JPS639546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は薬物投与部材に関するもので、簡便な
手法で薬物を確実に経皮吸収させることができる
投与部材を提供するものである。

薬物を皮膚から経皮吸収させて投与するとき、
角質層のバリヤー機能などにより、正確且つ所定
時間内に薬物を投与することはむつかしいことと
されており、そのために、経皮吸収による投与法
には、極性溶剤を製剤中に含有させるなどの方法
が検討されているが、未だ満足する結果が得られ
ていないのが実情である。

本考案者達はかかる情況に鑑み、簡便な操作
で、しかも正確に薬物を経皮吸収により投与でき
る部材について鋭意研究した結果、製剤層と薬物
経皮吸収層とを担持体を介して一体化させておく
ことによつて、その目的を達成できることを見い
出し、本考案に至つたものである。

以下本考案の実例を具体的に添付図面により説
明する。

図面において、１はプラスチツクフイルム、不
織布、織布、紙、金属箔、発泡フイルムなどの可
撓性を有する担持体で、該担持体１の一方の面に
は薬物を含有する感圧接着剤層からなる製剤層２
が形成され、他方の面には感圧接着剤層からなる
薬物経皮吸収層３が形成されているものである。
なお図中４，４′は層２及び３を保護する接触面
側のみ剥離性のフイルム又はその類似物品であ
る。しかして該フイルムとして両面剥離性タイプ
のものを使用すると、一方の剥離フイルムを省略
してロール状に捲回できることが理解されるであ
ろう。

また前記製剤層２及び吸収層３の一方又は両方
に、薬物経皮吸収促進剤を配合することができ
る。この場合製剤層２のみに促進剤を配合する場
合は、促進剤の種類として薬物が感圧接着剤層中
を拡散移動するのを助長するものが好ましく、吸
収層３のみに配合する場合は、角質の保水機能を
高めたり、角質を膨化又は軟化せしめる機能など
を有するものが好ましいものである。また、両方
に促進剤を配合する場合も、上述の如く各層２及
び３に配合される助剤を使用することができる。
しかして促進剤には、感圧接着剤層中を薬物が拡
散移動するのを助長する機能と、角質に種々の作
用を付与する機能とを併せ持つものもあり、この
場合は特に制限なく使用できるものである。

なお促進剤類としては公知のものが、その持つ
機能を選択されて使用されるが、例示すればジメ
チルスルホキサイドに代表されるスルホキサイド
類、ジメチルアセタアミドに代表されるアミド
類、その他尿素、アルコール類、脂肪酸エステ
ル、サリチル酸メチル、蛋白分解酵素、オリーブ
油などが挙げられる。

このように構成された薬物投与部材は、適用部
位にまず吸収層面を貼り合せ所定時間経過後に剥
がして、角質層を除去するか、或いは角質層を膨
潤又は軟化させて改質し、次に部材を反転させて
製剤層をそのあとに貼着して、薬物を経皮吸収さ
せるものである。

なお剥離後の吸収層面は、皮膚面のゴミ及び角
質層が転着されているので、実質的に感圧接着性
を有さず、他に付着するなどの不都合はないもの
である。

本考案の薬物投与部材は以上のように構成され
ているので、吸収層の貼着剥離によつて角質層の
バリヤー機能が低下され、この部分に製剤層が貼
着されることによつて、確実に薬物が経皮吸収さ
れるという特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実例を示す側面図である。 １……担持体、２……製剤層、３……薬物経皮
吸収層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 担持体の一方の面に、薬物を含有する感圧接
   着剤層からなる製剤層が形成され、他方の面に
   感圧接着剤層からなる薬物経皮吸収層が形成さ
   れている薬物投与部材。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の薬物投
   与部材において、製剤層及び／又は薬物経皮吸
   収促進層の一方又は両方に薬物経皮吸収促進剤
   が配合されているもの。