JPS639838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、油貯蔵タンク等に溜つた水を排出
し、タンク内の水が少なくなると油の排出前に自
動的に閉弁するドレン弁に関するものである。

従来技術 この種従来のドレン弁は、例えば第１図に示し
た如く、弁箱１と、弁箱１の側壁に設けられ且つ
図示しないタンクの底部に接続された入口通路２
と、弁箱１の下端に溶着され且つ中央孔に出口管
３が螺着された下蓋４と、下蓋４の上面中央部に
固着された弁座５と、出口管３の下端に接続され
た排出弁６と、出口管３の途中と弁箱１の側壁上
部とを連通する均圧管７と、均圧管７の途中に設
けられた均圧弁８と、弁箱１の上端に蝶ナツト等
により固着された上蓋９と、上蓋９の下面中央部
に溶着されたガイド管１０と、弁箱１内に配置さ
れ且つ弁座５に着座し得る中空球状のフロート１
１と該フロート１１の頂部に比重調整用プラグ１
２を介して着脱自在に固定され且つガイド管１０
により案内されるフロート棒１３とから成つてい
てフロート１１内に適当な封入物１４を入れるこ
とにより水中にては浮き油中では沈むように自重
が調整されたフロート組立体１５（第２図）とか
ら成つていた。そして、最初均圧弁８と排出弁６
は閉弁状態にありタンク内の水が入口通路２から
入つてきて弁箱１内を満たしても水圧による推力
によりフロート１１は弁座５に着座したまゝであ
るが、この状態で排出弁６を閉じたまゝ均圧弁８
を開いて弁座５の上側の圧力と下側の圧力を同一
にするとフロート１１が水中に浮上して弁座５が
開かれ、続いて均圧弁８を閉じてから排出弁６を
開くと弁箱１内の水及びタンク内の水が排出さ
れ、タンク内の水がぼゞ全部排出されて水と油の
境目の一部の油が弁箱１内に流れ込み弁箱１内で
の水と油の境目が下降するとフロート１１が該境
目と一緒に下降し、やがてフロート１１が水の流
出する勢いで吸引されて弁座５に着座し、水の排
出が閉止されるよるに構成されていた。ところが
従来例の場合、フロートが弁座を締め切る直前に
は油と水の境界も相当に下方に下つているため、
油の一部も水流に巻き込まれて外部に排出されて
しまうことがあり、保安上問題があつた。又、特
にフロート１１自体は何らガイドされていないの
で、フロート１１が横振れし弁座５に着座する際
に弁座５の内縁の一部に当つてから内縁全体に接
触するようになり、その結果閉弁動作が緩慢とな
つて上記問題が一層助長される結果となつてい
た。

目 的 本考案は、上記問題点に鑑み、水と油の境目が
弁座に或る程度近づいた状態になるとフロートが
速かに弁座に吸着されるようにして油の流出が確
実に防止されるようにし、而もフロートが弁座に
着座する時の衝撃が小さくなるようにしてフロー
ト及び弁座の寿命が長くなるようにしたドレン弁
を提供することを目的とするものである。

概 要 本考案によるドレン弁は、上記の目的を達成す
るため、多数の小孔を有する漏斗状のフロートガ
イドを弁座の上部に設けたことを特徴としてい
る。

実施例 以下、第３図及び第４図に示した一実施例に基
づき上記従来例と同一の部材には同一の符号を付
して本考案を詳細に説明すれば、１６は弁座５の
上部に固着された多数の小孔を有する漏斗状のフ
ロートガイド（第４図）、１７は弁箱１の内周面
に沿つて設けられたこし網、１８はこし網１７の
内側に設けられていてフロート１１の横振れを防
止する複数個のフロート振れ止めである。

本考案によるドレン弁は上述の如く構成されて
いるから、上記従来例と同じ原理によりタンク内
の水の排出が行われる。そして、弁箱１内での水
と油の境目が下降するとフロート１１が該境目と
一緒に下降しフロート１１が弁座５に或る程度近
づくと漏斗状のフロートガイド１６とフロート１
１の間を流れる水の勢いによつてフロート１１が
強く吸引されて弁座５に速かに着座せしめられ、
水の排出が閉止される。この時水と油の境目は弁
座５の或る程度上方の位置即ち油がまだ水の流出
に伴つて吸引され得ない位置にあるので、油の流
出は確実に防止される。又、この際フロート１１
がフロート振れ止め１８により横振れが防止され
ると共にフロートガイド１６により弁座５と中心
が一致するようにして案内されるので、フロート
１１は弁座５に着座する際弁座５の内縁全体に同
時接触するようになり、その結果閉弁動作が一層
敏速に行われるので油の流出はより確実に防止さ
れる。次にフロートガイドの小孔の効果を説明す
る。小孔が無いと閉弁まぎわのフロートとフロー
トガイド間の最狭部ａの流速は著しく速くなり、
フロートに対する水流の吸付力は過大になり、フ
ロートは大きな衝撃を伴なつて弁座に衝突し、弁
座の破損やフロートの変形を引き起す。

フロートガイドに小孔を設けると、特にフロー
トの下面とフロートガイドの下端とからなる空間
部ｂにフロートガイドの小孔から水が流入するか
ら、フロートとフロートガイドとの最狭部ａを通
過する水流は相当に減速され、閉弁時のフロート
の衝撃を和らげることができる。またフロートガ
イドの小孔から流入する水によりフロート閉弁ま
ぎわの空間部ｂの圧力低下も小さくなりフロート
を引き下げる力も減少して、フロートの衝撃を和
らげる効果がある。このためフロート１１及び弁
座５の変形や破損を防止でき寿命が長くなる。

尚、フロートガイド１６は上記実施例に限定さ
れず、例えば第５図に示した如く細かい網目を有
する漏斗状のものでも良い。又、本案ドレン弁が
使用される対象は水と油に限定されず、比重が異
なり且つ互いに混り合わない二種類の液体であれ
ば良い。

考案の効果 上述の如く、本考案によるドレン弁は、油等の
流出が確実に防止され、而もフロート及び弁座の
寿命が長いという実用上重要な利点を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドレン弁の縦断面図、第２図は
上記従来例のフロート組立体の縦断面図、第３図
は本考案によるドレン弁の一実施例の縦断面図、
第４図は上記実施例のフロートガイドの斜視図、
第５図はフロートガイドの他の例の斜視図であ
る。 １……弁箱、２……入口通路、３……出口管、
４……下蓋、５……弁座、６……排出弁、７……
均圧管、８……均圧弁、９……上蓋、１０……ガ
イド管、１１……フロート、１２……比重調整用
プラグ、１３……フロート棒、１４……封入物、
１５……フロート組立体、１６……フロートガイ
ド、１７……こし網、１８……フロート振れ止
め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁に設けられた入口通路と底壁に設けられた
   出口管との間に弁座を有する弁箱と、前記出口管
   の下端に設けられた排出弁と、前記出口管の途中
   と前記弁箱の側壁上部とを連通する均圧管と、前
   記均圧管の途中に設けられた均圧弁と、比重の異
   なる二種類の液体の一方の中では浮上し他方の中
   では沈下するように自重が調節され且つ前記弁箱
   内に配置されていて前記弁座の開閉を行うフロー
   ト組立体とを有するドレン弁において、多数の小
   孔を有する漏斗状のフロートガイドを上記弁座の
   上部に設けたことを特徴とするドレン弁。