JPS641964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成繊維を溶融紡糸する際に用いら
れる計量給油ガイド装置に関するものである。

近年、紡糸速度の高速化に伴い空気抵抗による
紡糸張力の上昇が障害となつてきたが、この対策
として、従来よりも口金面に近い位置において計
量給油により糸条を集束し、高速化に伴う空気抵
抗の増大による紡糸張力の上昇を防ぐ計量給油ガ
イド装置が提案されている。

かかる場合において、適正給油位置としてある
限定された巾を持つ領域が示されているが、本考
案者の研究によれば、一定紡糸条件のもとでは最
適位置は極く狭い範囲に限定されるものであり、
ポリマーの種類・紡糸温度・冷却条件・吐出量・
紡糸速度・単糸数といつた諸々の紡糸条件の違い
により、各紡糸条件に対する最適位置は異なつて
くる。

かかる多様な生産条件を同一設備に適用するに
際しては、生産条件変更の都度、前記給油装置を
再設置しなおすか、又は、必ずしも各適用生産条
件に対する最適位置ではないが、次善の共通位置
にあまんじて生産することになる。

いうまでもなく、各適用条件に対し最適位置に
給油装置を設置する方が生産条件として好ましい
ものではあるが、かかる給油装置を適用生産条件
の変更の都度、設置・調整しなおすことは煩雑な
作業を伴うものである。

本考案の目的は、上記従来の技術の問題点を克
服し、煩雑な再設置・調整作業を簡略化すること
のできる、改良された計量給油ガイド装置を提供
することにある。

この目的を達成するため、本考案は、給油パイ
プに接続された給油部から直接糸条に計量給油す
る溶融紡糸の計量給油ガイド装置において、前記
給油部が前記給油パイプに一対一に接続され、か
つ、給油部保持板に穿設されたスライド溝に沿つ
て移動するスライダーに取り付けられ糸条走行方
向に沿つて上下に移動自在に設けられてなること
を特徴とするものである。

以下図面を用いて本考案を説明する。

第１図は、本考案の給油装置を用いた紡糸装置
の１例を示す側面概略図であり、第２図は第１図
における給油装置の正面概略図である。

Ｙは走行糸条、１は紡糸口金装置、２は冷却
筒、３は補助ダクト、４は給油装置保持台、５は
給油部保持板、６はスライド溝、７はスライダー
本体、８はスライド部、９は給油部、１０は糸抑
えガイド、１１は給油パイプ、１２は吊り具、１
３は駆動部、１４は巻取機である。

口金装置から溶融紡糸された走行糸条Ｙは冷却
筒で冷却され、給油部９で油剤が付与され、補助
ダクト３を経て巻取機１４によつて巻取られる。

油剤は計量ポンプ（図示せず）から給油パイプ
１１によつて油剤液が送給され、スライダー本体
７に取付られた給油部９に供給される。ここで、
給油部９は１錘あたり１個あれば十分なので、給
油パイプ１１に一対一に接続されている。走行糸
条を前記給油部９に糸抑えガイド１０を利用して
接触させ、給油部９の細孔から吐出する油剤を糸
条に付与させる。

給油装置において給油部９及び糸抑えガイド１
０を保持するスライダー本体７は、そのスライド
部８により走行糸条Ｙに平行なスライド溝６を持
つ給油部保持板５上を、該スライド溝６に沿つて
吊り具１２駆動部１３により上下自在に移動させ
ることにより最適位置に設置される。

上記した例では給油部の上下移動は吊り具によ
り行なう方式を示したが一般的なスクリユー、ギ
ヤーあるいは流体シリンダーなどにより移動させ
ることもできる。

以上説明したように、本考案の計量給油ガイド
装置は、給油部を上下に移動自在にすることによ
り、最適の給油位置に簡単に給油部が設置でき、
煩雑な再設置、調整作業を簡略化することができ
る。

又一般的には給油部への糸道セツト時、適正な
作業位置で糸通し後適正な給油位置へセツトが可
能であり、紡糸の作業性も大巾に向上が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の給油装置を用いた紡糸装置の
側面概略図、第２図は第１図における給油装置の
正面概略図である。 ５：給油部保持板、６：スライド溝、７：スラ
イダー本体、９：給油部、１０：糸抑えガイド、
１１：給油パイプ、１２：吊り具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給油パイプに接続された給油部から直接糸条に
   計量給油する溶融紡糸の計量給油ガイド装置にお
   いて、前記給油部が前記給油パイプに一対一に接
   続され、かつ、給油部保持板に穿設されたスライ
   ド溝に沿つて移動するスライダーに取り付けられ
   糸条走行方向に沿つて上下に移動自在に設けられ
   てなることを特徴とする溶融紡糸の計量給油ガイ
   ド装置。