JPS641975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は編機のキヤリジに係り、特にキヤリ
ジの下面に、給糸を受けた編針をノツクオーバー
位置に後退させる編カムを設け、その編カムを編
成編目にの大小に従つて前後方向に配置変更可能
に装置したキヤリジに関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の編機のキヤリジにおいては、編
カムの後端と後部休針通路形成板との間に間〓が
形成され、大きな編目を編成するために編カムが
最も後方の位置に配置された状態においても、そ
の間〓幅が編針のバツト幅よりも大きくなるよう
に設定され、編カムにて後退される編針のバツト
がこの間〓を通過して横方向へ誘導され得るよう
に構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この従来構成のキヤリジにおいて、
小さな編目を編成するために編カムを前方へ移動
配置した場合、その編カムの後端と後部休針通路
形成板との間の間〓幅が大きくなり、この状態で
特にキヤリジを高速摺動させて編成を行つた際、
編カムにて後退される編針のバツトが前記間〓に
おいて慣性により過剰に後退され、編成編目が設
定値よりも大きくなるという問題点があつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、前記のような問題点に着目してな
されたものであつて、左右一対の編カム６の後端
面から編針のバツトの通過間〓を隔てた後方に、
それぞれ編カム６により後退された編針のバツト
の過剰後退を規制しかつ編カム６の後端面と一定
の間隔を保つた状態でその各編カム６の配置変更
に連動して前後に一体的に移動可能な規制部材１
１を設けている。

（作用） 従つて、この考案のキヤリジにおいては、左右
一対の編カム６を編成編目の大小に従つて前後方
向のいかなる位置に配置変更しても、各編カム６
の後端面から一定の間隔を保つた状態で規制部材
１１が連動して前後に一体的に移動され、この状
態でキヤリジを高速摺動させて編成を行つた場
合、各編カム６により後退される編針のバツトは
前記規制部材１１に当接し、過剰後退が規制され
るので、編成編目が設定値より大きくなるおそれ
を確実に防止することができる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面に従つて詳細
に説明する。

さて、この実施例において本機針床（図示しな
い）に左右摺動可能に装架されたキヤリジ１の下
面には、前部休針通路２を区画形成する前部休針
通路形成板３及び後部休針通路４を区画形成する
後部休針通路形成板５が前後に所定の間隔をおい
て固定配置されている。前記両休針通路形成板
３，５間には左右一対の編カム６が前後方向へ配
置変更可能に設けられ、キヤリジ１の上面に設け
られた図示しない編目調節ダイヤルの回動操作に
基づく編成編目の大小調節操作に従い、第２図に
示す調節板７及びピン８を介して配置変更される
ようになつている。

前記編カム６の基部には基準通路開閉カム９が
前記ピン８により切替え回動可能に設けられ、第
１図に示す後方位置と第３図に示す前方位置とに
切替え配置されるようになつている。各基準通路
開閉カム９の外側には補助編カム１０が切替え配
置可能に設けられ、第１図に示すようにほぼ横一
線上に延びる不作用位置と第３図に示すように斜
状に延びる作用位置とに切替え配置されるように
なつている。

前記左右一対の編カム６にそれぞれ対応し、そ
れらの後方に編針のバツト通過間〓を隔てて位置
するように、キヤリジ１の下面には規制部材１１
が配設され、この実施例においては両編カム６間
の長さとほぼ同長の１個の平板状部材によつて一
体的に形成されている。規制部材１１の左右両側
端には一対の連結部１２が一体に形成され、第
１，２図に示すようにこの連結部１２において各
編カム６の基部のピン８に対しカラー１３を介し
て直接嵌合連結されている。そして、この規制部
材１１は、前記編カム６の配置変更に連動して、
その編カム６とほぼ一定の間隔を保つた状態で一
体的に前後移動され、キヤリジ１の摺動に伴い編
カム６により後退される編針のバツトの過剰後退
を規制するようになつている。

又、前記キヤリジ１の前側部には、複数個の編
地押え１４を回転可能に支持してなる編地押え支
持アーム１５が取付けられ、その左右中央部の前
側には編糸を挿通する糸口１６が設けられてい
る。

さて、この編機において平編を行うには、第１
図に示すようにキヤリジ１下面の基準通路開閉カ
ム９を後方位置に、補助編カム１０を不作用位置
にそれぞれ切替え配置する。そして、本機針床の
編成準備位置に整列された編針群上でキヤリジ１
を摺動させると、編針のバツトが一方の基準通路
開閉カム９及び編カム６の外側縁に沿つてベラ抜
け位置の前方まで前進されて、そのフツクに糸口
１６から編糸の供給を受け、その後他方の編カム
６の内側縁に沿つてノツクオーバー位置まで後退
されて編目の編成を行う。

このとき、編カム６の後方には常に編針のバツ
トの通過間〓を隔てて規制部材１１が配設されて
いるので、小さな編目を形成するために図示しな
い編目調節ダイヤルにて編カム６を前方へ移動配
置した状態で、キヤリジ１を高速摺動させた場合
でも、編カム６に沿つて後退される編針のバツト
の過剰後退が規制部材１１にて確実に規制され、
編成編目が設定値よりも大きくなることは全くな
い。

又、この編機においてアーガイル編を行う場合
には、第３図に示すようにキヤリジ１下面の基準
通路開閉カム９を前方位置に、補助編カム１０を
作用位置にそれぞれ切替え配置する。そして、本
機針床のベラ抜け位置の僅か前方に整列された編
針群のフツクに編糸を予め掛け渡した状態でキヤ
リジ１を摺動させると、編針のバツトが一方の補
助編カム１０及び基準通路開閉カム９の外側縁に
沿つてノツクオーバー位置まで後退されて編目の
編成を行い、その後他方の補助編カム１０の内側
縁に沿つてベラ抜け位置の僅か前方まで前進され
てからキヤリジ１外に導出される。

そして、このアーガル編の編成時においても、
補助編カム１０及び基準通路開閉カム９に沿つて
後退される編針のバツトの過剰後退が規制部材１
１にて確実に規制され、編成編目が設定値よりも
大きくなることは全くない。

なお、この考案は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、例えば、左右一対の編カムにそ
れぞれ対応して左右一対の規制部材を独立した状
態で配設したり、編カムの基部に対して別途連結
手段を介して規制部材を間接的に連結したりする
等、この考案の趣旨から逸脱しない範囲で各部の
構成を任意に変更して具体化することも可能であ
る。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案は、編カムを編成
編目の大小に従つて前後いかなる位置に配置変更
しても、その編カムの後端面と一定の間隔を保つ
た状態で規制部材が連動して前後に移動されるの
で、この状態でキヤリジを高速摺動させて編成を
行なつた場合、編カムにより後退される編針のバ
ツトの過剰後退が前記規制部材にて確実に規制さ
れ、編成編目が設定値よりも大きくなることはな
く、編成編目を設定値通りの大きさに編成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した編機のキヤリジ
において特に平編が可能なカム配置を示す底面
図、第２図はそのキヤリジの部分縦断面図、第３
図はアーガイル編が可能なカム配置を示すキヤリ
ジの底面図である。 図において１はキヤリジ、６は編カム、１１は
規制部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ キヤリジ１の下面に、給糸を受けた編針をノ
   ツクオーバー位置に後退させる左右一対の編カ
   ム６を設け、その各編カム６を編成編目の大小
   に従つて前後方向に配置変更可能に装置したキ
   ヤリジにおいて、 前記各編カム６の後端面から編針のバツトの
   通過間〓を隔てた後方に、それぞれ編カム６に
   より後退された編針のバツトの過剰後退を規制
   しかつ編カム６の後端面と一定の間隔を保つた
   状態でその各編カム６の配置変更に連動して前
   後に一体的に移動可能な規制部材１１を設けた
   ことを特徴とする編機のキヤリジ。 ２ 前記左右一対の規制部材１１を、前記左右一
   対の編カム６間の長さとほぼ同長の１個の平板
   状部材によつて一体に構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の編機
   のキヤリジ。 ３ 前記規制部材１１を前記編カム６の基部に直
   接若しくは連結手段を介して間接的に連結した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項ないし第２項のいずれかに記載の編機のキヤ
   リジ。