JPS641034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クリーンルーム等の清浄化を要する
空域への入出時に高速気流を用いて人物を清浄化
するエアーシヤワー装置のうち、送風機の気流吐
出側に高性能フイルターを配したエアーシヤワー
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のエアーシヤワー装置は、第３図に示す送
風機の吸気側に高性能フイルターを配した陰圧型
の装置と、第４図、第５図に示した送風機の吐出
側にフイルターを配した陽圧型の装置に分類され
る。これらの装置は、フイルターを介して清浄な
高速気流を人物へ吹き付けることにより除塵を行
う目的であるが、陽圧型装置は、機器壁体等から
のリークによる塵埃の巻込みが無いため、リーク
の恐れのある陰圧型装置に比し、優れた効果を示
すものである。従来の陽圧型装置は、第４図に示
した両側に送風機とフイルターを有する型（例え
ば実公昭57−46074）と、第５図に示す片側のみ
に送風機とフアンを有する型（例えば実公昭57−
60874の従来例）が知られている。

第４図の従来装置を簡単に説明すると、シヤワ
ー室１の下部吸気口２より汚染空気を吸込みフア
ン３によりダクト４を経て、高性能フイルター６
により気流を清浄化し、蓄圧室９で加圧した清浄
空気をノズル７を通じて高速で吹き付ける構成で
ある。この装置は、各ノズルから均一な風速の気
流を短時間で得られるという優れた特徴を有して
いるが、シヤワー室の両側に上記の構成を組込む
構造のために、足下等へは十分な高速気流が供給
されず、気流のデツドスペースを生じ、靴やズボ
ンに附着した塵埃がそのまま清浄室に侵入した
り、又、台車等の背の低い物体は清浄化されずに
汚染状態のまま清浄室に搬入されるという重大な
欠点があつた。又、両側に送風機等の原動力を要
する部分があることは、大きなスペースを要する
だけでなく電気配線等に工夫が必要となり、これ
も又不利な問題であつた。

次に、第５図の従来装置について簡単に説明す
ると、下部吸気口２より汚染空気を吸込み、フア
ン３により蓄圧室９に送られた気流は、高性能フ
イルター６で清浄化され、ダクト４を通じて各ノ
ズルから吹出す構成である。この装置は片側にの
み清浄化装置を配しているため、他方のノズルが
足下部へも取付けられ、第４図よりも有利と考え
られるが、この装置において、各ノズルから均一
且つ十分な風速を得るためには、容量の大なる送
風機の使用と、高性能フイルターの耐圧・大型化
が必要となり、標準的なフイルターが使用できな
いし、又、高価になるという欠点があつた。も
し、標準サイズのフイルターを使用した場合に
は、フイルターの寿命が短くなるか、又は、フイ
ルターを通過する風量が少ない為に、各ノズルか
らの風速が不均一となつたり、均一な風速を得る
ためのダクト内蓄圧時間が長いという欠点があ
り、これも又、足下等への速やかで、且つ十分な
清浄化を行うことが困難であつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本考案は、従来のエアーシヤワー装置が克服出
来なかつた均一な風速でシヤワー室内にデツドス
ペースを残さず、且つ速やかに高速気流による除
塵が可能である装置を従来以上に極めて簡単な構
成で提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によるエアーシヤワー装置は、シヤワー
室１の両側壁面に非対象に設けられたノズル開口
部７を覆うフイルターチヤンバー５を有し、該フ
イルターチヤンバー５は、高性能フイルター６を
介してダクト側室５Ａとノズル側室５Ｂに分割さ
れ、左右各々のダクト側室５Ａが、ダクト４を介
するか、又は、介さずに送風機３の送風口と連結
されていることを特徴とする循環気流型エアーシ
ヤワー装置であつて、極めて簡単な構造であるに
もかかわらず、どのノズルからも極めて短時間で
均一な風速と風量を吐出することが可能であり、
且つデツドスペースを無くすことをも実現したも
のである。

以下、本考案を図面に従い具体的に説明する。

第１図は、本考案の一具体例であり、シヤワー
室１の下部吸気口２から吸込まれた汚染空気は、
フアン３によりダクト４を通じるか、又は、フア
ン３の送風口が直結されることにより、フイルタ
ーチヤンバー５に送風される。フイルターチヤン
バー５は適当な方法で密着された高性能フイルタ
ー６を介しダクト側室５Ａとノズル側室５Ｂの２
室に分割されている。このフイルターチヤンバー
５は、シヤワー室１の両側に非対象に設置され、
ノズル側５Ｂ室が左右各々のノズル開口部７を覆
う様に設置され、ダクト側室５Ａに備えた通風部
８が、フレキシブルダクト等の適宜なダクト４に
より連結される。

上記フイルターチヤンバーに送られた気流は、
高性能フイルター６の通気抵抗が高いために、ノ
ズル側室５Ｂへの流入は少なく大部分がダクト４
を通じて両側のダクト側室５Ａへ速やかに流入
し、蓄圧される。そして蓄圧された空気は圧力の
高まりに従い高性能フイルター６を通過し、ノズ
ル側室５Ｂに流入し蓄圧され、ノズル開口部７よ
り一斉に均一な高速気流として吹き出すものであ
る。

〔効果〕

本考案のエアーシヤワー装置は、従来のエアー
シヤワー装置が達成し得なかつた、デツドスペー
スを皆無にし、しかも、速やかに均一且つ必要な
風速をどのノズルからも得ることを可能とする。
本考案ではシヤワー室の片側のみに送風機を設け
ることで、複雑な配管工事を不要とするととも
に、送風機の配置されていない側壁の任意の位置
にフイルターチヤンバーで覆われたノズルを設け
ることが出来るため、シヤワー室内のどの位置に
も清浄な高速気流が吐出され、清浄空域へ出入す
るどの様な物体をも浄化することが可能である。

又、フイルターを内蔵したフイルターチヤンバ
ーが２室に分割されているために、ダクトを通じ
た気流が速やかにダクト側室へ蓄圧され、蓄圧後
も左右のチヤンバーに圧力差の生じることがな
く、どのノズルからも同時に均一風速の高速気流
が吐出される。

更に、本考案は、左右非対象の位置又は形状の
フイルターチヤンバーを、フレキシブルダクト等
で連結するという非常に簡単な構造であり、又、
送風機も片側にのみ設置しているため、複雑な配
線・配管工事も不要で、極めて安価に製作するこ
とが可能である。又、送風機から吐出された気流
も２以上の高性能フイルターに分割され過され
るため、十分な風量を得るために送風機容量を増
加させた場合も、フイルターに特殊な耐圧構造や
特殊なサイズを必要とせず、これも又安価に作成
することが可能である。

以上説明した様に、本考案は、機能性、経済性
をともに満足させるエアーシヤワー装置を提供す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるエアーシヤワー装置の
一実施例を示す断面図であり、第２図は、本考案
による別の例の断面図である。第３図は、従来の
陰圧型エアーシヤワー装置で、第４図及び第５図
は従来の陽圧型エアーシヤワー装置の断面図を示
す。 １……シヤワー室、２……吸気口、３……送風
機、４……ダクト、５……フイルターチヤンバ
ー、５Ａ……ダクト側室、５Ｂ……ノズル側室、
６……高性能フイルター、７……ノズル開口部、
８……通風口、９……蓄圧室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シヤワー室の両側壁面に非対象に設けられた
   ノズル開口部を覆うフイルターチヤンバーを有
   し、該フイルターチヤンバーは高性能フイルタ
   ーを介してダクト側室とノズル側室に分割さ
   れ、左右各々のダクト側室がダクトを介する
   か、又は、介さずに左右どちらかの一方にのみ
   設置された送風機の送風口と連結されているこ
   とを特徴とする循環気流型エアーシヤワー装
   置。 (2) ダクトがフレキシブルダクトである実用新案
   登録請求の範囲第(1)項記載のエアーシヤワー装
   置。