JPS642046B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、可塑性材料のプレス成形の平衡支持
装置に関する。

従来の技術 可塑性材料のプレス成形は、シート状等の可塑
性材料を金型に流動充填して行なうものである
が、成形品の肉厚を均一に、精密に成形するに
は、プレス成形機のスライドを高精度に摺動しな
ければならないものである。ある許容基準によれ
ば、スライドの前後、左右方向の傾斜量は0.1〜
0.15mm／3mと設定されており、スライドを単に
昇降する方式では、プレス成形機の剛性を非常に
大きくしなければならないとともに、スライドの
摺動を上記のように高精度に保持するようにしな
ければならず、経済上および技術上の両面から好
ましいものではない。さらに、いわゆるインモー
ルドコーテイングにあつては、コーテイングの厚
さが通常0.1〜0.15mmで、より薄く均一に被覆す
ることが必要である。そのため、本出願人は、可
塑性板材のプレス成形機のベツド部に平衡支持装
置を配設して、可塑性材料の金型充填に必要なス
トロークにわたつてスライドを平衡支持する可塑
性板材のプレス成形機を開発している。ところ
が、第１図のように平衡支持装置Ａを平衡に位置
制御するリニアスケールのような位置検出器Ｂを
平衡支持装置Ａの上部に上端部を固着して片持梁
状に平行状に配設しているため、平衡支持装置Ａ
のロツド状の支持棒が摺動部等のクリアランスや
摩耗等で傾くと、誤差は一点鎖線のように増大さ
れるもので、位置検出器の精度を高めても平衡支
持の精度には限界があるものであつた。

発明の目的 本発明は上記のような点に鑑みたもので、平衡
支持装置の支持棒の傾きによつて誤差が増大され
ずに高精度の位置制御ができて、可塑性材料を金
型の所定のキヤビテイに均一状に流動充填でき
て、成形品を精密に成形できる可塑性材料のプレ
ス成形の平衡支持装置を提供するにある。

発明の構成 以下、本発明を実施例にもとづいて説明する。

第２図は本発明の一実施例で、シート状の可塑
性材料をプレス成形するプレス成形機に実施した
ものである。プレス成形機１は、所定の大出力、
長ストロークの油圧プレスで、上部の上フレーム
２に所要の大出力、長ストロークの加圧シリンダ
３を１ないし複数個配設し、スライド４を下部の
ベツド５側に向つて昇降自在している。下部のベ
ツド５の長手方向の４隅部には、油圧サーボバル
ブ６で昇降自在とした上下両側ロツド突出の油圧
シリンダのような平衡支持装置７をそれぞれ垂直
に配設し、スライド４を平衡に支持するようにし
ている。この平衡支持装置７は、加圧シリンダ３
に比してほぼ２分の１ないし５分の１位の小出力
で、ストロークもシート状の樹脂材等の可塑性材
料８を金型９の上金型１０と下金型１１とで形成
する所定のキヤビテイ１２に流動充填して加圧成
形するために必要な範囲の短かいもので、第３図
のようにスライド４を支持する上下両側ロツド突
出の支持棒１３の中央部に所定径の貫通孔１４を
貫通して開孔し、棒状のリニアスケールのような
剛体の位置検出体１５を上端を固着して垂直状に
内挿している。１６は上面が平面の支持蓋であ
る。位置検出体１５は、下端部を支持棒１３から
適宜量突出して軸受１７で垂直に軸支していると
ともにインダクトシンのような位置検出器１８を
配設して支持棒１３の移動量を検出自在とし、平
衡支持装置７の位置制御、速度制御の同調を精密
に行なうようにしている。１９は、位置検出器カ
バーである。

発明の作用 しかして、下金型１１に所定の軟化状態の可塑
性材料８を塔載して加圧シリンダ３を押圧してス
ライド４を下降し、スライド４を平衡支持装置７
にソフトに塔載して平衡支持してプレス成形する
と、プレス成形機１のアツプライト等のフレーム
の歪やスライド４のたわみ、スライド４の前後、
左右方向の傾斜によつて平衡支持装置７の支持棒
１３が傾いたり、また平衡支持装置７自体の摺動
部の間隙や摩耗によつて支持棒１３が傾いても、
位置検出体１５は支持棒１３の中央部に内挿して
いるため、従来のように片持梁状によつて誤差が
増大されることなく位置検出でき、平衡支持装置
７を精密に平衡支持制御できるものである。

また、本実施例では、両側ロツド突出の油圧シ
リンダ構造の平衡支持装置７としているため、支
持棒１３の上下２個所の一定の長間隔の摺動部で
支持できるもので、支持棒１３の傾斜角をより縮
少できるとともに摺動面の耐久性を高められ、高
精度の位置検出維持がはかれるものである。

また、上記実施例において、位置検出体として
は熱影響による伸縮の誤差を防止するため、熱膨
張係数の小さいカーボン、ガラス、セラミツク、
およびこれらと金属をインサートした複合材料等
の剛体で形成することもできるものであり、また
上部の固定手段は球面座による固着とし、位置検
出体を常に垂直に支持することもできるのであ
る。さらに、平衡支持装置のスライドの支持手段
についても、球面座による支持とするのが、スラ
イドの偏位による押圧力の中心ずれを防止できて
好ましいものである。

また、平衡支持装置の位置検出部等の下部は、
必要によりベツドに内設するようにして、ベツド
上の支持部の突出量を低くするようにもできるも
のである。

さらに、上記実施例は、位置検出手段として、
リニアスケールのような機械的検出手段とした
が、支持棒の上部に超音波受信器やレーザー受信
器等を内装し、下方部に超音波発信器やレーザ発
信器等を配設するなどして、超音波や光学的位置
検出手段等とすることもできるものである。

なお、平衡支持装置は、油圧シリンダ状のもの
としたが、メカニカルな支持装置についても適用
できるものであり、またプレス成形はいわゆるフ
ローモーデイング方法による線状、細板状や平板
状に可塑性材料をプレス成形機に流出供給してプ
レス成形するものについても適用できるものであ
る。

発明の効果 以上のように本発明にあつては、プレス成形機
のフレームの歪み、スライドのたわみや、スライ
ドの前後、左右方向の傾斜によつてスライド等の
被支持部が変化して平衡支持装置の支持棒が傾い
たり、支持棒の摺動部の間隙等により支持棒自体
が傾いても、平衡支持の位置検出の誤差が増大さ
れることなく精密に検出できて高精度に位置制御
でき、可塑性材料を金型の所定のキヤビテイに均
一状に流動充填できて、精密なプレス成形が行な
えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の平衡支持装置の縦断面図、第２
図は本発明の一実施例のプレス成形機に使用した
一部省略した正断面図、第３図は同上の平衡支持
装置の一部省略した拡大縦断面図である。 １…プレス成形機、４…スライド、５…ベツ
ド、７…平衡支持装置、１３…支持棒、１４…貫
通孔、１５…位置検出体、１８…位置検出器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス成形機のベツド部等に配設した平衡支
   持装置を介してスライドを平衡支持して可塑性材
   料を所定の金型に押圧流動充填する可塑性材料の
   プレス成形の平衡支持装置において、平衡支持装
   置のスライドを支持する支持棒の中央部を貫通す
   るとともにこの貫通孔に位置検出棒等の位置検出
   体を支持棒の上端部に固着して内装し、この位置
   検出体に位置検出器を位置検出自在に配設してス
   ライドを平衡支持装置を同調制御して平衡支持自
   在に形成したことを特徴とする可塑性材料のプレ
   ス成形の平衡支持装置。