JPS641615B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は各種施設面上を随時覆蔽する天蓋を
移動自在のものとし、しかも移動される該天蓋を
構築物の地下部分に収納自在なものとなし、各種
施設を全くの無蓋施設として活用せしめるように
なすと共に降雨時あるいは強風時ないしは寒冷、
署中時等の気象条件の酷しい場合においてはこれ
らの施設をシエルター内に取込み、屋内設備とし
て即利用し得るようになすと共に緊急時における
避難シエルターとしたものである。

（従来技術） 従前におけるこの種の大型施設は、概ね無蓋構
造体を基本とし、一部天蓋部分を有する施設にお
いても、その構成天蓋部分の一部若しくは全体を
移動させることによる自在な解放は無く、概ね該
天蓋が固定物として造付けられたものである。

（発明が解決しようとする課題） しかし乍ら、かゝる無蓋構造においては気象条
件等の外的事情に直接左右される使用態様が、又
閉蓋構造体においては、かゝる外的な気象条件と
は一切無縁の隔離された使用状態が夫々予想され
るに過ぎず、いずれの構造体においても気象条件
の変化に即応した施設の十全な使用には尚多くの
不満が残されたものである。

かゝる意図よりして一部の施設においては夏季
のプールとして使用する以外、施設上方をシート
材をもつて被装し通例の屋内競技施設として使用
するようにしたものが、見受けられたものである
が、これ等の多くは架設張枠を有し、この架設張
枠に対しテント生地等を介装、張設したものであ
り、外的条件に敏速に即応した天蓋シート材の被
装並びに脱装を困難としたものである。

又、かゝる手法においては天蓋シート材の除去
後においても施設上方に架設張枠が残され、これ
が施設利用において多くの不都合を招来したもの
であり、又、シートの被装並びに脱装に多くの作
業手間を要請し、これがシートの装脱に伴う損耗
と共に施設の管理コストを特に割高としたもので
ある。

かゝる不都合よりして一部においては半球体状
等に構成したテント地を架設張枠なしに膨成し
て、施設上面に閉蓋する手法が試みられているも
のであるが、かゝる手法においてはテント膨成の
為の圧力エアーあるいは加熱エアーの連続した供
給等の管理運用を必要とし、管理コストの上昇は
勿論のこと施設の利用態様を著しく制限されたも
のである。

又、かゝる無架設張枠手法においては外的条
件、殊に突風等に対し極端に脆弱なものとされ、
張設天蓋部分の倒壊、シート地の裂損変形、ロー
プ繋着タブの破損等を往々にして誘起し、これに
よる人身事故並びに物損事故には看過しがたいも
のが存したものである。

（課題を解決するための手段） 本発明に係る構築施設は、かゝる従前施設にお
ける不都合に鑑み特に安出されたものであつて、
施設上面を覆う天蓋部分そのものを一側方に回動
可能に軸装設置し、施設の利用態様あるいは外的
条件に合せて該天蓋部分の開閉をなし、屋外施設
としての利用と、屋内施設としての利用並びに一
部屋外施設にしての利用等を簡単な操作をもつて
可能としたものであり、その構成の要旨を固定構
築部分と、この固定構築部分上ないしこの固定構
築部分内に重ね合せ状に移動される移動構築部
分、又は移動構築部分のみからなる球面状の天蓋
又はかまぼこ状の天蓋を有する構築物であつて、
前記移動構築部分が地下に設けられる収納空隙内
に回動される如く枢支されている点に置かれたも
のである。又、本発明に係る構築物施設は、かゝ
る構成要旨の具体的事例として以下の実施例と、
これ等実施例に附随する相当の設計変更を予定し
たものである。

（実施例） 以下本発明に係る典型的な構築物施設の一実施
例を添附の図面について説明するに、１は地上ベ
ース２上に立設された天蓋であり、固定構築部分
と、該固定構築部分上又はこの固定構築部分内に
重ね合せ状に移動される移動構築部分ないし移動
構築部分のみをもつて構成されたものであつて、
該天蓋１は通例半球状又はカマボコ状をなすもの
とし、基本的にその断面を正確な半円弧状とした
ものである。

かゝる天蓋１の半円弧状をなす断面方向に直交
した側壁面の下側端中央部、即ち半球体において
は天蓋１における任意の相対向する側壁面の下側
縁を、又カマボコ体においては半円弧状をなす両
側壁面における下側端縁の中心を夫々結ぶ線分を
もつて、該天蓋１を任意角度に分割区分して、二
以上の区分天蓋部材１ａ，１ｂ，１ｃ…とし、こ
れ等区分天蓋部材１ａ，１ｂ，１ｃ…を夫々の区
分線の交差する位置、即ち前記の相対向する天蓋
１における両側下端縁又は側壁面の円弧中心位置
において回動可能に枢着３したものである。

尚、図示例におけるように天蓋１を二分する場
合は、これを全く対称となるように固定構築部分
ないし移動構築部分を構成することが予定される
と共に二以上の複数葉に天蓋１を分割区分構成す
る場合においては、半球状又はカマボコ状をなす
頂部方に位置する移動構築部分よりなる天蓋部材
を、下部方に位置する固定構築部分ないし次順位
の移動構築部分よりなる天蓋部材上又は天蓋部材
内側に夫々摺り込み上下に積層される如く枢着３
よりの長さ寸法が予め特定されたものである。

かゝる基本的な地上ベース２上の構築物施設と
しての天蓋１に対し、別途図示例におけるように
地上ベース２の上方ｈの高さを水準点とし、該水
準点をもつて正確な半円弧状をなす天蓋１を設け
ることが予定され、又前記地上ベース２の上方に
設けられる天蓋１を正確な半円弧よりh′相当分低
いもの、即ち基本的に正確な半円半弧とされる天
蓋１の下側縁端に設けられる夫々の天蓋部材にお
ける軸装３部分のみをh′相当分ベース２の下方に
設けることにより、天蓋１の円弧を見掛け上半円
弧よりも偏平なものとしたものであり、これ等
夫々の設置態様をもつて腰高の構築物施設並びに
偏平な構築物施設の設置をも特に可能としたもの
である。

次いで叙上におけるような構築物施設としての
天蓋１に対し地下内に該天蓋１の収納空隙４を構
成し、この収納空隙４内に天蓋１を全面的又は部
分的に取込むようにして地上における遮蔽部材の
残存を一切なくし、完全な屋外施設態としての各
種スポーツ施設、住宅施設、遊戯施設、コンサー
ト等の発表施設等の設置を可能としたものであ
る。

尚、この収納空隙４の構成は単純に区分天蓋部
材１ａ，１ｂ，１ｃ…の枢着３部分を基点とした
回動に伴う摺り込み空隙として構成した場合と、
これ等の他の地下構造物５における外部構造体と
して用意した場合とが存したものである。

又、構成される収納空隙４の形状、寸法は収納
しようとする天蓋部材１ａ，１ｂ，１ｃ…の形
状、寸法をもつて基本的に特定されたものである
が、該天蓋部材１ａ，１ｂを二葉の且つ対称構造
とする場合においては地下構造体として単純な半
球体の収納空隙を必要としたものである。

次いで天蓋部材、１ａ，１ｂ，１ｃ…の枢動シ
ステムとして、駆動源において先ず動力駆動と、
人力駆動のいずれもが予定されると共に一般的な
ワイヤー６等による牽引システム、天蓋部材１に
取付けられるラツク７及びギヤ８によるラツクギ
ヤシステム、駆動ギヤによる取付け軸の直接回動
システムその他の種々の駆動システムによる天蓋
開閉、特に空隙４内への取込みと、部分的な開閉
をなすようにしたものである。

尚、叙上における天蓋１の構成素材を各種軽量
梁材の使用、ワイヤー等による張構造の使用、樹
脂プレート、樹脂シート材の使用、極薄金属パネ
ル材の使用等をもつて極力重量を減じ、天蓋１の
構築架設梁材等の有効な削減を期すようにしたも
のである。

又、天蓋１における構成トラス間を遮蔽するパ
ネル材をポリカーボネイト、アクリル等の透明又
は半透明の樹脂パネル材とし、しかもこれ等のパ
ネル材を二層に構成（梁となるトラスの上下面に
張込むようにして）することによつて施設内にお
ける採光特性は特に助長されると共に採暖加温効
果を良好としたものである。

尚、地下構造体において生成される冷気を利用
する場合においても叙上天蓋１の構造は格別の意
味を有したものであつて、天蓋１を透過した太陽
エネルギーは天蓋１面に沿つて上昇し、天蓋１の
頂端において設けられる換気孔又は区分天蓋部材
１ａ，１ｂ等の開成されたスリツトより大気中に
放散されると共に地下構造体において取出された
冷気は天蓋１の構成底部に残留し、自然な冷房機
能を奏効したものである。

（発明の効果） 本発明に係る構築物施設は叙上における特長あ
る構成、就中地中内に完全に埋没される天蓋部材
をもつて随時必要に応じて空間を遮断し、一般の
屋内構造物として使用するようになすと共に一部
天蓋の開放に伴う庇的構造物としての使用を約束
し、又天蓋部分を全面的に地中内に取込むことを
もつて空間的に障害物の全く存しない屋外施設と
しての十全な使用に供するようにしたものであ
る。

而して、各種のスポーツ用施設としての通例的
な使用、住宅シエルターとしての快適な生活空間
の提供、コンサートホール、遊園地等の公的設備
の効率的な使用、暴風雨等の緊急避難用シエルタ
ー等として汎用的且つ効果的な使用が予定された
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明に係る構築物施設の断
面図、第４図並びに第５図は他の実施例に係る斜
視図、第６図はラツクギアシステム部分の要部側
面図、第７図はワイヤーによる牽引システム部分
の要部断面図である。 尚、図中１……天蓋、２……ベース、３……枢
着、４……収納空隙、５……地下構造物、６……
ワイヤー、７……ラツク、８……ギアを示したも
のである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定構築部分と、この固定構築部分上ないし
   この固定構築部分内に重ね合せ状に移動される移
   動構築部分、又は移動構築部分のみからなる球面
   状の天蓋又はかまぼこ状の天蓋を有する構築物で
   あつて、前記移動構築部分が地下に設けられる収
   納空隙内に回動される如く枢支されていることを
   特徴とする開閉天蓋構造を有する構築物施設。