JPS642700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロータリー式電気かみそりの改良に係
り、特にロータリー内刃の刃先に凹凸を形成し
て、ヒゲの捕捉効果を高めるようにしたものであ
る。

ロータリー式電気かみそりは、円柱状基体の周
胴面にその軸線方向に沿つて刃部を幾筋にも突設
して形成されたロータリー内刃上に外刃を張架し
て構成されており、上記刃部先端の刃先を外刃内
面に摺接状態にて、上記内刃をその軸線を中心に
回転させながらひげそりを行うものである。第７
図はこの種従来のロータリー式電気かみそりによ
るヒゲ剪断の様子を示すものであつて、外刃７ａ
の毛導入孔７ｂから進入したヒゲ７ｃは、ロータ
リー内刃７ｄの高速回転により、刃部７ｅ先端の
刃先により剪断されるが、ヒゲ７ｃは必ずしも刃
先にしつかり捕捉されず、刃部７ｅの高速回転に
ともない外方へ流れる空気流（矢印参照）の作用
もあつて、点線にて示すように刃先にハネ返され
て剪断されない場合も多い。殊に長ヒゲやくせヒ
ゲの場合かかる傾向が強いものであり、また刃先
の回転円周方向に沿つて入つてきたヒゲ７ｆも、
刃先にしつかり捕捉されずそり残されることが多
い。かかるロータリー式電気かみそりの欠点を解
消するために、刃部の形状を種々工夫すること等
が考えられるが、その対策にも限界があり、刃部
を如何なる形状にするにせよ、すべてのヒゲをし
つかりと捕捉して確実に剪断することはきわめて
難しい。

そこで本考案は上記の点を勘案してなされたも
のであつて、ロータリー内刃の刃先を凹凸形状と
してヒゲの捕捉効果を高めるようにしたものであ
り、かくすることにより毛導入孔から進入したヒ
ゲをしつかり捕捉して確実に剪断するようにした
ものである。以下、図面を参照しながら本考案の
実施例の説明を行う。

第１図は本考案に係るロータリー内刃を示すも
のであつて、本ロータリー内刃１は円柱状基体２
の周胴面に、その軸線Ｘ方向に沿つて刃部３を軸
方向中心に対しねじれ角θを付与して突設して形
成されている。

第２図は上記刃部３の拡大斜視図、第３図は上
記刃部３先端部の拡大平面図であつて、刃部３の
先端部には刃付けが施されて刃先部３ａとなつて
おり、刃先部３ａ先端すなわちヒゲ４を剪断する
刃先には、微小な凹凸が端縁に沿つて形成されて
いる。該凹凸は長辺ａと、該長辺ａから略90゜の
屈折角度αにて屈折する短辺ｂとから成り、刃先
部３ａ先端に沿つて鋸刃状に形成されている。上
記長辺ａは、内刃１の回転方向Ｙ（内刃１の軸線
Ｘに直交する方向）に略々直交している。また短
辺ｂは、内刃１の回転方向Ｙに略々平行となつて
いる。５は上記内刃１上に張架される外刃、６は
外刃５に形成された毛導入孔である（第４図も併
せて参照）。

上記内刃１を電気かみそりにセツトし、内刃１
をその軸線Ｘを中心に回転させながらひげそりを
行うと、毛導入孔６から進入したヒグ４は刃先部
３ａ先端の凹凸にしつかりと捕捉されて剪断され
る。その際ヒゲ４剪断の有効長となるのは、内刃
１の回転方向Ｙに略々直交するよう形成された長
辺ａであり、同方向Ｙに略々平行な短辺ｂはヒゲ
４の剪断機能はあまりなく、該短辺ｂは上記長辺
ａとともにもつぱらヒゲ４の捕捉効果を発揮す
る。このように刃部３先端の刃先の凹凸形状を、
上記長辺ａと短辺ｂとから成る鋸刃状とすれば、
ヒゲ４剪断の有効長を長辺ａにより十分に確保し
つつ、長辺ａと短辺ｂとによりヒゲ４の捕捉効果
を確保して、ひげそり効果を著しく高めることが
できる。

上記のように刃先部３ａ先端に凹凸を形成する
方法は種々考えられるのであつて、以下第５図を
参照しながらその一例を説明する。

２は上述した内刃１の素材となる円柱状基体で
その材質として例えば硬度が高く耐蝕性のある
SUS４４０ｃ等を選択している。また１０は研
削用のホブであり、円柱状胴部１１と、該胴部１
１の周胴面に複数突設された切削刃１２とから成
つている。

上記ホブ１０を高速回転させながら、切削刃１
２を基体２周胴面一側に押し当て、基体２をゆつ
くりと回転させながらその軸線Ｘ方向に搬送する
と、基体２周胴面には上記刃部３が軸方向中心に
対し所定のねじれ角を付与されながら切削形成さ
れる。その際各切削刃１２の位相の微小なズレや
各切削刃１２間の距離Ｐと基体２の回転速度つま
り基体２の周速との差のために、基体２の被切削
面には微小な溝状の凹凸が形成され、該凹凸によ
り刃部３先端すなわち刃先にも上記実施例で示し
たような凹凸が形成される。このようにして形成
される凹凸のピツチやその形状は、基体２の軸線
Ｘ方向への送り速度や回転速度、あるいは切削刃
１２先端の形状等により決るものであり、これら
を変更することにより所望形状の凹凸を形成する
ことができる。

凹凸形成方法は上記方法以外にも種々考えられ
るのであつて、例えば刃部３先端への刃付け時あ
るいは刃付け後に、刃先を粒度の大きい砥石によ
り研摩することによつても形成しうる。以上のよ
うに刃先の凹凸は、ロータリー内刃の成形加工時
に簡単に形成することができる。

刃部の先端に形成する凹凸の形状は、上記形状
以外にも種々考えられるのであつて、例えば第６
図ａに示すような二等辺三角形状であつてもよ
く、あるいは同図ｂに示すような円弧状であつて
もよく、要は外刃の毛導入孔から進入したヒゲを
確実に捕捉して剪断しうる形状であればよい。

なお第３図および第６図は、刃先の凹凸として
望ましい形状を示しているのであつて、上記諸方
法等により刃先に凹凸を形成した場合、形成され
た凹凸の形状は厳密に各図において示したような
形状になるものではなく、各図において示した形
状と近似もしくは略近似した形状となることは言
うまでもない。

以上のように本考案に係るロータリー式電気か
みそりは、刃部３先端の刃先に凹凸を形成してい
るので、ヒゲ４をしつかり捕捉して確実に剪断す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図はロータリー内刃の斜視図、第２図は刃部の拡
大斜視図、第３図は刃部先端部の拡大平面図、第
４図はひげそり中の部分側面図、第５図はロータ
リー内刃を成形中の斜視図、第６図ａ，ｂは本考
案の他の実施例の刃部先端部の拡大平面図、第７
図は従来のもののひげそり中の部分側面図であ
る。 １……ロータリー内刃、ａ……円柱状基体、３
……刃部、５……外刃、Ｘ……軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状基体２の周胴面に、その軸線Ｘ方向に沿
   つて刃部３を軸方向中心に対しねじれ角を付与し
   て突設して成るロータリー内刃１と、該ロータリ
   ー内刃１上に張架する外刃５とを有し、前記刃部
   ３先端の刃先に凹凸を形成したことを特徴とする
   ロータリー式電気かみそり。