JPS6366239B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、洗濯の後に脱水を自動的に実行する
洗濯機に関する。

(ロ) 従来の技術 例えば特開昭58―198390号公報で示される洗濯
機は、回転翼を低速で回転させると共に、極めて
短時間毎に左右に反転させている。この洗濯機は
更に回転翼の中央に棒を立設して布がらみを防い
でいる。このような洗濯機によつて洗濯すると、
衣類は損傷を受けることが少く、からみも少く洗
われ、昨今の需要家の要望にかなうものとなる。
しかしながら、回転翼が低速回転し且つ短時間毎
に反転するので、洗濯槽内での渦流の発生が少く
なる。これは洗浄力の低下として表われるが、こ
の他に小物の衣類を他の衣類に包み込まずに槽内
上部に残すことになる。

このために次の脱水行程で、上部の小物が遠心
力によつて槽外に飛び出て、排水口を塞ぐ、回転
軸にからんでロツクする（モータが焼ける）と云
う事故を起こすことがあつた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は、槽内上部に残りやすい小物衣類を他
の衣類と一体化させやすくして、諸処の事故を未
然に防止せんとするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、洗濯の時間がまだ残つている時に排
水して槽内の水位を所定値だけ下げることによ
り、問題点を解決するものである。

(ホ) 作 用 即ち、水位が下つた状態で回転翼が回転する
と、回転翼の衣類に及ぼす回転力が強くなるので
衣類どうしを巻き込みやすくなり、必然的に小物
衣類もそこに引き込まれる。従つて、脱水時に遠
心力を受けても、個々に飛び出してしまうことは
無くなる。

(ヘ) 実施例 以下図面に基づいて説明すると、１は全自動洗
濯機の機枠で、外槽２を吊棒３等で弾性的に吊下
している。４は外槽２内に配設された脱水兼洗濯
槽で、内底部には大径山型の回転翼５を配設し、
周側壁には多数の脱水孔６…を穿設している。
７，８は外槽２の外底部に固定されたモータと軸
受ケースであり、モータ７の回転を軸受ケース８
を介して回転翼５に、或いは回転翼及び洗濯槽４
に夫々伝達し、前者の場合は低速で間欠的に反転
させ、後者の場合は高速で一方向に連続回転させ
ることになる。９は排水口、１０は排水手段とし
ての電磁型の排水弁、１１は排水ホース、１２は
上蓋、１３はコントロールボツクス、１４はエア
ートラツプを用いた圧力式の水位スイツチであ
る。尚、水位スイツチ１４は図中の一点鎖線Ｔで
トリツプし、一点鎖線Ｒでリセツトする。

上記コントロールボツクス１３内にはタイマー
モータ１５を用いたタイマーと、電磁型の給水弁
１６と、上記上蓋１２の開閉に合せて作動する安
全スイツチ１７を備えている。そして、タイマー
の各接点Ｃ―１〜Ｃ―５と反転カム接点１８，１
９を含んだ電気回路を第２図で示し、そのプログ
ラムを第３図イ，ロで示す。

第２図において、洗濯（洗い）に先だつての給
水時にはＣ―１のｂ接点、水位スイツチ１４の
NC接点、Ｃ―５のｂ接点を介して給水弁１６が
通電されて開放している。所定水位まで給水する
と、水位スイツチ１４がトリツプしてNO接点を
閉じ、タイマーモータ１５に通電すると共に、Ｃ
―４のａ接点及び反転カム接点１８を介してモー
タ７に通電する。タイマーモータ１５は各接点を
第３図イのプログラムどおり開閉していく。一
方、反転カム接点１８は第３図ロで示すように
0.5秒の休止を置いてモータ７が1.2秒ずつ左右に
反転するよう通電する。従つて、洗濯槽４内では
回転翼５が低速で間欠的に反転して反転水流を作
り、その中で衣類をからみと損傷が少い状態で洗
つている。この時の洗濯槽４内の衣類Ａは第４図
イで示すように中心に山形に集りがちで、その頂
部に小物衣類Ｂが散在することが多い。

洗濯行程が終了する前になると、Ｃ―２が10〜
20秒間だけ閉成し、排水弁１０を開放して排水す
る。すると、槽内水位はリセツト点より高いとこ
ろまで下るので、回転翼５の回転力が衣類全体に
強く及ぼされ、小物類は固りの中に引き込まれ
る。更に、Ｃ―２が閉成した時点からＣ―４がｂ
接点に代り、モータ７に別の反転カム接点１９か
ら通電する。この反転カム接点１９は0.5秒の休
止を置いてモータ７が0.5秒ずつ左右に反転する
よう通電し、従つて、洗濯槽４内では回転翼５が
低水位の中で小きざみに間欠反転する。この結
果、山形に集つていた衣類Ａは第４図ロで示すよ
うに平坦になり、しかも小物衣類Ｂを埋めるよう
になつている。

洗濯（洗い）行程が終了すると、Ｃ―４及びＣ
―５が開放し、Ｃ―３が閉成して水位スイツチ１
４をバイパスし、Ｃ―２が閉成して排水弁１０を
開く。しばらくすると、Ｃ―１及びＣ―５がａ接
点に代り、この頃に水位スイツチ１４がNC接点
に代る（リセツトする）。従つて、安全スイツチ
１７が上蓋１２の開閉を検知し、モータ７が一方
向に回転する。このモータ７の回転力は適当なク
ラツチ機構により、洗濯槽４及び回転翼５に伝達
され、遠心脱水を実行せしめる。

次の洗濯（すすぎ）行程は給水後に先の洗濯
（洗い）行程と同一の動作であり、排水、脱水
（最終）も同じである。

斯る動作中の脱水行程では、洗濯槽４内の衣類
は小物まで互いに固まり合つているので、遠心力
で槽外に飛び出してしまうと云うことはなく、安
定した脱水動作を受ける。

(ト) 発明の効果 本発明に衣れば、洗濯行程中に一度排水して水
位を下げるので、衣類の散在を抑制することがで
き、次の脱水時に遠心力によつて小物等を槽外に
飛ばしてしまうことがなく、極めて安全性の高い
洗濯機を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による洗濯機の正面断面図、第
２図は電気回路図、第３図イ，ロはタイマー接点
と反転カム接点のタイムチヤート、第４図イ，ロ
は洗濯中の衣類の状態を示す説明図である。 ４…洗濯槽、５…回転翼、１０…排水弁（排水
手段）、１４…水位スイツチ、Ｃ―１〜Ｃ―５…
タイマー接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転翼を有する洗濯槽内で、洗濯及び遠心脱
   水の各行程を逐次実行するものにおいて、上記洗
   濯行程の設定時間が終了する所定時間前に、上記
   洗濯槽内の水位を所定水位まで降下させるべく排
   水手段を作動することを特徴とした洗濯機。