Lewis)の肺癌に対する活性を調べる試験にお
いて、無処理の対照動物と比較した場合本発明に
より製造された生成物で処理された動物におい
て、第1期の腫瘍の成長を抑制するのに実質的な
改善が認められた。ルイスの肺癌は一般的に治療
困難な重症の腫瘍状態であり、それに対しては大
部分の抗腫瘍化合物は無効であることが認められ
ている。 本発明をさらによく理解せしめるために以下に
実施例をあげて説明するが、本発明はそれらによ
り限定されるものではない。 実施例1 EMAの水性アンモニア処理 撹拌器および温度計を装備した500mlの四頚フ
ラスコに濃(15N)水酸化アンモニウム200mlを
加える。つぎに温度を20℃以下で保持しながら比
粘度約0.06(DMF中1%、25℃)を有する固体状
エチレン/無水マレイン酸(EMA)共重合体
(分子量850)20gを撹拌下で少量ずつ加える。
生成物である半アミド半アンモニウム塩
(AEMA)をガラスフイルターで過すると透明
で実質的に無色の生成物が得られる。 実施例2 水性AEMAの真空蒸留および噴霧乾
燥 EMA(比粘度0.06)の水性アンモニア処理によ
り製造され、固体含有量が22%である水性
AEMA溶液162.8を635mmHgの減圧下で且つ35
℃〜60℃で加熱し、そして60℃で1時間保持する
ことによりトツピングを行なう。この処理ののち
通常の逆相法を使用して液体クロマトグラフイー
により測定した場合、その生成物中には揮発性有
機物は検出できなかつたが、他方上記の真空トツ
ピングを行なうまえには約0.1%のそのような揮
発性分が検出された。トツピングされた溶液をサ
ブミクロンフイルター(孔サイズ0.2μ)で過
し、そして2個の液体用ノズルを装備した小型の
噴霧乾燥器に液を1時間あたり17.6の割合で
供給し、そして入口の乾燥温度200℃そして出口
の温度100℃で操作することによりAEMAを微細
な白色粉末として単離する。得られた粉末は2%
水性溶液としてAPHAカラー10を有する。 本明細書中ではAPHAカラーの測定は実質的
に「Standard Methods for the Examination
of Water and Sewage」(米国公衆衛生協会
1936年発行)第12〜14および22頁に従つて行なわ
れた。この方法に従つて均一な白地の上でネスラ
ー比色管の溶液を肉眼観察で上から見ることによ
り、試料溶液の色を一連の標準の色と比較する。
標準のベースカラーは白金のそれであるが、色合
いを変えるためにコバルトを使用する。ベースカ
ラーは塩化白金酸カリウム(K2PtCl6)1.245g
(白金0.50gを含有する)を蒸留水100mlおよび濃
塩酸(12NHCl)100mlを含有する溶液中に溶解
することにより製造される。最高の暗色の標準は
上記の白金溶液に結晶化された塩化コバルト
(CoCl2・6H2O)1g(コバルト0.248gを含有す
る)を溶解し、そして蒸留水で1に希釈するこ
とにより製造される。この溶液は最高のカラーNo.
500と表示される。つぎに後者の溶液を蒸留水で
適当に希釈することにより0から500までの色勾
配を製造する。たとえばカラー標準50mlの容量に
対してはカラーNo.10の標準はカラーNo.500の標準
1mlを抜き取り50mlに希釈することにより製造さ
れるが、他方カラーNo.100の標準はカラーNo.500の
標準10mlを抜き取りそして50mlに希釈することに
より製造される。 実施例3 ピロ亜硫酸ナトリウムを用いる水性
AEMAの噴霧乾燥 水性AEMA溶液のもう一つの部分を実施例2
の操作に従つて噴霧乾燥するが、ただし噴霧乾燥
するまえにピロ亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)
0.2%をその水性溶液中に混入する。過酸化物に
対する標準的な澱粉/ヨード試験により測定した
場合、得られた噴霧乾燥生成物は汚染物質である
過酸化物を含有しない。この試験により痕跡量の
沃化物の存在下における澱粉溶液は、沃化物から
沃素を遊離させて澱粉/沃素錯体の特徴的な青色
を与えることができるような微量の酸化剤たとえ
ば過酸化物を測定するために使用される。 実施例4 噴霧乾燥されたAEMAの部分的イミ
ド化 小型の回転二重円錐乾燥器にAEMA(実質的に
実施例3と同様にして製造する)4700gを入れ
る。乾燥器を密閉し、そして50mm以下の真空下で
85℃に9時間加温する。上記の物質はこの間に85
〜90℃で7時間保持される。つぎに乾燥窒素を用
いて乾燥器を大気圧にする。この間に濃縮物370
gが集取される。窒素を通じながら90℃で20時間
加熱を続行する。赤外線分光測定法により乾燥器
の内容物を測定するとその重合体状粉末はイミド
を18%含有することが示された。イミド化された
生成物である白色粉末(2%水性溶液として
APHAカラー20である)の重量は4000gである。
この実施例はまた以下の実施例6の一段階を構成
する。 実施例5 部分的にイミド化されたAEMAの水
性溶液の噴霧乾燥 熱的にイミド化されたAEMA(実質的に実施例
4と同様にして製造する)の50重量%水性溶液
600gを0.4ミクロンのフイルターに通すことによ
り透明にする。2本の液体ノズルを有する小型の
乾燥器を用いて1分間あたり60mlの供給速度で且
つ入口温度175℃および出口温度105℃で操作して
その溶液を噴霧乾燥することにより、固体状の最
終生成物が微細な白色粉末として得られる。その
粉末はイミドの含有量(赤外線スペクトル)が20
%であり、そして2%水性溶液はAPHAカラー
20を有する。 実施例3および5の噴霧乾燥された最終生成物
は有意のダスト化を伴わずに、そして揮発性有機
物を検出することなしに容易に水性溶液中に混合
される。それらはPHを約8.8に上昇させると極め
て透明な溶液を生成し、そしてサブミクロンフイ
ルターで容易に過されて単位投与バイアルの無
菌的な充填物が製造される。 実施例 6 薬学的に活性な生成物に関して試験するための
部分的にイミド化されたAEMAはつぎのように
して製造され且つ試験される。 〔重合〕 窒素雰囲気下で撹拌されたステンレススチール
製の反応器中のエチルベンゼン231.8Kgに無水マ
レイン酸30Kgを加える。完全な溶液になるまでそ
の混合物を撹拌し且つ50℃に加温する。エチルベ
ンゼン32.7Kgに溶解された過酸化ベンゾイル2.35
Kgの溶液をこの溶液に加える。前もつて清浄に
し、乾燥し、エチレンを通じ、そして前もつて40
℃に加温した455の反応器にこの得られた混合
物を移す。つぎにその反応器を撹拌し、エチレン
で414kPaに加圧し、そして75℃に加温する。75
℃においては圧力は1380kPaに増大する。この時
点を反応時間ゼロと考えられる。穏和な発熱が観
察されるが反応器ジヤケツトの温度を適当に下げ
ることにより75℃±2℃に調節する。75℃で3時
間保持したのち、2回目の触媒すなわちエチルベ
ンゼン28.2Kgに溶解された過酸化ベンゾイル1.56
Kgを移動ボンベから加圧して反応器に加える。
1380kPaの圧力下でその温度を75℃で合計17時間
保持する。つぎに反応器を25℃に冷却し、窒素で
パージし、そして内容物を過器にあける。集取
した固体分をエチルベンゼン136.4Kg中で再びス
ラリー化し、インライン・スラリーグラインダー
を通してフイルター上に移す。スラリー状態で摩
砕された固体分を毎回エチルベンゼン136.4Kg中
で1時間4回再スラリー化し、摩砕し、過し、
その後固体分を真空オーブンに移す。乾燥分析に
おける損失がそれ以上の重量損失を示さなくなる
まで絶対圧20mmHgで且つ60℃で真空オーブン中
に窒素をゆつくり通じながら乾燥を行なう。乾燥
したエチレン/無水マレイン酸(EMA)共重合
体生成物を集取し、そして測定するとそれは比粘
度0.055を有する。 〔アンモニア処理〕 100ガロンの反応器に水酸化アンモニウム(58
%)85.5Kgおよび発熱物質を含まない脱イオン水
41.4Kgを入れる。この溶液に15〜25℃の温度で
EMA(上記で製造されたもの27.3Kg)を少量ずつ
(4分間あたり約0.39Kg)加える。EMAの添加が
完了した時点でその混合物を30℃で半時間撹拌す
ると完全な溶液になる。つぎにこの反応混合物を
180〜250mmの真空にすると同時に、その温度を2
時間かけて30℃から45〜50℃に上昇させる。明ら
かにある程度の発泡が認められるが、抑制するの
は困難なことではない。50℃で1時間保持したの
ち液体クロマトグラフイー分析により、得られた
AEMA溶液中に不純物である炭化水素が存在す
るという証拠は示されなかつた。つぎに水200ml
中ピロ亜硫酸ナトリウム(25g)の溶液を加え、
順次に1ミクロンおよび0.2ミクロンのフイルタ
ーでそのAEMA溶液を過する。得られた淡黄
色の液を冷蔵し(5℃)、そしてつぎの段階で
噴霧乾燥するために保存する。 〔噴霧乾燥〕 上記の過された溶液(固体分22%)の噴霧乾
燥は、噴霧乾燥器を用いて入口の温度195〜200
℃、出口の温度70〜85℃で且つ1時間あたり3.1
〜3.6Kgの速度で行なわれる。つぎのイミド化の
ために19.1Kgの噴霧乾燥生成物を集取する。 上記の噴霧乾燥されたAEMAの粉末は水分含
有量7.4%、1gあたり過酸化物4×10-6当量を
有し、2%水性溶液としてAPHAカラー10であ
り、そして粒子サイズの分布はつぎのとおりであ
る。 <2.4μ=0.4% 2.4〜4.8μ=21% 4.8〜9.6μ=36% 9.6〜19.2μ=32% >19.2μ=10% 〔オーブントレーでの静的イミド化〕 オーブン中でイミド化するためにそれぞれ4個
のトレーを含む3個の真空オーブンを使用する。
10個のトレーに上記の噴霧乾燥されたAEMAの
粉末を少量ずつ(それぞれ600〜900g、合計8300
g)入れる。最初の7時間真空を適用するとその
間にトレーは82〜90℃の温度範囲に平衡化する。
その時点から窒素を緩徐に流しながら大気圧下で
オーブンを操作する。試料を定期的に除去して赤
外線分光測定法によりイミド/アミド比を測定
し、生成物が17.5%のイミド量に近づいた時点で
トレーを除去する。イミド化された生成物を集取
すると7.2Kgであり、そして2%水性溶液として
APHAカラー10を有することが分析により示さ
れる。 〔回転二重円錐乾燥器中でのイミド化〕 小型の回転二重円錐乾燥器に上記の噴霧乾燥さ
れたAEMAの粉末4700gを入れる。乾燥器を密
閉し、そして50mm以下の真空下で85℃に9時間加
温する。90℃でさらに7時間真空を続ける。つぎ
に乾燥窒素を用いて乾燥器を大気圧にする。濃縮
物370gが集取される。90℃でさらに20時間加熱
を続行するが、その際赤外分光測定法により18%
のイミドが示されるまでしばしばイミドの%を監
視する。つぎに部分的にイミド化された生成物
(4000g)を白色粉末(2%水性溶液として
APHAカラー20を有する)として清潔な二重の
ポリエチレンの袋に集取する。 〔単位薬量形態の製造〕 上記のオーブントレーにおける静的イミド化お
よび回転二重円錐乾燥器中でのイミド化により得
られた生成物を一緒に混合し、そしてつぎのよう
な単位薬量形態を製造するためのバルク薬剤とし
て保存する。 上記のバルク薬剤8754gを発熱物質を含まない
水に溶解し、水酸化アンモニウムでPHを9.5に調
節することにより最終的な投薬形態を製造する。
得られた溶液を滅菌過により滅菌し、その滅菌
された溶液を滅菌された血清バイアルに無菌的に
分配する。それらのバイアルを無菌的に凍結乾燥
し、キヤツプをし、そして包装する。 〔薬学的試験〕 上記の方法により製造された熱的にイミド化さ
れた生成物(イミド18%)はルイスの肺癌に対す
るその抗腫瘍活性について種々の投与量で試験さ
れる。この試験においては106個のルイスの肺細
胞をB6D2F1系雄性マウス(1群あたり10匹)の
右脇腹の皮下に移植する。試験生成物を滅菌され
た0.9%塩化ナトリウム溶液に溶解し、マウスあ
たり0.5mlの容量で腹腔内投与する。14日目に垂
直直径で腫瘍を測定し、式長さ×幅2×0.5により
腫瘍の体積を計算する。平均および中間の腫瘍の
体積を各処理群に対して計算し、そしてT/C比
を得るために無処理の対照と比較する。結果はつ
ぎの表に記載される。
【表】
本開示を読むことにより本発明の精神および範
囲から逸脱することなしに種々の他の例が当業者
に明らかになるであろう。そのような他の例はす
べて本発明の範囲内に含まれるものとする。
囲から逸脱することなしに種々の他の例が当業者
に明らかになるであろう。そのような他の例はす
べて本発明の範囲内に含まれるものとする。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 エチレンと無水マレイン酸との共重合体(そ
の共重合体は平均分子量300〜1500を有する)を
アンモニアと反応させて半アミド半アンモニウム
塩の基を有する上記共重合体の誘導体の溶液を生
成し、つぎにそれらの基をイミド化し、そして上
記の誘導体の基の5〜40重量%がイミド基に変換
されるまでそれらの基を高められた温度で熱的に
イミド化することから成り、その場合にその共重
合体を水性溶液中でアンモニアと反応させ、その
溶液状態の共重合体誘導体を噴霧乾燥して実質的
に無水の微粒子の形態の共重合体誘導体を得、そ
してその実質的に無水の共重合体誘導体において
さらに水を除去しながら熱的イミド化を行うこと
を特徴とする、半アミド、半アンモニウム塩およ
びイミド基を有する、改良された薬学的に活性な
エチレンと無水マレイン酸との共重合体の誘導体
を製造する方法。 2 半アミド半アンモニウム塩共重合体誘導体の
水性溶液を噴霧乾燥するまえに真空蒸留に付して
1〜2容量%の留出液を除去することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 噴霧乾燥の間に過酸化物の生成を阻止するた
めに、噴霧乾燥のまえに半アミド半アンモニウム
塩共重合体誘導体の水性溶液に少量ではあるが有
効量の水溶性亜硫酸水素塩を混入することを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 イミド基が上記の誘導体化された基の10〜25
重量%を構成することを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の方法。 5 共重合体が平均分子量850であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 イミド基が上記の誘導体化された基の18重量
%を構成し、そして共重合体が平均分子量850で
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の方法。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/221,087 US4397995A (en) | 1980-12-29 | 1980-12-29 | Polymeric anti-tumor agent and method of preparation |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57133101A JPS57133101A (en) | 1982-08-17 |
| JPS643202B2 true JPS643202B2 (ja) | 1989-01-20 |
Family
ID=22826285
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56210088A Granted JPS57133101A (en) | 1980-12-29 | 1981-12-28 | Polymeric antitumor and manufacture |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4397995A (ja) |
| EP (1) | EP0057331B1 (ja) |
| JP (1) | JPS57133101A (ja) |
| AT (1) | ATE11549T1 (ja) |
| CA (1) | CA1166156A (ja) |
| DE (1) | DE3168707D1 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4510285A (en) * | 1981-06-17 | 1985-04-09 | Monsanto Company | Terpolymeric antitumor agent |
| US4517329A (en) * | 1981-06-17 | 1985-05-14 | Monsanto Company | Polymeric antitumor agent |
| DE3265603D1 (en) * | 1981-06-17 | 1985-09-26 | Monsanto Co | Co- and ter-polymers of alkyl- and chloroalkyl vinyl ethers, maleic anhydride and maleimide having antitumor activity |
| US4508866A (en) * | 1981-06-17 | 1985-04-02 | Monsanto Company | Polymeric antitumor agent |
| DE3417937A1 (de) * | 1984-05-15 | 1985-11-21 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zum faerben von cellulosehaltigen fasermaterialien nach dem klotzkaltverweil- oder klotzdaempfverfahren |
| EP1405865A1 (en) * | 2002-10-04 | 2004-04-07 | DSM IP Assets B.V. | Process for preparing a polymer dispersion |
| US9422376B2 (en) * | 2013-09-16 | 2016-08-23 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Amine treated maleic anhydride polymers, compositions and applications thereof |
Family Cites Families (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA664326A (en) | 1963-06-04 | E. Fields Joseph | Polymeric electrolyte-containing composition | |
| GB815830A (en) * | 1955-09-06 | 1959-07-01 | Monsanto Chemicals | Sizing nylon yarns |
| US2892736A (en) * | 1955-12-30 | 1959-06-30 | Monsanto Chemicals | Sizing polyester yarns with an ethylene-maleic interpolymer |
| US2883287A (en) * | 1957-01-28 | 1959-04-21 | Monsanto Chemicals | Treatment of produce |
| US2957767A (en) * | 1957-12-18 | 1960-10-25 | Monsanto Chemicals | Silver halide dispersions |
| US2930775A (en) * | 1958-10-14 | 1960-03-29 | Rohm & Haas | Pigment pastes containing water-soluble diisobutylene-maleic anhydride copolymer salts |
| US3157595A (en) * | 1959-09-16 | 1964-11-17 | Monsanto Co | Clarification of water with copolymers containing half-amides of olefinic anhydrides |
| US3261798A (en) * | 1964-11-12 | 1966-07-19 | Monsanto Co | Paper treating solution of an alphaolefin/maleic anhydride copolymer and a bisulfite |
| US3282879A (en) * | 1964-10-27 | 1966-11-01 | Du Pont | Process for treating iminated vinyl acetate emulsion polymers with water-soluble bisulfites |
| DE1720746B2 (de) * | 1967-11-04 | 1976-11-04 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zur herstellung von polymerisaten, die wiederkehrende einheiten eines cyclischen 5-gliedrigen dicarbonsaeureimids enthalten |
| US3651171A (en) * | 1969-05-21 | 1972-03-21 | Bayer Ag | Thermoplastic molding composition containing maleic imide copolymers and rubbery polymers |
| US3840499A (en) * | 1972-08-29 | 1974-10-08 | Arco Polymers Inc | Dicarboxylic acid imide copolymers |
| US4255537A (en) * | 1979-01-22 | 1981-03-10 | Monsanto Company | Polymeric immunoregulatory agents containing half-amide/half carboxy/imide groups |
-
1980
- 1980-12-29 US US06/221,087 patent/US4397995A/en not_active Expired - Lifetime
-
1981
- 1981-12-24 EP EP81306132A patent/EP0057331B1/en not_active Expired
- 1981-12-24 CA CA000393194A patent/CA1166156A/en not_active Expired
- 1981-12-24 AT AT81306132T patent/ATE11549T1/de not_active IP Right Cessation
- 1981-12-24 DE DE8181306132T patent/DE3168707D1/de not_active Expired
- 1981-12-28 JP JP56210088A patent/JPS57133101A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0057331A1 (en) | 1982-08-11 |
| EP0057331B1 (en) | 1985-01-30 |
| ATE11549T1 (de) | 1985-02-15 |
| JPS57133101A (en) | 1982-08-17 |
| CA1166156A (en) | 1984-04-24 |
| DE3168707D1 (en) | 1985-03-14 |
| US4397995A (en) | 1983-08-09 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6977059B2 (ja) | マンヌロン二酸の組成物 | |
| JPH10513468A (ja) | ファルネシル転移酵素阻害剤、これらの調製、及びこれらを含む製薬学的組成 | |
| JPH08500589A (ja) | アストラガルス ポリサッカライド免疫調節剤 | |
| HU229571B1 (en) | Aqueous compositions containing moxifloxacin and common salt and process for its preparation | |
| US6075050A (en) | Compound for inhibiting HIV infectivity | |
| JP2009532532A (ja) | バイオ用途用のスチレン−無水マレイン酸コポリマ及びそれらの製剤 | |
| JPS643202B2 (ja) | ||
| RU2157225C2 (ru) | Флавано-лигнановая композиция и лекарственное средство на ее основе | |
| SA92130137B1 (ar) | معقدات مشتق للبلوروميوتيلين | |
| KR102358980B1 (ko) | 폴리에틸렌피페라진 유도체와의 히알루로니다제 컨쥬게이트를 생성시키기 위한 방법 및 생성된 컨쥬게이트의 용도 | |
| HU184229B (en) | Process for producing poymere compounds of immunregulating activity | |
| HUT62917A (en) | Process for producing hepqrin derivatives and pharmaceutical compositions comprising such active ingredient | |
| TWI697498B (zh) | 一種苯並二氮雜䓬衍生物的氫溴酸鹽及其製備方法和用途 | |
| EP0616813B1 (en) | Antitumor mitoxantrone polymeric compositions | |
| CN118561725A (zh) | 一种氟苯尼考-槲皮素共晶及其制备方法 | |
| US5632980A (en) | AIDS therapeutic agents comprising polymers formed from cinnamic acid derivatives | |
| KR101832562B1 (ko) | 콜린 알포세레이트와 커큐민의 공결정 제조방법 | |
| RU2499002C1 (ru) | Конъюгаты госсипола и натрийкарбоксиметилцеллюлозы, способы их получения и противовирусные средства на их основе | |
| Upadhye | A Comparative Study of Two Different Taste Masking Approaches for Taste Masking of Azithromycin | |
| JPS61255904A (ja) | リオプロスチル−ポリビニルピロリドン錯体 | |
| NO821174L (no) | Fremgangsmaate ved fremstilling av natriumamoxillin | |
| RU2611362C1 (ru) | Водорастворимая композиция, обладающая противоопухолевой активностью и способ ее получения | |
| EP1669379B1 (en) | 3,5-dimethyl-1-adamantyl-ammonium polymeric salts and the use thereof in the form of antiviral agents | |
| JPH0378401B2 (ja) | ||
| RO117376B1 (ro) | Derivat de n,n-dietil-8,8-dipropil-2-azaspiro [4,5] decan-2-propanamina, compozitie farmaceutica care il contine si metoda de tratament |