JPS6367397B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオテープレコーダ（以下VTRと
略す）の色信号の処理方法に関するものである。

家庭用VTRでは色副搬送波を低域に変換して
記録再生するため、シリンダの回転ムラ等生じる
時間軸変動の影響は軽減されているが十分ではな
い。そこで再生時に得られる時間軸変動を伴つた
色副搬送波と、これと同じ時間軸変動を持つた連
続信号とをヘテロダインすることによつて時間軸
変動を相殺する方式が一般に採用されている。

ここではVHS方式PAL用カラーVTRを例にと
り詳しく動作を説明する。まず記録時に狭い記録
再生帯域と磁気ヘツドテープ系よりなる電磁変換
系で生じるビート成分を考慮して色副搬送波（_C
＝4.43MHz）は低域変換色副搬送波（_S＝（40＋
１／８）_H、_H＝15.625KHz）に周波数変換され、 FM変調された輝度信号と加算した後記録増幅器
を通して磁気テープ上に記録される。

第１図に信号再生回路のブロツク図を示す。再
生回路では、微小な再生信号を前置増幅器１で増
幅した後、高域ろ波器２、低域ろ波器３でFM変
調波と時間軸変動を伴つた低域変換色副搬送波
（_S±△、△は時間軸変動成分）がそれぞれ
分離される。該低域変換色副搬送波は平衡変調器
４で同じ時間軸変動を持つた変換搬送波（_C＋_S
±△）と平衡変調され、その差周波数の色副搬
送波（_C）を帯域ろ波器５で取り出すことにより
時間軸変動は相殺される。

該変換搬送波は以下に述べる位相制御ループを
構成することにより得られる。すなわち色副搬送
波（_C）中のバースト信号をバーストゲート回路
６で分離し、位相比較器７で発振周波数が_Cの水
晶発振器８の信号と位相比較する。該位相比較器
７の出力信号は不要な高調波成分や雑音を除去す
る低域ろ波器９を経て160_H電圧制御発振器１１
の発振周波数が160_H±４△となるように制御
する制御信号１０となる。電圧制御発振器１１の
出力信号は分周器１２で1/4に分周された後、平
衡変調器１３で発振周波数が_C＋１／８_Hの水晶発 振器１４の信号と平衡変調され、その和周波数す
なわち変換搬送波（_C＋_S±△）のみを帯域ろ
波器１５から取り出すように位相制御が行なわれ
る。

最後に時間軸変動が除かれた色副搬送波（_C）
と、FM復調器１６で復調され、遅延回路１７で
色副搬送波との遅延時間差を補正された輝度信号
とを加算回路１８で加え合わせると、再生PAL
カラーテレビ信号１９が得られる。

ところで、PALカラーテレビ信号は伝送系で
生じるひずみを軽減するために２つの色差信号の
うち（Ｒ−Ｙ）で変調する方の色副搬送波だけを
１水平走査期間毎に位相反転して送つているの
で、バースト信号は１水平走査期間毎に90゜変化
している。このため制御信号１０は第２図ａに示
すように１水平走査期間毎にある直流電位V₀を
中心にした正負のリツプルになる。該制御信号１
０は160_H電圧制御発振器１１の発振周波数を制
御するのでｂに示すように周波数がバースト期間
に±△だけ変化する。位相は周波数の積分であ
るから、ｃに示すように160_H電圧制御発振器１
１の信号の位相はバースト期間と映像期間とで異
なることになる。この位相変化はバースト信号の
位相φ₀を中心に±△φであるが、PAL用受像機
の色信号復調器で（Ｒ−Ｙ）の色差信号の復調が
１水平走査期間毎に位相反転して行なわれるた
め、常にバースト信号の位相φ₀に対して映像信
号は△φだけ進むことになる。この位相の進み
は、色相変化をもたらす。PAL方式は伝送系で
生じるひずみによる色相変化がないことが特徴で
あるだけにこの色相変化は特に問題となる。

本発明の目的は、上記した位相回転の問題を解
決し、忠実な色再現がえられるVTRを提供する
ことにある。

前述したように、位相の進み量は位相比較器出
力の誤差信号である正負のリツプルのレベルが大
きければ大きい程大きくなる。そこで、このリツ
プルのレベルを小さくするために低域ろ波器９に
使つている容量の値を大きくして応答を遅くする
方法がある。しかし、この方法では位相制御系の
応答が悪くなるとともに、制御信号のパルスがな
まるために映像期間内でも位相が変化することに
なり、画面の左右で色が異なるいわゆるシエーデ
イングが生じる。

本発明は電圧制御発振器１１に加える制御信号
１０を該電圧制御発振器１１の基準発振周波数₀
を決めている制御端子に同じ制御信号１０のリツ
プル分のみを適当なレベルにして加えることによ
り、発振周波数の変化すなわち位相の変化を小さ
くするをのである。

本発明の１実施例を第３図に示す。本発明の構
成は第１図とほぼ同じであるので、第３図には本
発明に関係する部分のみを示す。

まず、電圧制御発振器１１の基準発振周波数₀
の調整はトランジスタＱ１，Ｑ２に電圧を供給す
る電源Ｅと電流制限用抵抗Ｒ３との間にある調整
抵抗Ｒ４を可変することにより行なう。

位相比較器７の出力信号は低域ろ波器９で不要
な高調波成分や雑音が除かれ制御信号１０とな
り、トランジスタＱ１のベースに加えられる。ト
ランジスタＱ１は抵抗Ｒ１とでエミツタフオロワ
を構成し、そのエミツタ端子はリング発振器２１
の発振周波数を制御する電流Ｉ１を供給するトラ
ンジスタＱ２のベースに結線され、発振周波数を
制御する。また制御信号１０は例えばベース接地
形増幅器２０で増幅され、レベル調整用の抵抗Ｒ
２と結合容量Ｃ１を経て、基準発振周波数₀を決
めている制御端子に加えられ、位相進みの補正を
行なう信号となる。

すなわち、いま制御信号１０が正のパルスのと
きを考える。このときトランジスタＱ２のベース
に正のパルスが加わるので、トランジスタＱ２の
エミツタ電位が上昇し、電流Ｉ１は減少するの
で、発振周波数が低くなる。ところが、上記の電
流変化を打ち消すように同じく正のパルスが抵抗
Ｒ２、容量Ｃ１を通して抵抗Ｒ３端に加えられて
いるので、制御信号１０のパルスのレベルが小さ
いことと等価になり、周波数変化すなわち位相の
進みは視覚的に問題ないレベルまで小さくするこ
とができる。

容量Ｃ１のため、増幅器２０の出力の低周波成
分は電圧制御発振器１１には伝達されない。ジツ
タ、発振周波数のドリフトなどは低周波であり、
したがつてこの補償に関与する低周波成分につい
ては増幅器２０の出力成分は電圧制御発振器１１
に伝達されないことになる。したがつて増幅器２
０、抵抗Ｒ２、容量Ｃ１はリツプルによる色相補
正のみに関与し、基本的なフエーズロツクドルー
プの特性には関与しない。

本発明は前記したように、フエーズロツクドル
ープの基本的な特性に影響を与えることなく、簡
単な回路で位相回転を小さくでき、性能向上に大
きく貢献する。

【図面の簡単な説明】

第１図はVTRの再生時に生じる時間軸変動を
取り除くための位相制御ループの一例を示すブロ
ツク図、第２図ａ〜ｃは動作説明のための信号波
形図、第３図は本発明の一実施例を示す回路図で
ある。 ７…位相比較器、９…低域ろ波器、１１…電圧
制御発振器、２０…増幅器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 時間軸変動を伴つた入力信号と水晶発振器の
   基準発振周波数との位相差を位相比較器で比較
   し、この位相比較器の出力信号を低域ろ波器を通
   して得た制御信号を電圧制御発振器の制御端子に
   供給するとともに、該制御信号を増幅する増幅器
   と、その増幅器出力をコンデンサを介して取り出
   された制御信号のリツプル成分を、該電圧制御発
   振器へ供給される制御信号中のリツプル成分が減
   殺されるように該電圧制御発振器の基準発振周波
   数制御端子に供給する手段とを有するフエーズロ
   ツクドループを持つことを特徴とするビデオテー
   プレコーダ。