JPS637687B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は１個以上の選局キーを有し、各選局
キーに対して複数局のチユーニングデータを記憶
し得るメモリ装置を備えた受信機に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、電子的なメモリ装置を有する受信機で
は、複数個の選局キーのそれぞれに対して同一バ
ンドでは一局のみのチユーニングデータを記憶さ
せるように構成している。固定された受信機で
は、その地域で受信状態の良好な局をこれら選局
キーに対して記憶させておけば、常に１回の選局
操作で問題なく良好な受信局を選択できる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、車載用の受信機などでは移動するた
め、記憶させた局のサービスエリアをはずれて受
信状態が極めて悪化した状態になつてしまうこと
があり、この場合再度の選局操作を余儀なくされ
る。移動の範囲が大きくなると、しばしば、この
選局操作をしなければならず、極めて煩わしいと
いう問題点があつた。

この発明は上記問題点の改善を目的としてなさ
れたもので、予め選局キーに対して複数局のチユ
ーニングデータを記憶させておき、移動中に受信
状態が悪くなつたとき、いちいち選局操作をしな
くても自動的に瞬間的に他の良好な局を受信し得
る受信機を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る受信機は、選局キーごとに同じ
放送内容の複数の放送局のチユーニングデータを
記憶しているメモリ装置と、チユーナの受信局を
決定するチユーニングデータおよび検査局のチユ
ーニングデータを記憶する現在局データメモリ
と、受信中の受信レベルを判定するレベル判定回
路と、このレベル判定回路の出力レベルを記憶す
る受信レベル記憶回路と、受信中は上記レベル判
定回路の出力レベルと予め定めた基準レベルとを
比較し、選局動作中は上記レベル判定回路の出力
レベルと上記受信レベル記憶回路の出力レベルと
を比較するレベル比較回路と、受信中に上記比較
回路から受信レベルが基準レベルより小さくなつ
たときに送出される信号を受けたとき、まず、上
記メモリ装置から次順位のチユーニングデータを
上記現在局データメモリに転送して上記チユーナ
の受信局を切換え、ついでその切換前後の受信レ
ベルを上記レベル比較回路で比較して上記受信レ
ベル記憶回路の記憶内容を大きい方の受信レベル
に更新するとともに、当該受信レベルの大きい方
の局のチユーニングデータを上記現在局データメ
モリに残すようにして次順位のチユーニングデー
タを上記メモリ装置から上記現在局データメモリ
に転送してチユーナの受信局を切換え、この受信
局を切換えるたびに切換前後の受信レベルを上記
レベル比較器で比較して上記受信レベル記憶回路
の記憶内容および上記現在局データメモリに残す
チユーニングデータを更新するという手順を繰り
返して全部のチユーニングデータ局を比較する選
局動作を行うコントロール部とを備えた受信機で
ある。

〔作用〕

レベル比較器は、受信中の放送局の受信レベル
が基準レベル以下になると信号を送出し、コント
ロール部は逐次チユーナの受信局を切換えるとと
もに、切換前後の受信レベルを比較し、大きい方
の受信レベルを受信レベル記憶回路に残すととも
に、現在局データメモリにその局のチユーニング
データを残すという比較動作をメモリ装置に記憶
されている全部の送信局について行う。このよう
にして全部の送信局の比較が終るとチユーナは最
大受信レベルの送信局を受信する状態になつてい
る。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を図面に従つて説明
する。

図において、アンテナ１はチユーナ２に接続さ
れ、信号がチユーナ２に供給される。チユーナ２
より信号の一部がレベル判定回路３に取り出さ
れ、レベル判定回路３の出力は切換え装置１８を
介して平均化回路４及び受信レベル記憶回路１７
に導かれる。さらには、レベル比較回路５の一方
の入力に導かれている。又、平均化回路４及び受
信レベル記憶回路１７の出力は切換え装置１８を
介してレベル比較回路５に導かれる。チユーナ２
の出力はミユーテイング回路６を経て低周波アン
プ７を通り、スピーカー８に導かれている。選局
装置９には選局キー９１，９２がある。選局装置
はコントロール部１１に接続されている。メモリ
装置１０の内部には多くのデータエリア１０１〜
２０５があり、各データエリア１個当りに、１個
のチユーニングデータを記憶し得る。この実施例
では選局キー９１に対応してデータエリア１０１
〜１０５、選局キー９２に対応してデータエリア
２０１〜２０５が割り当てられており、各選局キ
ーに対して最大５局まで同じ放送内容の送信局の
チユーニングデータ１０１ｄ〜２０５ｄが記憶さ
れている。

つぎに選局動作を説明する。いま選局キー９１
が選択されたとすると、この選択信号がコントロ
ール部１１に送られ、コントロール部１１は前回
この選局キーを選択したとき最後に受信していた
局を記憶していて、このチユーニングデータを現
在データメモリ１２内の現在局データエリア１３
に転送するのと同時にこの局の次順位のチユーニ
ングデータを検査局データエリア１４に転送す
る。例えば、現在局のチユーニングデータがデー
タエリア１０３のチユーニングデータ１０３ｄで
あれば、データエリア１０４のチユーニングデー
タ１０４ｄが検査局データエリア１４に転送され
る。ついで、まず現在局データエリア１３のチユ
ーニングデータ１０３ｄがPLLシンセサイザで
構成されているチユーニング電圧発生回路１５に
送られ、チユーニング電圧発生回路１５の出力は
チユーナ２のバラクタダイオード１６に入力され
て現在局データエリア１３のチユーニングデータ
１０３ｄにより受信が開始される。受信開始時
は、切換え装置１８はコントロール部１１の信号
によりレベル判定回路３と平均化回路４、および
平均化回路４とレベル比較回路５を接続する。チ
ユーニングデータ１０１ｄの第１の放送局の受信
状態は、コントロール部１１からの指令信号でレ
ベル判定回路３の出力１０３Ｌが平均化回路４に
入力され、平均化回路４はこの信号レベルを所定
時間蓄積平均化し、この平均化された出力は、レ
ベル比較回路５に入力される。

つぎに検査局データエリア１４に転送されたチ
ユーニングデータ１０４ｄの送信局の受信状態を
調べられるがこの動作は、まずコントロール部１
１よりミユーテイング回路６に信号が供給され、
音声が中断されることから始まる。つぎに現在局
データエリア１３と検査局データエリア１４のチ
ユーニングデータ１０３ｄ，１０４ｄが入れ替え
られ、チユーニングデータ１０４ｄにより受信さ
れ、その受信出力がレベル判定回路３に入力さ
れ、そのレベル判定回路３の出力レベル１０４Ｌ
と平均化回路４の出力レベル１０３Ｌとがレベル
比較回路５によつて比較され、その結果に応じた
出力がコントロール部１１に入力される。この結
果出力レベル１０４Ｌの方が低いレベルであれ
ば、再び現在局データエリア１３と検査局データ
エリア１４のチユーニングデータ１０４ｄ，１０
３ｄが入れ替えられる。この１回の比較動作は、
５〜10msecの短時間で行なわれる。

ついでコントロール部１１は、次順位のチユー
ニングデータ１０５ｄを検査局データエリア１４
に転送して入れ替え、つぎに現在局データエリア
１３と検査局データエリア１４のチユーニングデ
ータ１０３ｄと１０５ｄとを入れ替え、チユーニ
ングデータ１０５ｄにより受信が開始されて、つ
ぎの比較動作が行なわれる。

このように順次検査局のデータを入れ替えて調
べ、例えばある時検査局の受信状態が現在レベル
より高かつた場合、すなわちある検査局を受信し
て平均化回路４の出力レベル１０３Ｌとレベル判
定回路３の出力レベルがレベル比較回路５で比較
され、レベル判定回路３の出力レベルの方が高か
つた場合、コントロール部１１はこのレベル比較
回路５の出力信号を受けて、現在局データエリア
１３と検査局データエリア１４の内容の入れ替え
を行なわないで、次順位のチユーニングデータを
検査局データエリア１４に転送する。このように
して現在局データエリア１３にはより受信状態の
良い放送局のチユーニングデータが残される。

つぎに、現在受信中の局の受信状態が急激に悪
化した場合の自動選局動作を説明する。いま、レ
ベル判定回路３の出力が低下し、レベル比較回路
５に予め設定しておいた基準レベル以下になる
と、コントロール部１１はこのレベル比較回路５
の出力を検知して切換え装置１８に信号を出し、
切換え装置１８によつてレベル判定回路３と受信
レベル記憶回路１７、および受信レベル記憶回路
１７とレベル比較回路５を接続させる。つぎに、
現在受信中の送信局、例えばチユーニングデータ
１０３ｄ局のレベル判定回路３の出力レベル１０
３Ｌを、受信レベル記憶回路１７に記憶させると
ともに、次順位のデータエリアのチユーニングデ
ータ１０４ｄ検査局データエリア１４に転送し、
現在局データエリア１３のチユーニングデータ１
０３ｄと入れ替えてチユーニングデータ１０４ｄ
局を受信させ、レベル判定回路３の出力レベル１
０４Ｌと受信レベル記憶回路１７の出力レベル１
０３Ｌとを比較回路５で比較され、その結果に応
じた出力がコントロール部１１に供給される。こ
の結果、レベル判定回路３の出力レベル１０４Ｌ
の方が低いレベルであれば、再び現在局データエ
リア１３に次順位のチユーニングデータ１０５ｄ
が転送され、レベル判定回路３の出力レベル１０
５Ｌと受信レベル記憶回路１７の出力レベル１０
３Ｌとがレベル比較回路５によつて比較され、そ
の結果に応じた出力がコントロール部１１に供給
される。この結果、レベル判定回路３の出力レベ
ル１０５Ｌの方が高いレベルであれば、レベル判
定回路３の出力レベル１０５Ｌが受信レベル記憶
回路１７に記憶されるとともに、次順位のチユー
ニングデータ１０１ｄが、現在局データエリア１
３に転送され、レベル比較回路５によつて受信レ
ベルが比較される。このようにして、順次選局キ
ー９１について記憶されているチユーニングデー
タの全数の受信レベルが逐次比較される。本実施
例では、さらにこの選局動作の期間中、ミユーテ
イング回路６へコントロール部１１より信号が出
されて音声が中断されており、選局動作終了後、
ミユーテイング回路６への信号が断たれて音声の
中断が解除される。

〔発明の効果〕

この様に、この発明によれば、現在受信中の局
の受信レベルが、予め設定されたレベル以下にな
ると、その選局キーについて記憶されている送信
局の中で最も受信状態の送信局を自動的に、かつ
瞬時に選局してチユーナの受信局を切換えるの
で、常に、予め定めた受信レベルより良い状態で
受信することができる受信機が得られる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す構成図である。 ２…チユーナ、３…レベル判定回路、４…平均
化回路、５…レベル比較回路、６…ミユーテイン
グ回路、９…選局装置、１０…メモリ装置、１１
…コントロール部、１２…現在データメモリ、１
３…現在局データエリア、１４…検査局データエ
リア、１５…チユーニング電圧発生回路、１７…
受信レベル記憶回路、１８…切換え装置、９１，
９２…選局キー、１０１〜１０５．２０１〜２０
５…チユーニングデータエリア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の放送局に対応したチユーニングデータ
   を記憶するメモリ装置、このメモリ装置から選択
   されたチユーニングデータに応じて選局受信する
   チユーナ、このチユーナの同調周波数を変化させ
   るチユーニング電圧発生回路、上記チユーナによ
   つて選択された信号の受信レベルを判定する手
   段、および受信中の信号の受信レベルが所定レベ
   ルを越えている場合には受信を周期的に中断さ
   せ、この中断時に他の周波数の電波を受信し得る
   ように制御すると共に、上記中断時に受信した他
   の電波の受信レベルと上記受信を中断された信号
   の受信レベルとの比較結果にもとづいて受信レベ
   ルの高い方の受信を継続するように上記チユーニ
   ング電圧発生回路を制御し、受信レベルが所定レ
   ベル以下の場合には受信を中断して上記メモリ装
   置に記憶されている複数の放送局を順次連続して
   受信して受信レベルの高い周波数の電波を受信す
   るように上記チユーニング電圧発生回路を制御す
   るコントロール部を備えたことを特徴とする受信
   機。