JPS641873B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、本体ケースにダストカバー付きの
テープ保護用前蓋を開閉操作可能に枢着したテー
プカートリツジにおいて、テープを所定の経路に
通すテープパス規制ピンに改良を加えて組付作業
性の向上を図ることを主眼とする。

図面に示す如きビデオ用のテープカートリツジ
においては、上下ケース１ａ，１ｂを蓋合せ状に
結合してなる本体ケース１の内部左右にテープ２
が巻かれるテープリール３，３を可回転に装置
し、本体ケース１の前方左右にテープパス規制ピ
ン９，９を立ててテープ２をケース前面に導出し
てあり、不使用時には本体ケース１に付設の前蓋
１０でテープ２の前面外側をカバーして保護し、
磁気記録装置に装填したときには前蓋１０を上向
きに開いてテープ２をケース前方に引き出すもの
となつている。

これで問題になるのはテープ２を所定のテープ
パスにセツテイングするためのテープパス規制ピ
ン９，９である。このピン９を金属筒で構成して
上下ケース１ａ，１ｂ間に挾着固定した構造のも
のは既によく知られている。これによるときはピ
ン９の垂直度がよく確保でき、テープ走行の安定
性を期すことができる。しかし、とくにテープカ
ートリツジの小型化を進める場合、金属筒製のピ
ン９は高価であつて組付作業性も面倒にして困難
になる。それに、オーデイオ用のテープカートリ
ツジと異なり、テー２がケース前方に引き出され
る図示例の如きテープカートリツジにおいてはテ
ープ走行の安定性をより確実に期すために、ケー
ス前方にテープ２を引き出した状態でのテープ走
行時には磁気記録装置側のガイド部材でテープを
走行ガイドしてテープをテープパス規制ピン９か
ら離す場合がある。その場合にはテープパス規制
ピン９の垂直度はさほど高精度に要求されない。
上下ケース１ａ，１ｂのいずれか一方から一体に
突設したものをもつて充分である。かかる観点の
もとに、上ケース１ａ側からテープパス規制ピン
９を一体に垂設したものを考えたが、これでは下
ケース１ｂに左右のテープリール３，３を組付け
るに際し、テープ２を所定のテープパスに案内す
るためのテープパス規制ピン９が下ケース１ｂ側
に無いために別途テープを仮に支持しなければな
らず組付作業性が悪いとともに、下ケース１ｂに
上ケース１ａを被せ付けたときに上ケース１ａが
テープをかみ込むなどのトラブルを招く。

また、本体ケース１の前面の左右中央部位にテ
ープローデイング用ポケツト２０を大きく入り込
み状に凹設形成したタイプのテープカートリツジ
においては、前蓋１０の内側にダストカバー２３
を枢支するとともに、ダストカバー２３を本体ケ
ース側に連係してダストカバー２３が前蓋１０の
開閉に連動するものとし、もつて不使用時には前
蓋１０の内側に位置するテープ２のポケツト２０
に臨む内側方をダストカバー２３で閉じてテープ
に塵埃が付着するを防止し、磁気記録装置に装填
したときは前蓋１０と共にダストカバー２３が上
方に退避してケース前面からテープ２が前方に引
き出し得るようにしたものが提案されている。か
かるテープカートリツジでは前蓋１０をダストカ
バー２３と共に本体ケース１側に組付けることに
なるが、この際にテープが左右のテープパス規制
ピン９，９間で弛んだ状態になつていると、ダス
トカバー２３がテープ２に当つてこれを傷つけた
り、前蓋１０の内面との間でテープをかみ込むこ
とになり、かかる観点からもテープ２が予め所定
のテープパスに沿つて緊張状態で良好に組付けら
れていることが必須不可欠である。

本発明は、かかる実情に着目して提案されたも
のであり、その目的とするところは、本体ケース
に対するテープの組付作業性の向上を図り、かつ
本体ケースを構成する上下ケースが簡単な構成で
確実にねじ締結できるテープカートリツジを得る
にある。

すなわち本発明は、第６図に示すごとく本体ケ
ース１の前方左右位置において、上ケース１ａの
上壁６に達するテープパス規制ピン９，９を下ケ
ース１ｂの底壁４からそれぞれ一体に立設し、各
テープパス規制ピン９に設けたねじ下穴４１に、
前記上壁６に設けたねじ挿通孔４０を介してタツ
ピングねじ３９が螺合するようにしたことを要旨
とする。

以下、その詳細を図面に示す小型のビデオ用テ
ープカートリツジに基づいて説明する。

第１図ないし第３図において、１は本体ケース
である。これは、プラスチツク製の上下ケース１
ａ，１ｂを蓋合せ状にねじ結合してなり、内部左
右にテープ２が巻かれるテープリール３，３を有
する。テープリール３，３は本体ケース１の底壁
４に透設した左右の各駆動軸挿入孔上にあつて、
本体ケース１の上壁６の内面に固定した板ばね７
で回転中心が押下げ付勢されており、本体ケース
１を磁気記録装置に装填したとき磁気記録装置側
の駆動軸が各駆動軸挿入孔を介して各テープリー
ル３のハブ穴に嵌係合する。本体ケース内の前方
左右にテープパス規制ピン９，９を有し、これら
ピン９，９を介してテープ２はケース前面に導出
される。

本体ケース１にはこれの前面を閉じるテープ保
護用の前蓋１０が開閉操作可能に枢着されてい
る。

この前蓋１０は、本体ケース１の前面を左右間
にわたつて閉合する前面板１１と、該前面板１１
の左右両端から後向きに連出した連結片１２，１
２と、両連結片１２，１２の内面に対向状に突設
した枢軸１３，１３とを有するプラスチツク成形
品であつて、左右連結片１２，１２が本体ケース
１の左右側壁１５，１５の前端凹設部１５ａ，１
５ａに外嵌して枢軸１３，１３が該凹設部１５
ａ，１５ａに設けた枢支孔１６，１６にそれぞれ
嵌合枢支され、この枢軸１３まわりに本体ケース
１の前面を閉じる姿勢と上開きの姿勢とに回動自
在であり、図上右側の枢軸１３に装着の捩りばね
１７で閉じ姿勢に回動付勢されている。テープカ
ートリツジの不使用時に前蓋１０は閉じられてい
て、テープ２の前面外側をカバーして保護し、テ
ープカートリツジを磁気記録装置に装填すると、
前蓋１０が開いて本体ケース１の前縁の左右中央
部に大きく入り込み状に凹設形成したポケツト２
０に磁気記録装置側のテープローデイング部材が
突入してテープ２をケース前方に引き出す。な
お、本体ケース１の右側壁１５の前端凹設部１５
ａと前蓋１０の右側連結片１２との間隙２１に、
前述の捩りばね１７とテープカートリツジの不使
用時に前蓋１０を閉じ姿勢に閉蓋ロツクする手段
２２とが組込まれている。

前記ポケツト２０の存在箇所において前蓋１０
の内側にダストカバー２３を軸２４を介して揺動
自在に枢支連結し、このダストカバー２３で不使
用時にテープ２の下側方を含む内側方およびポケ
ツト２０の開口上面を密閉して、ポケツト２０の
上下開口面から塵埃が侵入してテープ２に付着す
るのを防止している。このダストカバー２３はポ
ケツト２０の左右側面に設けたカム溝２５，２５
に連結されており、前蓋１０の開放にともなつて
ダストカバー２３もテープ２に一切干渉すること
なく前蓋１０と共に上方に移動する。すなわち、
第３図ないし第６図において、前蓋１０の前面板
１１の左右両端寄り箇所には前面板１１の上端側
からダストカバー取付片２６，２６を一体に垂設
してあり、この取付片２６，２６に、ダストカバ
ー２３の上下中間部において左右両端に突設した
軸２４，２４が揺動自在に嵌入枢支されている。
そしてダストカバー２３の下端近くにおいて左右
端から突設したピン状のカムフオロア２７，２７
が前記カム溝２５，２５にそれぞれ係入連結され
ている。なお、第６図において、カム溝２５を有
するポケツト２０の左右側面は、上ケース１ａの
上壁６の前部から垂設した側壁２９と、下ケース
１ｂの底壁４上にテープパス規制ピン９に連なつ
て立設した側壁３０とから構成されており、上下
ケース１ａ，１ｂを連結したとき垂設側壁２９の
後端縁１と、立設側壁３０のポケツト側の内側面
に形成せる段差部３２とがカムフオロア２７の径
より僅かに広い間隔をもつて対向し、この後端縁
３１と段軸部３２がカム溝２５の前後縁となる。
上ケース１ａの上壁６には側壁後端縁３１の上端
に連なる矩形の切欠き３３がポケツト２０側に向
けて開口形成されており、上下ケース１ａ，１ｂ
が結合されてカム溝２５が形成されたとき、この
カム溝２５の上端に前記切欠き３３が突き合わせ
状に接続される。つまり、カム溝２５の上端が上
ケース１ａの上面に切欠き３３を介して開放され
るようになる。そして、この切欠き３３を通して
ダストカバー２３のカムフオロア２７が上方から
カム溝２５に落とし込み係入されることになる。
カム溝２５の後縁を構成する前記段差部３２の上
端縁には上拡がり形状の面取り部３５を形成し、
製作誤作によつて切欠き３３の後端縁３６より段
差部３２が僅かに前方に突出したときでも、カム
フオロア２７が段差部３２の上端縁に引つ掛かる
ことなく面取部３５を介してカム溝２５にスムー
ズに滑り込み係入し得るものとしてある。

さて、第６図において本発明ではかかる形態の
テープカートリツジにおいて、外周面が部分円弧
状のテープパス規制ピン９，９をケース底壁４か
らテープ２の上下幅よりも高く上向きに一体突設
したものとする。かくしてテープカートリツジの
組付に際しては、まず下ケース１ｂにテープ２が
巻かれた左右のテープリール３，３をテープ２を
所定のテープパスに案内して装置することになる
が、その際にテープ２は下ケース１ｂ側から利設
した左右のテープパス規制ピン９，９に案内して
支持する。次に下ケース１ｂに上ケース１ａを被
せつけて上下ケース１ａ，１ｂをねじ結合する。
続いて、一般には前蓋１０にダストカバー２３を
取付片２６と軸２４を介して予め枢支連結してお
き、この前蓋１０を本体ケース１側に上方から案
内して枢軸１３と枢支孔１６との嵌合で枢支連結
するとともに、ダストカバー２３のカムフオロア
２７を本体ケース１側のカム溝２５に切欠き３３
を介して上方から落とし込み係入する。

ここで注目すべきはテープパス規制ピン９，９
が下ケース１ｂ側から立設されているので、テー
プ組付時に仮りの支持部材を要さずに該ピン９，
９でテープ２を所定のテープパスに沿つて組付け
られる点である。したがつて、ケース前面に通し
たテープ２は左右のテープパス規制ピン９，９間
で弛みなく張られる。その結果、前蓋１０を例え
ば前述の要領で組付ける際にも前蓋１０および特
にダストカバー２３がテープ２の上端エツジに接
当干渉することを確実に防止でき、かつ前蓋１０
とダストカバー２３とでテープ２の下端エツジ部
をかみ込むことがよく防止できる。

なお、図中符号３９は上下ケース１ａ，１ｂを
蓋合わせ状に結合するタツピングねじであり、図
示例ではケース上壁６にねじ挿通孔４０を明け、
テープパス規制ピン９に該ねじ挿通孔４０を介し
て上方からタツピングねじ３９が螺合するねじ下
穴４１を設けたものとなつている。また、図示例
では上下ケース１ａ，１ｂに設けた側壁２９，３
０を組合せてカム溝２５を形成するものとした
が、上ケース１ａから垂設した側壁２９を除き、
下ケース１ｂに立設した側壁３０によつてのみ完
全なカム溝２５を形成するようにしてもよい。

以上説明したように、この発明によれば、本体
ケース１にダストカバー２３付きの前蓋１０を付
設した構造のテープカートリツジにおいて、本体
ケース１を構成するプラスチツク製の下ケース１
ｂの前方左右にテープパス規制ピン９，９を一体
に上向き突設した。したがつて、下ケース１ｂに
テープリール３，３をテープ２を所定のテープパ
スに通して組付けるに際し、これらテープパス規
制ピン９，９にテープ２をガイドしてそのまま支
持でき、テープ２を仮りに支持する必要がないの
で、テープ２の組付が簡単に行なえる。またケー
ス前面においてテープ２を左右のテープパス規制
ピン９，９間に緊張状態で巻き掛けておけるか
ら、本体ケース１にダストカバー２３付きの前蓋
１０を組付ける場合においても、前蓋１０をテー
プ２の前面外側に、ダストカバー２３をテープ２
の内側にそれぞれ支障なく位置させることがで
き、この点でも組付作業性を格段に向上するに有
利なものとなつた。

更に本発明では、各テープパス規制ピン９にね
じ下穴４１を設け、これに対応させて上ケース１
ａの上壁６にねじ挿通孔４０を設け、上下ケース
１ａ，１ｂをねじ締結するに際しては上方からタ
ツピングねじ３９を前記ねじ挿通孔４０を介して
前記ねじ下穴４１にねじ込むものとした。つま
り、テープパス規制ピン９がねじ止め用ボスを兼
ねるものとした。従つて、他の箇所にねじ止め用
ボスを別に設ける形態に比べて構造の簡略化が図
れ、特にスペース的に余裕のない小型のテープカ
ートリツジにおいて有利である。更に本体ケース
１の前方中央部にテープローデイング用ポケツト
２０が大きく入り込み状に形成されたテープカー
トリツジにおいては、本体ケース１の前方左右隅
部において上下ケース１ａ，１ｂを確りとねじ締
結することは有意義であるところ、本発明はかか
る要請にもテープパス規制ピン９を有効に利用し
て対応し切れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るテープカートリツジの全
体斜視図、第２図はその内部構造を示す平面図、
第３図は部分拡大平面図、第４図は第２図におけ
るＡ−Ａ線断面図、第５図は第２図におけるＢ−
Ｂ線断面図、第６図は要部の分解斜視図である。 １……本体ケース、１ａ……上ケース、１ｂ…
…下ケース、２……テープ、３……テープリー
ル、４……本体ケースの底壁、６……本体ケース
の上壁、９……テープパス規制ピン、１０……前
蓋、１１……前蓋の前面板、１２……前蓋の連結
片、２０……ポケツト、２３……ダストカバー、
２４……軸、２５……カム溝、２６……ダストカ
バー取付片、２７……カムフオロア、２９……ケ
ース上壁からの垂設側壁、３０……ケース底壁か
らの立設側壁、３１……垂設側壁の後端縁、３２
……立設側壁に形成した段差部、３３……切欠
き。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラスチツク製の上下ケース１ａ・１ｂを蓋
   合わせ状にねじ結合してなる本体ケース１の内部
   左右にテープ２が巻かれるテープリール３・３を
   内装し、本体ケース１の前面の左右中央部位にテ
   ープローデイング用ポケツト２０を有し、本体ケ
   ース１にこれの前面を閉じる姿勢と上向きに開く
   姿勢とに開閉操作可能な前蓋１０を回動枢支し、
   前記ポケツト２０の存在箇所において閉じ姿勢に
   ある前蓋１０の前面板１１の内側を通るテープ２
   の下側方を含む内側方を閉じるダストカバー２３
   を前蓋１０に枢支してなるテープカートリツジに
   おいて、本体ケース１の前方左右位置に、上ケー
   ス１ａの上壁６に達するテープパス規制ピン９・
   ９を下ケース１ｂの底壁４からそれぞれ一体に立
   設してあり、各テープパス規制ピン９に設けたね
   じ下穴４１に、前記上壁６に設けたねじ挿通孔４
   ０を介してタツピングねじ３９が螺合しているこ
   とを特徴とするテープカートリツジ。