JPS6362212A - 非晶質合金を用いた鉄心の巻回方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は非晶質合金を用いた鉄心の製作方法に関するも
のである。

［従来の技術］ 非晶質合金は、溶融金属を約１０６℃１秒で急冷するこ
とにより製作され、その形状は厚さ２０〜３０μ、幅２
５〜１００　ｍｍ程度の薄帯である。

非晶質合金は、通常の結晶構造の磁気材料上りも励磁損
失がきわめて少ないことより、配電用変圧器等の鉄心に
も用いることが提案されている。

鉄心は非晶質合金を環状に巻回して積層したものである
が、巻回は所定の張力がかかった状態で行われる。鉄心
は巻回後、磁場焼鈍が行われ、絶縁材が取付けられて非
晶質合金の巻回方向と直交する方向に鉄心と鎖交するよ
うに導体が巻回され鉄心外面に巻線が構成される。

右同時に非晶質合金にかかる張力（以下巻回張力と呼ぶ
）が大き過ぎると、励磁損失の増加をまねき、また鉄心
の内側部にしわを生じたり鉄心の軸方向の端面が不揃い
になったりして、巻線作業に支障を来たす。

しかし、巻回張力が小さくなると鉄心の占積率が小さく
なり、さらに進むと鉄心の形がくずれやすくなるなど経
済性、作業性に問題を生じる。

また、巻回ずみの内側鉄心部は、外側鉄心部からの締付
力を受けるために、巻回が進むにつれて応力が増加する
（巻き締りと称する）傾向を有する。このために配電用
変圧器鉄心のように巻き厚（鉄心半径方向の積層厚さ）
が大きい鉄心では、巻回張力の大き過ぎる場合の問題点
が生じやすくなるので注意を要した。

［発明が解決しようとする問題点］ 鉄心巻回工程において、巻回の進行とともに鉄心の内側
部分に生じる応力が増加して、励磁損失の増加、鉄心内
側部におけるしわの発生、鉄心軸方向の端面が不揃いに
なるなどの巻き締りによる問題点が生じがちであった。

この巻き締りによる問題点発生を回避するためには、巻
回張力を小さくしなければならないが、こうすると新た
に鉄心占積率の低下等の問題点が生じた。

［問題点解決のための手段］ 鉄心の初期巻回張力（鉄心の巻初めで一番内側を巻くと
きの巻回張力）は応力による励磁損失の増加が生じない
範囲で高めに設定し、以後巻回を進めるにつれて張力を
低減していき、終期巻回張力（鉄心の巻終わりで一番外
側を巻くときの巻回張力）は初期巻回張力の７５％以下
とする。

この巻回過程において巻回張力を漸減する方式により前
述の問題点が解決できる。

［実施例］ 適切な初期巻回張力と終期巻張力を求めるために、モデ
ル鉄心および実変圧器鉄心を用いて、種々の巻回張力条
件下における励磁損失をＭ１定した。

非晶質合金（幅１００ｍ）を用い巻き厚は巻き締りの影
響が出ないように実変圧器鉄心の３０％程度の厚さとし
く鉄心内側の直径は実変圧器鉄心と同様）、巻回中の巻
回張力は一定にして種々の巻回張力でモデル鉄心を製作
した。第１図は上記モデル鉄心の励磁損失と巻回張力と
の関係を示すもので、横軸は非晶質合金２５關巾当りの
巻回張力（単位をｋｇ　／　２５　ｍｔａと表す）、縦
軸は励磁周波数６０Ｈ２磁束密度１，３Ｔにおける励磁
損失をその条件下の巻回張力１　ｋｇ／　２５　ｍｍ時
における励磁１１１失で除した励磁損失比である。第１
図をみると、巻回張力θ〜１　ｋｇ／　２５１１ｍでは
励磁損失は変わらないが、巻回張力１　ｋｇ／　２５　
＋ｕを越えると増加することが分る。なお巻回張力１　
）ｃｇ／　２５　ｍｒａにおいても、鉄心の内側部にし
わを生じたり鉄心軸方向端面が不揃いになる問題点は発
生しなかった。

一方、鉄心の占積率は巻回張力の増加と共に向上したが
、巻回張力１　ｋｇ／　２５　ｍ＋ｓ以上では微増であ
った（データは示していない）。

これにより巻き締りの問題が生じなければ、初期巻回張
力は１　ｋｇ／　２５　ＩＩＩｍとすることが適当であ
るといえる。

次に、実変圧器鉄心形状とし、初期巻回張力を１　ｋｇ
／　２５　＋ｎとして、巻回過程で巻回張力を低減した
鉄心を製作した。巻回張力は鉄心の半径外側方向に関し
ほぼ一様に低減している。

第２図は上記鉄心の巻回張力の低減が励磁損失に及ぼす
効果を示すものである。第２図において、横軸はＲ−（
終期巻回張力）÷（初期巻回張力）としたとき、巻回張
力低減率−１−Ｒで定義されるものであり、縦軸は電源
周波数６０Ｈ２磁束密度１．３Ｔにおいて、励磁損失比
−（あるＲにおける励磁損失）÷（Ｒ−１における励磁
損失）で定義されるものである。

第２図をみると、巻回張力低減率を０．２５以上とすれ
ば、励磁損失は巻回張力低減率−〇　（Ｒ−１）の場合
より１割強減少することが分る。

巻き締りは鉄心積み厚が大きいほど強く生じるので、厳
密には積み厚が大きい程巻回張力低減率を大きくすべき
であると考えられる。しかし、第２図における鉄心は実
変圧器鉄心の代表的な形状のものであるから、これによ
って得られたデータをもとに推論しても、実態と大きな
相違は生じないとみてよい。

非晶質合金を用いた鉄心の巻回条件は、第１図より初期
巻回張力を約１　ｋ／　２５　ｍ＋ｓとし、第２図より
巻回張力低減率０．２５以上（したがって終期巻回張力
０．７５ｋｇ／２５關以下）とするのが適当であるとい
える。

一方、巻回張力低減率をあまり大きくすると、巻回張力
が小さ過ぎるときの問題点が生じるおそれがあるので、
第２図の特性カーブの範囲内に押えておいた方がよい。

本実施例における巻回張力低減に関する設備関係は図示
していないが、巻回張力制御機構を有する巻回装置を用
いた。この巻回装置は、初期巻回張力、巻回張力低減率
とともに可変であり、鉄心の外形寸法を検出し、このデ
ータをもとに巻回張力を調整するようになっていて、鉄
心外径が増加するにつれて、巻回張力が低減する（低減
させないで一定に保つこともできる）機構を有している
。

［発明の効果］ 本発明によれば、巻き締りによる問題点（励磁損失の増
加、鉄心内側部におけるしわの発生、鉄心軸方向の端面
が不揃いになる等）を解消できるとともに、巻回張力過
少による問題点（占積率の低下、形くずれしやすい）の
発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモデル鉄心を用い巻回張力を一定にしたときの
励磁損失比と巻回張力の関係を示すグラフ、第２図は実
変圧器形状の鉄心を用い初期巻回張力を１　ｋｇ／　２
５　ａｍとし、巻回過程で巻回張力を低減しながら巻回
したときの励磁損失比と巻回張力低減率の関係を示すグ
ラフである。 Ａヒ丘Ｄ　男にカイら７Ｎ手

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 非晶質合金を巻回して鉄心を製作する方法において、前
   記非晶質合金の幅２５ｍｍ当りの初期巻回張力を約１ｋ
   ｇとし、巻回とともにほぼ一様に巻回張力を低減せしめ
   ていき、鉄心巻終りの終期巻回張力を前記初期巻回張力
   の７５％以下とすることを特徴とする非晶質合金を用い
   た鉄心の巻回方法。