JPS642698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は本体ケースの先端に固定刃と可動刃
が突出する電動バリカンにおいて固定刃の側端角
部が例えば丸刈りなどに際して被整髪者の頭皮に
突き当たつて痛みや不快感を与えることが無いよ
うにしようとするものである。

すなわち、この種の電動バリカンでは本体ケー
スから突出する金属製の固定刃の左右の側端角部
で誤つて被整髪者の頭皮などを突くことが少なか
らず発生する。とくに突発的に動く幼児の整髪に
際して多発し、怪我をさせないまでも不安感を与
えて散髪嫌いにしてしまいがちである。

このような不具合を改善するために、従来から
固定刃の側端角部を可能な限り大きな曲面に形成
することが提案されている。しかし、その曲率は
１mmにも達せず、もともと固定刃の厚みが１mm前
後と薄いために鋭利な触感がどうしても残り、完
全とは言い難い。

そこで、固定刃の側端角部の横外側方に半円状
の突起を一体に形成することも試みられてはいる
が、これでは耳まわりや襟足などの際刈りに際し
て該突起の突出量分だけ切刃が皮膚面から浮き離
れるので、該当箇所の毛髪を短く端正にカツトで
きない憾みがある。

この考案は、かかる現状に着目して、丸刈りな
どの整髪時には固定刃の左右の側端角部の横外側
方に緩衝体が位置して該側端角部が頭皮に直接に
突き当たらないようにし、逆に耳まわりや襟足な
どの整髪時には該緩衝体が固定刃の側端角部の横
外側方にから外れて該当箇所を短くカツトできる
ようにしようとするものであり、その特徴とする
ところは、本体ケースに緩衝体を付設し、この緩
衝体が固定刃の側端角部の横外側方に位置する作
動姿勢と、この位置から外れる待機姿勢とにわた
つて切換え操作できるようにした点にある。

以下、その詳細を図面に基づき説明すると、第
１図および第２図において、１は上下ケース１
ａ，１ｂを蓋合わせ状に結合してなる本体ケース
であり、くり舟状の下ケース１ｂ内に先端側から
順にバリカン刃ユニツト２、該ユニツト２を駆動
する振動子３、モータ４についで電池５などをそ
れぞれ装備し、下ケース１ｂに上ケース１ａを被
せ着けて全体として長箱状に構成してある。

バリカン刃ユニツト２は、ユニツト台６に一体
化した固定刃７と、固定刃７の上面で往復摺動す
る可動刃８と、振動子３の動きを可動刃８に伝え
る可動刃サポート９と、可動刃８を固定刃７に押
圧するバネ１０などからなり、ユニツト台６の下
端が下ケース１ｂに設けた支軸１１に係脱自在に
軸支され、本体ケース１に対して支軸１１まわり
に揺動する。この取付状態において、固定刃７と
可動刃８の両切刃が本体ケース１の先端から斜め
上向きに突出する。

かかる電動バリカンにおいて、本考案では本体
ケース１に固定刃７の左右の両側端角部７ａが皮
膚などに直接突き当たるのを防ぐための緩衝体１
２を有する。

第４図において、この緩衝体１２は平面視Ｔ字
形の基板１３の先端左右に一体形成されており、
該基板１３の後端上面に操作ノブ１４が突設され
ている。これら緩衝体１２、基板１３、操作ノブ
１４を含むスライド部材１５は緩衝体１２のため
に肌当りおよび滑り性のを良好なABS、ナイロ
ン、ポリエステル、好ましくはポリアセタール等
のプラスチツク材で一体に成形される。

このスライド部材１５は振動子３およびモータ
４と上ケース１ａとの間に配置されていて、基板
１３の先端の左右両外側面１３ａが上下ケース１
ａ，１ｂの両側壁間に形成した溝１６に案内支持
され、操作ノブ１４が上ケース１ａの上面に開口
せる窓口１７を介して外部に臨み、操作ノブ１４
を手にして緩衝体１２が固定刃７の両側端角部７
ａの横外側方に進出する作動姿勢と、本体ケース
１の先端開口縁まで後退する待機姿勢とに切換え
操作できる。

緩衝体１２は平面視で直径４mm前後の半円形の
こぶ状突起として形成され、その外周面はなめら
かな突曲面に形成されている。また、緩衝体１２
の下面側は固定刃７の傾きに沿う傾斜面に形成し
てあり、これが作動姿勢にあるとき前記側端角部
の７ａはもちろんのこと固定刃７の両横外側端面
の殆どを覆う。緩衝体１２を各切換え位置で保持
するために、上ケース１ａの内面から下向きの係
合ピン１８を突出し、これに対応して基板１３の
前後２箇所に係合孔１９を設けてある。

図中符号２０はモータ４をオン・オフするスイ
ツチである。

しかるときは、丸刈りなど通常の使用状態では
操作ノブ１４を前方にスライド操作して、第２図
に示す如く緩衝体１２が固定刃７の両側に進出し
た作動姿勢にする。この状態では緩衝体１２が固
定刃７の両側端角部７ａの横外側面を完全に覆つ
ているので、該側端角部７ａが直接に頭や皮膚に
当たることはなく、緩衝体１２に当たつても安全
である。際揃えなどでバリカンを起こして使用す
る場合でも、皮膚には緩衝体１２の突曲面が当た
るだけなので、痛みや不快感を与えることはな
い。

一方、耳まわりや襟足それに揉み上げなどを短
く際刈りをしたい場合は、第５図に示す如く操作
ノブ１４を後方にスライド操作して、緩衝体１２
を待機姿勢へと後退させる。そして、切刃の側端
を十分に皮膚面に近接させて髪を短くカツトする
ことになる。

第６図は本考案の別実施例を示しており、これ
では緩衝体１２を本体ケース１の側面に埋設状に
配置し、垂直のピン２１を中心に水平揺動できる
よう支持したものとなつている。２２は姿勢保持
バネである。このように緩衝体１２は必ずしも本
体ケース１内に収容する必要はない。また、緩衝
体１２を第６図に示す配置状態において前後に独
立して必要側のみをスライド操作するようにして
もよいであろう。

以上説明したように、この考案では本体ケース
１に支持した緩衝体１２をこれが固定刃７の左右
の側端角部７ａの横外側方に位置する作動姿勢
と、この位置から外れる待機位置とにわたつて切
換え操作できるものとしたので、例えば丸刈りな
どの使用状態においては緩衝体１２を作動姿勢に
しておけば緩衝体１２の突曲外周面が頭皮に当た
つて刃先が直接に突き当たることがないので、肌
触りが良くてなめらかに滑り、被整髪者に痛みや
不快感を与えることがない。そして、耳まわりや
襟足などの頭髪カツト時には緩衝体１２を待機姿
勢に戻しておきさえすれば、短く端正にカツトで
きることになり、使い勝手が良い利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案に係る電動バリカ
ンの一実施例を示しており、第１図は緩衝体が作
動姿勢にある状態での斜視図、第２図はその中央
縦断側面図、第３図は上ケースを取り外した状態
での要部の平面図、第４図本考案の構成部材のひ
とつである緩衝体を含むスライド部材の斜視図、
第５図は緩衝体が待機位置にある状態での第３図
に相当する平面図である。第６図は本考案の別実
施例を示す要部の平面図である。 １……本体ケース、２……バリカン刃ユニツ
ト、７……固定刃、７ａ……固定刃の側端角部、
８……可動刃、１２……緩衝体、１４……操作ノ
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース１の先端に固定刃７と可動刃８が突
   出する電動バリカンにおいて、本体ケース１に、
   外周面がなめらかな突曲面に形成された緩衝体１
   ２を、これが固定刃７の左右の側端角部７ａの横
   外側方に位置する作動姿勢と該側端角部７ａの横
   外側方から退避する待機姿勢とにわたつて切換え
   操作可能に支持してあることを特徴とする電動バ
   リカン。