JPS639069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、小型の押釦操作型のスイツチ或いは
スライド操作型のスイツチ等に適用可能な、リー
フバネ接片を用いたスイツチに関し、その目的と
するところは、接点のセルフクリーニング機能を
もつ接触安定性の良い、小型且つ簡易な構造のス
イツチを提供するにある。

本考案との対比のために、まず従来のこの種ス
イツチを第１図及び第２図によつて説明する。

図において、１は絶縁性合成樹脂製のケース、
１ｂはケース１の前面板１ａに設けた開孔、２は
絶縁性合成樹脂製の押杆で、その操作部２ａが上
記開孔１ｂに摺動自在に挿通されている。３は、
上記操作部２ａに遊嵌したコイルバネで、操作部
２ａの溝２ｂに嵌合した止め輪４によつて抜け止
め保持されており、その両端を、止め輪４並びに
前記前面板１ａ外壁にそれぞれ弾接させている。
従つて、前記押杆２はコイルバネ３によつて、第
１図矢印方向に常時弾圧・付勢されている。

２ｃは、前記押杆２に形成したストツパー部で、
前記前面板１ａ内壁に当接自在とされている。２
ｄは押杆２の平板部、２ｅは該平板部２ｄに立設
したくさび状の駆動部（駆動体）で、後述する接
点部５ｄ、６ｄの開閉を制御する。

５、６は良導電性金属薄板より成るリーフバネ
接片で、それぞれＵ字形折曲げ部５ａ、６ａと、
端子部５ｂ、６ｂと、略くの字形の突出し部５
ｃ、６ｃと、自由端側にかしめ、溶着等の適宜の
手段で取付けた接点部５ｄ、６ｄとを有する。そ
して、上記端子部５ｂ、６ｂをそれぞれ絶縁性合
成樹脂よりなる端子板７に挿入・固着されたリー
フバネ接片５、６は、第２図に示すように前記駆
動部２ｅの中心線Ａ−Ｂに対して左右対称形とな
つていると共に、自身の弾性力で接点部５ｄ、６
ｄを常時両者が弾接する方向（第２図ａの矢印方
向）に付勢している。

そして、前記端子板７を前記ケース１の開放面
に取付けた状態で、且つ前記押杆２が非押圧状態
にある時には、前記駆動部２ｅがリーフバネ接片
５、６の前記突出し部５ｃ、６ｃ間に嵌入して、
両接点部５ｄ、６ｄが離間した第２図ａの状態に
ある。この状態から押杆２を前記コイルバネ３に
抗して押圧すると、駆動部２ｅが、第２図矢印Ｐ
方向に移動して突出し部５ｃ、６ｃから抜け出
て、第２図ｂの状態を経て、第２図ｃの両接点部
５ｄ、６ｄが弾接・導通した状態に至る。そし
て、この第２図ｃの状態から押杆２への押圧力を
解除すると、上記と逆の過程を経て第２図ａの状
態に戻るようになつている。

上記構成のスイツチは、スイツチンオン時にリ
ーフバネ接片５、６が所謂スナツプアクシヨンを
行なうため操作フイーリングの良い小型で機構簡
略な製品を提供できる。

しかしながら上記構成においては、前記中心線
Ａ−Ｂに対して、リーフバネ接片５、６並びに駆
動部２ｅが左右対称であるため、両接点部５ｄ、
６ｄが常に同一箇所のみで接触し、従つて接点部
５ｄ、６ｄに塵埃が付着したり、酸化膜が生じる
と接触安定性が損なわれるという欠点があつた。

本考案は上述の欠点を、従来のスイツチ構造に
僅かな変更を加えることによつて解消したもの
で、以下本考案を第３図示の１実施例によつて説
明する。

図において、番号２ｅ、５、６、５ａ、６ａ、
５ｄ、６ｄ並びにＡ−Ｂ線は第１、２図に対応す
る。５c′は一方のリーフバネ接片５に設けた突出
し部、６c′は他方のリーフバネ接片６に設けた突
出し部で、両突出し部５c′、６c′はその頂点間
を、距離Ｓだけずらして形成してある。そして、
第３図ａ図示の押杆２の非押圧状態においては、
駆動部２ｅの両側の平坦部Ｆ、Ｆに両突出し部５
c′、６c′の頂点が当接して、両接点部５ｄ、６ｄ
が左右均等に離間した非接触状態にある。

この状態から押杆２を前記コイルバネ３に抗し
て押圧すると、駆動部２ｅが図示矢印Ｐ方向に移
動し、第３図ｂに示すように一方のリーフバネ接
片６の突出し部６c′が平坦部Ｆから先に離脱し、
このリーフバネ接片６が同図矢印方向に回動す
る。この結果、リーフバネ接片６の接点部６ｄ
が、中心線Ａ−Ｂを通り越していま一方の接点部
５ｄに弾接し、この時に断面山形の両接点５ｄ、
６ｄは相対的に所定量擦り合わされる。

上記第３図ｂ示の状態から駆動部２ｅが更に矢
印Ｐ方向に移動し、駆動部２ｅの平坦部Ｆからい
ま一方のリーフバネ接片５の突出し部５c′も離脱
すると、このリーフバネ接片５が第３図ｃの矢印
方向に回動して、両接点部５ｄ、６ｄを中心線Ａ
−Ｂ上で接触させるようにリーフバネ６を押し戻
す。この過程において、両接点部５ｄ、６ｄは相
対的に擦り合い・摺動して、第３図ｃの状態に至
る。また、この第３図ｃの状態から押杆２（駆動
部２ｅ）への押圧力を解除すると、上述と逆の過
程を経て両接点部５ｄ、６ｄが擦り合いして第３
図ａの状態に戻るようになつている。

上記実施例においては、接点部５ｄ、６ｄの摺
動（擦り合い）を突出し部５c′、６c′の位置をず
らすことによつて得ているが、第４図示のように
駆動部の形状を左右非対称にすることによつても
可能である。第４図において、５、６、５ａ、６
ａ、５ｃ、６ｃ、５ｄ、６ｄは第１，２図に対応
し、番号２e′で示した押杆２と一体の駆動部に
は、中心線Ａ−Ｂに対して左右非対称な傾斜面Ｔ
１、Ｔ２を設けてある。従つて、第４図ａの押杆
２の非押圧状態から押杆２（駆動部２e′）が矢印
Ｐ方向に移動すると第３図示の実施例と同様に両
リーフバネ接片５、６が駆動され、第４図ｂの状
態を経て、第４図ｃの両接点部５ｄ、６ｄが導通
した状態に至りこの間に両接点部５ｄ，６ｄが相
対的に摺動して擦り合わされることになる。

叙上のように本考案によれば、従来構造のスイ
ツチに殆んど変更を加えることなく、接点部５
ｄ、６ｄの接離時に接点部５ｄ、６ｄ同志擦り合
いするスイツチが得られ、この結果、セルフクリ
ーニング効果によつて接触面が常に清浄となつ
て、接触信頼性の高いスイツチが得られるという
実用上顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例に係るスイツチを示
し、第１図は全体斜視図、第２図ａ、ｂ、ｃは動
作説明図、第３図ａ、ｂ、ｃは本考案の１実施例
に係るスイツチの動作説明図、第４図ａ、ｂ、ｃ
は本考案の他の実施例を示す動作説明図である。 １……ケース、２……押杆、２ｅ，２e′……駆
動部（駆動体）、３……コイルバネ、４……止め
輪、５，６……リーフバネ接片、５ａ，６ａ……
折曲げ部、５ｂ，６ｂ……端子部、５ｃ，６ｃ，
５c′，６c′……突出し部、５ｄ，６ｄ……接点
部、７……端子板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対向する１対のリーフバネ接片の１端に接点
   部をそれぞれ相対向して設けると共に、前記接点
   部同志が弾接するような弾性力を前記リーフバネ
   接片に付与し、且つリーフバネ接片間を移動して
   前記１対の接点部を接離させる駆動体を設け、該
   駆動体と前記１対のリーフバネ接片との当接面に
   は、前記両リーフバネ接片が非対称に移動して両
   接点部が所定量擦り合いするように左右非対称な
   部分を形成してなることを特徴とするスイツチ。