JPS641905B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスリツト露光型複写機の照明装置に係
り、この照明装置に使用される温度放射型電球お
よびその点灯方法に関する。

複写機の原稿面をスリツト状に露光するには、
２次曲面反射境の焦点部に小型電球を一列に配置
するか、あるいは、管の軸に添つて複数の発光部
を有する細長いランプを設けた光源が使用され
る。このような用途に開発された温度放射型電球
としての小型ハロゲン電球の構成を第１図に、細
長いハロゲンランプの構成を第２図にそれぞれ斜
視図で示す。図中１は巻装の中心が直線上に集る
ように形成されたコイル、１ａはコイルと同質の
リード線、２はモリブデン箔で、リード線１ａと
外部導出端子３とを中断するもの、４および５は
バルブをそれぞれ示す。

二次曲面を有する反射境にこれらの電球もしく
はランプを装着するには、コイル１と反射境の焦
点とを一致させるように並べ、これらの電球もし
くはランプの点灯法としては直列接続されたコイ
ルに電圧を印加して、スリツト状被照射面の照度
ムラを出来る限り低く抑えるような配置をとつて
いる。

斯かる従来の温度放射型電球およびその点灯方
法にあつては画像面の照度の変更すなわち調光に
際してコイルの直列回路に印加される電圧を変化
させていた。周知の如く温度放射型電球の供給電
圧を変化させることでもちろん調光は可能である
けれども、色温度が極度に変化して画像の感色性
を低下させたり、あるいは、分光分布が赤外領域
に移動して光源の発光効率を低下させるという現
象が発生し、画像に悪影響を及ぼすという欠点が
あつた。

本発明は上記の欠点を除去するためになされた
もので、調光に際して色温度もしくは分光分布が
変化しない温度放射型電球およびその点灯方法の
提供を目的とする。

以下、添付図面を参照して実施例について説明
する。

第３図は本発明による温度放射型電球の構成を
示す斜視図で、第１図と同一符号は同一要素を示
すけれども、両端のコイル長が異なるように設定
したコイル１の内分点に第３のリード線が設けら
れた点で異る。このコイル１のより詳細な構成を
第４図に示す。ここでは電気抵抗の大きい直径ｄ
の素線を用いて先ず巻装の中心が直線上に集るよ
うに長さl₀のコイルを形成し、その端部では素線
をそのまま直状に延ばしてリード線とし、次いで
長さl₀のコイルをl₁とl₂（l₁＜l₂）に内分した点にも
直状の素線をスポツト溶接してこれを第３のリー
ド線としている。このようにして形成されたコイ
ルのリード線はそれぞれ素線の材質よりも電気抵
抗の小さいモリブテン箔２を介して端子３に接続
され、最終的には透光性のバルブ４内に納められ
内部に不活性ガスおよび微量のハロゲンガスが封
入される。

上述の電球の端子３をそれぞれＡ、Ｂ、Ｃと
し、端子AB間に電圧を印加すればコイルl₁が発
光し、端子BC間に電圧を印加すればコイルl₂が
発光する。同様に端子AC間に電圧を印加すれば
コイルl₀が発光する。ここで、コイルに流れる電
流が一定になるように端子間電圧を制御するなら
ば、すなわち、有効コイルド長に比例した電圧を
端子間に加えるならば、コイルの単位長さ当りの
消費電力が一定となり、色温度の一定な調光が可
能となる。その結果、画像の感色性を損うことも
なくなる。

第５図は本発明による温度放射型電球を直列接
続して点灯する接続選択回路の結線図で、温度放
射型電球１０ａ，１０ｂ，１０ｃおよび１０ｄは
同一の定格を有し、これらの電球を端子間にそれ
ぞれスイツチング回路を下記の如く接続する。先
ず、電源V₀の一端と電球１０ａのＡ端子間、電
源V₀の他端と電球１０ｄのＣ端子間、電球１０
ａのＣ端子間と電球１０ｂのＡ端子間、電球１０
ｂのＣ端子と電球１０ｃのＡ端子間および電球１
０ｃのＣ端子と電球１０ｄのＡ端子間にそれぞれ
信号v₀によつて作動するスイツチング回路S₀を接
続する。

次いで、電源V₁の一端と電球１０ａのＡ端子
間、電源V₁の他端と電球１０ｄのＢ端子間、電
球１０ａのＢ端子と電球１０ｂのＡ端子間、電球
１０ｂのＢ端子と電球１０ｃのＡ端子間、電球１
０ｃのＢ端子と電球１０ｄのＡ端子間にそれぞれ
信号v₁によつて作動するスイツチング回路S₁を接
続する。

さらに、電源V₂の一端と電球１０ａのＢ端子
間、電源V₂の他端と電球１０ｄのＣ端子間、電
球１０ａのＣ端子と電球１０ｂのＢ端子間、電球
１０ｂのＣ端子と電球１０ｃのＢ端子間および電
球１０ｃのＣ端子と電球１０ｄのＢ端子間にそれ
ぞれ信号v₂によつて作動するスイツチング回路S₂
を接続する。

上記の如く構成された接続選択回路の作用を以
下に説明する。

信号v₀によつてスイツチング回路S₀がすべて閉
じた場合には各電球のコイル全部が直列接続さ
れ、この直列回路に電圧V₀が印加される。この
電圧V₀はコイル全体が所定の色温度を示すよう
に選ばれた値であり、換言すれば、所定の電流を
流す電圧でなければならない。このようにして各
電球のコイル全部に亘つて所定の電流が流された
場合には最も大きな照度が得られる。

また、信号v₁によつてスイツチング回路S₁がす
べて閉じた場合には、各電球のAB端子間のコイ
ルが直列接続され、この直列回路に電圧V₁が印
加される。ここで電圧V₁が前記所定の電流を生
ずるように選ぶならば各電球のAB端子間のコイ
ルを所定の色温度で発光させることができる。

また次に、信号v₂によつてスイツチング回路S₂
がすべて閉じた場合には、各電球のBC端子間の
コイルが直列接続され、この直列回路に電圧V₂
が印加される。ここで電圧V₂もまた前記所定の
電流を生ずるように選ぶならば各電球のBC端子
間のコイルを所定の色温度で発光させることがで
きる。

したがつて、AB端子間のコイル長と、BC端
子間のコイル長を違えるならば、色温度が一定の
３種類の照度が得られる。

ここで、AC端子間の有効コイル長l₀、AB端子
間の有効コイル長をl₁、BC端子間の有効コイル
長をl₂とすれば電圧V₀，V₁，V₂の間に次の関係
が成立する。

V₁＝l₁／l₀×V₀ ……(1) V₂＝l₂／l₀×V₀ ……(2) 以上はコイルの内分点を１個とした場合につい
て述べたが、複数の内分点にそれぞれリード線を
設けた第８図の如き電球に対してはコイルの全部
を直列接続するか、あるいは、対応するコイルの
一部を直列接続する接続選択回路は第５図に基い
て容易に構成することができるが、この場合でも
コイルを流れる電流値を一定に制御することで、
色温度が一定な、より多種類の照度が得られる。

第６図は本発明による温度放射型電球およびそ
の点灯方法を適用したスリツト露光型複写機の光
源部の概要を示す斜視図で、楕円筒反射鏡６の焦
点部に、前記電球のコイルが一列に並ぶように配
置してある。これらの電球より発生する光線は反
射鏡６によつて偏光され、その前面にスリツト状
の照射面７が得られる。このスリツト状照射面の
長手方向ｘに対する照度分布を第７図に示す。同
図において、L₀は電球の全部のコイルを発光さ
せた場合の照度分布を、L₁およびL₂はコイルの
一部を発光させた場合の照度分布をそれぞれ示
し、発光コイル長に応じて基準位置の照度がそれ
ぞれE₀₀、E₂₀、E₁₀と変化するけれども、スリツ
ト状照射面の長手方向の任意の点ｘにおける照度
もまたE_0X、E_2X、E_1Xと変化し、結果的には次の
関係が成立する。

E_0X／E₀₀E_2X／E₂₀E_1X／E₁₀ ……(3) このことは、色温度の一定なコイルがスリツト
長手方向に分散配置され、照度を変更したことに
よつてもスリツト長手方向の照度分布は変化しな
いことを示している。

なお、上記温度放射型電球の内分点が一般にｎ
個ある場合には光源に加えられる電圧の組合わせ
は最大 _o+2C₂＝（ｎ＋１）（ｎ＋２）／２通りだけ考え られ、この中、複写機に必要な露光調整の分だけ
の電圧を得る電源と、第５図に基いて製作される
コイルの全部または一部を直列接続する選択回路
とを用いて色温度およびスリツト長手方向の照度
分布が一定な露光調整を行うことができる。

以上の説明により明らかな如く本発明の温度放
射型電球およびその点灯方法によれば、色温度も
しくは分光分布の変化しない調光が可能になると
ともにスリツト露光型光源の長手方向の照度分布
を一定に保つことができる。

また、リード線が導出されるコイルの内分点を
増やすことで調光の範囲をさらに拡大することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の温度放射型電球の
構成を示す斜視図、第３図は本発明による温度放
射型電球の一実施例の構成を示す斜視図、第４図
は同温度放射型電球の要部の拡大図、第５図は本
発明による温度放射型電球の点灯方法を実施する
接続選択回路図、第６図および第７図は本発明の
温度放射型電球およびその点灯方法の作用・効果
を説明するための図、第８図は本発明による温度
放射型電球の他の実施例の構成を示す斜視図であ
る。 １……コイル、１ａ……リード線、２……モリ
ブデン箔、３……端子、４，５……バルブ、６…
…楕円筒反射鏡、７……スリツト状照射面、１
０，１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ……温度放
射型電球、１１，１２，１３……分割コイル、
S₀，S₁，S₂……スイツチング回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 巻装の中心が直線上に集まるように形成され
   たコイルと、このコイルの両端および複数箇所の
   内分点または両端のコイル長が異なるように設定
   された１箇所の内分点からそれぞれ導出されたリ
   ード線とを備えたことを特徴とする温度放射型電
   球。 ２ 巻装の中心が直線上に集まるように形成され
   たコイルと、このコイルの両端および複数箇所の
   内分点または両端のコイル長が異なるように設定
   された１箇所の内分点からそれぞれ導出されたリ
   ー線とを備える複数個の温度放射型電球を点灯す
   る方法において、前記コイルの中心が一直線上に
   並ぶように同一定格の前記温度放射型電球を列状
   配置し、前記コイルの全部を直列接続するか、あ
   るいは、前記コイルの互いに対応する一部を直列
   接続するかを選択し、この選択状態が変わつても
   流れる電流値が一定になるように、合成抵抗に応
   じた電圧を直列接続回路の両端に印加することを
   特徴とする温度放射型電球の点灯方法。