JPS6388293A - ロ−タリコンプレツサのブレ−ド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は焼結体で形成したロータリコンプレッサのブレ
ードに関する。

（従来の技術） 空気調和機などに用いられるロータリコンプレッサは、
第２図で示すようにシリンダ１の内部に回転軸２に偏心
して取付けたロータ３を回転自在に設け、シリンダの壁
部に内外に貫通して形成した孔４にブレード５を摺動自
在に挿通し、このブレード５の先端をロータ３の外周面
に接触させ、ざらにばね６によりブレード５にロータへ
の接触力を与えた構成をなしている。そして、回転軸２
によりロータ・３を回転させ、シリンダ１に形成した吸
込ロアからロータ３とブレード５により仕切られたシリ
ンダ１の一方の内部空間にガスを吸込み、さらにロータ
３の回転によりガスを圧縮してシリンダ１に形成した吐
出口８から吐出するものである。

しかして、このロータリコンプレッサに用いるブレード
はその用途のために、次ぎの様なことが要求されている
。ブレード５は回転するロータ３に摺接するために、基
本的にはロータ３との摺接に耐えうる優れた耐摩耗性が
要求される。これに加えてブレード５はシリンダ１の孔
４に摺接するために、この孔４に摺接する部分の表面に
孔４の周面に対する初期潤滑性を有することが要求され
る。すなわち、ロータリコンプレッサを運転するに際し
て、その初期においては、ブレード５がシリンダ１の孔
４に対してかじりや焼き付けが生じないように良好な潤
滑状態にて摺接することが重要であり、運転初期にブレ
ード５がシリンダ１に良好な潤滑状態で摺接することに
より、その後の運転においてブレード５が円滑に動作す
ることが出来る。しかし、ブレード５の初期潤滑性が悪
いと、ロータリコンプレッサの運転中にブレード５のシ
リンダ１に対する潤滑状態が悪化して焼付きなどを生じ
てブレード５が動作しなくなりロータリコンプレッサの
運転に支障をきたすことになる。

（発明が解決しようとする問題点） しかして、本発明の発明者はロータリコンプレッサにお
いては、前記に要望に対処してブレードに耐摩耗性を持
たせるためにブレードを溶製材料のダイス鋼または高速
度鋼により形成することを工夫した。一方、鉄系材料に
潤滑性をもたせる方法としてりん酸塩被膜処理を行なう
ことも工夫した。

しかるに、ダイス鋼および高速度鋼を持たせるために他
の鉄系材料に比較して多くのクロムを含有している。し
かし、りん酸塩被膜処理は前記の様なハイ・クロム材料
に対しては処理することができないという欠点があるこ
とが判った。このため、ダイス鋼または高速度鋼で形成
したブレードにりん酸塩被膜処理を施すことができず、
ブレードに初期潤滑性をもたせることができない。そこ
で、シリンダを鋳鉄で形成し、このシリンダの孔の内周
面にりん酸塩被膜処理を施して、シリンダとブレードと
の間に潤滑作用をもたせる様にしている。しかしながら
、この場合には十分な初期潤滑性を持たせることができ
ず、しかもシリンダに被膜を形成する作業のコストが高
くなる。

本発明は前記事情に基づいてなされたもので、優れた耐
摩耗性と初期潤滑性を併せ持ったブレードを備えたロー
タリコンプレッサのブレードを提供することを目的とす
る。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段と作用）前記目的を達成
するために本発明のロータリコンプレッサのブレードは
、ロータリコンプレッサのシリンダに接する部分は、ク
ロム−ニッケル−銅−モリブデン−カーボン−残部鉄合
金の焼結体で形成され、ロータと接する部分は、高速度
鋼またはダイス鋼の焼結体で形成され、シリンダに接す
る部分には潤滑作用をもつ被膜が形成されていることを
特徴とするものである。

以下本発明について説明する。

第１図は、本発明を適用した第２図で示すロータリコン
プレッサのブレード５を示している。このブレード５は
、シリンダ１の孔４の内周面に摺接するシリンダ摺接部
５ａと、ロータ３の外周面に摺接するロータ摺接部５ｂ
とを一体に成形して構成されており、シリンダ摺接部５
ａは、クロム−ニッケル−銅−モリブデン−カーボン−
残部鉄からなる合金の焼結体で形成され、ロータ摺接部
５ｂは、高速度鋼またはダイス鋼の焼結体で形成されて
いる。

シリンダ摺接部５ａを形成する焼結体の鉄（Ｆｅ）−ク
ロム（Ｏｒ）−ニッケル（Ｎｉ）−銅（Ｃｕ）−モリブ
デン〈ＭＯ）−カーボン（（１系合金は、耐食性および
強度に優れたもので、その代表的な組成は、重量比でＣ
ｒ３〜６％、Ｎｉ０．５〜２０％、ＣｕＯ９５〜２．０
％、ＭＯｏ、２〜１．０％、０１〜２，０％、残部＋”
ｅｒある。この合金は高速度鋼およびダイス鋼に比較し
てクロムの含有量が少ないので、りん酸塩被膜処理を施
すことが可能である。このため、シリンダ摺接部５ｂの
焼結体にりん酸塩被膜処理を施して、焼結体表面に潤滑
作用をもつ被膜を形成して潤滑性を持たせている。

ロータ摺接部５ｂを形成する焼結体の高速度鋼またはダ
イス鋼は、大きな摩耗抵抗と高温強度を有するものであ
り、ブレードに要求される優れた耐摩耗性をもたせるこ
とができる。本発明で用いる高速度鋼の代表的な組成は
、重量比でカーボン（Ｃ）１．０〜１．２％、クロム（
Ｃｒ）３〜５％、タングステン（Ｗ）５〜７％、バナジ
ウム（Ｖ）０．５〜２．５％、コバルト（ＣＯ）１％以
下、残部実質的に鉄からなるものである。また、ダイス
鋼の代表的な組成は、重量比でカーボン（Ｃ）１．５〜
２．５％、クロム（Ｃｒ）１０〜１４％、モリブデン（
ＭＯ）０．５〜２％、バナジウム（Ｖ）０．５〜２．５
％、残部実質的に鉄からなるものである。

さらに、ブレード５全体としては封孔処理を施して、コ
ンプレッサの部品として必要な気密性を持たせである。

本発明のブレード５は、次のようにして製作する。成形
型の内部に、ロータ摺接部用の合金粉末とシリンダ摺接
部用の合金粉末を夫々所定深さで重ねて充填し、プレス
で加圧して圧粉体を成形する。次いで圧粉体を焼結し、
得られた焼結体に封孔処理を施す。封孔処理としては水
蒸気処理がある。その他に焼結体にクロム化合物を主成
分とする液を含浸させ、その後に焼結体を焼結する方法
がある。さらに続いて、焼結体に潤滑作用を有する被膜
を形成する処理としてりん酸塩被膜処理を施してブレー
ドを得る。

このように構成したブレード５は、第２図で示す様にシ
リンダ１の孔４に挿入して用いる。ブレード５のシリン
ダ藩接部５ａは、表面被膜の潤滑作用により孔４の内周
面に対して良好な潤滑状態で摺接する。このため、コン
プレッサの運転時の初期において、ブレード５がかじり
や焼付きを生じることなく円滑に動作する。また、ロー
タ摺接部５ｂもロータ３との摺接による摩耗を長期にわ
たり充分抑制出来る。

（実施例） 本発明例ニジリンダ摺接部用の重量比でＣｒ５％、Ｎｉ
０．７％、Ｃｕｂ、７％、ＭＯｏ、３％、Ｃ１，２％、
残部Ｆｅの粉末と、ロータ摺接部用のＣ１，１％、Ｃｒ
４％、Ｗ６％、Ｍｏ５％、■２％、Ｇｏｏ、５％、残部
実質的にＦｅからなる粉末とを成形圧６トン／ｄで加圧
し、次いで温度１１７０℃、１時間で焼結を行い焼結体
を得た。

その後焼結体に水蒸気処理とりん酸塩被膜処理を行いブ
レードを製作した。このブレードをロータリコンプレッ
サに組込み、ロータリコンプレッサを２１０−の回転数
で運転した結果、５ＱＯＯ時間経過後にもブレードが良
好に動作できた。

比較例：高速度鋼の溶製材料からなるブレードを組込ん
だロータリコンプレッサを運転した結果、ブレードはか
じりを起こして動作できなくなった。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明のロータリコンプレッサのブ
レードによれば、優れた耐摩耗性と初期潤滑性を併せも
ち、ロータリコンプレッサの安定した運転に寄与できる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のブレードを示す説明図、第２図はロー
タリコンプレッサの概略的構成を示す断面図である １・・・シリンダ、３・・・ロータ、５・・・ブレード
、５ａ・・・シリンダ摺接部、５ｂ・・・ロータ摺接部
。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第１図 第２図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　ロータリコンプレッサのシリンダに接する部分
   は、クロム−ニッケル−銅−モリブデン−カーボン−残
   部鉄合金の焼結体で形成され、ロータと接する部分は、
   高速度鋼またはダイス鋼の焼結体で形成され、前記シリ
   ンダに接する部分は潤滑作用をもつ被膜が形成されてい
   ることを特徴とするロータリコンプレツサのブレード。
2. （２）　シリンダに接する部分の被膜はりん酸塩被膜処
   理によるものである特許請求の範囲第１項記載のロータ
   リコンプレッサのブレード。