JP6522058B2 - 雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置 - Google Patents

雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置 Download PDF

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Description

この発明は、冬季に建築物の屋根に雪庇が発生するのを防止する技術に関連するものであり、特に、屋根の軒先やパラペットなどに設置するだけで雪庇の発生および落下の危険を防止可能とする雪庇防止用のユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
積雪地帯における住宅は、屋根上に雪が厚く積もり、長い冬の間に次第に積み重なり、強い季節風や、屋根の傾斜などの影響を受けて軒先から大きく、重くなって迫り出した雪庇が、除雪作業を受けること無く、自重に耐えきれない大きさまで生長してしまうと、軒先に支えられた根元部分を境に亀裂が入り、軒先から迫り出した雪塊が切断、落下して来る虞があり、該雪庇が、隣家や隣接する建築物がわに落下したり、軒先下の車庫や倉庫、自動車その他の物品類や人などの上に落ちた場合には、大きな事故に発展することもあり、建築物の管理者は、こうした雪庇を頻繁に除雪するか、雪庇が落下してしまったときでも事故に至らないよう軒先下の周囲を厳重に柵で囲うなどの対策が必須であり、度重なる除雪作業や、立ち入り防止用の柵や塀の設置など多大な負担を負わざるを得なかった。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、対象建築物の屋根上の風下がわの軒先上やパラペット上などに設置され、風上がわから風下に向けて上り勾配となる傾斜面が設けられたものとされ、屋根上を通過する風を、該傾斜面が上昇するよう誘導し、通常であれば該屋根の風下の対象建築物に近接する位置に発生する風の渦を、対象建築物より充分下流がわに離すよう誘導し、風と共に雪を吹き飛ばすようにして雪庇の発生を防止するものとした雪庇の発生を防止する装置や、同特許文献1(2)に示されているもののように、上端を対象建築物の外がわに延伸し、さらに、該傾斜面の頂部より雪切り板が突設設されたもの、また、同特許文献1(3)の風上がわから風下に向けて上り勾配となる傾斜板を風上側に向けて取り付けた本体の頂部に、所要形状の透孔を所要の間隔で複数開設した雪切板を所要の取付手段により交換可能に取り付けられたものとし、該雪切板の透孔を通過する風の風速を増すものとしてあるから、建造物の風下側に発生する渦の位置を、より遠くに離し、雪庇の発生の防止効果を高めるものとされた雪庇発生防止装置、そして、同特許文献1(4)のように、対象建築物の屋根の角部から屋根中央寄りに後退する位置に水平軸心回りに回転する風車を設置し、該風車は、対象建築物の屋根の外がわから屋根中央に向かう風が回転軸上方の翼に追い風となる回転方向とされ、さらに、対象建築物の屋根の外がわから屋根中央に向かう風の風下がわに、根の外がわから屋根中央に向けて上向きに傾斜された風案内板が設けられ、該風案内板が、屋根中央がわから屋根の外がわに吹く上記とは逆向きの風を、回転軸下方の翼に追い風となるよう案内するものとしてあり、両方向の風を有効に活用可能なものとし、また、該風案内板は、雪庇防止用としたり、太陽電池パネルとしたりすることが可能な風車を有する雪庇防止装置、および、同特許文献1(5)に提案されているもののように、外縁が水平面に対して20〜45度の傾斜面とされ、該傾斜面の上端に沿って雪割部が鉛直に立ち上げられ、該傾斜面に太陽電池が設けられ、その外面に滑雪氷性を有する被覆層を設けて着雪による発電効率の低下を防止するものとされた屋外工作物、滑雪氷性被覆物の製造方法および滑雪氷性被覆物などが散見される。
しかしながら、前記特許文献1(1)に示された、雪庇防止装置類は、建築物の屋根上を通過する風の力を利用して雪を遠くへ吹き飛ばし、雪庇の発生を阻止しようとするものであって、風のない場合には、雪庇防止装置の上端まで積雪してしまう可能性があり、無風のまま積雪が進むと、雪庇が発生し、建築物の外壁に沿って真っ直ぐ落下してしまう虞があり、同特許文献1(2)や同特許文献1(3)の雪切板を有する雪庇防止装置も、風が無い場合には、積雪による雪庇が発生し、建築物の外壁に沿って真っ直ぐ落下してしまう可能性があり、同特許文献1(4)の風車を有する雪庇防止装置は、建築物軒先などの雪庇の発生を防止できるが、建築物の屋根の中央がわに降り積もった積雪を排雪する機能を有しておらず、屋根上の雪降ろし作業の負担が大きくなり、除雪作業を怠るとスガ漏りや屋根の破損などを招く虞があり、また、特許文献1(5)の屋外工作物などは、水平面に対して20〜45度の傾斜面を有し、該傾斜面の上端に沿って雪割部が鉛直に立ち上げられたものとなり、該雪割部は、屋外工作物上に降り積もった雪の自重によって裁断状に分断し、自動的に排雪可能なものとなっているが、該傾斜面の背後方向から吹き付ける風の風圧を除雪に利用しようとするものではなく、従って、該雪割部によって前後に分断された雪庇(雪塊や氷塊など)は、大きな塊のまま地上に落下してくる虞があり、雪庇の落下による事故を確実に防止できるものではないという致命的な欠点があった。
(1)実開平7−119121号公報 (2)特開平11−117573号公報 (3)特開2004−11302号公報 (4)国際公開第2002/92945号公報 (5)特開2004−11302号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種雪庇防止装置類は、対象建築物の屋根上の風下がわの軒先上やパラペット上などに設置され、風上がわから風下に向けて上り勾配となる傾斜面が設けられたものや、そうした傾斜面の頂部より雪切板が立ち上げられたものなどは、何れも季節風などの一定方向の強い風が吹き付ける場合に、効果的に雪庇を防止できるが、風が弱かったり無風の条件下で降り積もるような雪の場合には、建築物の屋根上の積雪を排雪することができず、傾斜面の頂部や雪切板の頂部などに着雪した積雪、融雪が再凍結してできた氷塊などの雪庇が、建築物の周囲に落下してしまう虞があり、また、対象建築物の外がわに向く側面が傾斜面とされ、該傾斜面の上端に、鉛直姿勢の雪割部が立設された屋外工作物は、該屋外工作物上に積雪した雪や積雪が再凍結してできた氷塊などが雪割部によって分断されたときに、地上に落下して事故を招く虞があり、設置対象建築物の軒下付近の雪庇落下の危険性が有る範囲に立ち入り禁止区域を設けたり、フェンスを設置したりしなければならず、また、風車や太陽電池を有する雪庇防止装置類は、該風車や太陽電池によって発電を可能とするものとなるが、対象建築物の屋根の中央付近に積もった雪を排雪するには、必ず人手による除雪作業が不可欠となり、屋根上の除雪という危険な高所作業が不可欠なものとなっていた。
(発明の目的)
そこで、この発明は、無風のときでも雪庇を効果的且つ安全に排雪することができる上、一定方向の季節風などの強風が吹き付ける条件下にあっては、設置箇所に留まらず、対象建築物の屋根上の中央付近の積雪も効率的に吹き飛ばして除雪可能とすることができる新たな雪庇防止技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の雪庇防止ユニット、および、それを利用した新規な構造の雪庇防止装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の雪庇防止ユニットは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対し−20°ないし70°の下り傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされ、該低摩擦外壁面の軒先がわとなる先端縁が設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう設置される、所定奥行き長、所定単位幅寸法の急勾配壁を有し、該急勾配壁の上端縁に沿って、該急勾配壁に対し、水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された所定長寸法の雪切り翼が、屋根の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化され、該雪切り翼の基端には、同雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされる共に、該低摩擦外壁面の下端に設置対象建築物の屋根上に固定可能な固定金具を有する背面閉塞壁が設けられ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした構成を要旨とする雪庇防止ユニットである。
この基本的な構成からなる雪庇防止ユニットは、その表現を変えて示すならば、設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対し−45°の下り傾斜角度に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされ、該低摩擦外壁面の軒先がわとなる先端縁が設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう設置される、所定奥行き長、所定単位幅寸法の急勾配壁を有し、該急勾配壁の上端縁に沿って、該急勾配壁に対し、水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された所定長寸法の雪切り翼が、屋根の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化され、該雪切り翼の基端には、同雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされると共に、該低摩擦外壁面が水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された上、下端に設置対象建築物の屋根上に固定可能な固定金具を有する背面閉塞壁が設けられ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした構成からなる雪庇防止ユニットとなる。
(関連する発明1)
上記した雪庇防止ユニットに関連し、この発明には、それを利用した雪庇防止装置も包含している。
即ち、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットが、急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に配置され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着され、同設置対象建築物の屋根の中央寄りから、同設置対象建築物の屋根上の軒先よりも迫り出すように生長しようとする雪庇が、各雪切り翼の上端縁に達すると悉く粉雪状に切断、分散されながら各急勾配壁に沿って滑落するよう排除可能なものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置である。
より具体的なものとして示すと、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットが、急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に配置され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着された上、該急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁との間に対し、同急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁と、設置対象建築物の屋根天面とで囲まれた範囲を、閉鎖可能な平面板状の側面閉塞壁が着脱可能に装着され、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置となる。
表現を変えて示すと、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットの複数個が、各々の急勾配壁の下方先端が、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に沿って配列され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着され、同設置対象建築物の屋根の中央寄りから、同設置対象建築物の屋根上の軒先よりも迫り出すように生長しようとする雪庇が、各雪切り翼の上端縁に達すると悉く粉雪状に切断、分散されながら各急勾配壁に沿って滑落するよう排除可能なものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置とすることが可能である。
さらに、具体的なものとして示すならば、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットの複数個が、各々の急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に沿って配列され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着された上、各雪庇防止ユニットの中、同雪庇防止ユニットの幅寸法方向端が開口状に露出された雪庇防止ユニットの幅寸法方向端に対し、側面閉塞壁が装着され、各急勾配壁、各背面閉塞壁、設置対象建築物の屋根天面および各側面閉塞壁が、外気から遮断された断熱空間を形成するものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、この発明の基本をなす前記雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置とすることができる。
以上のとおり、この発明の雪庇防止ユニットによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、様々な構造および形状の設置対象建築物の屋根上の適所に対し、1個毎独立するよう設置したり、複数個が軒先付近に沿って並ぶよう組み合わせられた状態に設置されたものとしたりするなどして、この発明の雪庇防止装置が効率的に設置されたものとすることができ、設置対象建築物の屋根上の風下がわとなる軒先付近に設置されることにより、屋根上の積雪が背面閉塞壁を乗り越えて、急勾配壁がわに雪庇が生長しようとすると、雪切り翼が、未だ生長していない段階の小雪庇を、該小雪庇の自重によって切断し、急勾配壁の低摩擦外壁面上を滑落しながら粉雪状に粉砕し、さらに、屋根上の軒先から落下する段階には粉雪が舞うような状態となって地上に舞い降りることとなり、従来型のような屋根上の軒先に大きく生長してしまった雪庇が、その重量に耐えきれずに、根元から破断し、地上に落下して、その大きな雪塊や氷塊が、地上の施設や人、その他の物等に被害を及ぼしてしまうという事故を未然に防止することができるものとなる。
加えて、設置対象建築物の屋根上の中央寄りの積雪が、季節風や強風によって軒先方向に吹き飛ばされると、この発明の雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置の背面閉塞壁および雪切り翼上を滑走するよう乗り越えて、設置対象建築物の軒先から離れた地上へ、粉雪状となって吹き飛ばされ、地上に舞い降りるように排雪することができるから、屋根上中央がわから背面閉塞壁上および雪切り翼の季節風に向かう背面までの積雪を悉く排雪し、雪切り翼上の雪庇の発生(および生長)をより確実に防止するものとなり、しかも危険な高所作業となる厳冬期の設置対象建築物の屋根上における除雪作業を一切不要とすることができるという秀でた効果を発揮するものとなる。
そして、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対し−20°ないし70°、または、−45°の下り傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定され、上壁面が低摩擦外壁面とされた急勾配壁が、天空からの直接の降雪、雪切り翼によって切断された小雪庇、および、屋根上の積雪が背面閉塞壁とそれに続く雪切り翼とを乗り越えて吹き飛ばされて落下して来る雪などを、その急勾配、低摩擦の壁面によって、滑落状に落下させながら分散し、破砕された粉雪が、舞い降りるように地上へと排雪されることとなり、雪庇落下の危険を解消し、地上の雪庇落下回避用の柵や立ち入り禁止区画などの設置を一切不要とし、従来は殆ど利用不可能となっていた軒先下の区画を有効利用可能にするという格段の効果が得られる。
急勾配壁の外面、雪切り翼および、背面閉塞壁の外面の幅寸法方向端縁の間の少なくとも何れか一箇所に、太陽光パネルおよび太陽熱パネルの少なくとも何れか一方が設けられてなるものは、太陽エネルギーを電気エネルギーや熱エネルギーに変換し、二酸化炭素やその他の自然環境に悪影響を及ぼすとされている物質を発生せずに、エネルギーを得ることができるものとなる上、この発明の雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置の、急勾配壁、雪切り翼および、背面閉塞壁の特徴ある形状と、それらの低摩擦外壁面とにより、着雪による隠蔽が効果的に抑止され、太陽光パネルおよび太陽熱パネルの冬期間における作動効率を格段に高めることができる上、太陽光パネルおよび太陽熱パネルの除雪作業が不要になるという効果が得られる。
そして、急勾配壁、雪切り翼および背面閉塞壁の少なくとも何れか一箇所に、発電用の風車が設けられてなるものは、風雪の吹き付けによる発電を実現化することができ、しかも、吹き付けられる風雪を、回転翼が攪拌状に粉砕しながら排雪するから、一段と着雪を防止する効果を高めたものとすることができる。
雪切り翼の基端と背面閉塞壁の上端とが一平板状に一体化されてなるものは、雪切り翼の支持強度を格段に強化し、耐久強度を一層高めたものとすることができる上、屋根の中央がわから軒先方向に向けて吹き飛ばされて来る風雪を、直線状に誘導し、粉状となった雪を、設置対象建築物から充分に離れた位置まで、より円滑に吹き飛ばすよう排雪することができるから、雪庇の解消に留まらず、設置対象建築物の屋根の中央がわから背面閉塞壁上、および、該背面閉塞壁に一平面状に連続する雪切り翼上までの積雪を、より一段と低摩擦抵抗および効果的に排雪することができるものとなる。
急勾配壁が、設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる急勾配壁端縁に、雪切り翼の基端が一体化され、該急勾配壁の設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる勾配壁端縁対して背面閉塞壁の上端が一体化されてなるものは、雪切り翼を有する急勾配壁と、背面閉塞壁とを個別且つ効率的に生産することができ、しかも部品として保管、輸送することが可能となる上、設置対象建築物の屋根上まで搬送した後に、組み立てるようにすれば、大幅なコスト削減を達成できるという効果が得られる。
この発明の雪庇防止装置によれば、設置対象建築物の屋根の形状や寸法などの各種条件に応じて、1個または複数個の雪庇防止ユニットを適宜設置することが可能となり、さらに、側面閉塞壁が装着されたものは、屋根と雪庇防止装置との間の空間に冷気が進入し、雪解け水が雪庇防止装置下で再凍結して軒先下に氷柱が発生したり、スガ漏りを発生したりしてしまうのを、より確実に防止できるものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
雪庇防止ユニットは、この発明の雪庇防止装置の主要な構成部品であって、設置対象建築物の屋根上や、その他の人口物などの天面に対して1個または複数個を配列するよう設置され、当該雪庇防止装置を形成するものとなるという機能を担い、少なくとも急勾配壁、雪切り翼および背面閉塞壁を有するものとしなければならず、急勾配壁、雪切り翼および背面閉塞壁を合成樹脂や複合資材などによって一体化成型されたものとすることができる外、雪切り翼が、同雪切り翼の基端と背面閉塞壁の上端とが一平板状に一体化されてなるものとしたり、急勾配壁が、設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる勾配壁端縁に、雪切り翼の基端が一体化された状態に一体化され、該急勾配壁の設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる勾配壁端縁対して、背面閉塞壁の上端が一体化されてなるものとしたりすることができ、また、急勾配壁および背面閉塞壁の下端同士を連結する補強枠や補強板などを適宜追加したものや、雪切り翼の基端を鉛直下方の屋根上に接地するよう支持可能な骨格枠や支持柱などを適宜追加したものなどとすることが可能であり、表現を変えて示すと、気温の変動や、積雪、降雨、降雹、強風、太陽光熱、紫外線、塵埃、その他の気象条件や外的荷重および外力などに充分に耐える形状および構造のものとすべきであって、例えば、鉄筋の骨格を有するものとしたり、金属板を組み合わせたものや合板を組み合わせたものとしたり、合成樹脂製や強化プラスチック製のものとしたり、それらの組み合わせからなるものとしたりすることが可能であり、後述する実施例にも示す通り、急勾配壁、雪切り翼および背面閉塞壁の少なくとも一箇所に太陽光パネル、太陽熱パネルおよび発電用の風車の少なくとも何れか一つを設けたものとすることができる。
急勾配壁は、設置対象建築物の屋根の軒先付近に設置された場合に、降雪を着雪、積雪させることなく、雪粒のまま滑落状に速やかに排雪すると共に、雪切り翼が大きく生長する前の小さなままの状態で切断、落下させた雪庇を、滑落状に落下する過程中に粉雪状に粉砕してしまう機能を担い、具体的には、設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対し−20°ないし70°の下り傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされ、該低摩擦外壁面の軒先がわとなる先端縁が設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう設置され、所定奥行き長、所定単位幅寸法に設定されたものとしなければならず、該急勾配壁の下端にネジや固定金具類を設け、設置対象建築物の屋根へ固定を可能にしたものとするのが望ましく、後述する実施例にも示すように、設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対し−45°の下り傾斜角度に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされたものとするのが良く、三菱樹脂製ダイヤスター(商品名)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリエチレン、各種強化プラスチック、ラバーシート、ポリカシート、中空ポリカシート(または、改質アスファルトルーフィングシート非露出単相防水用、R種2類 メルタン21(商品名))、ポリカ波板(剛厚)、シリコーン(BAグレード、KAプレート)、塩化ビニル樹脂、天然ゴム、ウッドラックザスリム、ブラダン、ATBC−PVC、ポリエチレンテレフタレート、エンボス加工樹脂板、10mm厚ベニヤ板、L型金具アングル、T.T.File−4414衝撃吸収プラスチック、その他の中の何れか一つか、または、それらの組み合わせからなるものかの何れか一つからなるものとすることができる。
雪切り翼は、設置対象建築物の屋根の軒先付近に設置された場合に、背面閉塞壁上の積雪が、同背面閉塞壁の軒先がわ端から、軒先外がわへ向けて生長しようとする雪庇を、僅かな(小さな)中に、その小雪庇の自重によって切断し、急勾配壁上に落下、排雪可能とする機能を担っており、該急勾配壁の上端縁に沿って、該急勾配壁に対し、水平、ないし、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対して+45°の傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定された、所定長寸法の雪切り翼が、屋根の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化されたものとしなければならず、後述する実施例にも示すとおり、その突出長寸法が、急勾配壁や背面閉塞壁の屋根の中央がわから軒先方向の長さ寸法よりも短く設定されたものとすべきであり、該雪切り翼の基端と背面閉塞壁の上端とが一平板状に一体化されてなるものとすることができ、先端縁形状は、板を切断しただけの形状とすることができる外、軒先がわから下方向に向けるよう折曲された形状のものとすることが可能であり、前記急勾配壁と同様の素材製のものとすることができる。
背面閉塞壁は、設置対象建築物の勾配屋根の中央がわに降り積もり、軒先方向に滑り移動しようとする積雪、および、屋根上を季節風などの強風の吹き付けによって吹き飛ばされ移動する粉雪(積雪および降雪)などを雪切り翼に向けて滑らかに誘導可能とする機能を担い、雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされる共に、該低摩擦外壁面の下端に設置対象建築物の屋根上に固定可能な固定金具を有する背面閉塞壁が設けられてなるものとしなければならず、より具体的に示すと、雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされると共に、該低摩擦外壁面が水平、ないし、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対して+45°の傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定されたものとすべきであり、後述する実施例にも示すとおり、該背面閉塞壁は、前記急勾配壁と同様の素材製のものとすることができ、固定金具は、設置対象建築物の屋根の構造に適した固定構造のものを適宜選択することが可能であり、例えば、ネジ、ボルト・ナット、植え込みボルト・ナットなどとすることができる外、既存の雪留め金具に共締めするようにして屋根上に固定できるものとするのが可能であり、表現を変えて示すと、該固定金具は、亜鉛鍍金鋼板製、ガルバリウム鋼板(登録商標)製、アルミニウム合金製、ステンレス鋼製、チタン製、ポリカーボネート製、その他の硬質素材製のものとするのが望ましい。
側面閉塞壁は、この発明の雪庇防止装置が、設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、該雪庇防止装置下と屋根上との空間中に、積雪が進入したり、冷気が通過して雪解け水が再凍結するなどして雪庇防止装置より下方に雪庇が生長したり、屋根の軒下に氷柱が生長してしまったりするのを防止可能とするよう、雪庇防止装置の幅方向の開口を隠蔽状に閉鎖可能とする機能を担い、設置された雪庇防止装置の内部空間に、野鳥や野生動物などが進入したり、営巣したりするのを防止する機能を兼ね備え、急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁と、設置対象建築物の屋根天面とで囲まれた範囲を、閉鎖可能な平面板状のものとすべきであり、急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁との間に対し、着脱可能に装着されるものとるのが望ましく、ネジ、ボルト・ナット、蝶ネジ・ナットなどの外、各種バックル金具類やクランプ金具類などを利用して着脱可能に装着されるものとすることができ、前記急勾配壁の素材に示した素材の中の何れか一つからなるものとすることができる。
雪庇防止装置は、この発明の雪庇防止ユニットの1個または複数個の組み合わせからなり、設置対象建築物の屋根の軒先付近に雪庇が生長するのを阻止可能とすると共に、設置対象建築物の屋根の中央がわの積雪を、季節風や強風の風力を利用して自動的に軒先方向外がわへ誘導、排雪可能とする機能を担い、雪庇防止ユニットが、急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端よりも僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に配置され、各固定金具を介して、同設置対象建築物の屋根上に固着されてなるものとしなければならず、急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁との間に対し、同急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁と、設置対象建築物の屋根天面とで囲まれた範囲を、閉鎖可能な平面板状の側面閉塞壁が、着脱可能に装着されてなるものとすべきであり、後述する実施例にも示しているが、住宅用家屋の屋根(切妻や寄せ棟、陸屋根、パラペットなど)の軒先に沿って複数個を設置されたものとすることができる外、高層建築物の屋根や、その他の屋外構造物などに設置されたものとすることが可能である。
設置対象建築物は、この発明の雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置の設置対象物であって、当該雪庇防止装置を設置可能な、あらゆる人口物や自然物と言うことができ、具体的には、低層建築物、中層建築物、高層建築物、超高層建築物の外、橋、トンネル、信号機、照明灯、カーブミラーなどの交通施設、塀、外灯、エクステリア、表現を変えると、例えば、切妻、寄せ棟、片流れ、方形、入母屋、半切妻、錣、差しかけ、越、その他の住宅の外、戸建て住宅、集合住宅、ビルディング、協会、寺院、神社、城、病院、駅、空港、オフィスビル、官庁庁舎、警察署、消防署、交番、競技場、球場、劇場、映画館、工場、ホテル、旅館、倉庫、物置、寄宿舎、福祉施設、学校、体育館、博物館、美術館、図書館、公衆トイレ、百貨店、マーケット、ボウリング場、展示場、遊技場、公衆浴場、飲食店、小売店、店舗、車庫、カーポート、駐輪場、修理工場、スタジオ、別の表現で示すと、石積み、レンガ造、木構造、木質構造、軸組構造、枠組構造、木質パネル構造、丸太組み構造、鉄骨構造、鋼構造、重量鉄骨構造、軽量鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造、コンクリート充填鋼管構造、補強コンクリートブロック構造、膜構造、ラーメン構造、ブレース構造、トラス構造、壁構造、壁式構造、架構式構造、組積造、ボールド構造、シェル構造、ケーブル構造、吊り構造、空気膜構造、免震構造、制振構造、塔、貯留タンク、乗用車、バス、トラック、列車、船舶などと云うことが可能であり、屋根は、冬季の降雪時に積雪する状態に屋外の環境下に晒された設置対象物の天面部分ということができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
側面を断面化した雪庇防止装置を示す側面図である。 雪庇防止ユニットを示す三面図である。 雪庇防止ユニットの断面構造を示す側面図である。 雪庇防止ユニットの別の断面構造を示す側面図である。 分解状態の雪庇防止装置を示す斜視図である。 角度姿勢の異なる雪切り翼を示す側面図である。 急勾配壁の上端に一体化された雪切り翼を示す側面図である。 形状の異なる急勾配壁および雪切り翼を示す側面図である。 さらに別の形状の雪切り翼を示す側面図である。 雪庇を排除する雪庇防止装置を示す側面図である。 屋根上を排雪する雪庇防止装置を示す側面図である。 水平姿勢に設定された雪切り翼および背面閉塞壁を示す側面図である。 雪庇を排除する水平姿勢の雪切り翼を示す側面図である。 屋根上を排雪する水平姿勢の雪切り翼および背面閉塞壁を示す側面図である。 パラペット上に設置された雪庇防止装置を示す側面図である。 パラペット上の雪庇を排除する雪庇防止装置を示す側面図である。 陸屋根上を排雪する雪庇防止装置を示す側面図である。 矩形高層建築物の陸屋根上に設置された雪庇防止装置を示す斜視図である。 円柱形高層建築物のパラペット上に設置された雪庇防止装置を示す斜視図である。 平面円弧形状とされ雪庇防止ユニットを示す三面図である。 平面円弧形状とされ雪庇防止装置を示す三面図である。 風車が設けられた雪庇防止装置を断面化して示す側面図である。 風車が設けられた雪庇防止装置を示す三面図である。
図1ないし図3に示す事例は、水平に対し−20°ないし70°の下り傾斜角度Aに設定された上壁面が低摩擦外壁面30とされ、所定奥行き長L、所定単位幅寸法Wの急勾配壁3を有し、該急勾配壁3の上端縁に沿って、該急勾配壁3に対し、水平HL、ないし、屋根90の中央がわから軒先方向に向けて、水平HLに対して+70°の傾斜角度Bの何れか一つの角度姿勢に設定された、所定長寸法の雪切り翼4が、屋根90の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化され、該雪切り翼4の基端には、同雪切り翼4の基端から屋根90天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面50とされる共に、該低摩擦外壁面50の下端に屋根90上に固定可能な固定金具51,51,……を有する背面閉塞壁5が設けられてなるものとした、この発明の雪庇防止ユニット2、およびそれを利用した雪庇防止装置1における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の雪庇防止ユニット2は、L型断面形鋼材を枠状に組み立てられてなる金属製骨格枠20を有し、該金属製骨格枠20に対して急勾配壁3、雪切り翼4および背面閉塞壁5が一体的に外装されたものとしてあり、該急勾配壁3は、奥行き長Lが例えば約500mmないし1,000mm、単位幅寸法Wが例えば900mmに設定された平板状のものとされ、当該金属製骨格枠20の装着位置に対して図示しないボルト、ネジ、リベット類などの結合用部品を介して着脱不能に一体化されており、当該金属製骨格枠20を介して設置対象建築物9の屋根90上の適所に設置された場合に、屋根90の中央がわから軒先方向に向けて、水平HLに対し−45°の下り傾斜角度Aとなるよう設定されている。
図1および図3に示すように、該急勾配壁3は、当該金属製骨格枠20の装着位置に対し、改質アスファルトルーフィングシート非露出単相防水用、R種2類31が張着され、さらに、該改質アスファルトルーフィングシート非露出単相防水用、R種2類31の上層に、三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されて低摩擦外壁面30が形成されたものとしてある。
同図1および図3に示すように、雪切り翼4および背面閉塞壁5は、1枚の平板状の部品として一体化されたものであり、当該金属製骨格枠20を介して設置対象建築物9の屋根90上の適所に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対して+60°の上り傾斜角度B(急勾配壁3の上壁面30に対する角度B0が90°)に設定されたものとしてあり、当該金属製骨格枠20に対して10mm厚のベニヤ板50が固着され、前記急勾配壁3の上端より、100mmないし150mmの長さH突出した雪切り翼4相当部分の全周囲、および、該雪切り翼4の基端に連続する背面閉塞壁5に及ぶ上面壁50に、三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されて低摩擦外壁面50が形成されたものとしてある。
同図1および図3に示すように、背面閉塞壁5の下端に対応する当該金属製骨格枠20の左右間には、軒先方向に向けて折曲された接地縁21が設けられ、幅方向の適宜間隔起き毎に、雪留め金具51,51,……からなる固定金具51,51,……が組み込まれ、また、急勾配壁3の下端に対応する当該金属製骨格枠20の左右間には、屋根の中央方向に向けて折り曲げられた接地縁22が設けられ、幅方向の適宜間隔起き毎に、図示しない固着ネジが組み込まれたものとしてある。
以下、同一構成部分には同一符号を付して、説明を省略することとする。
また、図4に示すように、雪庇防止ユニット2は、該急勾配壁3が、当該金属製骨格枠20の装着位置に対し、中空ポリカーボネートシート32、ラバーシート33が積層状に装着され、さらに、該急勾配壁3の上壁面となる該ラバーシート33の外がわ表面に、三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されて低摩擦外壁面30が形成されたものとすることができる。
図1および図5に示すように、雪庇防止ユニット2は、設置対象建築物9の屋根90上に設置され、雪庇防止装置1とされた場合に、急勾配壁3の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁5の幅寸法方向端縁との間に対し、同急勾配壁3の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁5の幅寸法方向端縁と、設置対象建築物9の屋根90天面とで囲まれた範囲を、閉鎖可能な三角形平面板状の各側面閉塞壁6,6が、左右夫々着脱自在に結合可能なものとされ、例えば、各側面閉塞壁6,6の同急勾配壁3の幅寸法方向端縁、および、背面閉塞壁5の幅寸法方向端縁に嵌合可能な形状とされた上方端縁に沿って、同急勾配壁3の幅寸法方向端縁、および、背面閉塞壁5の幅寸法方向端縁の内壁に重なるよう接合可能な複数枚の舌片60,60,……が設けられ、ネジ、ボルト・ナット、リベット、その他の結合部品の少なくとも何れか1種(何れも図示せず)を用いて連結可能なものとなっており、各舌片60,60,……のその他の構造を示すならば、例えば、各舌片60,60,……の全部または適宜間隔置き毎の幾つかに嵌合爪が設けられた上、要所々々にネジ、ボルト・ナット、リベット、およびその他の結合部品の少なくとも何れか1種(何れも図示せず)を用いて連結可能とされたものとすることができる。
図6および図7に示すように、雪庇防止ユニット2は、前述した金属製骨格枠20を持たず、急勾配壁3、雪切り翼4および背面閉塞壁5を互いの対応部分で一体化されたものとすることが可能であって、該雪切り翼4の角度姿勢が、屋根90の中央がわから軒先方向に向けて、水平HLに対して+15°の傾斜角度Bの角度姿勢(急勾配壁3の上壁面30に対する角度B0が60°)に設定されたものとすることが可能であり、さらに、同図6に示したように、雪切り翼4の基端と背面閉塞壁5の上端とが一平板状に一体化されてなるものとし、該雪切り翼4の基端と背面閉塞壁5の上端との間となる適所に、急勾配壁3の上端が結合されてなるものとすることができ、また、同図7のように、急勾配壁3の上端に雪切り翼4を立ち上げるよう一体化し、該急勾配壁3の上端の雪切り翼4の下端直下に、背面閉塞壁5の上端が結合されてなるものとすることが可能である。
図8に示すように、急勾配壁3の下端から、設置対象建築物9の屋根90に設置された場合に、該屋根90の軒先先端を超えて斜め下方向に向けた長さL0が、100mm、屋根90の中央がわから軒先外方向に向けての垂れ角度A0が、水平に対して−45°ないし−90°(図8中は、垂れ角度A0が−80°)に設定された水切り縁34が延伸されたものとすることができ、さらに、雪切り翼4の先端から、急勾配壁3の上壁面30に平行な姿勢となり、突出長ELが50mmないし70mmの雪切り縁40が、延伸されたものとすることができる。
また、図9に示すもののように、雪切り翼4の雪切り縁40の先端から、雪切り翼4に平行な姿勢であって、下向き長さDLが、50mmないし70mmの補強・水切り縁41が、一体に設けられたものとすることができる。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の雪庇防止ユニット2を利用した雪庇防止装置1は、図1ないし図3に示すように、急勾配壁3が、同急勾配壁3の角度姿勢を屋根90の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対し−45°の下り傾斜角度Aに設定され、表面に三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されて低摩擦外壁面30が形成されたものとしてあるから、図10中の破線矢印に示すように、着雪Sをより確実に防止して、速やかに排雪することができ、しかも雪切り翼4によって切断された小雪庇が、該急勾配壁3上を滑落過程中に粉砕状となって、軒先下方に落下する際には、粉雪状に舞い降りることとなり、軒先下の地上の安全性を格段に高めたものとすることができ、軒先下の立ち入り禁止区画や安全柵などの設置を一切不要とすることができる。
加えて、雪切り翼4および背面閉塞壁5が、1枚の平板状とされ、屋根90の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対して+60°の上り傾斜角度C(急勾配壁3の上壁面30に対する角度B0が90°)に設定され、表面に三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されて低摩擦外壁面50が形成されたものとしてあるから、図11中の白抜きハッチング矢印および破線矢印に示すように、前記急勾配壁3と同様、着雪Sをより確実に防止し、季節風などによって屋根90の中央がわから軒先方向に吹き付けられる粉雪が、背面閉塞壁5から雪切り翼4に平板状に連続する低摩擦外壁面50上を、滑らかに上昇するように吹き飛ばされ、設置対象建築物9から充分に離れた位置まで吹き飛ばされ、地上に粉雪状に舞い降りるよう排雪されこととなり、人手を一切要すること無く、風の力によって屋根90上の積雪Sを悉く除雪することができる。
図3に示したとおり、低摩擦外壁面30が、改質アスファルトルーフィングシート非露出単相防水用、R種2類31、さらにその上層に、三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されてなるもの、および、図4に示したように、低摩擦外壁面30が、中空ポリカーボネートシート32、ラバーシート33、さらにその上層に、三菱ケミカル株式会社製ダイヤスター(登録商標)DSが積層状に被着されてなるものは、断熱、保温効果が高く、設置対象建築物9の屋根90が冷却されるのを防止し、融雪水の再凍結や、それに伴う、軒先下の氷柱の発生、さらに、スガ漏りの発生を、より確実に防止できるものとなる。
図1および図5に示すように、雪庇防止ユニット2の幅方向端に側面閉塞壁6が着脱可能に装着されてなる雪庇防止装置1によると、雪庇防止ユニット2を設置対象建築物9の屋根90上に運搬し、雪庇防止装置1を組み立て、設置する際の作業性を格段に高めることができ、必要箇所に側面閉塞壁6を自由に設置し、該雪庇防止装置1の設置が完了した後にも、側面閉塞壁6が必要と判断された箇所に追加したり、不要と判断された箇所から容易に撤去できるから、施工コストを大幅削減でき、設置対象建築物9の屋根90と雪庇防止装置1とによって囲まれた中空状の空間を密閉状に封鎖可能となり、該雪庇防止装置1が設置された範囲の屋根90の保温性、断熱性を高め、該雪庇防止装置1下の屋根90上や軒下に、融雪水が再凍結したり、軒先下に氷柱が発生したり、スガ漏りが発生したりするのを、一層確実に防止可能なものとなる。
図6に示した雪庇防止ユニット2のように、雪切り翼4と背面閉塞壁5とが一体化され、該雪切り翼4と背面閉塞壁5とが一体化されたものに対して、急勾配壁3が結合されてなるものや、図7に示すもののように、急勾配壁3に対して雪切り翼4が一体化された、該雪切り翼4が一体化された急勾配壁3に対して背面閉塞壁5が結合されてなるものは、最小部品の大きさをより小さく設定し、生産、保管、運搬の効率性を高めることができ、設置対象建築物9の屋根90上まで搬送した上、組み立て設置することにより、一段と経済的に、雪庇防止装置1の設置工事の施工ができるものとなる。
図8に示される雪庇防止ユニット2は、急勾配壁3の先端から水切り縁34が、同急勾配壁3と同じか、またはそれよりも急勾配に垂れ下がるよう延伸されたものとなっているから、設置対象建築物9の屋根90の軒先の下がわに排雪や融雪水などが回り込んでしまうのを、より確実に防止するものとなり、また、雪切り縁40が、急勾配壁3の上壁面30に平行な姿勢となり、突出長ELが50mmないし70mmに延伸されたものとなっているから、雪切りの性能を高く維持したまま、雪切り翼4を補強し、耐久強度を一段と高めたものとすることができ、図9に示すように、雪切り翼4の雪切り縁40の先端から、雪切り翼4に平行な姿勢であって、下向き長さDLが、50mmないし70mmの補強・水切り縁41が、一体に設けられてなるものによると、雪切りの性能を高く維持しつつ、雪切り翼4の上端を強化し、より耐久性に優れたものとすることができる。
図12に示すように、雪切り翼4および背面閉塞壁5が、一枚の板状に一体化され、しかもその傾斜角度B,C(同図12中の角度B0が45°)が、水平に設定されたものとすることが可能であり、図15に示すように、設置対象建築物9の陸屋根90の軒先に設けられたパラペット上に、設置されるものの場合には、背面閉塞壁5の下端が、パラペットの陸屋根90の中央がわとなる縦壁の上端角に一致するか、または、パラペット上の範囲内に納まるよう配置されるよう設置されるよう寸法、形状が設定されたものとなっている。
同図15の雪庇防止ユニット2は、急勾配壁3の、屋根90の中央がわから軒先方向に向けた下り傾斜角度Aが、水平に対して−45°、雪切り翼4および背面閉塞壁5の屋根90の中央がわから軒先方向に向けた上り傾斜角度Cは、水平に対して+45°の角度姿勢に設定されたものとしてある。
図18に示す雪庇防止装置1は、鉄筋コンクリート構造矩形状の設置対象建築物9の屋上90の季節風や周辺地形によって吹き付ける強風などの風下がわの配置となる軒先に沿って複数個の雪庇防止ユニット2,2,……を、互いの幅方向端同士を密に接合するよう配列し、必要に応じて隣接する雪庇防止ユニット2,2の幅方向端同士を連結金具類などによって一体化するよう連結すると共に、植え込みボルト・ナットなどからなる固定金具(図示せず)によって該屋上90に固定したものとした上、幅方向端の最も外がわに配し、側部開口が開放状に露出することとなる各雪庇防止ユニット2の露出がわとなる側部に、側面閉塞壁(図示せず)を装着し、各雪庇防止ユニット2の急勾配壁3、背面閉塞壁5、および、屋上90との間に形成される中空状空間を密閉状にされたものとしてある。
また、図18に示した雪庇防止装置1は、太陽光の直接的照射を受ける各雪切り翼4,4,……および背面閉塞壁5,5,……の各上表面に、太陽光パネル7,7,……が一体化されたものとなっており、これら太陽光パネル7,7,……は、太陽熱パネル7,7,……に置き換えることが可能であり、また、太陽光の照射方向によっては、太陽光パネル(または太陽熱パネル)7,7,……が、急勾配壁3,3,……の表壁面に設置されたものとすることが可能であり、太陽光パネル(または太陽熱パネル)7,7,……は、各雪庇防止ユニット2毎の急勾配壁3、雪切り翼4、背面閉塞壁5および側面閉塞壁6の何れか1箇所か、何れか複数箇所かに設けられたものとすることが可能であり、また、太陽光パネル(または太陽熱パネル)7,7,……が、雪庇防止装置1を構成する複数個の雪庇防止ユニット2,2,……の中の一個または幾つかの複数個に対して組み込まれていないものとすることが可能である。
図19ないし図21に示す雪庇防止ユニット2、およびそれを利用した雪庇防止装置1は、概略円柱形状の設置対象建築物9の屋上90の環状のパラペット上の風下がわ配置となる範囲に、複数個の雪庇防止ユニット2,2,……が配されたものであり、該雪庇防止ユニット2は、急勾配壁3、雪切り翼4および背面閉塞壁5が、環状のパラペット上に設置できるよう所定の曲率をもって湾曲されたものとなっており、太陽光の照射を受ける背面閉塞壁5,5,……に太陽光パネル(または太陽熱パネル)7,7,……が、組み込まれていないものとなっている。
図22および図23に示したもののように、雪庇防止ユニット2は、急勾配壁3、雪切り翼4および背面閉塞壁5(必要な場合いはさらに側面閉塞壁6)の何れか1箇所か、何れか複数箇所かに風車8,8,……を設けたものとすることができる。
(実施例2の作用・効果)
この発明の雪庇防止ユニット2、およびそれを利用した雪庇防止装置1は、図12および図13に示すように、雪切り翼4と背面閉塞壁5とが水平な平板状に一体化するよう連続形成されているから、雪切り翼4および背面閉塞壁5の上に降り積もった積雪Sが、雪切り翼4の先端で切断状となり、同図13中の破線矢印に示すように、急勾配壁3上を粉雪状に分散しながら滑落状且つ速やかに落下、粉雪が舞うように地上へと排雪されることとなり、さらに、図14に示すように、設置対象建築物9の屋根90上の中央がわから背面閉塞壁5および雪切り翼4上に降り積もった雪Sは、屋根90上を通過する季節風などの強風に晒されると、同図14中の白抜きハッチング矢印および破線矢印に示す通り、背面閉塞壁5および雪切り翼4上を滑走するよう水平方向に吹き飛ばされ、そのまま、急勾配壁3上から設置対象建築物9の屋根90の軒先方向外がわの軒下付近となる地上や、設置対象建築物9から充分に離れた地上などに粉雪状の雪粒Sとなって舞い降りることとなり、地上の安全を確保出来る上、屋根90上の除雪作業を不要とすることができる。
図15ないし図17に示した雪庇防止ユニット2、およびそれを利用した雪庇防止装置1によると、雪切り翼4の先端を超えて生長しようとする小雪庇が、図16中の破線矢印に示すように、該小雪庇の自重によって急勾配壁3上に粉砕状となって滑落し、設置対象建築物9の陸屋根90のパラペットの外がわへと粉雪状となって落下して除雪されるものとなり、さらに、図17中の白抜きハッチング矢印に示すように、該陸屋根90上に降り積もった積雪Sが、季節風や強風によって一枚板状に連続する背面閉塞壁5および雪切り翼4の上面に沿って上昇し、同図17中の破線矢印に示すように、一部の粉雪が、急勾配壁3上に降り注ぎ、滑落状にパラペットの外がわへと滑落、排雪され、また、急勾配壁3上を飛び越えた粉雪は、パラペットの外がわのより設置対象建築物9から離れた地上に降り注ぐように排雪されることとなり、該陸屋根90上の除雪作業が不要になるという優れた効果が得られる。
図18に示されるように、鉄筋コンクリート構造の設置対象建築物9の屋上90に設置された雪庇防止装置1によると、高層の設置対象建築物9の屋上90からの雪庇の落下、およびそれに伴って発生する虞のある事故などを確実に防止でき、従前までであれば、雪庇落下の危険性が有る設置対象建築物9の周辺に、立ち入り禁止区域やフェンスなどの設置が不可欠とされてきたが、こうした周辺の土地を有効利用することができるようになる上、除雪処理が極めて困難な屋上90の除雪作業が一切不要となり、設置対象建築物9の管理上の安全性および経済性を格段に向上できるものとなる。
そして、図18および図19に示すように、雪庇防止装置1の適所に太陽光パネル7,7,……および太陽熱パネル7,7,……の少なくとも何れか一方が設けられたものとすることにより、従前までのように専用の設置フレームなどを要さず、雪庇防止装置1を兼ねたものとなるから、より経済的に設置できる上、自然環境に優しい太陽光発電や、太陽熱の有効利用が可能となり、大幅な省エネルギーを実現化できる。
図19ないし図21に示すように、雪庇防止ユニット2が、その側面形状を前述のものと基本適に同様のものとし、俯瞰形状が円弧状のものとされたものは、例えば、図19に示した概略円柱形状の設置対象建築物9の屋根90上の平面環状のパラペット上に沿って効率的に設置できる上、前記図18に示した矩形状の設置対象建築物9と同様に、太陽光パネル7,7,……および太陽熱パネル7,7,……の少なくとも何れか一方が設けられたものとすることができ、より経済的な利用を実現化できるものとなる。
図22および図23に示したように、適所に発電用の風車8,8,……が設けられた雪庇防止ユニット2、およびそれを利用した雪庇防止装置1によると、設置対象建築物9の屋根90に雪庇が発生するのを確実に防止できる上、季節を問わず一年を通じて、屋根90上に吹き付ける風を受けて、発電することが可能となり、より経済的な利用を実現化できる上、発電用の風車8,8,……の回転力によって積雪の塊を粉砕状に破砕してしまうことが可能となり、より効果的に雪庇の発生を防止可能なものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の雪庇防止ユニット、およびそれを利用した雪庇防止装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、雪庇発生をより確実に防止できる上、従前からの雪庇防止技術に比較して設置対象建築物の屋根の積雪を減少、および消雪することができる上、人手を要さず、粉雪状にして設置対象建築物の周囲に飛散するよう排雪することができるから、雪庇や雪塊、氷塊などの落下による事故の発生を未然に防ぐことができ、格段に安全性を高め、遥かに経済的なものとすることができるから、高層建築物の管理業界および建築業界はもとより、雪庇や屋根の除雪に苦慮する一般家庭においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。

Claims (10)

  1. 設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して−20°ないし70°の下り傾斜角度の何れか一つの角度姿勢に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされ、該低摩擦外壁面の軒先がわとなる先端縁が設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう設置される、所定奥行き長、所定単位幅寸法の急勾配壁を有し、該急勾配壁の上端縁に沿って、該急勾配壁に対し、水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された所定長寸法の雪切り翼が、屋根の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化され、該雪切り翼の基端には、同雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされる共に、該低摩擦外壁面の下端に設置対象建築物の屋根上に固定可能な固定金具を有する背面閉塞壁が設けられ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとしたことを特徴とする雪庇防止ユニット。
  2. 設置対象建築物の屋根上に設置された場合に、屋根の中央がわから軒先方向に向けて、水平に対して−45°の下り傾斜角度に設定された上壁面が低摩擦外壁面とされ、該低摩擦外壁面の軒先がわとなる先端縁が設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう設置される、所定奥行き長、所定単位幅寸法の急勾配壁を有し、該急勾配壁の上端縁に沿って、該急勾配壁に対し、水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された所定長寸法の雪切り翼が、屋根の中央がわから軒先方向に向けて突出姿勢に一体化され、該雪切り翼の基端には、同雪切り翼の基端から設置対象建築物の屋根天面までの間を閉鎖可能な低摩擦外壁面とされると共に、該低摩擦外壁面が水平か、屋根の中央がわから軒先方向に向け、水平に対して+70°の傾斜角度かの何れか一つの角度姿勢に設定された上、下端に設置対象建築物の屋根上に固定可能な固定金具を有する背面閉塞壁が設けられ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとしたことを特徴とする雪庇防止ユニット。
  3. 急勾配壁の外面、雪切り翼および背面閉塞壁の外面の幅寸法方向端縁の間の少なくとも何れか一箇所に、太陽光パネルおよび太陽熱パネルの少なくとも何れか一方が設けられてなる、請求項1または2何れか一記載の雪庇防止ユニット。
  4. 急勾配壁、雪切り翼および背面閉塞壁の少なくとも何れか一箇所に、発電用の風車が設けられてなる、請求項1ないし3何れか一記載の雪庇防止ユニット。
  5. 雪切り翼が、同雪切り翼の基端と背面閉塞壁の上端とが一平板状に一体化されてなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の雪庇防止ユニット。
  6. 急勾配壁が、設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる急勾配壁端縁に、雪切り翼の基端が一体化され、該急勾配壁の設置対象建築物の屋根の中央がわ配置となる勾配壁端縁対して、背面閉塞壁の上端が一体化されてなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の雪庇防止ユニット。
  7. 請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットが、急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に配置され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着され、同設置対象建築物の屋根の中央寄りから、同設置対象建築物の屋根上の軒先よりも迫り出すように生長しようとする雪庇が、各雪切り翼の上端縁に達すると悉く粉雪状に切断、分散されながら各急勾配壁に沿って滑落するよう排除可能なものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置。
  8. 請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットが、急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に配置され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着された上、該急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁との間に対し、同急勾配壁の幅寸法方向端縁と、背面閉塞壁の幅寸法方向端縁と、設置対象建築物の屋根天面とで囲まれた範囲を、閉鎖可能な平面板状の側面閉塞壁が着脱可能に装着され、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置。
  9. 請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットの複数個が、各々の急勾配壁の下方先端が、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に沿って配列され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着され、同設置対象建築物の屋根の中央寄りから、同設置対象建築物の屋根上の軒先よりも迫り出すように生長しようとする雪庇が、各雪切り翼の上端縁に達すると悉く粉雪状に切断、分散されながら各急勾配壁に沿って滑落するよう排除可能なものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置。
  10. 請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットの複数個が、各々の急勾配壁の下方先端を、設置対象建築物の軒先先端の直上か、同設置対象建築物の軒先先端から僅かに突出状か、あるいは僅かに同設置対象建築物の屋根の中央寄りとなる配置かの何れか一方となるよう、同設置対象建築物の屋根の軒先付近に沿って配列され、各固定金具を介して同設置対象建築物の屋根上に固着された上、各雪庇防止ユニットの中、同雪庇防止ユニットの幅寸法方向端が開口状に露出された雪庇防止ユニットの幅寸法方向端に対し、側面閉塞壁が装着され、各急勾配壁、各背面閉塞壁、設置対象建築物の屋根天面および各側面閉塞壁が、外気から遮断された断熱空間を形成するものとされ、屋根の軒先やパラペットなどにおける雪庇の発生および落下を防止するものとした、請求項1ないし6何れか一記載の雪庇防止ユニットを利用した雪庇防止装置。
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