JPS64120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌用シートのクツシヨン鋼線を張
設するところのフレームに関する。

一般に、車輌においては、その車体の軽量化を
図ることが要請されており、シートフレームにあ
つても出来る限り軽量にすることが望まれてい
る。

従来、シートフレームに対する軽量化の要請
は、その全体的肉厚を薄くすることにより図られ
ている。然し、シートフレームには、軽量化の要
請と相反し、安全性担保のための一定強度の保持
が要求されているところからフレーム全体の肉厚
を薄くすることは好ましくない。

本考案は、枠体の軽量化を図ると共に一定の強
度をも保持し得る車輌用シートフレームを提供す
ること、を目的とする。

即ち、本考案に係る車輌用シートフレームにお
いては、略四辺形状に形成する枠体の少なくとも
前側辺の長手方向下面に、当該辺の縦幅を中央部
分に向つて徐々に狭くする円弧形の切欠を成形す
ることにより構成されている。

以下、これを図拠実施例に基づいて説明すれ
ば、次の通りである。

車輌用シートフレームは、四辺１，２，３，４
を一体成形し、略四辺形状の枠体を構成するもの
である。通常、この枠体の各辺は第２図示の如く
一定の縦幅ｈに形成されている。この縦幅に着眼
し、第３図示のシートフレームでは、その縦幅を
削ることによりフレームの軽量化が図られてい
る。この縦幅の狭幅成形は、辺下面にの長手方向
に中央部分に向つて縦幅を徐々に狭くする円弧形
の切欠５を設けることにより図られ、しかも強度
保持のため前側辺部１に施工されている。この前
側辺部は、座者の体重による負荷を多く受けると
ころであるため、それを支えるレール取付部分５
ａ，５ａを残すようにして切欠５が形成されてい
る。

なお、左右の辺部３，４には、クツシヨン鋼線
を掛止めるためのフツク（図示せず）を装着する
止め孔６，６…が設けられている。また、前後の
辺部１，２には、フレームの軽量化を図るため、
余計な部分を抜き取つた刳り孔７，７…も設けら
れている。

このように構成するフレームでは、少なくとも
前側辺部１の縦幅を削る切欠５を設けることによ
り、フレーム全体の重量を軽量にできる。また、
その切欠５の形状を円弧形にすることにより、座
者の垂直荷重を円弧辺に沿つて左右に分散し応力
集中を避けることができるため（第３図参照）、
フレームの強度アツプも可能にする。その枠体の
隅角部にはデルタ状に補強リブ８を設けることが
でき、この補強リブにより各辺の引張強度を高め
ることも可能である。

なお、円弧形の辺に沿つて、枠体の内側には水
平張出し部９を設けることができ、その張出し部
でクツシヨン層Ａを形成するウレタンフオームを
支持するように構成できる（第４図参照）。その
場合には、通常クツシヨン層を枠体の辺上面での
み支持するようにしているに対し、支持面を広く
設定できるためウレタンフオームの落込みや折れ
曲がりを防止でき、使用耐久性を向上すると共に
座者に安定感を与えることができる。また、円弧
形の下側には、物入れ用のアンダートレー１０
（第５図参照）を配置することができ、円弧形の
切欠５で幅方向略全長に亘つてアンダートレー１
０の大きな手掛け空間を形成できることよりフレ
ームが邪魔にならずに出入れ操作をし得るように
できる。

以上の如く、本考案に係る車輌用シートフレー
ムに依れば、フレームの全体的肉厚を薄くするこ
となくフレーム重量の軽量化を可能にし、同時に
アーチ形の切欠成形により強度保有も担保し得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシートフレームの俯角斜
視図、第２図は本考案に係るシートフレームを明
瞭にするための補足説明図、第３図は本考案に係
るシートフレームの正面図、第４図は別の実施例
に係るシートフレームの一部側断面図、第５図は
更に別の実施例に係る正面斜視図である。 １：枠体を構成する前側辺部、５：円弧形状の
切欠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 略四辺形状に形成する枠体の少なくとも前側
   辺の長手方向下面に、当該辺の縦幅を中央部分
   に向つて徐々に狭くする円弧形の切欠を成形し
   たことを特徴とする車輌用シートフレーム。 (2) 上記切欠が枠体の下部側にスライド出入れ自
   在に備えるアンダートレーの手掛け空間として
   形成されているところの実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の車輌用シートフレーム。