JPS638831B2

JPS638831B2 -

Info

Publication number: JPS638831B2
Application number: JP2246183A
Authority: JP
Inventors: Tatsuo Okazaki
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1983-02-14
Filing date: 1983-02-14
Publication date: 1988-02-24
Also published as: JPS59147692A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、主として連続的に水を電解して、
アルカリ性生成水を得る飲料水製造装置における
電解ユニツトに関するものである。

この種の飲料水製造装置における電解ユニツト
としては、すでに、筒状の陰電極を外壁として構
成し、上記陰電極の内側に隔壁および陽電極を配
置し、これによつて薄い筒状をなす陰極室および
陽極室を形成し、上下の方向に水を通過させつつ
連続的に水を電解するものが知られている。

そして、こゝでは陰極が外壁を兼ねることで、
構造の簡素化が達成され、隔壁は素焼などのポー
ラスな材料で構成され、それ自体で適当な強度と
保形性を持つているから、陽極ともども、上記陰
極内への着脱が容易であり、構造的に特別な配慮
を必要としなかつた。

しかし、最近、0.6ミクロン程度の小径な透過
性を有する薄い隔膜が開発されてきたので、電気
滲透にこの隔膜を利用することが可能になつてき
た。しかし、このような素材を隔壁として使用す
る場合には、それ自体に強度がなく、保形性がな
い。しかも、連続的に水を電解する場合には、水
を圧送するために耐圧性を要求されるので、上記
隔膜はしつかりと張られた状態になければならな
い。また、電極と隔膜との間隙をできるだけ狭く
して、電解強度を高める必要があり、その設計上
の工夫も必要である。更には、電解の過程で陰電
極側に面する隔膜表面には、スケールの沈着があ
るので、適時、上記隔膜を取り出してその表面を
洗滌するなどの作業が必要であり、隔壁が強度が
低くかつ保形性のない隔膜で作られる点は、種々
の不利があるのである。

この発明は上記事情にもとづいてなされたもの
で、陽電極の上下端に支持構造を設けて、この間
に隔膜を張り、結着することで、陽電極を保形お
よび強度部材として利用し、隔壁を陽電極とのユ
ニツトに構成することで、構造上の複雑化をさけ
つつ、耐圧構造とし、洗滌などの着脱も容易に行
なえるようにした飲料水製造装置における電解ユ
ニツトを提供しようとするものである。

以下、この発明の一実施例を図面を参照して具
体的に説明する。図において、符号１はステンレ
スなどよりなる円筒状の陰電極であり、電解ユニ
ツトの外壁を構成しており、この実施例では、外
周面にテフロンなどの樹脂絶縁被膜を形成してい
る。上記陰電極１の上下端にはパツキング２，２
を介して上端板３、下端板４が当接してあり、通
しボルト５を円周上、複数個所に設けることで、
上下端板３，４間で挾持固定され、密閉容器を構
成している。

また、上記上端板３には吊持ロツド６が中央を
貫通して設けられていて、上記吊持ロツド６下に
は、上記陰電極１内に位置して、陽電極７が支持
板８を介して固着されている。上記陽電極７は、
第２図にみられるように、板状体７ａに切込み７
ｂを入れて左右に引き延ばし網目状にしたエクス
パンシヨンメタルで円筒状に作られたものであ
り、上下端には支持構造８，９が具備されてい
る。

上記支持構造８は断面Ｌ字形のリング８ａの上
端に、上端板３の下面に弾持して液密性を保持す
るヒレ付きパツキング１０を装着すると共に、陽
電極７の上端とはシリコンパツキング１１を介し
て接するもので、上記リング８ａのフランジ部に
は円周方向に等間隔で多数の孔８ｂを穿ち、そこ
に支持ロツド１２を挿通している。上記リング８
ａは、ポリエチレンなど、電気分解作用中、化学
的反応が起りにくいものを選択して使用するのが
よい。同様にして、支持構造９は内側にフランジ
９ｂを有するリング９ａで構成され、陽電極７の
下端とはシリコンパツキングを介して嵌着され、
リング９ａに、円周方向に向けて等間隔で多数の
孔９ｃを穿ち、先きの支持ロツド１２を挿通して
いる。上記支持ロツド１２も、ポリエチレンなど
の樹脂でできていて、上下端を熔解変形すること
で、孔８ｂ，９ｃから抜けないようにする。これ
によつて、陽電極７は上下の支持構造８，９と一
体化されるのである。そして、上記陽電極７を囲
むようにして、円筒状の薄いミクロ隔膜１３が装
着され、その上下端をリング８ａ，９ａの外周に
嵌め、ナイロンの釣糸などで結着固定される。こ
れによつて、それ自体強度がなく保形性のない隔
膜１３であるが、その円筒状態を保持し、まつす
ぐに張られた状態となる。

なお、上記上端板３には、上記隔膜１３で外内
に仕切られた陰極室１４および陽極室１５にそれ
ぞれ連通するアウトレツト１６および１７が形成
されている。

また、上記リング９ａは内周側のフランジ９ｂ
に切欠き９ｄを備えており、下端板４の中央より
上方に向けて立上る支柱状の振れ止め部材１８の
外周にフランジ９ｂを嵌合させている。上記振れ
止め部材１８の根元部分には、陰極室１４に開口
する側孔１９があり、これは下端板４に設けたイ
ンレツト２０に連通されている。また、上記振れ
止め部材１８には陽電極７の下部に対応して側孔
２１が穿つてあり、こゝには下端板４の中央を貫
通して延びる薬液供給管２２が開口している。そ
して、この実施例で、上記振れ止め部材１８が支
柱の形で上方に延びているのは、実質的に陽極室
１５を幅の狭い筒状に構成し、この間を通る水に
対する電解強度を保たせるためである。

なお、図中、符号２３は陰電極１に対する導電
端子、２４は陽電極７に対する導電端子である。

このような構成において、両電極１，７に対し
て直流電圧を印加させつつ、インレツト２０から
水を供給し、側孔１９から陰極室１４へ、また、
切欠き９ｄを介して陽極室１５へ流し、電極１，
７間を通る時、電解および隔膜１３を介しての電
気滲透作用で、陰極室１４側にアルカリ性水を、
陽極室１５側に酸性生成水を生成し、各アウトレ
ツト１６および１７から導出する点は、通常の連
続式の飲料水製造方式と同じである。

そして、こゝで特徴となる点は、それ自体強度
がなく、保形性のない隔膜１３が陽電極７の外側
においてこれにユニツト化され、保持されている
点である。上述のように隔膜１３は、上下で支持
構造８，９に結着され、張られた状態になつてお
り、したがつて、陰電極１で構成された圧送形の
連続式電解ユニツトに組込まれても、損傷される
ことがない。しかも、上端板３を外す時、陽電極
７と共に陰電極１外に引き出せるので、外周面に
沈着されたスケールの洗滌除去が容易に行なえる
利点もある。

この発明は以上詳述したように、筒状の陰電極
を外壁として構成し、上記陰電極の内側に隔壁お
よび陽電極を配置し、これによつて薄い筒状をな
す陰極室および陽極室を形成し、上下の方向に水
を通過させつつ連続的に水を電解するものにおい
て、上記陽電極は上下端に支持構造を具備し、上
方から吊持されると共に、下側を振れ止め部材で
支持され、また上記隔壁は薄いミクロ隔膜で構成
され、上記支持構造に対して結着されて上記陽電
極に支持されている構造になつているので、強度
的に低くしかも保形性のないミクロ隔膜を、使用
し易い状態でユニツト化でき、連続式の電解装置
に適用できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す縦断側面
図、第２図は陽電極の構造を部分的に示す正面
図、第３図および第４図は要部の拡大縦断面図、
第５図は第１図のＡ−Ａ矢視図である。１……陰電極、７……陽電極、８，９……支持
構造、１３……隔膜、１４……陰極室、１５……
陽極室、１８……振れ止め部材。

Claims

【特許請求の範囲】

１筒状の陰電極を外壁として構成し、上記陰電
極の内側に隔壁および陽電極を配置し、これによ
つて薄い筒状をなす陰極室および陽極室を形成
し、上下の方向に水を通過させつつ連続的に水を
電解するものにおいて、上記陽電極は上下端に支
持構造を具備し、上方から吊持されると共に、下
側を振れ止め部材で支持され、また上記隔壁は薄
い電気浸透隔膜で構成され、上記支持構造に対し
て固定されて上記陽電極に支持されている構造に
なつていることを特徴とする飲料水製造装置にお
ける電解ユニツト。