JPS637015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は電気掃除機の半導体を用いたリモート
コントロール装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の半導体によるこの種リモートコントロー
ル装置を第１図に示す。図において交流電源には
感電保護用の抵抗１と半固定抵抗１３及びコンデ
ンサ２が直列に接続されており、２組の感電保護
用抵抗１はホース先端に設けられた手元スイツチ
３で結合される。コンデンサ２と抵抗１との接続
点にはトリガ素子４の一端が接続され、他端は補
助双方向性サイリスタ５のゲートに接続されてい
る。又この補助双方向性サイリスタ５は抵抗６を
介して双方向性サイリスタ７のゲート端子に接続
されており、さらに双方向性サイリスタ７と直列
に電動送風機８が接続され、両端は交流電源に接
続される。

上記回路構成において、２組の抵抗１は電気用
品取締法に基づく技術基準、すなわち「その部分
と大地間に流れる電流が1mA以下のこと」と決
められており、その基準を満足させるために入れ
たものである。ここで、手元スイツチ３をONに
すると２本の感電保護用の抵抗１を通してコンデ
ンサ２に電荷が蓄えられる。そしてコンデンサ２
の両端の電圧がトリガ素子４のプレークオーバ電
圧になると、同トリガ素子４は導通し、これによ
りコンデンサ２に蓄えられていた電荷はトリガ素
子４、補助高感度双方向性サイリスタ５のゲート
を経て放電される。そして、このとき補助双方向
性サイリスタ５はON状態となり、双方向性サイ
リスタ７のゲートに電流が流れ、同双方向性サイ
スタ７がON状態となり、電動送風機８に通電さ
れる。交流の半サイクルが終ると双方向性サイリ
スタ７がOFFとなり最初から繰返される。又こ
こで、双方向サイリスタを２組使用した理由は、
感電保護用抵抗１で電気用品取締法を満足するよ
う電流を1mA以下に制限しているため、トリガ
電流も小さくなり双方向性サイリスタ７を直接ト
リガ出来ず、初段に高感度の補助双方向性サイリ
スタ５を使用し、これをトリガすることにより、
そこを流れる電流で第２の双方向性サイリスタ７
をトリガする方式をとつている。

この方式は、初段の補助双方向性サイリスタ５
が高感度のため、トリガするには5mA（max）程
度の電流でよく、よつてコンデンア２はきわめて
小容量でよい。さらに、コンデンサ２の充電回路
に直列に接続される感電保護用抵抗１は大きな値
に選定出来安全性にすぐれている。又トリガを大
きなパルスで行なうことが出来るので、温度が下
がると双方向性サイリスタのゲート感度が多少劣
化しても誤動作は少なく信頼性も高い。しかし、
この回路を電気掃除機のリモートコントロール装
置として使用する場合、交流電流が零クロスした
時点から、抵抗１を介してコンデンサ２に電荷が
蓄えられ、ある一定時間後、トリガ素子４のブレ
ークオーバ電圧に達し始めてゲートパルスが発生
するため、その間の時間だけ電動送風機８に電力
が供給されず入力カツト分が発生する。この様子
を第２図に示す。図において、９は交流電源波形
で、１０のレベルは、トリガ素子４のブレークオ
ーバ電圧である。１１は上記説明の入力カツト分
である。又１２はコンデンサ２の両端電圧がブレ
ークオーバ電圧に達した時のトリガ素子４から発
生するゲートパルス波形である。

このように、上記回路を用いると入力カツト分
が発生し、その分だけ電動送風機の入力電力が減
少する他、周波数が50Hzと60Hzとではコンデンサ
２のインピーダンスが異なり、周波数の違いによ
つても電動送風機の入力電力に違いが発生する。
そのため50Hz，60Hzを共用出来ないという問題を
有する。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を解消したもの
で、確実な動作を行うリモートコントロール装置
を提供するものである。

考案の構成 本考案は電動送風機と直列に双方向性サイリス
タを接続し、その双方向性サイリスタのゲートに
補助双方向性サイリスタを接続し、同補助双方向
性サイリスタのゲートにトリガ素子を介して抵抗
とコンデンサからなる時定数回路を設け、上記抵
抗は２本の感電保護用抵抗で構成するとともに、
その両端はホース先端の手元スイツチに接続し、
さらに感電保護用抵抗と直列にコンデンサを接続
した電気掃除機のリモートコントロール装置を特
徴とするもので、上記感電保護用抵抗と直列に接
続したコンデンサにより50Hz，60Hzの入力差小さ
くしたものである。

実施例の説明 以下その実施例を第３図とともに説明する。

なお、第３図において、第１図と同一部分には
同一符号を付し、説明は省略した。

すなわち、本考案は感電保護用抵抗１とコンデ
ンサ２の間にもう一つのコンデンサ９を接続した
ものである。コンデンサ９を接続し、適当な値を
選ぶことにより、コンデンサのインピダンスは1/
２π_c（：周波数、ｃ：コンデンサの静電容量）
と周波数の関数となり、50Hzと60Hzでは50Hzの方
が20％インピーダンスが高くなり、コンデンサ２
の充電速度が遅くなる。そのため50Hzと60Hzの入
力差が小さくなる。又コンデンサ９を入れること
により進み電流が流れるため入力カツト分が50
Hz／60Hz共に小さくなる。この様子を第４図に示
す。ａはコンデンサ９を入れる前の消費電力対調
整用抵抗器１３の値との関係を示す。１４，１５
はそれぞれ60Hz，50Hzの値であり、これより明ら
かなように50/60Hzの入力差は入力調整用抵抗器
１３の値が大きくなるに伴ない大きくなつてい
る。しかし、コンデンサ９を入れるとｂのように
なり、図において１６が60Hz，１７が50Hz入力
で、入力調整用抵抗器１３を大きくしても50/60
Hzの入力差はさほど広がらず50/60Hzの共用化が
可能となる。又入力カツト分も進み電流が流れる
ため小さくなる。

考案の効果 このように本考案はコンデンサ９を入れること
により50Hz，60Hzの入力差が小さくなり、入力カ
ツト分も小さくなることから50/60Hz共用化が可
能となり、その効果はきわめて高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気掃除機のリモートコントロ
ール装置の回路図、第２図は同リモートコントロ
ール装置を用いた場合の負荷に加わる波形とトリ
が信号波形の概略図、第３図は本考案の実施例に
おける電気掃除機のリモートコントロール装置の
回路図、第４図ａ，ｂは従来回路と本考案回路と
の抵抗値−消費電力関係図である。 １……感電保護用抵抗、２，９……コンデン
サ、３……手元スイツチ、４……トリガ素子、５
……補助双方向性サイリスタ、７……双方向性サ
イリスタ、８……電動送風機、１３……可変抵
抗。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電動送風機と直列に双方向性サイリスタを接
   続し、その双方向性サイリスタのゲートに補助
   双方向性サイリスタを接続し、同補助双方向性
   サイリスタのゲートにトリガ素子を介して抵抗
   とコンデンサからなる時定数回路を設け、上記
   抵抗は２本の感電保護用抵抗で構成するととも
   に、その両端はホース先端の手元スイツチに接
   続し、さらに感電保護用抵抗と直列にコンデン
   サを接続した電気掃除機のリモートコントロー
   ル装置。 (2) 感電保護用抵抗と直列に可変抵抗を接続した
   実用新案登録請求の範囲第１項の電気掃除機の
   リモートコントロール装置。