JPS63795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、たとえば起毛製品の起毛むらを修正
するために用いられる立毛器に関する。

（従来の技術） たとえばブランケツトやネル製品では、起毛処
理を施して表裏均一に毛羽を密生立設するように
し、保温性を増すとともに肌ざわりを柔かくする
ようにしているが、起毛処理条件によつては、均
一に起毛されないことがある。かかる起毛むらが
生じると、製品の品質が低下するので、これを修
正する必要がある。

従来の起毛製品では、かかる起毛むらの部分を
削除するか、この起毛むらの部分を平型ハンドブ
ラシを用いて修正するようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし上記平型ハンドブラシを用いて起毛むら
の部分を修正する場合には、その起毛むらの部分
に近い正常起毛部分をも強く起毛してしまうた
め、均一かつ効果的な立毛を得ることができず、
また作業性も悪いという難点がある。

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、
起毛むらに対して手動によつて、起毛機による起
毛効果に匹適した効果を発揮できる立毛布面を得
る立毛器を提供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 本考案の立毛器は、針布を外周面に捲き付けた
一対の針布ロールを、その針布ロールの回転軸線
が交差しかつ針布の針先方向が互いに反対向きを
なすように立毛器本体の一面に回転自在に配設す
るとともに、針布ロールの針布の働き角に対向す
る側にコイルばねを弾接するように配置して構成
される。

（作用） 本考案の立毛器においては、立毛器本体に設け
た一対の針布ロールが回転軸線が交差しかつ針布
の針先方向が互いに反対向きをなすように配置さ
れているので、起毛作用が針布ロールの軸に沿つ
て両方向から打ち消すように同時に加えられるの
で、起毛むらのない起毛効果が得られ針布ロール
の針布の働き角に対向する側にコイルばねが弾接
するように配置されているので、針布ロールに捲
き付けられた針が適当な弾性力で起毛製品に効果
的に作用する。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

第１図は本考案による立毛器の側面図を示すも
のであつて、立毛器本体１は、保持枠２とこの保
持枠２に一端側を螺着した把手３とを有して構成
されている。そして上記保持枠２に一対の針布ロ
ール４ａ，４ｂが回転自在に装着されている。

上記針布ロール４ａ，４ｂは、細巾たとえば15
mmの起毛針布５を直径15mmのロール６の外周面に
捲き付けることで作られている。上記針布ロール
４ａ，４ｂに捲き付けられる起毛針布５の働き角
は、第２図に示すように反対向きになるように設
定されている。

すなわち針布ロール４ａ，４ｂは、保持枠２に
対して中心線に対して傾斜角度θたとえば10度を
保つようにすなわち回転軸線が交差する対称位置
にあるように装着されている。また上記針布ロー
ル４ａ，４ｂの針布働き角に対向する側にコイル
ばね７ａ，７ｂがそれぞれ付設されている。

次に作用を説明する。

起毛製品、たとえばカーペツトの毛割修正を行
なう場合には、カーペツト８の修正すべき区域上
に立毛器を置き、把手３を作業員が持ち、矢Ａ方
向に動かす。針布ロール４ａ，４ｂの針布は、上
記進行方向Ａに対して、等分に＋θ、−θの角度
を有して配置されているので、針布ロール４ａ，
４ｂの中心方向の分力が＋Ｑ、−Ｑとして作用し、
一方向の偏よりを起こすことなく、矢Ａ方向に動
くことになる。この場合起毛作用が針布ロールの
軸に沿つて両方向から均等に打ち消すように同時
に加えられるので、起毛むらのない起毛効果が得
られることになる。また針布ロール４ａ，４ｂに
対してコイルばね７ａ，７ｂが弾接されているの
で、針布の針に適当な弾性力を付与し、効果的な
立毛効果を与える。

なお実験的には、針布ロール４ａ，４ｂの傾斜
角度＋θ、−θと、ロールに捲き付けられた針布
６の捲付け角度αが等しくすると、針布ロールの
針先端の働き角方向が布面の長手方向に直角な方
向に作用し、効果的な立毛効果が得られた。また
ロール６をたいこ状に形成するとより効果的であ
つた。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、起毛布面の
修正に当たり、起毛しようとする布面からの繊維
の掻きだしを効率良く、かつ、起毛むらのない立
毛を得ることができるので、製品の品質向上と作
業性を高めるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による立毛器の側面図、第２図
は同立毛器の平面図、第３図は作用説明図であ
る。 １……立毛器本体、２……保持枠、４ａ，４ｂ
……針布ロール、θ……傾斜角度、７ａ，７ｂ…
…コイルばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 針布を外周面に捲き付けた一対の針布ロール
   を、その針布ロールの回転軸線が交差しかつ針布
   の針先方向が互いに反対向きをなすように立毛器
   本体の一面に回転自在に配設するとともに、針布
   ロールの針布の働き角に対向する側にコイルばね
   を弾接するように配置したことを特徴とする立毛
   器。