JPS6117730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は外刃の縁部にひげ立て突起を備えた
電気かみそりに関する。

電気かみそりは外刃の内側に内刃を設けて摺動
させることによりひげ等を剃るものである。従
来、いわゆる深剃りを行なえるようにするため
に、外刃の周縁部に離間対向した位置にこの外刃
周縁部を取り囲むようにしてひげ立て突起を設け
たものが提供されている。すなわちこのものはこ
のひげ立て突起を皮膚に押し当てつつ移動させる
ことにより外刃周縁部との間で皮膚を引つ張り、
毛根部分を外刃周縁部とひげ立て突起との間の隙
間部にて多少浮き上がらせるようにして毛を切断
するために、深剃りが可能である。しかし長めの
ひげの場合には、この突起と皮膚との間にひげが
押え付けられて倒れた状態のまま外刃に達するこ
とがあるため、この外刃の刃孔に長めのひげが進
入できなくなり、剃り残しを生じ、使いにくいと
いう欠点があつた。

この考案は上記事情にもとづきなされたもので
その目的とするところは、長めのひげも確実に外
刃の刃孔に導びくことができ、効果的に剃り落す
ことができるとともに、深剃りが無理なく行なえ
しかも肌ざわりのよい電気かみそりを提供するこ
とにある。

以下この考案を第１図から第４図に示す一実施
例にもとづいて説明する。図中１はケーシングで
ある。このケーシング１は手の平で容易に握持で
きるような形状に形成してある。そしてこのケー
シング１の一側に環状の外刃台２を着脱自在に取
付けてある。この外刃台２は、その内周面に設け
た雌ねじ部３をケーシング１に設けた雄ねじ部
（図示せず）にねじ込むことにより固定されるも
のである。

そして上記外刃台２に外刃４を取付けてある。
この外刃４は第２図に示されるように、肌に当接
する曲面部４ａと、この曲面部４ａの周縁部４ｂ
に連なる垂直部４ｃを備えて構成され、固定用の
リング５によつて外刃台２に固定されている。ま
た、外刃４には多数の刃孔６…が第４図に示すご
とき所定パターンで形成されている。これら刃孔
６…のうち、外刃周縁部４ｂに設けられている最
も外側の刃孔６ａは、第２図に示すように、上記
垂直部４ｃから曲面部４ａにわたつて連続する細
長状に形成されている。そして外刃４の内側に、
図示しない内刃が回転摺接するようになつてい
る。この内刃は、ケーシング１に内蔵した図示し
ないモータにより回転駆動される。

そして上記外刃台２の先端に、ひげ立て突起７
を設けてある。このひげ立て突起７は、外刃周縁
部４ｂを取り囲むように円環状に配列されてお
り、等間隔の隙間８…をもつ櫛歯状に形成されて
いる。また、ひげ立て突起７の最先端部と外刃周
縁部４ｂとの間には、ひげが起立できるような小
間隙９を確保してある。また上記ひげ立て突起７
は、第２図に示されるように突起７の先端が外刃
４の表面のほぼ延長線上に位置するように配され
ている。

そして第４図に示したように、上記隙間８の延
長線の内側の領域Ｓ（斜線を施してある）内に、
それぞれ内孔６ａの少なくとも一部が存在するよ
うにこれら刃孔６ａのピツチを設定してある。す
なわち、これら隙間８…のピツチと刃孔６ａ…の
ピツチは必ずしも一致させる必要はないが、これ
ら隙間８…の延長線の各内側領域Ｓにそれぞれ少
なくとも１つの刃孔の１部、あるいは１つの刃孔
全体が必らず位置できるようなピツチで、刃孔６
ａ…を配置するものとする。

以上のように構成された電気かみそりは、ひげ
立て突起７を皮膚に押し当てつつ、隙間８…に沿
う方向に外刃４を移動させることにより、ひげ立
て突起７と外刃４とによつて皮膚が押され、小間
隙９にてひげの毛根部分が多少浮き上がつた状態
となるため、ひげを根元から切断でき、いわゆる
深剃りが可能である。

そして、ひげ立て突起７が櫛歯状に形成され、
しかも櫛歯間の隙間８…の延長線内の領域Ｓに必
らず刃孔６ａの少なくとも１部が存在しているか
ら、長めのひげも上記隙間８…に沿つて、ある程
度起立した状態でそのまま刃孔６ａ…まで導くこ
とができ、これら刃孔６ａ…に確実に進入させる
ことができる。したがつて長めのひげも剃り残し
を生じることなく確実に剃ることができるもので
ある。なお、短かいひげの場合には、仮にひげ立
て突起７の先端によつて押し倒されても小間隙９
にて直ちに起立できるから、ひげ立て突起７の裏
側に位置する刃孔にも進入でき、刃孔６ａ…全体
を有効に使用してひげを剃ることができる。

なお第５図は刃孔の一変形例を示すものであ
り、各刃孔６…は完全な放射状に形成することな
く、外刃４の中心から偏向させてそれぞれ斜状に
配列してある。このように刃孔６を斜状に形成し
たものであれば、外刃周縁部に位置する刃孔６ａ
が必らず隙間８…の延長線の内側領域を斜めに横
切るため、これら隙間８…に沿つて案内されてき
たひげを更に確実に刃孔６ａに進入させることが
でき、一段と効果的である。

なお上記実施例では円形の外刃を備えたものに
適用した例を示したが、この考案はたとえば矩形
状の外刃の内側に内刃を往復摺動させるようにし
た往復駆動タイプの電気かみそりにも同様の主旨
で適用可能である。

以上説明したようにこの考案は、外刃の縁部か
ら離間した位置に櫛歯状のひげ立て突起を設ける
とともに、このひげ立て突起はその先端を外刃表
面のほぼ延長線上に配置し、かつ各突起間の隙間
の延長線の内側に、それぞれ外刃縁部に位置する
刃孔の少なくとも一部が存在するように刃孔を配
置したものである。

この考案によれば、ひげ立て突起と外刃を肌に
押し付けることにより、この突起と外刃との間の
隙間でひげの根元部分を浮上らせることができる
とともに、この隙間部分でひげを充分に起こすこ
とができる。このため深剃りが無理なく行なえる
のは勿論のこと、長めのひげであつてもひげ立て
突起間の隙間に沿つて外刃の刃孔まで確実に案内
して刃孔に進入させることができる。また、ひげ
立て突起で倒されたひげもこの突起の移動に伴い
突起と外刃との間の隙間で起こして外刃の刃孔に
導入することができる。これらの理由から、剃り
残しを生じることなく快適な剃り味が得られる。
しかもひげ立て突起の先端を外刃表面のほぼ延長
線上に揃えてあるので、突起の先端が必要以上の
力で肌に当接することを防止でき、肌触りが良い
などの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
し、第１図は電気かみそりの斜視図、第２図は外
刃と外刃台の一部を示す縦断面図、第３図はひげ
立て突起を示す斜視図、第４図は外刃の一部を示
す平面図、第５図は外刃の変形例を示す平面図で
ある。 ４……外刃、４ｂ……外刃周縁部、６……刃
孔、６ａ……外刃周縁部の刃孔、７……ひげ立て
突起、８……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外刃の縁部に沿いかつこの縁部から離間した位
   置に櫛歯状のひげ立て突起を設けるとともに、こ
   のひげ立て突起はその先端を外刃表面のほぼ延長
   線上に配置し、かつ各ひげ立て突起間の隙間の延
   長線の内側に、それぞれ外刃縁部に位置する刃孔
   の少なくとも一部が存在するように刃孔を配置し
   たことを特徴とする電気かみそり。