JPS641154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車等のフロントボデー内に格納
されうるリトラクタブルヘツドランプに関するも
のである。

（従来技術） 従来より、自動車のフロントボデー（一般には
ボンネツトあるいはフエンダまわり）から上方に
突出した高位置と、フロントボデー内に格納され
る低位置との間を昇降可能にしたリトラクタブル
ヘツドランプが提供されている。このようなリト
ラクタブルヘツドランプを用いれば、昼間走行時
にはヘツドランプをフレロントボデー内に格納し
て車体の空気抵抗を減じ、一方夜間走行時にはヘ
ツドランプを高位置に設定して法規で定められた
照射高さを得ることができる。

上記のような昇降式のリトラクタブルヘツドラ
ンプは例えば特開昭57−182538号公報に示される
ように、一端が車体側に回動自在に支持された２
本の平行リンクの他端にランプ取付板等を介して
ヘツドランプを取り付け、該平行リンクを例えば
モータ等によつて回動させることによつてヘツド
ランプを昇降するように形成されることが多い。

しかし従来のリトラクタブルヘツドランプにお
いては、上記２本の平行リンクがそれぞれ車体側
において２点、ヘツドランプ側で２点で支持され
るので、平行リンク全体では車体取付側、ランプ
取付側で各々４点支持されるようになる。そのた
めこの平行リンク設置用に大きなスペースが必要
になり、また平行リンクの構造が複雑になつてそ
の取付作業も面倒になる、という難点が有つた。

（考案の目的） 本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
のであり、小型でかつ構造簡単に形成され、設置
スペースが小さくて済み、また車体への取付作業
も簡単になるリトラクタブルヘツドランプを提供
することを目的とするものである。

（考案の構成） 本考案のリトラクタブルヘツドランプは、前述
したように２本の平行リンクを用いる昇降式のリ
トラクタブルヘツドランプにおいて、上下２本の
うちいずれか一方のリンクは、車体側取付部とラ
ンプ側取付部のいずれか一方を１点支持とし、 他方のリンクは、幅方向に間隙をおいて前後方
向に延び、前端がランプ側取付部に支持され、他
端が車体側取付部に支持される２本の腕部と、該
２本の腕部の車体側取付部の近傍を連結する連結
部とを有する形状とし、それによつて平行リンク
を車体側取付部、ランプ側取付部の少なくとも一
方で３点支持するようにしたことを特徴とするも
のである。

（考案の効果） 上記のように２本の平行リンクを支持すること
により、該平行リンクの設置に要するスペースは
従来装置に比べて確実に小さくなる上、重量も小
さくなる。また平行リンクを車体側取付部、ラン
プ側取付部の少なくとも一方で３点支持するた
め、平行リンクの支持点は従来装置に比べ全体で
１点あるいは２点減少し、該平行リンクの取付作
業が簡単になるとともに、機構が簡素化して確実
な作動が得られる。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。

第１、第２図は本考案の１実施例によるリトラ
クタブルヘツドランプを示す平面図、側面図であ
る。車体前部にボルト１を用いて固定されるシユ
ラウド２には、上リンク３、下リンク４の２本の
リンクからなる平行リンク５の一端が支持されて
いる。上リンク（第２リンク）３は略Ｈ字形に形
成され、その一端は２個の支点３ａを中心として
回動自在にシユラウド２の支持部材６に支持され
ている。そして該上リンク３の他端は同じく２個
の支点３ｂを中心として回動自在にランプ取付板
７の支持部材８に支持されている。一方下リンク
（第１リンク）４は一端側が２又状に開いた略Ｙ
字形に形成され、その一端は２個の支点４ａを中
心として回動自在にシユラウド２の支持部材９に
支持されている。そして該下リンク４の他端は、
１つの支点４ｂを中心として回動自在にランプ取
付板７の支持部材１０に支持されている。両リン
ク３，４はスプリング１１によつて連結されてい
る。

上記のように上リンク３、下リンク４が、シユ
ラウド２とランプ取付板７とに連結されて、ラン
プ取付板７を平行に移動させる平行リンク５が形
成されている。このランプ取付板７には車体前方
（図示左方）を向けてヘツドランプ１２が取り付
けられている。

第２図に示されるように下リンク４の中央部近
辺には、ロツド１３の一端が支点１３ａを中心と
して回動自在に支持され、該ロツド１３の他端は
Ｖ字形の回動部材１４の一端に、支点１３ｂを中
心として回動自在に支持されている。この回動部
材１４の中央部はシユラウド２に固定された支持
部材１５に、支点１５ａを中心として回動自在に
支持されており、該回動部材１４の他端には支点
１６ａを中心として回動自在にロツド１６が支持
されている。このロツド１６は、軸１７ａを中心
として回転可能な回転板１７の外周部に、支点１
７ｂを中心として回動自在に支持されている。上
記回転板１７は図示しない歯車機構を介してモー
タ１８により第２図の矢印Ａ方向に回転される。

以下、上記構成のリトラクタブルヘツドランプ
の作動について説明する。ロツド１３，１６、回
動部材１４、平行リンク５が第２図実線表示の状
態に設定されると、ヘツドランプ１２はボンネツ
ト等のフロントボデー１９から上方に突出した状
態となり、法規により定められた夜間走行時の照
射高さに設定される。なおこのとき、ランプカバ
ー２０が上方に押し上げられる。

次にモータ１８が駆動されて回転板１７が第２
図図示の状態から180゜回転され、ロツド１６が仮
想線表示位置まで引き上げられると、回動部材１
４が支点１５ａを中心に時計方向に回動されて仮
想線表示位置に移動し、ロツド１３が図中右下方
に引き下げられる。それによりリンク３，４が仮
想線表示位置に回動し、ヘツドランプ１２はフロ
ントボデー１９内に格納される低位置まで下降
し、ランプカバー２０は自重によつて閉じる。こ
のようにヘツドランプ１２をフロントボデー１９
内に格納することにより、走行時に車体が受ける
空気抵抗を減らすことができる。

そして前述のように本実施例においては、下リ
ンク４を略Ｙ字形に形成したから、従来装置にお
けるように該下リンクも上リンク３と同様Ｈ字形
に形成する場合に比べ、平行リンク５はより小型
軽量のものとなり、該平行リンク５を設置するた
めのスペースが小さくて済む。またこの平行リン
ク５は車体側（シユラウド２側）においては従来
装置と同様４点で支持されているが、ヘツドラン
プ１２側（ランプ取付板７側）においては３点の
みで支持されるので、該平行リンク５の取付作業
および円滑に作動させるための調整作業が簡単に
なり、また機構が簡潔化したことにより該平行リ
ンク５はより確実に作動するものとなる。また略
Ｈ字形の上リンク３が、車体前後方向に延びる２
本の腕部を本体側取付部の近傍において連結した
形状とされているから、その平行リンク５はねじ
れ方向の力に対しても十分な剛性を備えるものと
なりうる。

なお上記実施例においては下リンク４が略Ｙ字
形に形成されているが、第３図に示すように下リ
ンク３４を略Ｈ字形とし上リンク３３を略Ｙ字形
に形成して、ランプ取付板３７側において平行リ
ンク３５を３点支持するようにしてもよい。また
第４図に示すように、略Ｙ字形の上リンク４３の
２又部をランプ取付板４７側に支持し、該上リン
ク４３と下リンク４４とによつて構成される平行
リンク４５を、車体側において３点支持するよう
にしてもよい。勿論、下リンクを略Ｙ字形として
平行リンクを車体側で３点支持することも可能で
ある。

さらに上リンク、下リンクとも略Ｙ字形に形成
し、平行リンクを車体側、ヘツドランプ側の双方
において３点支持することも可能である。なお略
Ｙ字形に形成されるリンクは、２又状部分の基部
を極端に短くし、略Ｖ字形に近い形状に設定して
も構わない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す平面図、第２
図は上記実施例の側面図、第３図は本考案の他の
実施例の一部を示す斜視図、第４図は本考案のさ
らに異なる実施例の一部を示す斜視図である。 ２……シユラウド、３，３３，４３……上リン
ク、３ａ，３ｂ……支点、４，３４，４４……下
リンク、４ａ，４ｂ……支点、５，３５，４５…
…平行リンク、６，８，９，１０……支持部材、
７……ランプ取付板、１２……ヘツドランプ、１
３，１６……ロツド、１４……回動部材、１７…
…回転板、１８……モータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下に互いに平行に配設され一端が車体側に回
   動自在に支持された上下２本のリンクの他端にヘ
   ツドランプを支持し、該両リンクを上下方向に回
   動させてヘツドランプを昇降させるリトラクタブ
   ルヘツドランプであつて、 上記上下２本のリンクのうちいずれか一方のリ
   ンクは、車体側取付部とランプ側取付部のいずれ
   か一方を１点支持とされており、 他方のリンクは、幅方向に間隙をおいて前後方
   向に延び、前端がランプ側取付部に支持され、他
   端が車体側取付部に支持される２本の腕部と、該
   ２本の腕部の車体側取付部の近傍を連結する連結
   部とを有しており、 上記上下２本のリンクの車体側取付部とランプ
   側取付部の少なくとも一方が３点支持とされてい
   ることを特徴とするリトラクタブルヘツドラン
   プ。