JPS6364581B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はワイヤ駆動方式のウインドレギユレー
タに関する。さらに詳しくは、ワイヤの伸びを自
動的に吸収することができ、しかも１つのコンパ
クトなユニツトとして取り扱うことができるウイ
ンドレギユレータに関する。

レバーなどの回転往復操作を窓ガラスの昇降の
直線運動に変換させるウインドレギユレータは、
近時軽量化などの要請により、ギヤ−アーム方式
のものからワイヤ駆動方式のものに切り換えられ
ている。このようなワイヤ駆動方式のウインドレ
ギユレータは駆動装置を従動装置から分離するこ
とが比較的容易であるから、それぞれの装置をそ
の機能に適した位置に取りつけることができると
いう利点をも有する。そのようなウインドレギユ
レータとして、たとえば実開昭55−103376号公報
に開示されているものなどがある。このようなウ
インドレギユレータは、駆動装置と従動装置とか
らなり、従動装置は窓ガラスを固着せしめるブラ
ケツトと、該ブラケツトを摺動自在に案内しう
る、ほぼ上下方向に設けられる１本のガイドレー
ルとからなり、２本のワイヤがブラケツトに係合
され前記ガイドレールの上下方向にそれぞれ伸び
ている。駆動装置は前記２本のワイヤのそれぞれ
の一端部を反対方向に巻回せしめるとともにそれ
ぞれの最先端部を係合せしめてなるプーリと該プ
ーリを回転自在に支えるケーシングと、該プーリ
に係合されるレバーとからなる。そのような基本
構成を有している従動装置および駆動装置は自動
車のドアなどの適切な位置に取りつけられ、前記
ワイヤはそれらの間をループ状に配索され駆動装
置から従動装置に動力を伝動している。すなわち
レバーを回転させることによりワイヤの一端をプ
ーリに巻取るとともに他端をプーリから巻戻し、
ワイヤのループを一方向に摺動させ、ワイヤの一
部に係合されているブラケツトをガイドレールに
沿わせて摺動せしめ、窓ガラスを昇降せしめてい
る。そのようなウインドレギユレータは従動装置
と駆動装置とをそれぞれドアなどに対して適切な
位置に容易に取りつけることができるという利点
を有する反面、ウインドレギユレータとしては１
つのユニツトとして取り扱うことができないとい
う欠点がある。すなわち作業者はいくつもの装置
を正確に取りつけなければならず、さらにそれぞ
れの装置を取りつけたのちにワイヤを配索し、ワ
イヤに適切な張力を与えるようにワイヤの長さな
どを調整する必要があるため、取りつけ作業に多
大な労力を必要とする。しかも通常のウインドレ
ギユレータにはガラスの重量をバランスさせ、操
作を軽くせしめうるバランススプリング機構や、
後述のワイヤの伸び吸収機構が付属しているが、
これらの各機構の取りつけやそれらに対する配索
をも含めると前記取りつけ作業はさらに労力を必
要とするものとなる。

またこれらのウインドレギユレータにおいて
は、各装置間に張りめぐらされているワイヤは、
動力を伝達するために直線状に配索されている必
要がある。すなわち、導管などで案内されている
ケーブルワイヤなどと異なり、直線状に張りつめ
ていなければワイヤとして動力伝達をすることが
できない。そのため各装置は平面的に、いわば二
次元的に配置されなければならないという制約が
あるとともに、取りつけスペースがきわめて広く
ならざるをえないという欠点をも有する。

一方、金属撚線などからなるワイヤは、張力を
加えられたときに、とくにワイヤの使用初期にお
いて伸びが発生するという特性を有する。そのた
めワイヤを動力伝達手段として採用している装置
には、そのような伸びを吸収してワイヤに適切な
張力を回復させる機構が必要である。ワイヤ方式
のウインドレギユレータにおいてもテンシヨンプ
ーリやボルト−ナツト式のワイヤの伸び吸収機構
が設けられているが、これらのワイヤの伸び吸収
機構は操作をする者がその伸びまたはワイヤのた
るみの程度を常にチエツクし、必要に応じて伸び
吸収機構を操作しなければならず、操作する者に
とつてきわめて煩雑であるという欠点を有する。

また前記実開昭55−103376号公報に開示されて
いるウインドレギユレータなどにおいては、駆動
装置または従動装置がドアなどの下方に主要部分
を配置し、ドアの下方部にワイヤを配索してい
る。しかしこれらのものは、雨水などがワイヤや
装置に長時間付着しているためワイヤや装置など
にサビが発生したり、冬期や寒冷地においては凍
結して装置が作動しなくなるという欠点を有す
る。

そこで本発明者らは叙上の欠点を排除し、駆動
装置と従動装置とが実質的に別体でありながら１
つのコンパクトなユニツトとして取扱うことがで
き、そのため取りつけるためのスペースが小さ
く、さらにワイヤの伸び吸収を駆動装置の操作に
より自動的に行ないうると共にサビが発生しにく
く、しかも軽く操作しうるウインドレギユレータ
を提供すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明を
完成するにいたつた。

すなわち本発明は前記基本構成を有するワイヤ
駆動方式のウインドレギユレータであり、従動装
置のガイドレールの下端部にはガイド部材が、上
端部にはケーブルガイドがそれぞれワイヤを摺動
自在に案内すべく設けられており、ケーブルガイ
ドと駆動装置とがワイヤを摺動自在に案内しうる
並列する２本の可撓性導管により接続され、駆動
装置のプーリは一側面の周縁に第１ラチエツト歯
が刻設され、前記レバーに係合された第１プーリ
と、第１ラチエツト歯に歯合しうる第２ラチエツ
ト歯が一側面の周縁に刻設されてなる第２プーリ
との２つのプーリからなり、該第１プーリと第２
プーリとはたがいに弾性部材により押圧されてお
り、レバーを回転操作することにより窓ガラスを
昇降させるときにワイヤの伸びを自動的に吸収し
うるウインドレギユレータに関する。

さらに本発明は前記構成をすべて有するウイン
ドレギユレータであつて、前記第２プーリの他の
側面に空所が設けられ、該空所には一端がケーシ
ングに、他端が第２プーリにそれぞれ係止される
うずまきバネが収容されてなるウインドレギユレ
ータに関する。

つぎに図面を用いて本発明のウインドレギユレ
ータの一実施例を説明する。

第１図は本発明のウインドレギユレータの一実
施例を示す概略斜視図、第２図は本発明にかかわ
る駆動装置の一実施例を示す概略斜視図、第３図
は第２図の駆動装置の縦断面図、第４図は本発明
にかかわる駆動装置の他の実施例を示す概略斜視
図、第５図は第４図の駆動装置の縦断面図、第６
図は第１図のウインドレギユレータを自動車のド
アに取りつけた状態を示す側面図である。

第１図に示されるように本発明のウインドレギ
ユレータは駆動装置１と従動装置２とが２本の並
列している可撓性の導管３により接続されてい
る。

従動装置２はほぼ上下方向に設けられる１本の
ガイドレール４と、該ガードレール４に摺動自在
に設けられ、窓ガラス５を固着せしめうるブラケ
ツト６とを基本的構成とし、さらにガイドレール
４の下端部にはガイド部材７が、上端部にはケー
ブルガイド８がそれぞれワイヤ９，１０を摺動自
在に案内すべく設けられている。ワイヤ９，１０
はその先端に固着されている係止部材９ａ，１０
ａをブラケツト６に設けられる係止溝６ａに引掛
けることによりブラケツト６に係止され、それぞ
れ下方および上方に伸びている。下方に伸びるワ
イヤ９は前記ガイド部材７に係合し、上方へ向き
をかえるように摺動自在に案内され、前記上方に
伸びているワイヤ１０と並列してケーブルガイド
８に至る。ワイヤ９，１０はケーブルガイド８内
でそれぞれほぼ直角方向に向きをかえるように摺
動自在に案内され、さらにケーブルガイド８に一
端が固着され、他端が駆動装置のケーシング１１
に固着される２本の可撓性導管３内を摺動自在に
並列に案内されて駆動装置１に至る。

第２〜３図に示されるように駆動装置１はケー
シング１１と、該ケーシング１１に回転自在に設
けられる軸１２と、該軸１２に回動できないよう
に嵌着され一側面の周縁に第１ラチエツト歯１３
ａが刻設されている第１プーリ１３と、軸１２に
回動自在に嵌着され、前記第１ラチエツト歯１３
ａと歯合しうる第２ラチエツト歯１４ａが一側面
の周縁に刻設されている第２プーリ１４と、第２
プーリ１４とケーシング１１の間に挿入され第２
プーリ１４を第１プーリ１３側に付勢する弾性部
材１５と、軸１２の軸端に固着されているレバー
１６とからなる。

前記第１プーリ１９および第２プーリ１４の外
周にはそれぞれ前記ワイヤ９，１０の他端部の最
先端に固着されている係止部材９ｂ，１０ｂを係
止せしめる係止孔１３ｂ，１４ｂが穿設され、ワ
イヤ９，１０がそれぞれ互いに反対方向に巻きつ
けられる。

つぎに叙上のごとく構成されるウインドレギユ
レータの作用効果を説明する。

第２図に示されるようにレバー１６をＡ方向に
回転させると、第１ラチエツト歯１３ａおよび第
２ラチエツト歯１４ａが歯合方向であるから第１
プーリ１３および第２プーリが一体にＡ方向に回
転し、ワイヤ１０は第２プーリ１４に巻き取ら
れ、ワイヤ９は第１プーリ１３からほどき出さ
れ、ワイヤ９，１０のループは矢印Ｃのように摺
動する。したがつてワイヤ９，１０の一端が係止
されているブラケツト６はガイドレール４上を上
方に摺動し、窓ガラス５は閉じる。

逆にレバー１６をＢ方向に回転させると第１プ
ーリ１３がＢ方向に回転し、ワイヤ９を巻きと
り、ワイヤ９，１０の伸びを吸収し、ワイヤのル
ープ全体の張力が回復したのち、その張力により
第２プーリ１４をＢ方向に回転させつつワイヤ１
０を引き出す。その際、第２プーリ１４には弾性
部材１５から受けている押圧力にもとづくブレー
キ力が働いており、そのブレーキ力に相当する張
力がワイヤに与えられる。

叙上のごとく本発明のウインドレギユレータに
おいては、窓ガラスを昇降させる操作を行なうこ
とにより、自動的にワイヤの伸びが吸収されるた
めに、ワイヤに伸びが生ずるごとにワイヤ長さを
調整する必要がない。

またウインドレギユレータを自動車のドアなど
に取りつけたのち、単にレバー操作を行なうだけ
できわめて容易にワイヤの張力を調節することが
できる。

また本発明のウインドレギユレータにおいては
駆動装置１と従動装置２が平行している２本の可
撓性導管により、しつかりと接続されており、ワ
イヤはその内部を張力を保ちつつ摺動自在に案内
されるから、ウインドレギユレータを１つのコン
パクトなユニツトとして取り扱うことができ、し
かもそれぞれの装置については、他方の取りつけ
状態に影響されることなく容易に取りつけること
ができ、実質的に別体の装置として取り扱うこと
ができる。それらのためウインドレギユレータの
ドアなどへの取りつけ作業をきわめて容易に行な
いうる。

またそれぞれの装置を平面的に配置しなければ
ならないという制約はなく、たとえば第６図のよ
うに構成することも容易である。

またそのような取りつけ位置の自由度が高いこ
とから、汎用性も高く、たとえば車種の異なる自
動車のドアなどに対しても共通のウインドレギユ
レータを採用することができ、コストの低減化を
はかることができるという大きな利点を有する。

叙上の効果を奏しうるウインドレギユレータに
対し、第４〜５図のように駆動装置を構成すると
きは、さらに有用な効果をもたらすことができ
る。すなわち第４図に示される駆動装置１０１に
おいては、第２プーリ１３の第２ラチエツト歯１
３ａが刻設される側面の反対側の側面に円筒形の
空所１７が設けられており、該空所１７内に一端
１８ａがケーシング１１に他端１８ｂが第２プー
リ１３にそれぞれ係止されるうずまきバネ１８が
収容されており、該うずまきバネ１８は第１ラチ
エツト歯１３ａと第２ラチエツト歯１４ａが空転
するような方向（第４図の実施例においてはＡ方
向）に付勢している。

そのようなうずまきバネ１８を有するウインド
レギユレータは前述のうずまきバネが設けられて
いないウインドレギユレータとほぼ同様に作動せ
られるが、うずまきバネ１８により第２プーリ１
４がＡ方向に常に付勢されているために、ワイヤ
の伸びを吸収させる操作において、弾性部材１５
と共に第２プーリ１３にブレーキ力を与える機能
を有する。そのためワイヤ９，１０にはさらに確
実に張力が与えられる。

さらに第２プーリ１３がワイヤ１０を巻きとる
方向Ａに付勢されているため、窓ガラス５はワイ
ヤ１０を介して常に上方向に付勢されている。す
なわちうずまきバネ１８は窓ガラス５に対するバ
ランススプリングとして機能している。そのため
レバー１６の回転操作力はきわめて軽くなる。

叙上のように本発明のウインドレギユレータは
バランススプリングを内蔵しているから、バラン
ススプリング機構を駆動装置と別設しているもの
に対し、ウインドレギユレータをコンパクトにす
ることができ、自動車のドアなどへの取りつけ作
業が簡略化されうる。

また本発明のウインドレギユレータは、ワイヤ
９，１０の配索が上部でのみ行なわれており、し
かも導管９で被覆されているからワイヤに雨水な
どの水滴が付着するおそれが少なく、しかもガイ
ドレール４の下方にはケーブルガイド８やバラン
ススプリング機構などよりも水滴を保持するおそ
れが少ないガイド部材７が配置されているだけで
あるから、サビが発生しにくく、また凍結により
作動しなくなるといつた欠点をも排除することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のウインドレギユレータの一実
施例を示す概略斜視図、第２図は本発明にかかわ
る駆動装置の一実施例を示す概略斜視図、第３図
は第２図の駆動装置の縦断面図、第４図は本発明
にかかわる駆動装置の他の実施例を示す概略斜視
図、第５図は第４図の駆動装置の縦断面図、第６
図は第１図のウインドレギユレータを自動車のド
アに取りつけた状態を示す側面図である。 （図面の主要符号）、１：駆動装置、２：従動
装置、３：導管、４：ガイドレール、５：窓ガラ
ス、６：ブラケツト、７：ガイド部材、８：ケー
ブルガイド、９，１０：ワイヤ、１１：ケーシン
グ、１２：軸、１３：第１プーリ、１３ａ：第１
ラチエツト歯、１４：第２プーリ、１４ａ：第２
ラチエツト歯、１５：弾性部材、１６：レバー、
１７：空所、１８：うずまきバネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ほぼ上下方向に設けられる少なくとも１本の
   ガイドレールと、該ガイドレールに摺動自在に設
   けられ、窓ガラスが取りつけられるブラケツトと
   を有する従動装置と、前記ブラケツトに係止され
   前記ガイドレールの上下方向にそれぞれ伸びるワ
   イヤと、該ワイヤの両端部を互いに反対方向に巻
   回せしめるとともにそれぞれの先端部が係止され
   てなるプーリと、該プーリを回転自在に支えるケ
   ーシングと、該プーリに係合されるレバーとを有
   する駆動装置とからなり、駆動装置のレバーを回
   転させることにより、ワイヤを介して窓ガラスを
   ガイドレールに沿つて昇降せしめうるウインドレ
   ギユレータであつて、前記ガイドレールの下端部
   にはガイド部材が、上端部にはケーブルガイドが
   それぞれワイヤを摺動自在に案内すべく設けられ
   ており、ケーブルガイドと前記駆動装置がワイヤ
   を摺動自在に案内しうる並列する２本の可撓性導
   管により接続され、前記プーリが一側面の周縁に
   第１ラチエツト歯が刻設され、前記レバーに係合
   された第１プーリと、一側面の周縁に第１ラチエ
   ツト歯に歯合しうる第２ラチエツト歯が刻設され
   てなる第２プーリとからなり、該第１プーリと第
   ２プーリはたがいに弾性部材により押圧されてお
   り、レバーを回転操作することにより窓ガラスを
   昇降させるときにワイヤの伸びを吸収しうるウイ
   ンドレギユレータ。 ２ ほぼ上下方向に設けられる少なくとも１本の
   ガイドレールと、該ガイドレールに摺動自在に設
   けられ、窓ガラスが取りつけられるブラケツトと
   を有する従動装置と、前記ブラケツトに係止され
   前記ガイドレールの上下方向にそれぞれ伸びるワ
   イヤと、該ワイヤの両端部を互いに反対方向に巻
   回せしめるとともにそれぞれの先端部が係止され
   てなるプーリと、該プーリを回転自在に支えるケ
   ーシングと、該プーリに係合されるレバーとを有
   する駆動装置とからなり、駆動装置のレバーを回
   転させることにより、ワイヤを介して窓ガラスを
   ガイドレールに沿つて昇降せしめうるウインドレ
   ギユレータであつて、前記ガイドレールの下端部
   にはガイド部材が、上端部にはケーブルガイドが
   それぞれワイヤを摺動自在に案内すべく設けられ
   ており、ケーブルガイドと前記駆動装置がワイヤ
   を摺動自在に案内しうる並列する２本の可撓性導
   管により接続され、前記プーリは一側面の周縁に
   第１ラチエツト歯が刻設され、前記レバーに係合
   された第１プーリと、一側面の周縁に第１ラチエ
   ツト歯と係合しうる第２ラチエツト歯が刻設さ
   れ、他側面に空所が設けられてなる第２プーリと
   からなり、該空所内に一端がケーシングに他端が
   第２プーリにそれぞれ係止されるうずまきバネが
   収容され、第１プーリと第２プーリとがたがいに
   弾性部材により押圧されており、レバーを回転操
   作することにより窓ガラスを軽く昇降させうると
   ともにワイヤの伸びを吸収しうるウインドレギユ
   レータ。